左官屋ルークの日記

一左官職人が愛犬「ルーク」の名を借りて、本業の左官職や趣味、家族愛について語る。

秋だね

2012-08-27 21:54:30 | 本職

今年の夏は残暑が厳しい。というかもう何日も雨らしい雨が降っていない。

よりによってこの時期に屋根工事だ。約一月、毎日といっていいほど屋根の上。

材料はアスファルト系のシングル材。

あまりに強い日差しで材料がとろけそうである。写真はやっとのこと既存を剥がし、

ルーフィングを張り終えシングル材を張り始めたころの昼休み。

新しいシングル材の上でごろ寝。樫の木の木陰が僕を包む。

・・・・・・なんとやさしい日差し、さわやかな昼休みだろう。

 

本職は左官屋だというのにルークは建築全般に興味があり

なににでも手を出してしまう。木工事、板金、クロス、防水、とにかく好きなんだ。

今回は屋根工事だ。

ルークはこの業界ですでに35年以上経つが、

もし永遠に若さを保ち生きられるなら建築全体を網羅したいし、造ることなら何でもやってみたい。

皮肉にも人生は一つのことを極めるにしても短すぎる。

やっと左官とは何か?少しわかってきたにもかかわらず、ほかの誰かの左官技術を見てはため息をつく。

なぜこんなに深いのか。

左官一つでもこのように感じるに、この広い世界にはどれほど興奮をそそるものがあるのか。

夏も終盤、仕事も終盤。毎日相変わらず猛暑だが、上空は秋の気配だ。あの同じ空が秋を感じさせる。

 


マンサード屋根

2012-08-24 15:31:57 | 本職

6月初旬より着工した「ガボン大使館」の外装。

かなり年数が経過しており、シングル材が剥がれかけていた。

(シングル材とは、厚いアスファルトルーフィングを基材としている屋根材のこと)

建物の形状はマンサード屋根で、2階部分の外装が屋根材でできている。

「マンサード」? 聞きなれない建築用語だ。「おれ屋根」とも言うらしい。

 樋は一階と二階の破風の内側に付いており、見ての通り破風で隠れている「内樋」だ。

「内樋」は樋が隠れているので建物全体の外観をよくするが、

排水升に枯葉とか、堆積物が詰まると雨水がオーバーフローして、

軒下や、建物本体に流れ落ち雨漏りの原因になる。

結構致命的な被害に及ぶ。こちらの建物はその典型的な例だった。

下の写真で確認できる通り軒全体が腐食して今にも落ちそうだ。

オーナー様からの依頼で現調したが、復旧できるだろうか?心配だった。

まてよ!ルークは左官屋ではなかったのか。