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室長の部屋

那須烏山市のスクラップ回収業(有)ひらつね 経営企画室ブログ

身近な子どもの遊び空間を見直す(オープンスペース活用本論)

2020年09月27日 | 社会・経済
室長です。

しばらく更新が滞っていましたが、変わらず元気にやっています!

気付けば朝夕の空気が徐々に肌寒くなり、すっかり秋の雰囲気に包まれてきました。

この夏を思い起こすと、毎週末に近所の川に出かけて川遊びに興じたことばかりが思い出されます。まさに、春先のエントリーで論じた身近なオープンスペース活用を地で行く試みと言えます。

とりわけ、7月から8月にかけては、文字通り毎週末にどこかしらの水辺空間に出かけては、足を水に浸しながら網で小魚を追いかけ、時には泳ぎ回る子どもの水しぶきでずぶ濡れになるという実に楽しい時間を過ごしました♪















とある資料で目についた「川ガキ」という表現を借りるならば、水辺空間というオープンスペースに子ども達を川ガキに招待(リクルート)した訳です。

子ども達は本当に無邪気かつ自由。そして、川も懐が深いもので、そうした無邪気かつ自由な使い方を受け止めてくれます。生き物を追いかけたり水遊びをするのは序の口で、石を投げたり、石を組んでダムを作ったり、ガラス様の石を拾ったり、網を使って大人を追いかけまわしたり、湧き水の出所を探ったり、ちょっと溺れそうになったり、大岩の陰でかくれんぼをしたり…無数のアクティビティと身体経験が生まれてきます。

目の前の自然に対して生身の身体で体当たりしていく感じというのは、人工空間ではそうそう得られない原始的な体験ではないでしょうか。味わい方は人それぞれで(もちろん、川遊びにすぐ飽きてしまう人もいるけれど、それもアリです)、各人とも身体で遊びを創造している様子を見るにつけ、絶好の非消費空間であることを再確認した次第です。

しかし、意外と楽しんでいたのが何を隠そう、大人たちだったのではないでしょうか!?

子ども達に混ざって魚を追いかけ、冷たい川の水で顔を冷やし、お腹が減ればアユの塩焼きや蕎麦に舌鼓を打つ…なんとも贅沢な夏の過ごし方ではないでしょうか!

それがこんな身近な場所でさしてお金も使わずに手軽に味わえるとは、地方ならではの大きなメリットと言わずしてなんと言えましょうか。まさに、商業主義とは一線を画した(消費空間とは縁の薄い)オープンスペースの使い方と言えるでしょう。


こんなにも爽快な水辺を散歩していると、水辺にベンチとテーブルを広げて清流に足を浸しながらシャンパンを飲みつつ読書に耽る…という爽やかな夏の日曜日を夢想せずにはいられませんw
(川辺に浮かぶイカダ×カフェというのも、夏の観光コンテンツのコンセプトとしていいかもしれません!)


DXの備忘メモ

2020年05月27日 | 社会・経済
室長です。

とあるところでDX(Digital Transformation)という単語を初めて知ったのでメモ。

デジタル・トランスフォーメーションといきなり言われても意味不明ですが、“デジタル技術でビジネスを変革して、価値を創出すること”といった意味合いで使われているようです。

現在の国の取り組み方針が「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」にまとめられています。

ポストコロナに向けてわれわれ小零細企業も発想の転換がいよいよ迫られていますね!

銅は4時間?

