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室長の部屋

那須烏山市のスクラップ回収業(有)ひらつね 経営企画室ブログ

屑辞苑3 「RPF」

2018年04月28日 | 屑辞苑
こんにちは、室長です。

屑辞苑の第3回目に取り上げるのは「RPF」について。

なにかと便利なプラスチック製品。その手軽さと安さゆえ、用済み後はすぐに廃棄されがちですが、原油に由来することから都市油田にも見立てられることがある等、再生資源として見逃せない存在です。今回はその一つ、「RPF(固形燃料)」にスポットを当ててみます。

なお、産業廃棄物を原料とする固形燃料のことを業界では「RPF」(アール・ピー・エフ:Refuse Paper & Plastic Fuelの略)と呼んでいます。一般的にはあまり馴染みはありませんが、化石燃料の代替品として地味ながら活躍しています。

【RPF(固形燃料)】

――・とリサイクル
2015年、国内で一年間に廃棄される廃プラスチックの総量は915万トン(うち産業廃棄物の廃プラは480万トン)にものぼります。
そうした廃プラを処理・リサイクルする方法は、主に以下の4つに分類されます。

①マテリアルリサイクル
フレーク状や粒状に破砕して工業用品(パレット、建築資材等)の原料に再生利用する。
②ケミカルリサイクル
高温で熱分解して、合成ガスや分解油など化学製品の原料として再利用する。
③サーマルリサイクル
焼却して熱エネルギーを回収し、熱源や発電に活用する。または固形燃料の原料にする。
④未利用
熱回収されることもなく単純に焼却または埋立される。一番モッタイナイ!

RPFは製紙会社のボイラー燃料や発電用の燃料に主に利用されています。したがって、③サーマルリサイクルの一手法に整理されます。

――・の位置づけ
産業廃棄物由来の廃プラの処理実績を下表にまとめてみました。(データは『リサイクルデータブック2017』(一社)産業環境管理協会をもとに作成)
なお、比較用に一般廃棄物の処理実績も併載します。

〇産業廃棄物の廃プラリサイクル(2015年)


※参考:一般廃棄物の廃プラリサイクル(2015年)


廃プラ(産業廃棄物)のうち未利用は思いのほか少なく約13%にとどまり、大半がリサイクル=有効利用されていることが分かります。
注目すべき点として、再生利用(マテリアルリサイクル)が突出してスタンダードなリサイクル方法ではないということが挙げられます。むしろ発電・発熱の用に供するサーマルリサイクルが過半を占めているのです。
実は、選別や洗浄、輸送に多くのエネルギーとコストを費やして再生利用するより、シンプルに焼却して熱回収する方がトータルで環境負荷の低減につながるケースが多いということなのです。
スウェーデンは、年間約80万トンものごみを近隣諸国から輸入するという非常に珍しい国ですが、こちらも目的はズバリ「ごみ発電」のためなのだとか。

――・の勢力
上表の産業廃棄物のリサイクル実績のグラフは、国会の議席配分をなんとなく彷彿とさせるのでそれを例にとれば、リサイクル(マテリアル+ケミカル+サーマル)は連立政権与党、未利用は野党にたとえられます。
そして、中心与党たるサーマルリサイクルの最大派閥の領袖がRPFという図式とみると、その存在感が浮き彫りになるのではなかろうかと思います…(笑)

――・の特色
手持ちの画像がないのですが、実物は手のひらサイズのコロコロした形状で、道端に落ちているあるモノを連想させる独特の風貌をしています、、
産業廃棄物に由来することから、材質・品質が一定程度安定しているため、工業製品として大量生産されています。
元来が石油製品なので、石炭やコークスと同程度の熱量(カロリー)がある一方、CO2排出量が石炭に比して2/3に抑えられ、しかも安価という点が最大の利点として挙げられるでしょう。

