静岡で生まれた僕は4歳のとき、
ほんの数ヶ月だけ横須賀に居たことがあります。
このほど、遠州にご縁を頂き、何度か通いましたが、
遠州にも横須賀という地名がありました。
その遠州横須賀から一通の招待状。
4月第一土曜日に開催される
遠州横須賀の祭り・三熊野神社大祭
での祭礼交流会のご案内でした。
このお祭りは享保年間、
江戸で流行した祭りを参勤交代で江戸から戻った藩士が
遠州横須賀に持ち帰って始まり、
大戦中も休むことなく続けられたという伝統行事だそうです。
ところが、
年度を挟むこの時期は、まだまだ厳しい日程が続くのが通例
しかし、何か「予感」がして
清水の舞台を飛び降りる思いで
(業界人なら大袈裟ではないことをご理解いただけるものと…)
出席のご返事をしてありました。
その後、震災…
旅行キャンセルの防止を呼びかけている僕が
折角のお誘いをキャンセルしては何にもならないと
頑張って出かけました。
何度も行程を検討してみましたが、
旅費は当然自腹なので
旅費と前後日程の関係で
7日早朝発、当日戻りしか成立しそうにありません。
土曜日金沢駅発5:24始発のしらさきで米原へ
その後新幹線を名古屋で乗り換え浜松へ
浜松で東海道線で袋井へ
ここから路線バスで御前崎方面へ
かつて袋井からは軽便鉄道がありました。
その名残も見られません。
片道約6時間。
平均乗り換えは1時間半なので、
うっかり居眠りもできません。
![三熊野神社の桜](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_01ss.jpg)
こうして着いた遠州横須賀は
昨夜の兼六園とは違い、既に葉桜
(いつものように写真をクリックすると拡大します)
![三熊野神社祭礼の旛](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_02ss.jpg)
快晴とは行きませんが、
程よい天候で中々良い祭り日和です。
旛も春の風を受けて
朗々とはためいています。
![境内](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_03ss.jpg)
三熊野神社門前の旧街道ではあちらこちらで
祭人らの輪ができて昼前から既に宴会
境内でも春を寿ぐかのような
ゆったりとした雰囲気です。
驚いたのは、子らの多いこと
どうもこの祭りは子どもたちの参加が
重要な位置を占めているようです。
![祢里と呼ばれる山車の勢揃い](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_04ss.jpg)
境内には既に十三台の祢里と呼ばれる「屋台」が勢揃いをしていました。
どれも華やかに飾られています。
![ネリと桜](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_05ss.jpg)
日本の祭礼は、どの地域のものも色彩が豊かです。
こちらでも葉桜とともに
それを凌ぐかのように
何と豊かな色彩のお祭りです。
![ダシ](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_06ss.jpg)
ネリ(祢里)の頂上には
ダシと呼ばれる飾りがあります。
これは、十三町ごとに異なるもので
永年使われているそうです。
後から判ったのですが、
この日は午後から雨の予報
このため、ビニールを掛けるための
鳥かごのような金具がついています。
![席を取るおばあたち](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_07s.jpg)
祢里が練り歩く街道沿いには
お年寄りが見物の席取り
温かい日差しを浴びながら
お話にも花が咲いています。
![江戸の香り](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_08ss.jpg)
三熊野神社大祭は、江戸の粋とも言われている祭礼です。
神田の祭礼ともゆかりがあるそうで
なんとなくお江戸の雰囲気があります。
![交流会場](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_09s.jpg)
さて会場は街道沿いの老舗旅館
風情があります。
この交流会は、席次も自由で
全くの無礼講だとか
![交流会場から祢里の眺め](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_10s.jpg)
会場の二階からは祢里のダシが目前に見えます。
まさに特等席
早めに陣取った僕は
中ほどの島の下の方に座りました。
交流というからには
たとえ初めての席でも
隅っこには行かない主義です。
が、何故か両側に誰も座りません(^^;ゞ
座りにくいオーラでも出しているのかなぁと
ちょっと心配になっていると…
横須賀城主末裔の御当主の西尾さんが隣に…
相当なご高齢とお見受けしましたが
お元気お元気
「ご城主」の挨拶で交流会が始まりました。
ややあって反対側の空席にもお一人
後から判りましたがこの方は
元回船問屋で今でも名庭園が残るSさんのご当代…
いやはやとんでもない席…(^^;ゞ
ご城主とは、何故か意気投合
お歳には似合わない少年の瞳をされていて
色々なお話を伺うことができました。
