
カンパチ ( 勘八、間八 )
- Seriola dumerili ( Risso,1810 ) -
今日のお魚は、カンパチ ( 勘八、間八 ) 。
このの個体は、とても小さい幼魚で、「 汐っ娘 」なんて可愛らしい愛称で呼ばれています。
写真だけ見ると60センチクラスの立派な大人に見えるけど、全長28センチ。伊豆産です。
カンパチの幼魚は日本中で様々な呼び方があって、バラエティに富んでいて面白いです。
水揚げの港の数だけ呼び名がある、なんていわれるくらい沢山ありますね。
関東だと、こんな30センチクラスだと、「汐っ子」と呼ぶ所が多いように思います。
今回のは、魚屋のオヤジさんが、「娘」の字を充てて、「 汐っ娘 」という名札を付けていたので、
それに倣って、今日は、この可愛らしい「 汐っ娘 」という名前にしておきましょう。(笑)

汐っ娘( カンパチ ) の和風カルパッチョ
今回は、28センチなので、中型のメバルみたいなサイズね。
それなので、一尾丸ごと塩焼きや、煮付けにしようかとも考えたのですが、
カンパチは小さくても旨味が強く美味しいお魚なので、
このサイズのお刺身がどの程度の味覚になるか、確認してみたくて、お刺身で味わう事にしました。

まずは、三枚に卸して皮引き、そして半身をカルパッチョにしてみました。
そもそもカルパッチョは、イタリアで、牛肉料理から始まっていて、
チーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)とソースをかけた料理で、本場では肉料理のひとつなんだそうですね。
それを日本で魚料理にアレンジして一気に流行ったと言われてます。
最初にこれを考案しメニューに乗せたのが、「ラ・ベットラ」の落合務氏だといわれてます。
それがお刺身ブームにより、イタリアに逆輸入されて、魚のカルパッチョか殆ど無かったイタリアに、
魚のカルパッチョを提供する店も出て来たなんて言われてます。
ということで、こんな刺身のカルパッチョは、名前はイタリアンだけど、日本育ちの最近の料理という事なんですね。
今ではカルパッチョは、和洋折衷の日本風アレンジの代表的な料理法と言われているようです。

カルパッチョソースのキホンは、オリーブオイルで大蒜と鷹の爪を弱火で炒め香味立てして、
粗熱をとってから、醤油、白ワインビネガー、玉葱スライスを浸し寝かせておちついたら、ドライパセリ、胡椒を加えて造ります。
今回は、このキホンを踏襲しつつ、胡麻油、黒酢、そして酸味のカド取りに少量の蜂蜜で造ってみました。
という事で、和風カルパッチョというタイトルにしています。
オリーブ油でなく、胡麻油を使うだけで、急に和風テイストに仕上がりますね。

お刺身を盛り付けて、たっぷりの玉葱スライスと、万能ねぎの小切りを乗せ、造ったソースを振ってます。
仕上げに、駄目押しの黒胡椒をガリガリして、かぼすをジュっと搾って、完成~ 。

カンパチの魚肉は、とても硬く噛み応えのあるタイプです。
個人的に、噛まずにとろけるタイプより、しっかり噛みしめると旨味が滲み出て来るこういうタイプが好みなの。
「汐っ子」も、小さいとはいえ、シコシコ硬さのある素敵な食感で、カルパッチョソースとの相性も良く、美味しかったです。
しかし、小さくても美味、とはいえ少し旨味不足なのは感じました。
できれば、45~50センチ以上のサイズが欲しいところですね。
まあ、欲張ってはいけないですけどね。。

汐っ娘( カンパチ ) 長芋とホースラディッシュ和え
半身を、カルパッチョにして、とても美味しかったので、残りの半身もお刺身で頂きました。
このブログではお馴染みの、ネバネバ&ハリハリのとろろ和えです。
カルパッチョは薄切りで、こちらは、まぐとろ を意識して、ブツ切りね。
とろろ和えは、やっぱりこんなブツ切りが似合うわね。

擂り鉢の底にワインビネガーと薄口醤油を溜めておいて、その擂り鉢で長芋をゴリゴリすりおろします。
摺り卸したとろろが、そのまま酢に落ちるので、空気に触れて茶色に変色する事もなく、この方法はお勧めです!
続いてホースラディッシュ もゴリゴリして、だし汁を加え濃度調整。
それを数分間スリコギして、長芋の粒子を細かくして旨味を引き出します。 ← 重要! 根気よくスリコギすると美味しさが違いますよ。
塩、白粉胡椒で味覚調整して、万能ねぎとお刺身をザックリ和えて、完成~。

長芋の純白の色合いのとろろにしたいので、濃口醤油や、黒酢などは使わないので、
真っ白になって爽やかなビジュアルになりました。
しかし、しかしですよ。このブツ切りは、硬~い! 顎が痛くなるほどの噛みごたえでした。
硬いお刺身が好きなわたしでも、ものには程があるわね。
次回は、もう少し薄く切ろうと思います。
でも、ネバネバ&ハリハリのとろろと良く合って、味覚はとても良かったわ。
わたし的には、カルパッチョより、こちらの方が好みだったです。

胃袋の黒酢和え
カンパチの胃袋を、内容物をこそぎ出して良く洗浄、さっと茹でて、再び洗浄してから千切り。
黒酢、醤油、胡麻油で和えて30分くらい馴染ませて味わいます。

胃袋は、程良い苦味と、独特の味覚が魅力です。
箸休めや、酒肴にはとても良いのですが、
唯でさえ少量しか無い胃袋で、しかもちっこい汐っ娘なので、一口で食べ切ってしまう量なのが残念です.....