2020年04月14日 | 社会・経済
室長です。

ネット上で銅スクラップの情報収集をしていたところ、気になる記事が。

新型コロナウィルス感染拡大防止銅繊維シートの開発
群馬大学発ベンチャー企業である株式会社グッドアイ(桐生市 社⾧ 樋口慶郎)と株式会社明清産業(前橋市 社⾧ 山田 徹)は、群馬大学が出願した特許技術を基に、抗菌・抗ウィルス効果を持った銅繊維シートを開発しました。
銅箔でコーティングしたポリマー繊維に可視光応答型の光触媒を担持したもので、抗菌・抗ウィルス効果が有るため、現在世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルスの感染拡大を防止する材料として期待されます。


(写真は上記サイト抜粋)

そのプレスリリースを読んでみますと、なんと「2020年3月に米国カリフォルニア大学とプリンストン大学の研究チームが、新型コロナウィルスの生存 期間は付着した場所により異なることを報告しました。これによるとウィルスの生存期間はプラスチックやステンレスの表面では48~72時間と⾧いのに対して、銅の表面では4時間と極端に短くなることが 指摘されています。 」とあり、銅の殺菌効果が改めて凄まじいことが示されています。

プラスチックやステンレスの表面で48~72時間に対して銅の表面だと4時間というのはあまりにも、、(笑)

いずれにしても、開発されたこれらの品々(特に銅繊維シートで作製したオーバーマスク)を試着してみたいものです。

過度に商業主義の対象となっている生活(オープンスペース活用序論)

2020年04月02日 | 社会・経済
こんばんは、室長です。

一向に収まる気配のないコロナ禍。明日はわが身ではと、警戒を日々強める一方の状況が続いています。

参加したい各地のイベントが相次いで中止となったり、電車に乗って遠出や温泉旅行に行きたいものの自粛を余儀なくされたりと、この先も週末の予定はしばらく空白な状態が続きそうです。

とりわけ子育て世代にとっては、室内にこもりがちな子どものストレスをいかに発散させるかに頭を悩ませる日々です。「ショッピングセンターやレジャー施設などに出かけられなくて困る」や「イベントがなくなってつまらない」といった不満、そして「休日どこに出かけて過ごせばいいのやら…」という嘆きが、いろんな家庭から聞こえてくることでしょう。

しかし、ここで俯瞰した目線でこの現象を眺めてみると、私たちの生活──とりわけ余暇活動──がいかに他者(≒消費社会)に依存したスタイルになっているかに気付かされます。

と言いますのも、私たちが週末になるとこぞって利用する商業施設やレジャー施設は、そこでお金をいかに最大限消費してもらうかと企業が知恵を絞った結果、魅力の高い場所としてマーケティングされて私たちは“消費者”として吸い寄せられるようにそこに行ってしまうものです。

当然、そこでは金銭の消費なくしては時間を過ごすことはできません。

買物や食事をするのにもお金を使いますし、映画を見るのにもお金を使います。ちょっと疲れたから休むかとカフェに入ってもお金を使いますし、土産物を買うのにもお金を使います。果ては、ズラリと並んだガチャガチャの販売機の前で子どもが岩のように重くなってしまい、動かすのにやむなくガチャガチャを一回だけやらせるのにももちろんお金を使います(苦笑)

逆に、お金をほとんど使わずに創造的な活動がそこで展開できるかというと、ちょっと難しいと思わざるを得ません。そもそも、そこにあるものを消費してもらうのが、その場所のコンセプトなのですから、、

良し悪しは別として、いずれにせよ、あらゆる角度から商業の対象になっているのが実態だろうと思います。まあ、私たちもそこにどっぷりと気持ちよく浸かっている訳ですから、望むところなのかもしれませんが。

でもやはり、もうちょっとそれに自覚的・意識的でありたいと思います。

少し前のエントリーでも触れた、
・日本は、働いているかお金を使っているとまちに居場所がある、という社会(つまり、お金と仕事があれば個人で生きていける、与えられた中から選んで生きていく)になっている
・そうした与えられる便利さを消費する(=依存)のではない、自立的に創ることに価値が生まれるのではないか
といったキーワードと重なりますが、現代社会は与えられたものを消費するというライフスタイルにすっかり偏ってしまっているな~というのが、この一連の生活の自粛モードの中であぶり出されてきた問題意識です。

