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室長の部屋

那須烏山市のスクラップ回収業(有)ひらつね 経営企画室ブログ

今年の初買い

2018年01月08日 | 文化・アート
室長です。

新年あけましておめでとうございます。

明日から(有)ひらつねの営業は通常営業に戻ります。本年もよろしくお願いします!

さて、この正月休みは年始恒例の家族旅行に行ってきました♪

今回の目的地は福島県の会津若松。

基本的に鉄道旅行が多いこの時期の旅は、今回も磐越西線を使ってのアクセス。猪苗代のあたりは一面雪景色が広がり、磐梯山を中心に蛇行する鉄道の車窓からは角度を変えて様々な磐梯山の山容が見られてとても良かったです。



会津若松では一日目に七日町通り周辺で買物+食事を楽しみ、夜は東山温泉に宿泊。宿の情報はこちらまで。

二日目は鶴ヶ城や飯森山にて歴史に触れる…はずが、アクシデントが発生してしまって宿を出てから自宅に直行する羽目に、、

結局、会津若松で味わえたのはランチとショッピングと雪国の空気に触れたことにとどまってしまいましたが、まあそれなりに楽しむことができて良かったです。

ちなみに、こちらがこの旅行で初買いした会津塗りの漆器椀。



特に買う予定はなかったのですが、たまたま営業していた漆器店で見かけて、急に漆器が買いたくなったのでつい買ってしまった次第。

それにしても、会津若松のような観光地でも飲食店を除くとやはり三が日は休むお店が多いようです。観光客目線からすると、3日くらいは営業していてもらいたいと思うところ。今回初買いしたのは2日から初売りしていた心意気を買った面もあった訳です。

やや小ぶりな椀ですが、みそ汁での塩分摂取を控えられるので、まあ慣れれば悪くはないのかなと。

できるだけ長く大切に使って味わっていきたいものです♪

新春の初買い

2017年01月14日 | 文化・アート
室長です。

久々のアート系の投稿。

今年の正月休みに仙台にて湯呑を購入しました



と言うのも、手元には小砂焼、備前焼、信楽焼、宮島焼がありまして、色々と使い分けてるのですが、昨年の新春に購入した笠間焼の湯呑が子どもに破壊されてしまい、普段使いしていた湯呑が不足していたもので。

ということで仙台旅行のついでに焼き物を探したのですが、なぜか東北地方は焼き物の産地が少なく、目ぼしいものがなかなか見つかりません。

そこで白羽の矢を立てたのが、光原社という民芸品店でした。



店内にはセレクトされた全国の民芸品や工芸品が所狭しと並べられており、こじんまりとしたスペースながらも面白味が凝縮された空間になっていました。

そこで購入したのが冒頭の湯呑。福岡の小石原焼(こいしわらやき)の作品だそうです。

これでお茶でもすすりながら温まりたいと思います♪

蚤の市という絵本の魅力

2016年01月25日 | 文化・アート
こんばんは、室長です。

先日、子供の読み聞かせの本を選ぼうと、絵本屋さんに行ってきました♪

訪れたのはもちろん、数年前に利用した森百貨店という本屋さん。

店の中心部には変わらず巨大な本棚のタワーがそびえていまして、漠然と物色していると迷いの森に迷い込んだ気分になり、なかなか選ぶことができません…必要に迫られて本を選ぶというのもシンドイ作業ですね(苦笑)色々と思案しつつも、お目当ての本はなんとか確保。

そんな義務感を持って作業にあたると、やはり脇目を振りたくなるのが人情というもの。ついつい関係のない絵本ばかりが目に入ってきます。

その代表的な絵本が『蚤の市』(安野光雅著、童話屋)というもの。

「はしがき」と「あとがき」以外は一切の文字がなく、ただ蚤の市の風景を描写しているという一風変わった絵本です。



蚤の市とは、いわゆる古物市やガラクタ市のことで、ヨーロッパの各地で春から夏にかけて広場などで開かれることが多いようです。日本でいうフリーマーケットのようなものでしょうか。蚤の語源は定かではないようですが、もともとノミのわいたような古着が主な商品として扱われていたことに由来するとか、ノミのようにどこからともなく人や物がわき出てくる様子を表現したなど言われているそうです。

その雑多な様子を淡々と、しかし精緻に描写しているだけなのですが、その“雑多感”がなんともいい味を醸し出しているのです!様々な用途に使う多様な古道具が一堂に並べられているという賑やかな感じというのが、いやはやなんとも惹かれてしまいます。。自分の中にまだ残っている子供心というのは、こうした性質のものに反応するのだなぁと自己分析してみたり(笑)