汐っ娘( カンパチ ) の辛味噌スープ
お刺身で味わった後の兜と粗は、辛味噌スープで味わいました。
もう少し秋が深まると、ブリ大根ならぬ カンパチ大根も良いものですよね。
とても良い出汁が出て、根菜類がとても美味しく味わえるので、わたしも大好きなの。
でも、ブリ大根なら、もう少し大きいサイズの方が濃厚な出汁が期待できて良いと思いますけどね。。

今回は、豆板醤と、十石麦味噌を使った辛口の汁物にしました。
十石麦味噌 は、群馬のチベットなんて言われる、御巣鷹山の里、上野村の特産品。
我が家では、古くから使っている馴染みの味噌なんですよ。素朴で質素、ひんなりした素敵な味覚なの。
上野村の特産の猪豚料理などで使われています。

汐っ娘は、おこちゃまでも、流石にカンパチ。
とても良い出汁が出て、美味しい辛味噌スープが味わえました。
ちいさい汐っ娘だったけど、いろいろ確認しながら、楽しみながら、一尾完食 !
おこちゃまでも、歩留りが良いので、たっぷり味わえました。
大切な命を、貪欲な人間に捧げる 幼い汐っ娘 の為にも、余すところなく味わってやりたいものですね。
美味しかったです。ごちそうさま~ (^。^)/
☆ ☆
昨日は、オリンピックの東京開催が決まり、その話題で持ち切りでした。
7年後の開催に向けて、夢のある良い話題だと楽しみにしています。
これを起爆剤に、震災復興、汚染水問題などを含めて、世の中明るい方向へ向かうのを期待したいです。
わたしも何かお手伝いできることは無いか、少し考えたいです。
七年後、いったい自分はなにをしているだろうか、いろいろ考えてみるよい機会になりましたね。
わたしは不慮の事故さえなければ、七年後ならまだ元気いっぱいでいられるはずです。
でも、このブログが七年後も続いているかは、かなり怪しいです。
「肉食系おばちゃんの養生日記」なんてタイトルになってたりして.....。(笑)
☆ ☆ ☆ ☆
昨日は、目黒のさんま祭り のニュースも話題になっていましたね。
今年は、不漁で何時も使っている三陸宮古水揚げではなく、根室から7万本を運んで開催されたようです。
こんな時こそ復興支援で三陸の秋刀魚を使いたいものなのに、皮肉なものですね........。
ニュースを見ていてケチつける訳ではないけど少し気になった事。
みなさん、「旬だから、脂がのってて、美味しい~ 」と言ってますけど、脂のってますかねぇ??
まだまだ脂ののりは不十分で細い秋刀魚ばかりのように思うのですが....
最近のTVのグルメ番組などでは、美味しいと表現するところを、「脂がのってる」と言うのが普通になっている様に思います。
ゲストのタレントなどが口を揃えて「脂がのってて、美味しい~」を連発するのに、辟易としています。
それと、同様にお刺身なども同様、美味しいと表現するところを、「甘い~」と言うのが、多いですね。
もう少し違う表現ができないものでしょうか?
「脂がのってる」と「甘い」という形容詞が、TVのグルメ番組を支配しているようです。
天邪鬼なわたしなどは、脂がのってて、甘いのが美味しくて、それ以外は美味しくない、という風に聞こえてしまいますね。
そういうわたしも、ボキャブラリー不足で、良く「脂がのってて、美味しい~」、、「甘い~」をつかってしまうのですが、
味覚を言葉にあらわすのは難しいけど、できれば使いたくない言葉になってしまいました。。
ちなみに秋刀魚は、まだまだ脂ののりの少ない爽やかな味覚が味わえる段階だと思います。
九月も月末くらいになって、海水温が下がると一気にグッと脂がのり、「脂がのってる」「甘い」状態のものが出回ると思います。
◆ ◆ ◆
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写真を見ると生意気そうな、カンパチ君ですけど。(笑)
へぇ~っと思ったのは、カルパッチョのルーツ。
よくテレビに出てる冗談好きチャキチャキの下町シェフも、やるときはやるもんですねぇ。
個人的には、マスコミが、「ラ・ベットラ・オチアイ」をちやほや持ちあげすぎてるのがウザくて遠慮したいところですけど。
「日本一予約が取りづらいレストラン」なんていう肩書もムカついたりして。(笑)
カルパッチョは、私も胡麻油を使う事が多いです。
特にブリなどには、胡麻油が合う気がします。
イワシなどは、オイルサーディンのイメージが強くオリーブオイルが美味しいと思ってます。
皆さん冷めているようでいて、決定したらとても喜んでるなぁ。
カンパチは小さくても美味しいと思う。
