食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

味覚の変調とインシュリン

2018-09-06 06:27:41 | 日記

 昨日の投稿に関連して、「歯科基礎医学会」の抄録に興味を引く抄録がありましたので、コピペ、しました。 この研究を広げてゆくと、味覚障害、糖尿病と味覚障害、悩み事や発熱時など何を食べても美味しく感じない(昨日の抄録にも絡みますが、自律神経も関与)、状態の解明の一助になるかもしれません。  ちなみに、味覚障害と味音痴は全く別でして、味音痴の方は(僕も含めて)、身銭を切って美味しいものを食べましょう。  

  以下~~ 九州大学【 インスリンシグナルは味細胞の分化・増殖に関与する 】  本研究では,全身のエネルギー代謝に重要 な役割を担うホルモンであるインスリンに着目し,その末梢味覚器における働きを探索した.ま ず,RT-PCR と免疫組織化学的解析の結果,インスリンレセプター(IR)はマウス味蕾において甘 味感受性味細胞(Tas1 R3 陽性細胞)や酸味感受性味細胞(GAD1 陽性細胞)を含む味蕾全体に広く 発現していることわかった.さらに,新たに開発された 3 次元幹細胞組織培養系である味蕾オル ガノイドを用い,インスリンシグナルの味細胞の分化/増殖過程に対する影響を検討した.その 結果,培地中に添加したインスリン濃度依存的にオルガノイドコロニーに含まれる味細胞の数, 各種味細胞マーカー mRNA(nucleoside triphosphate diphosphohydrolase-2,Tas1 R3,gustducin, carbonic anhydrase 4)の発現量が有意に減少することが明らかとなった.また,インスリンによっ て活性化され,細胞分裂や生存などの調節に関わる mammaliantarget of rapamycin(mTOR)経路を 薬理学的に阻害するとこの減少効果は抑制され,コロニー中に含まれる味細胞数の有意な増加が 認められた.以上の結果から,インスリンは末梢の味細胞に発現する IR を介して直接作用し,下 流の mTOR 経路を活性化させることで味細胞の分化/増殖を調節している可能性が示唆された.


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