弊社でやっている資源ライブラリー(≒古物市)もこうした子供心に端を発していたのだと一人合点した次第です。

ところで、主人公ではないものの「車を引く二人」が最初と最後のシーンにそれぞれ登場してきて、彼らの描写がこの絵本にシークエンス感(空間や時間の移ろい)を持たせるのに一役買っています。

時間があればこの雑踏の中から彼らを見つけ出したいのですが、とてもそんな時間と集中力がないので早々に諦めました(苦笑)「ウォーリーを探せ」的な遊びは、子供だったら喜んでやるのでしょうがね~。

そんなことを考えていたらふと気づきました。最初と最後で彼らの持っている荷物が変わっていることに…

最初のシーンがこちら。



最後のシーンがこちら。



最初にあったものがなくなっていたり、逆に増えていたり…いずれかのシーンで何かを売って何かを買ったということなのでしょうが、それがどのシーンなのか分かりません。遊び心のある絵本なので、その行動はどこかに描写されていることでしょう。考えるだけで微笑ましくなってきますね。

遅ればせながら絵本の力に気付きました。

那須の鉄について学ぶ

2015年12月05日 | 文化・アート
こんばんは、室長です。

少し前の話ですが、11/22(日)に那珂川町なす風土記の丘資料館にて「那須の鉄」と題した公開講座が開催されました。

過去に資源ライブラリーにて「鉄のはなし」を展示した者としては、是非とも聞かねばと思い駆けつけた次第です!

周囲の聴衆は60~70代のいかにも歴史好きという感じの老人男性ばかり。したがって、年配の考古学者のような人が登壇するのかと思いきや、最初はスタッフと思っていた同資料館の若い女性がどうやら学芸員のようで、彼女がスライドを使ってスラスラと鉄や製鉄遺跡について解説を始めたのには少々驚きました。。地味なネタだけに違うイメージを描いていたのですが、若いのになかなかシブイ分野をチョイスるものです(笑)



内容としては、
・製鉄のプロセスの概要
・製鉄遺跡の概要
・栃木県における製鉄遺跡の分布
・鉄と人間(および日本人)との関わりの歴史
・古代の製鉄方法
・那珂川町でみられる製鉄遺跡・遺物
・古代那須郡の鉄生産
等々でした。

古代の日本では鉄鉱石などは十分に産出されなかったようですが、代わりに川や海の近くに豊富に存在した砂鉄を原料としていたようです。また、製錬に必要な火力は大量の木炭に依存していたため、木炭の原料となる樹木が容易に調達できる山林の近くで製炭が行なわれました。したがって、川や海に加えて山林が近くにあることが製鉄する際の前提条件になっていたとのことです。那珂川町や那須烏山市は那珂川という砂鉄が豊富にある河川と八溝山系というこれまた豊富な山林に恵まれ、奈良時代には既に製鉄施設が存在していたようです。

ちなみに那須烏山でも滝田本郷遺跡(国道294バイパス付近か)という製鉄遺跡が発見されています。ここでは製錬から鍛冶までの全工程の遺物が確認されており、9世紀末に鉄生産から鉄製品製造まで一貫した作業が行なわれていたことが推測されるとのことです。

現在でも那珂川では砂鉄が豊富に採取できるそうで、小川中学校の総合の時間では砂鉄採取などが行なわれているそうです。いいですねぇ~

今回の鉄に関する講座はまだ緒についたばかりのようで、鉄生産と那須官衙に関する調査などいくつも手つかずのテーマがあるようです。次回以降に含みを持たせた基礎的な位置づけの講座でしたので、第二回目に期待したいところですね♪

こうした歴史資料館的な施設は様変わりしない展示に終始するハコモノであることが多いイメージなのですが、単なる展示にとどまらずにこうした歴史好きな人々に対して対話の場を与えてくれる試みに代表される、ソフト的な要素を盛り込んだ利用がなされていることにはとても好感を抱きました。こういう知的好奇心を刺激する場が小さいながらも身近にあるというのは、とても幸福なことではないでしょうか。

お気に入りの旅行本

2014年10月13日 | 文化・アート
こんにちは、室長です。

諸事情により遠出できない3連休の最終日、天気にも恵まれなかったので仕方なく大半を家の中で過ごしました。

アテにしていたプロ野球のクライマックスシリーズも台風で順延になってしまい、早々にやることがなくなってしまいました(苦笑)そこで、苦し紛れにネットサーフィンをしていて、気になっている本の情報を調べました。

