はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

原風景のこころ

2007-07-11 20:34:33 | 旅日記
みなさま
大変ご無沙汰しています。

6月の最後の週末は、山形県白鷹町に行っていました。


金沢から車で高速道路と国道113号線を使って、5時間

目指す中山地区は、さらに山の中です。
この地区の地域再生・活性化のアドバイスにと
お呼びを掛けていただきました。

夕もやに包まれる中山
到着した日の夕方、中山は夕もやに優しく包まれていました。

水が清く豊かなことが、この景色から伝わってきます。

しかし、さすがに東北。
蒸す感じはしません。

日は静かに暮れてゆきました。

白鷹山を望む集落と田園
町名にもなっている白鷹山は、中山からはどこからでも、
白鷹町の中心部からも望めます。

その山頂には、今から千三百年前
虚空蔵菩薩像が安置されているそうです。

現在は、隣接して気象レーダが設置されていますが、
これがまたどうしても仏像に見えるのですから不思議です。


中山集落内の茅葺民家の街並み
集落には茅葺屋根の民家が点在しています。
が、現代工法による住宅も増えています。
暮らし・維持費からすると、圧倒的に現代住宅が勝りますが、
カメラを構えるとなるとやはり茅葺屋根

写真の二棟のうち、左側の民家はお盆頃までに撤去され
関東地域で再生されるそうです。


新潟県との境・残雪の朝日連邦を望む
白鷹山に対して、西側には新潟県との境にあたる朝日連邦が望めました。
わずかばかりですが残雪が、清清しさを一層ましてくれるようです。

ここ中山には、失われつつある日本の原風景が辛うじて残されています。


超高齢化の波が押し寄せる山間の集落

訳知り顔の学者が高齢化率50%以上の集落を
限界集落と定義したそうです。

自分たちの集落が限界集落などと呼ばれて
元気の出るお年寄りがいるでしょうか?
無残なことを言うものだと残念でなりません。


それでもこの素晴らしい大地に
根を張って生きようとしている方々に
本当の限界集落とは、
住民同士の助け合いの気持ちがなくなり
祭礼や自衛消防などに参加する意識が
薄くなった地域のことだと
申し上げました。

高齢者が多いということは、
豊かな暮らしの智慧を持った方が多いのだということも


年内にあと数回お訪ねする機会をいただけそうですが、
その僅かな機会の中で自分に何ができるのか…


日本の原風景ばかりでなく、
そこに住む豊かな心も
完全に失われてしまうことの無いように
と思わずにはいられません。


この中山地区には、
原風景ばかりでなく、
私たちが失いかけているこころ

その両方が残されていること
人々との交流中からも伝わってきました。

いつの日か、このことに価値が見出され
本当にその意味が判る方々の憧れの地となることを願い、
素朴な人々の住む
まるで中国の故事の桃源郷そのもののような
この地を後にしました。


●参考ページ
“ここは田舎”白鷹山の村 ようこそ中山へ(中山地区中山間地直接支払推進協議会)
山形県西置賜郡白鷹町(役場ページ)


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2 コメント

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お久しぶりです^^ (さらさ)
2007-07-12 18:42:38
どの景色も素晴らしいですね。
ため息がでます・・。

便利さを追求するあまり
見失ってしまう豊かさ。

歳をとると田舎より都会の暮らしのほうが
安心・安全といわれますが、

やはり、豊かな自然にこそ豊かな心は養われる
老後こそ、このような土地で暮らしたいものです。

いらんところに、お金をかけるより
いかにして、このような場所を守り
老若男女がともに暮らせる環境を整える・・・・

って方向、考えてほしいですね。
おひさしぶり (ての)
2007-07-12 21:13:35
限界集落という言い方をするのですか。たしかにおっしゃるとおり本当に限界なのはそこに生きる人々に連帯感や希望が失われた場合なのかもしれません。
ここはバイクトライアルやパラグライダーが楽しめるのですね。風景がなんともいえず懐かしく、行事も典型的な農山村という印象を受けました。フラワー線という鉄道もあるようですし、私も輪行しようかな、などと思ってしまいました。とはいえ、宿泊施設がないのかな?
それにしてもこうした集落を維持する方策は?と自らに問うと、暗澹たる気持ちになります。人口を維持するには産業が必要。でも、こうした地域の産業の基幹である農業は単純な価格競争では明らかに競争力がない。難しい課題に挑戦されるのですね。なにかいい方策を思いつかれるといいのですが…ご自愛のうえ、奮闘を。役に立たない横からの声援で失礼。