はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

10日後の山形・宮城:その2

2008-07-07 22:45:34 | 旅日記
前の記事からつづく(2008-07-07)

◎かみのやま温泉
山形県上山市のかみのやま温泉は、もちろん何事もない様子でした。
かみのやま温泉・山城屋
この日は、予てから憧れていた斉藤茂吉ゆかりの「山城屋」さんに宿泊。
木造の風情のあるお宿です。


山城屋さんの縁側
この日は、本館の一番奥のお部屋に通していただきました。
縁側からはご自慢のお庭が一望できます。

山城屋旅館

この日の夕食は、地元の知人らとの会食です。
彼らのお勧めで上山城の近くで野菜中心の料理を提供している「彩食料理・折鶴」さんに。
丁度武家屋敷が並ぶ古い町並みの通りの月岡ホテルさん側にありました。

こちらも基本的にお昼しかやられていないとのこと。無理をお願いしてくれたそうで、有難いことです。
折鶴さんのご馳走の一部
お名刺には、「野菜ソムリエ・雑穀エキスパート」とあります。
ハウス食品・朝日新聞主催の第一回料理コンテストで金賞・グランプリを受賞されたそうです。

写真にはほんの一部しか写っていませんが、次から次へと地元の旬の野菜を生かしたお料理が出て、すっかり堪能いたしました。
シェフの粟野さんは、野菜ソムリエだけあって旬や効能は勿論、その野菜の持ち味を生かした調理方法など、さまざまな薀蓄も語っていただき、勉強になりました。
温泉に癒しに来ても、夕食が美食系大ご馳走で、身体に良くなければ何をかいわんやですよね~。

折鶴ご主人のブログ

山形といえば、盆地のため夏が極端に暑い地域です。
このため独特の味覚があります。

中でも虜になったのが「冷やしラーメン」
レーメンのことではありません。
熱いラーメンがそっくりそのまま冷たい。
熱いラーメンをそのまま冷たくするとラードが固まって白くなってしまいますし、麺が美味しくありません。
山形の冷やしラーメンは、これらの「課題」を全てクリアしていて、パッと見はごく普通のラーメンです。
が、美味しいんです。これがV(^^)v

ところで、今回の二次会は近くのラーメン屋さんで、冷やしではなく、納豆ラーメンをいただきました。
そしてこれが中々いけるのです。
納豆のほのかな香りがむしろ香ばしく感じられ、和風だしと相性ばっちりでした。

上山でも深夜まで仲間が集い、談義に花が咲きました。

ただ、残念なことに、被災地から遠く離れたここかみのやま温泉でもキャンセルがあるそうです。

かみのやま温泉(観光協会)

●27日:上山→さくらんぼ狩り・こんにゃく番所→白鷹→米沢
この日は、そのまま帰っても日中一日かかってしまうので、休暇を取って上山から米沢に掛けてプチ観光です。

◎さくらんぼ狩り
高橋フルーツランド
以前、地元の方に紹介してもらった高橋フルーツランドさんでは、今がさくらんぼの旬。
朝少しのんびりして、向かいました。



高橋フルーツランドのさくらんぼソフト
早速、さくらんぼ狩りをするのではなく…(^^;ゞ
まず、カフェで一服。
さくらんぼソフトをいただきました。

左党の癖に、ソフトクリームが好きなんです。

このソフト。なかなかすっきりと美味しかったです。
それにカフェの凄く若い店員さん、とっても美人で気さく。
この土地が大好きな様子で、しばらく話し込んでしまいました。

さくらんぼ・佐藤錦
最初の写真に写っている赤い帽子に青いシャツのお父さんが、さくらんぼ狩りの案内役でした。
つい数日前から佐藤錦が急に甘くなったばかりとか。
ナポレオンは未だ少し早かったようですが、どの木のどこをもいでも美味しい~。甘い~。

完熟した紫色のさくらんぼ
のんびりしていると、おじさんがひょいとくれたのが、これ。
完熟していて商品としては出せないんだそうですが、甘いのなんの…
喉が痛くなるほどの甘さでした。
ん~。最高V(^^)v