漫画や雑誌など定期的に買い集めているものというのはあまりないのですが、『d design travel』という本だけは例外。

この本は、ナガオカケンメイというデザイナーが発行人を務める本で、「ロングライフデザインをテーマに活動する私たち D&DEPARTMENT PROJECT が、47都道府県それぞれにある、その土地に長く続く「個性」「らしさ」を、デザイン的観点から選びだして、観光ガイドとしてまとめたもの」という説明が示す通り、一種のトラベル誌、ガイドブックです。

室長は個人的に、ナガオカケンメイが提唱する「ロングライフデザイン」という考え方が好きです。普遍性を持つデザイン(室長的には、よく考えられてデザインされたものと読み替えている)は、流行や時代に流されずに長く使い続けられるという、大量生産・大量消費とは一線を画す考え方に強く共感させられます。

それはさておき、『d design travel』は47都道府県を一冊ずつまとめた観光ガイド的な本でして、北海道号を2009年に創刊したのを皮切りに、直近の福岡号で13冊目を数えます。

そして次号は山形号とのこと♪山形は食や工芸品など以前からセンスがある都市だなぁと思っていたので、どんなポイントが紹介されているのか山形号は本当に楽しみです。

山形とD&DEPARTMENT PROJECTで思い出したのが、以前山形市内で買ったこのコップ。



同プロジェクトではD&DEPARTMENTというショップも運営していて、目指すは47都道府県に各1店舗だとか。このコップは数年前に山形市を訪れた際に、地元のデザインに関わる人が“D&DEPARTMENT山形店”の仮店舗として偶然に臨時営業していた際に買ったものです。少々高価だったのですが、「山形肉牛協会」というロゴが旅の記念にぴったりと思ってついつい購入した記憶があります(笑)

コンセプトがうまく根付かなかったのか、そのお店はその後なくなってしまったようですが、このコップは震災や人災をくぐりぬけていまだに手元に残っているので余計に当時の思い出を想起させてくれます。。

こんな悪天候の中、ガイドブックを通して空想旅行を楽しんでみるのも悪くはないかもしれませんね!

県立博物館を散策

2014年09月15日 | 文化・アート

こんにちは、室長です。

先日新聞の記事で、栃木県立博物館にて「那珂川の漁撈用具」展なるものが開催中という情報を手に入れ、開催終了ぎりぎりで見に行ってきました♪

展示は漁法ごとに
「さす・ひっかける」…ヤス・カギ類
「かぶせる」…アミ類
「釣る」…釣り道具類
「誘い込む」…ウケ類
「つくる」…製作用具類
「示す」…漁業許可証・鑑札
「遊び」…楽しみと補助的な漁法
と分類されて展示されていました。

ちなみに、漁撈(ぎょろう)とは、魚類や貝類を捕る人間の労働・仕事のことです。

初めて見る道具も結構あって楽しめました。手作りと思われる篠竹製の鮎竿やヒキフネ(鮎のオトリを入れておくイケス)が目を引きました。昔の人は本当に器用だったんだなぁと脱帽です。

那珂川の漁撈文化は、釣りを除けば投網漁、ヤナ漁、カニやドジョウなどのウケ漁が中心で、どちらかと言えば斜陽気味の文化かもしれません。しかし、今でも現役でなされている漁ですので、文化史的に過去のものとして扱うのではなく、現在進行形のものとして、例えば映像付きでの解説も加えると良かったのかなと思います。子どもをはじめ、漁の様子って見ていて飽きないものですからね(笑)

上記の展示以外にも、
・「とちぎの水草」展
・「栃木の平野の暮らし-稲作-」
・「巡回展 栃木の遺跡」
・「こんなにあるよ!とちぎの鉱物~鉱山と鉱石のものがたり~」
といった魅力的な展示がいくつも開催されており、いちいち見入ってしまいました。

特に「とちぎの鉱物」展は一番規模が大きく、来館者はみな一様に目をくぎ付けにしていました!