では自覚的・意識的になってみて、どうするのか。

こういう時こそ、消費空間とは縁の薄い(身の回りの)環境を楽しむことを思い出してみてはどうかなと思います。消費空間ではないというのは、送り手と受け手の関係性があまり明確でない場所、何をするところかがあまり決まっていない場所とでも言い換えられましょうか。

その代表的なものに、身近にある自然や公園(緑地や水辺)などのオープンスペースが挙げられます。

屋外のオープンスペースであれば密閉空間でもないですし、近所の小規模なオープンスペースであれば不特定多数の度合いもかなり緩和され、時宜に合った空間特性であもります。

公園のような自由度の高い場所で楽しみを見つけてみてはどうか、というのが室長的な回答になります。(本論に続く!?)

県民所得と外食の相関分析

2018年08月25日 | 社会・経済
室長です。

先日、足銀総研が発行している「あしぎん経済月報(2018年8月号)」を久しぶりに(一部)精読しました。

その中で「栃木県の経済と産業構造の分析~製造業を切り口とした分析(1)~」というレポートが目に留まり、結構面白く読ませてもらいました。

主な内容ですが、同レポートのポイントによれば(抜粋)、
・栃木県の県民所得は全国でもトップクラスにあり、経済的に恵まれた”豊かな県”
・「製造業」の存在感が高く、我が国以上の”モノづくり県”かつ”貿易立県”である
・「製造業」の各業種とも全国において高い存在感
といった事項が挙げられるようです。

「一人当たり県民所得」(2015年度県民経済計算)という統計があるそうで、レポートの集計結果によると栃木県は3,481千円で全国でも4位になるそうな!

ちなみに隣県対決が気になるところですが、
茨城県3,079千円(10位)
群馬県3,145千円(8位)
埼玉県2,977千円(14位)
福島県2,941千円(17位)
となっていまして、やはり隣県よりも頭一つ抜きんでているようで、栃木県民の自尊心を保つのに大いに役立つ結果となっています♪

ちなみに、わが細君の出身県を調べてみるとほぼ中位に位置しており、わが栃木県の8割程度の額にとどまっています。その差、実に約70万円!
飲み会(1回5,000円)に換算すれば140回、そこそこの上質な温泉旅館への宿泊旅行(1泊35,000円)に換算すれば20泊分の差が生まれる訳でして、その差は確実にデカい。

そう言えば、細君がよく「こっちの人はしょっちゅう外食をする」とこぼしているのですが、ひょっとして県民所得の差異がそうした経済行動の違いを生んでいるのではなかろうか、、とハタと気付いたため、ちょっと調べてみました♪

その結果がこれ。



(こちらはリンク)


2014年度の県民経済計算の「一人当たり県民所得」と2014年の家計調査の「1世帯当たり1か月間の収入と支出」の「一般外食」を都道府県別に並べて順位付けしたものです。
(注)家計調査は都道府県別のデータがないので、都道府県庁所在市別で代用しています。

データが年度と年(しかも単月)で違っていたり、一人当たりと世帯で比べていたり、そもそも都道府県と県庁所在地を比べているので参考程度の比較にしかなりませんが、それでも相関を調べてみると「0.642」とそこそこの正の相関があることが分かりました。

もちろん、その背後には他の支出との兼ね合いや労働時間の長短、貯蓄性向etc...の様々な因数が潜んでいるので、あくまで見かけ上の相関と思われます。

しかし、しつこいようですが、単純にこれだけの所得の差は侮れないものに違いありません。

そんな意味で、恵まれた県にいるのだなぁと改めて思わされました。室長の財布の中身が恵まれているかは別問題ですが、、

結い2101を買いました

2017年06月20日 | 社会・経済
こんにちは、室長です。

これまで”積読本”のシリーズで紹介したことのある、鎌倉投信の新井和宏氏が著した『投資は「きれいごと」で成功する』や『持続可能な資本主義』に触発されて、「結い2101」という投資信託を買ってしまいました♪

