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室長の部屋

那須烏山市のスクラップ回収業(有)ひらつね 経営企画室ブログ

スチール缶とアルミ缶

2013年08月16日 | スクラップ情報

こんにちは、室長です。

先日の秋元社長との会食時に教えてもらったことを一つ思い出したので、ここで披露したいと思います。

それは、パン・アキモトの缶詰パンはスチール缶に入っているのですが、なぜスチール缶を使っているのかという素朴な疑問に対する回答です。

確かに、よくよく考えてみれば私たちがよくお世話になっている缶ジュース等には大別してスチール缶とアルミ缶があり、それぞれどのように使い分けられているのかあまり深く考えたことがありませんでした。

お話を聞くと、なんでも充填方法による缶内の圧力が関係しているのだとか。

製缶メーカーのサイトを参考にしながらもう少し詳細に記しますと、缶内の圧力が外気圧より低い場合は「陰圧」、高い場合は「陽圧」と分けられます。陰圧の場合、缶の胴部が気圧に押されて内側に凹もうとするので頑丈な缶を用いる必要が出てくる一方、陽圧の場合には、ガスの作用で缶の胴部が膨らもうとするので薄い素材でも強度を保つことができます。

陽圧の飲料物の代表例は、ビールや炭酸飲料等の炭酸ガスを含んだ飲料の他、最近ではお茶や果汁飲料でも窒素ガスを加えることで陽圧化できる技術が開発されて充填が可能になっているようです。一方の陰圧の飲料物の代表例は、加熱殺菌が必要となる乳飲料やコーヒー、紅茶等です。これは、飲料を缶に詰める際、熱いまま充填するのですが、熱が冷めると缶の中の圧力が下がり陰圧化するようです。

ここまで書けばお分かりだと思いますが、陰圧のものにはスチール缶を使い、陽圧のものにはアルミ缶を使うことになる訳です。

一説には、お茶類やコーヒー、紅茶などは、中味を缶に充填してから加圧状態で高温で殺菌する「レトルト殺菌」という製法で作るため、強度の関係から頑丈なスチール缶を使用しているのだそうです。もちろん缶詰パンも、スチール缶に入れたパン種を缶ごと加熱して殺菌し、焼き上げた直後に脱酸素剤とともに封入、密閉して雑菌の繁殖を抑えるという製法を用いているので冷めると陰圧になるものと思われます。他にも、冬場は加温するコーヒーやお茶の場合、熱伝導率が低くて冷めにくいスチールの方が適しているという理由もあるそうです。

とは言え、輸送コストの面から近年ではアルミ缶が優勢になりつつあるようです。それでも、スチール缶は打検による内容物の品質保証機能があることから、一定の需要はあるのでしょうね。鉄スクラップを扱っている弊社としてはスチール缶にも頑張ってほしいとちょっと贔屓したくなってきます(笑)

ちなみに、アルミ缶の底が円形に凹んでるのは内側からの圧力による変形を防ぐ役割があるのだとか。身の回りには色々と科学の果実が転がっているのですね~


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アルミはお上品な感じがするので、なんとなく不器... (俺缶)
2013-08-18 02:33:08
アルミはお上品な感じがするので、なんとなく不器用なスチールを応援したいです。
ただ大量に簡単に捨てられてしまう空き缶を見ると、さみしいので水筒を持ち歩くようにしてます。
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アルミは上品ですがちょっと田舎っぽい上品さがあ... (室長)
2013-08-19 22:45:55
アルミは上品ですがちょっと田舎っぽい上品さがあって好感が持てます(笑)どちらかと言うとステンレスの方は都会的な上品さがあって、とっつきにくい印象を受けますね。
様々な金属を見ていると、やはり鉄が一番落ち着きますね~ただ、手触りは銅が一番好きかもしれません。あの柔らかさはいいですね♪
話が逸れましたが、空き缶の大半はちゃんとリサイクルされてまた活躍していますのでそんなに寂しがらなくても大丈夫ですよ!
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