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栃木の鉱山と言うと足尾銅山が有名ですが、県内では他にもマンガンやタングステン、ビスマス、金(!)などのレアメタルの採掘がかつては行なわれていたようです。こういう意外な発見があるのが博物館の良いところですね♪

他にもサイエンスカフェなんかも開催されているようで、色々と知的好奇心をかきたてられます。

ちなみに、「栃木の平野の暮らし」は、「ヒラノの暮らし」ではなく「ヘイヤの暮らし」ですのでお間違いのないよう…


雪の日の図書館にて思う

2014年02月08日 | 文化・アート

こんにちは、室長です。

本日は「近年まれにみる雪」とのことで、弊社は臨時休業です!

こんな時は家でゆっくり籠っていればよいものを、つい外出したくなってくるのが人情というものでして、室長もご多分に漏れずに外に散歩に出かけました(笑)

散歩とは言え、漫然としたものではなく、ちょっとした調べものをしに地元の図書館に行ってきました。

那須烏山市立図書館は、平成24年4月に指定管理者制度を導入し、サービス向上の途上にある図書館です。市内には図書館が2ヵ所あり、今回行ったのは烏山図書館(どちらかと言えば支館扱い)の方です。

那須烏山市のマスタープランや住民意識調査などの統計資料を探しに行ったのですが、5年以上も前の資料ばかりで期待した資料は見つからず、結局インターネットで資料探しをして帰ってきてしまいました…いやはや、足元の寒さも加わり、これでは家の方が(温かいコーヒーやお茶も飲めるし)作業環境が充実しているゾというのが実感です(苦笑)

以前、「休日の図書館に関する愚痴」というエントリーで図書館についてグチをこぼしましたので、その後、どのように変わったのかも興味があったのですが残念です。。

しかも、この図書館、絵本等の児童書のスペースは比較的充実しているのですが、調べものをしたいというニーズにはまだまだ十分に対応できていません。と言うのも、資料系のコーナーの近くには資料を広げて確認できるスペース(広い机とイス)がありませんし、一般図書のコーナーにもちょっと座って本を読むというスペースがほとんどありません。代わりにと言ってはなんでしょうが、廊下を渡った中二階には60~70名ほどが勉強できる学習スペースがありますが、わざわざそこまで図書を持って閲覧するというものちょっと煩わしいもの。書架からは全く目が届かないので貴重品も気になりますし。

そもそもこの学習スペースというものが曲者でして、利用者の大半が受験を控えた地元高校生の受験勉強スペースになっていまして、一般の利用はそれほどないのではと言うのが実感です。大きな図書館ならいざ知らず、図書館の図書を一切使わない人向けのスペースをそんなに贅沢に提供する必要がこの小さな図書館にあるのかと疑問を抱かざるを得ません。(元来からあの無機質なイスと机が嫌いだった!という室長の個人的好みは置いておいて)

そこで、図書館改善の私案です。
・中二階の学習スペースは思い切って半減
・中二階の空いたスペースに資料系の図書を配置する
→調べものをしながら閲覧できる
・資料系の図書が空いたスペースに一般図書の一部を移動
・それによって空いたスペースに閲覧用のイスや机を配置する
→ジュンク堂書店はもちろん、宇都宮の落合書店でもやっています

どうしても学習スペースが不足する場合には、例えば、地元の学習塾に働きかけて受験間近ではない学生(高校1~2年生)を対象に学習スペースを解放してもらう交渉をする(学習塾としては空きスペースを活用しつつ塾のPRができるかもしれない)といった方法があるのではないでしょうか。

などと考えながら帰路についた次第です。

帰り道には少しばかり道草をして、屋敷町の路地を歩きました。

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屋敷町と言われるだけあって、周囲のエリアとはちょっと雰囲気が落ち着いています。こんなところを丹念にまち歩きするのもいいんじゃないでしょうか♪


小さな町の百貨店

2013年06月16日 | 文化・アート

室長です。

わが細君の友人が初めての出産を無事に終えたということで、出産祝いを探すことになりました。色々と思案した結果、絵本を贈ることになり、以前から気になっていた絵本屋さんが近くにあることを思い出し、さっそく出かけてきました♪

訪れたのはBOOK FOREST 森百貨店という絵本中心の本・文具店。芳賀町の祖母井(うばがい)地区という烏山並みに鄙びたエリアに立地しています。

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中に入ってみると、まずはお店の中心部にそびえる木製のタワーが目に飛び込んできます。このタワーには絵本がぎっしり詰まっており、店舗の2階に連なる吹き抜け空間をうまく利用したかなり迫力のある本棚です。世界各国の絵本や様々なオブジェ、雑貨が飾られていてかなりオシャレな雰囲気。

