はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

帰途の荘川桜

2006-05-14 23:10:33 | 旅日記
荘川桜と白川郷のご紹介をさせていただきましたが、その後、目的地の名古屋からの帰途も同じルートを辿り、今度はちゃんと荘川桜を見てきました。

2006年05月14日の荘川桜荘川桜は、御母衣ダムの建設によって湖底に沈む二つのお寺にあった2本の古い桜を、現在の場所に移植したのが、後に岐阜県指定天然記念物になったとのことです。(写真碑文)

御約束通り、戻って荘川桜(by J POWER)についても調べてみました。荘川桜物語には、改めて開発と保全についての万感がこみ上げてきます。荘川桜が移植された頃、私が生まれた前後のようです。荘川桜が移植された逸話のような救われる話が、時が下って経済効率化万能の世となって、ますます奇跡のように感じられます。

荘川桜の近くで咲く若い桜の枝と御母衣湖一人、桜を植えつづけたという佐藤良二さんについても、ドライブインみぼろ湖さんの佐藤良二さんについてに詳しく触れられていました。佐藤さんも荘川桜に魅せられた御一人だったのですね…。
若くして亡くなられたとは聞いていましたが、47歳だったとは。それこそ、身を削るようにして我々の世代に桜を残して逝かれたのですね。

16:30頃だったこともあり、私のカメラと腕のこともあり、あまり美しい写真ではないものしかご紹介できず、残念です。晴れをもとめてさんの荘川桜・白川郷の旅には大変素晴らしい御写真が紹介されていますので、是非どうぞ。

ハートの花びら

2006-05-14 23:04:12 | 旅日記
昨日、白川郷を越えて御母衣ダム・荘川桜を経て、名古屋に来ました。
今日は、一転して晴れ。

午前中は少しゆっくりして、なばなの里に行きました。園内にベゴニアガーデンという施設があり、美しいベゴニアが咲き乱れていました。
ハート型の花びらその中に、なんと花びらがハート型のベゴニアを発見!
木立性ベゴニア オレイ・シルバー・スポットと紹介されています。
施設内で紹介されているベゴニアと比べるとかなり小さめで、また展示されている場所も比較的目立たない処ですので、うっかり見過ごしやすいと思います。
色もピンクで、とても可愛らしい花でした。



ベゴニアの花この他、ガーデン内の花々を少しばかりご紹介します。



ベゴニアの花




ベゴニアの花




花




ベゴニアの花




やはり気温が低いせいか、バラは未だのようでした。

荘川桜-世界遺産白川郷を越えて-

2006-05-14 01:21:12 | 旅日記
かつて、合掌集落白川郷は訪れる人もまばらな静かな山里でした。
紅葉の時期に行楽客が通り過ぎるか、熱心な研究者が数少ない民宿に泊まるか、といったひっそりと、ある意味かなり寂れた状況だったと記憶しています。

ところが世界遺産に登録された結果、今では一転して連日大型バスで人が押しかけ、その悪影響によって早くも世界遺産登録を取り消されるかも知れないとの噂が実(まこと)しやかに囁かれています。

皐月・朝の白川郷世界遺産白川郷は、富山県西部を流れる庄川が刻んだ谷にあり、岐阜と富山県西部を結ぶ国道156号線沿いとなっています。

13日朝、白川郷に差し掛かったのは、8時半頃でした。まだ、観光客が押し寄せるには聊か早い時間。雨で増水してエメラルドグリーンとなった庄川の水面とともに、静けさが漂う合掌集落の朝です。

途中日本海側と、太平洋側とに川の流れが分かれる分水嶺があります。その、日本海側に向かって流れる川が庄川ですが、御母衣ダムという巨大なダムがあり、その前後の区間は山深く、大型車両同士がすれ違えない程小さなトンネル、スノーシェードが続く交通の難所です。
新緑の木々と雪解けで激しく流れる小川庄川に注ぎ込む小川の水量も多く、雨に濡れた新緑の木々の光景と共に、幾色にも重なる緑色の多様さと美しさに、思わず何度も車を停めて、眺め入ってしまいます。

このような国道156号線をかつて走っていた国鉄の路線バス名金線の車掌だった佐藤良二さんが、密かに思い立って、黙々と桜の苗木を沿線に植え始めました。このお話はNHKプロジェクトXにも取り上げられたそうです。最初に取り組んだ佐藤良二さんはやがて亡くなり、その遺志は二代目の方に受け継がれたとも聞いています。
一方現在、荘川桜として沿線の観光スポットになっている樹齢約450年の老桜は、ダム建設の際に移植されたそうです。あいにく、荘川桜の駐車場は既に観光バスで占拠されており、やや満開を過ぎた荘川桜は、トイレに列を成す人々の傍らで、ずっしりと枝と花びらを広げていました。
佐藤さんのお話と、荘川桜の移植の話のどちららが先かも含め、詳細はもう少し勉強してからまた、改めてご紹介させて頂きます。
いずれにせよ、この辺りでは、白樺と桜が混在する沿線の光景は、特に今頃の季節、大変美しいと思います。

御母衣湖沿線の桜散り行き葉桜となりつつある桜の枝々。生まれたばかりの清清(すがすが)しく透明な緑の白樺の葉。この両者の珍しい取り合わせに心を洗われながら、車を走らせて行きます。

やがて、東海北陸道が全通したなら、この区間の美しい光景も佐藤さんの志も忘れ去られるのかもしれません。

誰かに褒められる事を期待したわけでもなく、自らの意思で人知れず桜を植え続けた人の想いと行いは、迷い多き今日にあって、極めて高貴な志として、今一度共感の輪が広がって欲しいものだと、静かに感じます。

誰かのためではなく、自らの内なる想いによって突き動かされ、純粋に黙々と事を成してゆく。その直向(ひたむき)な姿に、何者にも換え難く、はやり廃れの時代の波にも関わりなく、何者にも犯され難い、真の強さを感じます。


高速道路は、そのような想いをよそに、庄川から峠を越え、東海地域の大平野へと高度を急速に下げ、大都会へと続いていきます。