このような交流会を十年来続けておられること自体
この地域の底力を垣間見る想いです。
最後には僕の膝を叩きながら
「来年も来いよ。ワシも生きとる限り来るから」と
あり難い暖かなお言葉を頂きました。
![練り歩く祢里](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_11s.jpg)
交流会を終えて街道に出ると
祢里が少しずつ練っています。
この祢里を引く曳き子の囃子は
三社祭礼囃子といい、
ハッハ。シタッ、シタッ シタッ、シタッァ
と、それはそれは名調子
ブログではお伝えできないのが
何よりも残念。
この三社祭礼囃子は静岡県無形文化財指定第一号なのだそうです。
![囃子と子どものおたふく](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_12s.jpg)
祢里の上ではひょっとこ・おふたくの面をつけた子らが
絶妙な踊りを披露しています。
お囃子の太鼓も子どもたちが主役
![ホームページでは有名な笠井屋さん](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_13s.jpg)
遠州横須賀・三熊野神社大祭で検索すると笠井屋さんのページがあちこちに…
地元の方に伺うと、それはそれは大変なお祭りきちとのこと
お店はこちらです。
こういう方々が祭礼を支えています。
![栄醤油](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_14s.jpg)
遠州にご縁を結んでいただいたKzmさんに案内していただいたお醤油屋さん。
完全な天然・伝統製法を守っておられます。
お土産に求めた「卵かけご飯用醤油」
戻って頂いた味はの甘く、味わい豊かでした。
往復12時間、滞在僅か4時間
来年もお呼び掛けを頂いたら
今度は宿泊して夜祭も堪能したい
と思うお祭りでした。
●参考ページ
◎公式系
・三熊野神社大祭(掛川市)
・遠州横須賀 三熊野神社大祭(三社祭礼囃子保存会公式ページ)
・祭りで繋がる江戸の粋(千代田day's)
◎ねりきちさんのページ
・新屋町(あ組)発 遠州横須賀 三熊野神社大祭(笠井屋さんのページ)
・遠州横須賀 観歩記(笠井屋さんのページ)
・遠州横須賀・あれこれ書き連ね(笠井屋さんのブログ)
◎ブログ
・三熊野神社大祭に行ってきました。(2006-04-11:「考古学者のひとりごと」吉村作治先生のブログ)
⇒エジプト考古学で有名な吉村先生も昨年行かれたそうで、ブログには何枚も写真が…
・遠州横須賀 三熊野神社大祭 め組(matubaさんのページ)
・遠州横須賀の祭り・三熊野神社大祭(鈴木さんのページ)
ほんの数ヶ月だけ横須賀に居たことがあります。
このほど、遠州にご縁を頂き、何度か通いましたが、
遠州にも横須賀という地名がありました。
その遠州横須賀から一通の招待状。
4月第一土曜日に開催される
遠州横須賀の祭り・三熊野神社大祭
での祭礼交流会のご案内でした。
このお祭りは享保年間、
江戸で流行した祭りを参勤交代で江戸から戻った藩士が
遠州横須賀に持ち帰って始まり、
大戦中も休むことなく続けられたという伝統行事だそうです。
ところが、
年度を挟むこの時期は、まだまだ厳しい日程が続くのが通例
しかし、何か「予感」がして
清水の舞台を飛び降りる思いで
(業界人なら大袈裟ではないことをご理解いただけるものと…)
出席のご返事をしてありました。
その後、震災…
旅行キャンセルの防止を呼びかけている僕が
折角のお誘いをキャンセルしては何にもならないと
頑張って出かけました。
何度も行程を検討してみましたが、
旅費は当然自腹なので
旅費と前後日程の関係で
7日早朝発、当日戻りしか成立しそうにありません。
土曜日金沢駅発5:24始発のしらさきで米原へ
その後新幹線を名古屋で乗り換え浜松へ
浜松で東海道線で袋井へ
ここから路線バスで御前崎方面へ
かつて袋井からは軽便鉄道がありました。
その名残も見られません。
片道約6時間。
平均乗り換えは1時間半なので、
うっかり居眠りもできません。
![三熊野神社の桜](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_01ss.jpg)
こうして着いた遠州横須賀は
昨夜の兼六園とは違い、既に葉桜
(いつものように写真をクリックすると拡大します)
![三熊野神社祭礼の旛](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_02ss.jpg)
快晴とは行きませんが、
程よい天候で中々良い祭り日和です。
旛も春の風を受けて
朗々とはためいています。
![境内](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_03ss.jpg)
三熊野神社門前の旧街道ではあちらこちらで
祭人らの輪ができて昼前から既に宴会
境内でも春を寿ぐかのような
ゆったりとした雰囲気です。
驚いたのは、子らの多いこと
どうもこの祭りは子どもたちの参加が
重要な位置を占めているようです。
![祢里と呼ばれる山車の勢揃い](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_04ss.jpg)
境内には既に十三台の祢里と呼ばれる「屋台」が勢揃いをしていました。