町の中心部の芳賀東小学校の目の前という立地柄、古くから(大正15年創業!)文房具屋を営んできた同店は若い店主(4代目?)の代になって絵本中心の本屋さんとしてリニューアルしたそうな。かなり充実した絵本の品揃えはもちろん、音楽やデザイン、文芸等の雑誌類や栃木県に関する書籍の他、水彩絵の具のバケツ等の懐かしい文房具や出納帳等の事務備品も扱っており、文字通り“百貨店”の様相を呈しています。

2階にはライブや読書会等も開催できるレンタルスペースもあり、かなり面白い営業をしているようです。人口2万人に満たない町ながらもこんなに意欲的な店づくりをしている書店があるとは本当に驚きです。絵本をコンセプトの中心に据えたというマーケティングの発想も気になるところ。これからの地方のサービス業のあり方に示唆を与えてくれそうなお店でした。

もちろん、お目当ての絵本も買うことができ満足してお店を後にしました♪またのんびりと訪れたいものです~


鉄サビの魅力

2012年10月01日 | 文化・アート

こんにちは、室長です。

今日から10月です。とりあえずブログ開設から祝・一周年(笑)台風一過の暑さにもかかわらず、夕方にはどこからとなく金木犀の香りが漂ってきたように(気のせいかもしれませんが)感じると、いよいよ秋の到来を実感せずにはいられません。

さて、今日は仕事が定時で上がれたので、先日から観たいと思っていた展覧会に行ってきました♪その名も「金属工芸家 石井克巳の世界 ~鉄サビと象嵌の美~」(於ギャラリーアートれい)。

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展覧会の紹介には、「石井克巳氏の箱は、過去、現在、未来をつなぐ小宇宙。鉄が持つ不思議な存在感と象嵌された銀に施された金のグラデーションの妙―石井克巳氏の鉄皿。生けてよし、個のままでよし、尽きることのない魅力―石井克巳氏の花器。」とあります。

象嵌とはどういうものなのかあまり想像ができませんでしたが、何より鉄サビに美意識を見出すという点に、同じ鉄を扱う者として非常に興味が湧いたので、どんな作品なのかさっそく確認してみました!*ちなみに、象嵌とは工芸技法の一つとされ、一つの素材に異なる素材をはめ込む技術だそうです。

訪問したのが夕方だったので時間にあまり余裕がなく、とりあえずさーっと見て回れればいいかなと軽い気持ちでギャラリーを覗いたのですが、実際に作品を目の前にすると、その鉄サビの繊細さに惚れ入ってしまい、その作品たちの前から動くことができなくなってしまいました…普段、仕事で目にする鉄サビと異なり、なんと美しいことでしょうか。そして同じ鉄でもなんと柔らかい表情をしているのでしょうか。

初見では漆器や革と間違えてしまう人がいるくらい、鉄とは思えないようなサビ加工が施されています。しかもこの加工を施されたサビは、現状以上に錆びることはないそうです。この表面のサビ加工はどうやったらできるのでしょうか。。不思議でたまりません。

また、この展示の良いところは、気兼ねなく作品に触れられることです。角度を変えて見て、表面を撫でて、持ち上げて重さを感じて、叩いて音を聞いて、匂いを嗅いで…多様な感覚を使って味わうことのできる本当に良い作品だなと思いました。個人的にはこの平皿が特に気になりました~

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写真ではその魅力が伝えきれないのが残念です。興味のある方は是非、実物に触れてみることをお勧めします!なお、この展覧会は10月3日までだそうです。最終日には作家在廊とのこと。

ちなみに、この「ギャラリー アートれい」ですが、年に数回の個展を開いているそうです。民家を改造した作りのギャラリーは民芸品もあったりしてなかなか個性的な空間になっています。企画展示の作家だけでなく他の作家の作品(山口輝昭という作家の小品は秀逸です!)も展示してあり、なかなか良いギャラリーだと思います♪土地勘のない方には少々分かりづらい場所にありますが、一見の価値ありですよ。


藤原新也の書行無常展 於3331 Arts Chiyoda

2011年11月14日 | 文化・アート

こんばんは、室長です。

秋も深まってきましたね。周囲のイチョウの葉の黄色もだいぶ深みが増してきました。

さて、芸術の秋、だからという訳ではないのですが、上京ついでにとある写真展に行ってきました。

写真家・藤原新也が日本及び海外各地を旅し、現地で感じたことを写真・言葉・書により表現した「書行無常」展。もともとは週刊プレイボーイ上で連載していた作品を3331 Arts Chiyodaの巨大ギャラリーに場を移しスケールを拡大して展示しているものです。藤原氏が眼をつける題材や写真による時代の切り取り方はもとより、書の迫力には心揺さぶられるばかりでした。