ここ数年で個別株式(長期配当狙い)はいくつか購入してきたのですが、投資信託を購入するのは初めての経験。

現代的には、株式投資のそもそもの目的として個人の資産形成がありますが、副次的な意味として余剰資金を資金の需要者に回すことで経済や社会の発展に寄与するということが挙げられます。その辺の余剰資金を預金として預かり、需要者に貸し付けて運用するという働きを大々的にするのが、言うまでもなく銀行(金融機関)の役割な訳です。

しかし、そうした金融システムが高度に発達すると、投資の手法や対象が広がり、規模も大きくなり(膨れ上がり)、実態が見えにくくなった結果、リーマンショックに代表されるような金融バブルが生じて信用収縮が起きる等、金融の本来持っている基本的な機能が損なわれるようになってきました。

「結い2101」はそんな反省に基づいて生まれた、珍しい思想を持った投資信託です。

どこが変わっているかというと、「いい会社=これからの社会に必要とされる会社」に短期ではなく長期で投資するという運用の基本方針を持っている点です。

通常の投資信託は、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」(投資信託協会のHPより)で、運用益=リターンの最大化が求められます。鎌倉投信の新井氏の言葉を借りれば、リターン=お金が最大のモノサシになるということになります。その結果、お金を出す方はどう使われようと儲かればいいと思って、金融工学を駆使したよりリターンの高いブラックボックス的な金融商品に投資し、ひたすら金融市場が膨張していく…という破滅的な道を辿ることになります。

この「結い2101」は、リターン≠お金というところから出発し、「リターン=資産の形成×社会の形成×心の形成=幸せ」という、新しいリターンの定義を打ち出しています。一見すると宗教がかったような表現ですが、「自分が投じたお金が、「いい会社」を通じて社会の役に立っている。そして「いい会社」が成長し、社会が豊かになれば、受益者の心も豊かになる。」という至極まっとうな価値観に基づくものなのです。

したがってリターンの率は他の投資信託に比べて見劣りするとされていますが、逆に一般的な投資信託と一線を画すような特色がいくつもあります。
・予測をしない
・格付などの指標をアテにしない
・会社の評価を数値化しない(会社訪問による定性評価を重視する)
・信頼をベースに運用する(「見えざる資産」に対する信頼)
・直販にこだわる
・投資先全てを公開している
・資産構成のうち現金比率が高い
・社会性の高いベンチャーへの投資もする
など、投資信託には無知なものの、確かに一般的な金融商品らしからぬ性格が随所に感じられます。

しかし、金融業務に関わったことがある物からすれば、そうした融資・出資のスタンスは、金融機関が持ち合わせてしかるべきながらも現実的になかなかできないものを実現していて、すがすがしさを感じさせてくれます。

そんな心意気を買うという意味も込めて、今回購入に踏み切った訳です。

22世紀を意味する2101年には、自分は99%生きていませんが、公器たる会社、そして社会は後世に受け継がれていく可能性があります。22世紀を意識した経営観に気付きをもたらす機会にもなりました。

経産省の注目政策を手軽に知る方法

2016年08月10日 | 社会・経済
室長です。

ネットサーフィンしていたら、経済産業省のサイトで「METI Journal経済産業ジャーナル」なる無料の広報誌があるのを発見!

無料にもかかわらず、テーマの切り取り方が興味深く、なかなか読み応えのある広報誌なのではないかと思います。バックナンバーも充実しています。

備忘録までに。

気になるものづくり事例3選 その2

2015年11月30日 | 社会・経済
室長です。

エントリーがかなり遅くなってしまいましたが、前回の続きです。最近気になるものづくり事例がいくつかあったのでそのまとめ。

大田ゲートウェイ(東京都大田区)
大田区は昔から関西の東大阪と並び、日本のものづくりの一大集積地です。
そんな「大田の技術・モノづくりのノウハウを集積し、次なる価値(NEXT VALUE)へ繋ぐ創造商社」というコンセプトのもと作られたのがこの大田ゲートウェイという会社。