どれも華やかに飾られています。
![ネリと桜](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_05ss.jpg)
日本の祭礼は、どの地域のものも色彩が豊かです。
こちらでも葉桜とともに
それを凌ぐかのように
何と豊かな色彩のお祭りです。
![ダシ](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_06ss.jpg)
ネリ(祢里)の頂上には
ダシと呼ばれる飾りがあります。
これは、十三町ごとに異なるもので
永年使われているそうです。
後から判ったのですが、
この日は午後から雨の予報
このため、ビニールを掛けるための
鳥かごのような金具がついています。
![席を取るおばあたち](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_07s.jpg)
祢里が練り歩く街道沿いには
お年寄りが見物の席取り
温かい日差しを浴びながら
お話にも花が咲いています。
![江戸の香り](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_08ss.jpg)
三熊野神社大祭は、江戸の粋とも言われている祭礼です。
神田の祭礼ともゆかりがあるそうで
なんとなくお江戸の雰囲気があります。
![交流会場](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_09s.jpg)
さて会場は街道沿いの老舗旅館
風情があります。
この交流会は、席次も自由で
全くの無礼講だとか
![交流会場から祢里の眺め](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_10s.jpg)
会場の二階からは祢里のダシが目前に見えます。
まさに特等席
早めに陣取った僕は
中ほどの島の下の方に座りました。
交流というからには
たとえ初めての席でも
隅っこには行かない主義です。
が、何故か両側に誰も座りません(^^;ゞ
座りにくいオーラでも出しているのかなぁと
ちょっと心配になっていると…
横須賀城主末裔の御当主の西尾さんが隣に…
相当なご高齢とお見受けしましたが
お元気お元気
「ご城主」の挨拶で交流会が始まりました。
ややあって反対側の空席にもお一人
後から判りましたがこの方は
元回船問屋で今でも名庭園が残るSさんのご当代…
いやはやとんでもない席…(^^;ゞ
ご城主とは、何故か意気投合
お歳には似合わない少年の瞳をされていて
色々なお話を伺うことができました。
このような交流会を十年来続けておられること自体
この地域の底力を垣間見る想いです。
最後には僕の膝を叩きながら
「来年も来いよ。ワシも生きとる限り来るから」と
あり難い暖かなお言葉を頂きました。
![練り歩く祢里](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_11s.jpg)
交流会を終えて街道に出ると
祢里が少しずつ練っています。
この祢里を引く曳き子の囃子は
三社祭礼囃子といい、
ハッハ。シタッ、シタッ シタッ、シタッァ
と、それはそれは名調子
ブログではお伝えできないのが
何よりも残念。
この三社祭礼囃子は静岡県無形文化財指定第一号なのだそうです。
![囃子と子どものおたふく](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_12s.jpg)
祢里の上ではひょっとこ・おふたくの面をつけた子らが
絶妙な踊りを披露しています。
お囃子の太鼓も子どもたちが主役
![ホームページでは有名な笠井屋さん](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_13s.jpg)
遠州横須賀・三熊野神社大祭で検索すると笠井屋さんのページがあちこちに…
地元の方に伺うと、それはそれは大変なお祭りきちとのこと
お店はこちらです。
こういう方々が祭礼を支えています。
![栄醤油](http://www.neting.or.jp/photo/20070407_14s.jpg)
遠州にご縁を結んでいただいたKzmさんに案内していただいたお醤油屋さん。
完全な天然・伝統製法を守っておられます。
お土産に求めた「卵かけご飯用醤油」
戻って頂いた味はの甘く、味わい豊かでした。
往復12時間、滞在僅か4時間
来年もお呼び掛けを頂いたら
今度は宿泊して夜祭も堪能したい
と思うお祭りでした。
●参考ページ
◎公式系
・三熊野神社大祭(掛川市)
・遠州横須賀 三熊野神社大祭(三社祭礼囃子保存会公式ページ)
・祭りで繋がる江戸の粋(千代田day's)
◎ねりきちさんのページ
・新屋町(あ組)発 遠州横須賀 三熊野神社大祭(笠井屋さんのページ)
・遠州横須賀 観歩記(笠井屋さんのページ)
・遠州横須賀・あれこれ書き連ね(笠井屋さんのブログ)
◎ブログ
・三熊野神社大祭に行ってきました。(2006-04-11:「考古学者のひとりごと」吉村作治先生のブログ)
⇒エジプト考古学で有名な吉村先生も昨年行かれたそうで、ブログには何枚も写真が…
・遠州横須賀 三熊野神社大祭 め組(matubaさんのページ)
・遠州横須賀の祭り・三熊野神社大祭(鈴木さんのページ)