同時に、千代田区の旧練成中学校を改修したアートスペースである3331 Arts Chiyodaの取組みも非常に興味深いもので感心しきりでした。

ちなみに、旧中学校を髣髴とさせる下駄箱を利用した棚には全国のフリーペーパーのサンプルや各地のアートイベントの情報がぎっしり詰まっていたのですが、たまたまその中から見つけてしまったのが、青森県立美術館で開催中の林丈二「採集放屁」(食事中の方には失敬!)の案内。

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同美術館エデュケーターの栗田菜々美による、「林丈二の採集記録に、第三者にとって役立つものはほとんどない。マンホールの蓋、一日歩いた靴の底にはさまった石ころ、おならの音などなど…。しかし、林丈二の繊細なまなざしによって、採集されたそれらのものたちは、どれもこれも魅力的である。一見「無駄」ともいえる人間の営みを、一切否定することなく、何もかも肯定的にとらえる林丈二。その記録は「機能性」や「効率性」、「合理性」ばかり重視される現代に、まるで疑問をなげかけているかのようだ。」という評は、お下劣なネタに親和性のある室長の心にトリモチのように粘っこくくっついて離れません(笑)行って見てみたいけど、いかんせん遠い…。

林丈二。嗚呼、なんとも気になる存在。。当分、要チェックです!


Houseのスリッパ

2011年11月01日 | 文化・アート

こんばんは、室長です。

東京の国分寺にアトリエを構えて家具や雑貨を製作・販売するHouse。そこの手作りのスリッパをどこかの雑誌で見かけてからずっと使ってみたいと思っていたのですが、この度ようやく入手できました!

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非常にシンプルな作りの上、軽やかな履き心地。まさに靴下の延長のようなスリッパです♪

永く使えるよう、消耗した部分については適時修理してくれるとのこと。こうしたロングライフを志向した商品・サービスは、これからの各産業のキーワードになっていくのではないのでしょうか。

那須烏山市の再生資源は(有)ひらつねへ


休日の図書館に関する愚痴

2011年10月11日 | 文化・アート

こんばんは、室長です。

読書の秋、ということでこのところ複数の本を乱読しているところです。

その中の一冊『知の広場――図書館と自由』に触発され、地元の市立図書館の運営状況を把握すべく、さっそく烏山図書館に足を運んでみました。

三連休の最終日。充実した二連休後のゆるやかな時間が流れる中、思索(というと大げさだけど)に耽る姿を想像しつつ意気揚々と図書館に到着すると、目に飛び込んできたのは「本日休館」の看板。

そう言えば、上記『知の広場』には、利用者が図書館を利用しない実用的な理由として、「開館時間が不便」という回答が多数にのぼったことが書かれていたような。。そんなことを思い出しても後の祭り。優雅な休日が一気に吹き飛んだ気分になりました。

これまでの私の経験では、図書館は基本的に月曜日が休館で、月曜が祝日の場合には翌日を休館日とするものと思っていたのですが、調べてみると、この図書館は毎週月曜日が休館(HP上では毎週金曜日が休館としているにもかかわらず、利用カレンダーでは月曜日休館になっているのはナゼという突っ込みはさておき)のようで、割り切って休館日を固定しているというのはむしろ潔いというべきか。

まあ、世間のカレンダーに合わせて休みたいのは人情ですから、どうにも仕方ないのでしょうねぇ。せめて休んだ分、蔵書の充実や利用者の興味をそそるレイアウト等のサービスの充実につながることを期待するばかりです。

ちなみにもう少し調べてみたところ、全国にはなんと24時間開館の図書館もあるようです(笑)特に、萩市の須佐図書館は地方(旧須佐町は人口4千人にも満たない自治体だった)の図書館であるにもかかわらず、ITを活用して夜間利用にも対応できる体制を整えているとのこと!毎週、”移動図書館”なるものも実施しているようで、驚くばかりです。機会があれば、是非とも覗いてみたい図書館ですね。

そんな面白い事例を見つけてなんとか憂さ晴らしができたので、今夜も美味しい酒が飲めそうです(笑)なんせ私の休肝日は不定期なもので。。

那須烏山市の鉄・非鉄の処分はひらつね