とりわけ気になったのが「第一次産業との連携(工業による農漁業の効率化)により、生産性を劇的に向上させる」という企画の考え方です。
地方創生は前回のエントリーでも述べたように、農林水産業の成長産業化が大きな柱になっています。TPP締結という風も吹いており、農林水産業の一段の効率化は必須となっていくことでしょう。米国での農業はかなり大規模化・IT化されているようですし、ドイツや北欧の林業でも労働装備率(従業員一人あたりの設備額)は日本のそれを大きく上回っているらしいこと等を考えると、日本の農林水産業においても機械化を進めて作業効率を高めるという方向性は今以上に求められることでしょう。
そうした課題を先取りして、製品の企画・試作・製造を大田区の製造業の持つノウハウにてワンストップで対応可能な入口=ゲートウェイとして、総合商社ならぬ“創造商社”を機能させ始めているというのはなんとも良いではないですか!

今のところ開発した商品は漁業で用いる「船上さかな体重計」や「投縄機」のようですが、農業分野での開発も期待されるところですね~


②浜野製作所の浜野プロジェクト(東京都墨田区)
同じく都内で大田区にひけをとらない小零細製造業の集積地である墨田区。
最近、地元・烏山の製造業者の方とお話していた際に教えてもらったのが浜野製作所というプレス屋さんでした。隣家で発生した火事のもらい火により同社の工場は全焼してしまったのですが、燃えゆく工場を見ながら社長は急いで不動産屋に駆け込んで代わりの工場を借りる手続きをして取引先の信頼を守り続け、その後見事に復活したという話にはとても驚いたものです。

気になったのでその後調べてみると、非常に面白い取り組みをしている会社でした(笑)
それが同社の掲げる「浜野プロジェクト」なるもの。
同プロジェクトのページでは、「浜野製作所では、産学官連携による新しい事業への進出、地域の工場資源を活用した環境・社会貢献活動、将来のものづくりを担う子供たちへの体験学習、デザイナーとの異業種コラボレーションなど、従来の下請け仕事をこなす町工場のイメージを超えた様々なプロジェクトを展開しています。」とのこと。
具体的には以下の取り組みをしています。

○Garage Sumida(ガレージスミダ)
これは同社が運営するものづくりの総合支援施設で、3Dプリンターやレーザーカッター、CNC加工機といった最新のデジタル工作機器を備え、町工場の設計や製造に携わる熟練した職人が個人から企業に至るまでの製品開発や加工を支援するものだそう。
モノづくりで起業したい、町工場の職人からアドバイスを受けたい、試作・開発のための工作機械を使いたい、作業としてのガレージスペースが必要…といった需要にこたえるための新しいものづくりの創出拠点となりそうです。

いかにものづくり(製造業)を身近に感じてもらい、いかにスタートアップのハードルを下げることができるか。そうした喫緊の課題に向き合って出した一つの解という気がします。
非常に刺激を受ける取り組みです。

配財プロジェクト
墨田区には、約2500ものモノづくり企業があるそうです。どの製造現場でもそうですが、それらの企業の製造工程では、様々な素材(皮革、木工、ウレタン、メッキ、紙、ガラス、繊維、ゴム、プラスチック、金属など)が扱われ、様々な加工がなされて様々な製商品が生まれています。
そんな中で「これらモノづくり企業に共通の課題が、どの業種でも必ず製造過程で発生してしまう「廃材」の廃棄です。産業廃棄物として廃棄するだけの「廃材」を、もっとECOで楽しくポジティブに活かしてゆくことはできないか!?」という問題意識のもと、若手後継者を中心に、“配財プロジェクト”が結成された経緯があるそうです。

これなんかは弊社の事業領域とモロにかぶる分野でして、個人的にこうした方向性のアイデアは温めているところなので非常に参考になります。むしろ先にやられてしまっているではないかと少々悔しい思いもあったりします。