――・の製造方法
細かい製造工程は割愛しますが、主原料となる軟質の廃プラや紙くず、木くずを破砕機で細かく切断し、それを成形機にかけて円筒形の固形燃料ができあがります。圧縮・成形の過程で熱を加えることでプラスチックが溶けて接着剤の役割を果たすのがミソのようです。
日本では約30年前に実用化されたこの技術。当時、急速に出回り始めたラミネート加工紙(プラ+紙)を単に焼却処分せずに有効にリサイクルできないかという悩みが、RPFという新燃料の開発につながったとされています。
その製造システムは開発者がドイツを訪れた際に目にした、“干し肉から鉛筆状のドッグフードを製造する装置”にヒントを得たそうです。この形状を見るにつけ「さもありなん」と思わされます(笑)
そのあたりの開発秘話はこちらが詳しいです。

――・の課題
いいことづくめのような技術ですが、塩素や油分、金属はNGで、とりわけ塩素はRPFを焼却する際にダイオキシンを発生させたり装置を腐食させたりするので、その選別が最大の課題とされています。
その辺の技術的な課題についてはこちらのNEDOの記事を参照ください。
いずれにせよ、「捨てればゴミ、生かせば資源」を体現している廃プラスチックのリサイクル。今後の更なる技術革新を要チェックですね!

[室長のまとめ]
RPFとは江戸時代の金肥(きんぴ)である。
※解説:近世(江戸時代)、農家が購入する肥料の代表として干鰯や酒粕がありましたが、都市部の長屋などから出るし尿も肥料として有価で取引される商品だったようです。その形(なり)や性質(廃棄物ながらもうまく加工すれば価値を持つ)はまさにRPFとそっくりではないかと思った次第。まぁ、その素朴な姿がやはりインスピレーションの源泉なのですが、、

屑辞苑2 「ウエス」

2018年03月14日 | 屑辞苑
室長です。

このところ暖かい過ごしやすい日が続いていますが、花粉症持ちの室長には厳しい日々が続いております、、例年は騙し騙しなんとかやり過ごしてきたのですが、今年の花粉は強烈なのかかなり重症化して生活に支障が出つつある今日この頃です。ティッシュの消費量が半端ないことになっていますw

さて、そんな辛い状況も手伝って、なかなか更新できていなかった「屑辞苑」シリーズ。

期待(?)に応えて第2回目をお送りします。

今回取り上げるのは、「ウエス」について。

ウエスというのは一般的に油やグリスなどの汚れを拭くために使用する布切れのことです。それこそティッシュのように使い捨てを前提にしたものでして(クリーニングしてリユースされるものもありますが)、その多くが汚れを拭いたら捨てられる運命にあるものです。それゆえ、布切れとは言え、いわゆるぼろ切れをリサイクルしたものに由来するものが多いようです。

実はかつてこのブログで以前「ウエスのいろは」というエントリーで書いたことのある内容のほぼ丸写しなのですが、一部のデータを新しく加えて加筆したということで、改訂版という形で再度アップした次第です(苦笑)

【ウエス】

――・の語源
ウエスの語源とは一説によると、waste(ウェイスト:浪費、くず)が訛ったものなのだとか。
その語源が示す通り、ウエスは古着や古布などのいわゆる“ぼろ”を再利用したもので、色・形・材質ともに多種多様です。

――・のできるまで
このウエスというもの、製造業や塗装業の皆さんにとっては馴染み深い代物ですが、どのようにウエスが出来上がるのか、ご存知でしょうか?
①まず、一般家庭や事業所(主にリネンサプライ業)から廃棄された古着・古布が原料として回収されます。
②専門業者の手作業による裁断や選別を経て、③集荷された原料のうち約3割がウエスに生まれ変わります(平成18年の実績は約67,000トン)。
残りは中古衣料として輸出される他、反毛材(フェルト等)としても再利用されています。(下図参照)



そう、廃品を再利用するという観点から、ウエスはリサイクルの模範生なのです!