高橋フルーツランド

◎こんにゃく番所
さくらんぼ狩りをしてすぐ昼食とは挑戦的ですが…
楢下宿の手前にある丹野こんにゃく番所に本懐石膳の予約をしてあります。
13品で4,200円。ほとんど全ての料理がこんにゃくで作られているといます。
しかも、食感・味覚とも本物そっくり。
イセエビのお造りなどは、うなってしまいました。
車でなければ一杯やりたくなるコースでした。

最後のデザートまでこんにゃく…

こんにゃく料理ですから、とてもヘルシーですが、特に男性には良いのだそうですヨ。

楢下宿 丹野こんにゃく番所

◎またまた白鷹
上山から白鷹へ抜ける国道348号は、今では慣れた道になってしまいました。
白鷹をわざわざ経由したのは、訳があります。

いつも、白鷹町の中心部、荒砥から長井へ少し国道287号を南下したところにある農産品直売所・ドリーム農園で、お土産を買うためです。
ここは、近辺の道の駅などよりもしっかりした物が並べられていて、わざわざ立ち寄る甲斐もあります。


◎米沢
なんで米沢かというと…
子供が小学生の頃、初めて買ったワゴン車でお盆休みに東北を走ったことがあります。
早いもので十数年前。
米沢駅前のお肉屋さんがやっているお店で食べたすき焼きを「もう一度食べたい」と思ったからです。

肉の大河原

先ずは、米沢城跡にある上杉神社にお参り。
するとどうでしょう。「愛」と大きく書かれた兜に『「天地人」大河ドラマ2009年放送決定』とある幟が…
上杉の参謀だった直江兼続(なおえ かねつぐ)という武人の物語のようです。

愛のどら焼き
謙信が「義」をもって政に当ったのに対し、愛を旨として人に接したそうです。
『戦国の世にこころ優しき男がいた。そんな男に会いたくなったら…米沢へ』とポスターにあります。

駅前のお店には、兼続の「愛」をあしらったどら焼きも売られていました。
米沢は、今年から来年に掛けて「愛」一色になりそうです。
直江兼続(大河ドラマ「天地人」米沢市推進協議会(米沢市総合政策課))

さて、上杉神社には敬愛する上杉鷹山公に関する碑や掲示がよくありました。
公の最も有名な歌の一つは

成せばなる 成さねばならぬ 何事も
成らぬは人の なさぬなりけり

だと思いますが、若干17歳にして米沢藩の建て直しのために藩主になった際、詠んだとされる一首。

受け継ぎて 國のつかさの 身となれば
忘るまじきは 民の父母

領内士民の親となるべき覚悟を凝縮した誓いの歌
と碑にありました。

しばらく釘付けになりました。

政(まつりごと)は政治家だけのものではありません。
我々も多少なりとも関わる際には、この想いを致すことができたなら…
この国も、もう少しなんとかなる
そんな気がしました。

240年時が下っても、教えられています。

最初は食べ物に釣られたのですが、米沢に来た理由が判りました。


●今回の東北の旅
能登の自宅から出発し、戻ってきてみると数百mの誤差はあるものの、ぴったり1,500kmの旅でした。
今回訪れた山形・宮城両県の各地は、岩手・宮城内陸地震の影響は全く見られませんでした。

米沢の夜。宿で寛いでいると沖縄のチョーデー(兄弟と呼び交わしている知人)から電話がありました。
「何故かこの時期にしては、観光客が増えている」と報道があったとのこと。
東北を避け、九州や沖縄への旅行の振り替えが起きているのかもしれません。

被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。

しかし、周りの観光地は被災もしていないのに、入り込みが減っているようです。

被災地の範囲と訪れた観光地
今回、僕が訪ねた町と被災した地区の範囲を改めて地図にしました。(上の写真もそうですが、この地図もクリックすると拡大します。)
地震による土砂災害は、震源地周りの赤い範囲に限られています。
こうして地図にしてみると如何に狭い範囲でしかないか、良く判ります。

もし万が一、旅行先として避ける動きがあるならば、冷静な情報収集とはかけ離れたもののようです。
マスコミの報道だけが頼り。客も宿も旅行代理店だけが頼り。
だと、誤解が解けぬまま、被災もしていないのに経済的打撃を受ける事態が起きかねません。

これで良いのでしょうか?


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