でも50センチくらいになると一段と旨いんだなぁ。
ブリだと50センチ以下(イナダサイズ)だと、刺身は厳しいな。
照り焼きや、味噌漬けなど、強い味付けを加えないと美味しくないね。
わたしは あまりこりこり系は ちょっと苦手で かんぱちも塩焼き、、というところなので
きっと 本当に美味しい食べ方を
してないのでしょうね~
カルパッチョの逆輸入~
へえ~あの落合さんが、、と興味ぶかいです~
こちらにも 逗子にレストランあり
いちじは 予約が取りにくかったですよ~
お料理もそうですが 果物も甘いばかりがいいようになってきて、、
野菜もしかりで、、
トマトなども 少し酸味もあり青臭さもあり
甘みもつよい、、というのが 昔はありましたが、、
なにしろ トマトが大好きなので
残念に思っているのですよ~
落合シェフは、TVにでる料理人で一番ラフで大雑把な感じよね。
テレビ出演や地方回り、社長業に忙殺されて、あんまり厨房には立って無いのが透けて見えます。
しかし「和風カルパッチョ」の創作者として後世に名を残すかもしれないですね。
「なんちゃって料理」を確立したグッチ裕三と、ほぼ似た立ち位置で頑張ってます。(笑)
7年後。どんな世の中になっているでしょうか。そして、その頃の私の体重が気になります ??????
鶲さんは、7年たっても、まだ24歳! まだまだ小娘ですね ! 、ギャハハハハぁ~ \o(^▽^)o/
しっかり噛みしめると旨味が滲み出て来る‥はるさんです(・"・)
カンパチ、“汐っ子”だなんてずいぶん可愛らしい名前~♪
地方によって呼び名が違うようですけど‥
このサイズだとこちらではフクラギかな?
温暖化のせいなのか2~3年前からこちらでも釣れるようになって、
わたしも40センチ弱を釣ったことがあります。
今年はヒラマサも上がってるようで‥もう訳がわかりません。
そのうち、マグロも釣れたりかも‥!?
実は今週末アタリ、狙いに行こうと思っているんですよ。
ただ、お魚さんは気まぐれ‥釣れるかな(^^)
釣れたらぜひともこのレシピ、作りたいと思います。
長芋とホースラディッシュの組み合わせ‥美味しいでしょうね(^O^)
写真を見ると、「 汐っ娘 」って、ナマイキな顔してるよね。オトナと同じ雰囲気。
落合シェフは、TV出演や地方回りと大忙しみたいね。宣伝効果は大きいと思うわ。
「ラ・ベットラ」は行った事は無いけど、色々なメディアに露出してるので、行った事があるくらい見慣れてるわ。(笑)
事業として、あのくらいやれば大成功という感じでしょうね。
今回の28センチ、中々美味しかったけど、少し旨味不足なのは感じたわ。まあ、納得レベルですけどね。
ブリでこのサイズだと、アニキが言う様に、お刺身は少しキツいでしょうね。。
イナダはリーズナブルで何時でも買えるけど、なかなか買って来ようという気になれないのよねぇ。。
カマと兜なら買っても良いけどね。(笑)
好みは人それぞれですけどね。
カタナンケさんがブリ系がイマイチなのは、何となく解るような気がするわ。
ブリ三兄弟は、人気は高いけど、嫌いという人もかなりいるのも事実ですね。
ここ10年くらい、「マイルド」とか、「優しい味覚」みたいなキャッチコピーを付けた食品が多いわね。
でも気になるのは、レモンなどで、マイルドでソフトさを売りにしてるのがあって、
レモンは尖った刺激が魅力なのに、甘くてソフトなレモンなんて存在意味が無い、なんて思ってしまうわ。
言われるように、トマトとかも野性味あふれるワイルドなのは今や希少価値ね。
みんな甘っとろい軟弱なのばかりになってしまった....。そういうのが売れるからなんだろうけどね。
グッチ裕三は、今や料理系バラエティーの大スター。(笑)
なかなか成功しているし、向いているように思えますね。
「なんちゃって料理」と言いながら、なるほどと思うのもあったりして、結構役立つのもあったりするわ。(笑)
でも、そろそろマンネリ化して、最初の頃の様なインパクトは薄れてきたね。
フクラギですか。どんな意味なんでしょうねぇ。。
今年は海水温が下がらずに、かなり魚の大移動もあるみたいですね。
これから秋には、思わぬ南の魚がやってくるのではないかと期待はしてます。
でも逆に今までいたのが、どんどん北上しちゃったら困りますけどね。
スーパーに、秋鮭が並びだしました。
真鱈子や真鱈の白子も、もうなかなかのサイズのが出回って来て、季節の移ろいを感じます。
はるさんところは、そろそろ秋鮭の季節ではないですか?
今年も沢山釣って下さいね~期待してます!