――・と世界経済
ところで最近、ウエスの品薄状態が続いていることにお困りの方もおられると思います。
実はここ数年、本来ぼろとして処理されてきた国内の古着が、“腐っても鯛”よろしく、東南アジアを中心に海外で中古衣料として流通するようになり、結果、国内ではウエス向けの原料供給がタイトになっているためなのです。
アジア諸国の生活水準向上により、「古着を買えるようになった」人々が急増していることのしわ寄せと言えそうです。
実際、貿易統計で中古衣料の輸出量を見ると、直近(2017年)では24万トン超とここ十年で倍増していることが見て取れます。石油製品や金属だけでなく、ウエスも世界経済の影響からは免れられない立派な「資源商品」なのです。


出典:財務省貿易統計

――・のこれから
ウエスの原料供給は確かに世界経済の影響を大きく受けていますが、実は国内の工夫次第で解決できるものなのではないかと個人的には思っています。
と言いますのも、一般家庭や事業所から廃棄される古着・古布の大半(なんと約9割!)がこうしたリサイクルのルートに乗らず、そのまま廃棄物として焼却処分されているからです。
このスルーされてしまっている大量の古着・古布に目を向けることで、かなりのボリュームのウエス原料の確保が可能になることは想像に難くありません。
自治体によってはリサイクルに回しているところもあるそうですが、わが那須烏山市で回収される布類の廃棄物も単に廃棄される運命をたどっているのだとか、、
古着・古布の廃棄量の約3/4が一般家庭に由来することを鑑みますと、行政等による回収ルールの見直しはもちろん、われわれ排出者の意識改革も必要になりそうです。

[室長のまとめ]
ウエスとは
※酷い花粉症につき考えがまとまらないため、しばしお待ちください、、

屑辞苑1 「ドラム缶」

2017年11月23日 | 屑辞苑
こんばんは、室長です。

このところめっきり寒くなりまして、仕事を含めて外での活動が億劫になってくる季節に突入しました。

ダラダラとするのがわりと好きな室長にとっては、寝っ転がりながらプロ野球中継を漫然と見るのが数少ない愉しみなのですが、毎年この季節になりますとオフシーズンを迎えてしまい、日常の愉しみが一つ減ってしまうことが残念でなりません。

しかし、ここ数年はとあるテレビ番組がそんな室長の心のスキマを埋めてくれています。

その番組こそ『球辞苑』

「プロ野球が100倍楽しくなるキーワードたち」というキャッチフレーズが冠されたこの番組は、「今が旬のキーワードを毎回1つピックアップ。現役・往年の名選手が明かす秘話、科学的な分析や知られざる歴史の解明など多角的にとことん掘り下げ、この番組にしかない究極の野球辞典の完成を目指す、プロ野球深掘り情報バラエティ!」というものです。

プロ野球のオフシーズンになると始まる番組でして、室長的にはもはや冬の風物詩的な存在です(笑)

この番組を知ったのは約2年ほど前でして、初めて見た時のきっかけは覚えていませんが、たまたま見た時に「流し打ち」や「アンダースロー」といった結構マニアックなキーワードにスポットを当てて、データをもとに科学的な考察をし、往年の名選手が出てきてキーワードにまつわる名場面を解説したり、現役プレーヤーがそのノウハウの一端を披露したり、ゲストとチュートリアルの徳井が面白おかしい掛け合いを演じたりと、1時間に満たない番組ながらも非常にプロ野球愛に満ちている内容が、室長のツボにぴたりとはまったわけです。

昨年も「ファウル」、「6番打者」、「左殺し」等々、球辞苑らしい「これぞ!」というピンポイントなテーマ設定をしてくれまして、毎回見飽きることがなく、しかも終始、見ていて幸せになる番組です。

番組では最後の締めくくりに、キーワードを一言でまとめたものを「編集部のまとめ」として「〇〇(キーワード)とは△△である」という形でまとめるのも秀逸でして、例えばインハイの回には「インハイとは過激なネタである」、アンダースローの回には「アンダースローとはオネエである」(これは落選しましたが)といったウイットに富んだ話が展開され、最後まで楽しませてくれます。

話は尽きませんが、この時期の土曜日の夜、NHKで放送予定が組まれていますので、興味がある方は詳しくはそちらをご覧ください!


さて、そんな敬愛する番組にインスパイアされて、室長も何かのキーワードのアーカイブ編集をやってみたくなったので、始めてみることにしました。

題して「屑辞苑」。

スクラップ屋(=くず屋)の旬(?)なキーワードをピックアップして多角的に掘り下げていこう、というものです(笑)

最初に取り上げるのは「ドラム缶」について。

弊社のヤード内を歩いてますと、必ず目に入ってくるのがドラム缶。お客様から廃棄される他、ダライ粉や鉄くず等をストックするのにも活用されており、この業界ではとても馴染み深い存在です。記念すべき第1回目は、そんなドラム缶に関する小知識を集めてみました。

【ドラム缶】

――・の誕生
200ℓドラム缶の誕生は100年以上前にさかのぼり、ネリー・ブライという米国人(世界初の女性新聞記者だそうです)が1899年に欧州を旅行した際に見たグリセリンの入った金属容器をヒントに、自社で200ℓドラム缶の生産に成功したことが始まりとされています。
日本では、1924年(大正13年)に、名古屋の商人が米国船から空ドラム缶を買い取り店頭に陳列していたのを、新潟の小倉石油が買い取ったのが最初のドラム缶の到来と言われています。

――・の形状
一般的なドラム缶は、円筒部の中間に2本の出っ張りがあります。これは構造上の補強の役割と、一部には転がして運搬する際の車輪の役割を果たす場合もあるとのことで、その形状にも一つ一つ意味があるようです。
なお、現在の形状はネリー・ブライが考案した当時の形をほぼ保っているそうで、非常に合理的な形状をしているのだなと改めて感心しました。形や性能が国際的にほぼ統一されているというのも頷けますね。

――・の生産
ドラム缶の製造はコイル状の薄板を原料にし、カット→プレス→シーム溶接→フランジ加工→巻き締め加工→塗装…といった工程を経て製品化されていきます。
検査以外はほぼ自動化されているようで、年間に約1,300万本(平成28年)もの新缶が生産されています!ちなみに、ドラム缶を製造する事業者は国内で約10社程度あり、栃木県鹿沼市にも工場が一社あるそうです。
そのあたりの製造工程の内容は、『THE MAKING』(YouTubeで見られる)の「ドラム缶ができるまで」という秀逸な動画を見てみると、製造工程を一発で理解できます♪
巻き締め加工は最初何が起こっているのか分からないのですが、腑に落ちると妙にスッキリ爽快気分を味わえます。

――・のオモシロ用途
普遍的な形状のドラム缶だからこそ、そこから逸脱した用途をひねり出そうとするのが人間の性分なのでしょうか。インターネットで調べると、五右衛門風呂やバーベキューセットをはじめ、変わった用途を編み出したものがいくつも散見されます。
中でも特異なのは福知山市(京都府)の「ドラム缶転がしレース」。思わず参戦したくなってしまいます(笑)
みなさんもドラム缶の一風変わった使い方を考案してみてはいかがでしょうか?

[室長のまとめ]
ドラム缶とは阪神タイガースの大和である。
※解説:スクラップ回収の現場において、ピッチャーや4番打者ほどの派手さこそないものの、様々な場面で重宝するドラム缶。軽くて取り回しがしやすいのに、重量物から液体状のものまで大半の廃棄物を保管することができ(=守備で内野も外野も守れる)、転がしても扱いやすく、底を上にしても作業台や踏み台としても使え(=スイッチヒッター)、その結果、何かと出番が多い(=出塁率が高い)という存在は、「内外野を守れて出塁率が平均を上回るスイッチヒッター」そのものではないでしょうか。

そんな訳で突然始まった「屑辞苑」ですが、不定期ながら少しずつ編集作業を進めていきたいと思いますのでお楽しみに♪