同プロジェクトのサイトによれば、廃材を使って製作した万華鏡などのものづくり体験ワークショップ、墨田区の工場を巡るスミファ、その他にも展示会企画や商品企画・デザイン、企業のCSR サポートなど、配財を通して様々な事業に取り組んでいるようです。

中でもスミファ(すみだファクトリーめぐり)なんかは、少し前の当ブログ(燕三条の「工場の祭典」に関するもの)でも触れたような「工場を見せる」取り組みでして、とても面白そうなプロジェクトです。
時間と距離さえ気にしなければ是非とも参加したいものです♪

他にも、電気自動「HOKUSAI」の開発や深海探査艇「江戸っ子1号」の開発等も行なっており、主業の他によくこれだけのプロジェクトを広げられるものだなと感心してしまいます。。火事の際の対処同様、経営者のパワフルさには脱帽です!真似できそうにありませんが…


③諏訪市のDTF(長野県諏訪市)
とある工作をしている最中、塗装の際に下に敷いていた新聞紙(日本経済新聞)の記事が目に留まりました。2015年9月7日付の一面の特集記事で「新・産業創世記 消える垣根」という記事です。
GEやセンサーといった単語から「あぁ、またIoTがらみのネタか」と思ったものの、「工場は机の上」という大きな文字が気になりよく読んでみたところ、デスクトップファクトリー(DTF:Desk Top Factory)という日本の製造業のユニークな取り組みを取り上げていました。

新聞の記事とは表現が異なりますが、ウェブ版に同じような内容がアップされていたので全掲してしまいます。
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○机の上に「工場」 変幻自在のカスタマイズ対応
ものづくりの世界は大量生産を前提としたメカニズムが働いてきた。IoT(モノのインターネット化)によってもたらされるのは「マスカスタマイゼーション(個別型大量生産)」。色やサイズ、性能などすべてを顧客の望み通りにかなえ、たった1個の受注生産でも利益を稼ぐ。設備や投資力が十分でなくても、競争力が高い製品を生み出せるチャンスがある。アイデアや技術力次第で、零細の組織であっても産業の脇役から主役になれる時代が到来する。

高い技術力を誇る中小メーカーが集積する長野県・諏訪地域で、そうしたIoT規格の生産ラインが完成に近づく。精密部品加工の高島産業(長野県茅野市)や精密板金加工の平出精密(長野県岡谷市)などの中小企業が中心となりプロジェクトを進める。
「デスクトップファクトリー(Desk Top Factory=DTF)」と名づけ、卓上サイズの小型の設備機械の開発に取り組む。「手のひらほどの大きさの部品で、数千万円もする巨大な工作機械を使うのはもったいない」(高島産業常務の遠藤千昭=61)。デスクトップファクトリーは消費電力が10分1程度ですみ、生産コストを圧縮できる。

これまで独ボッシュ、デンソー、セイコーエプソン、YKKなど国内外の大手企業がメンバーになり、理想ラインのアイデアを出してきた。「超小型、超軽量ラインこそ、IoT時代に対応できる」(同上)

ブロック玩具「レゴ」のように組み合わせ自由にした。「切削」「研磨」「加工」「組み立て」や「検査」など異なる機能を持つ設備を合体させる。これらの5台のマシンを並べたとしても3メートルほどと短い。1個の部品をつくる場合には「組み立て」マシンだけを使い、「研磨」「加工」が必要になれば3台をセットするといったように変幻自在。30分あれば異なる部品を製造できるラインに早変わりし、受注量が増減しても低コストでこなす。

○海外で人だかり 「3メートルライン」の実力
2014年秋にフランスで開かれたナノテクノロジー関連の展示会に出展し、海外で3メートルラインの実力を初披露した。金属を削ってメッキ加工して「コマ」のかたちにし、表面に微細な文字を刻印するデモを公開した。1分ほどで直径1センチの円に「DTF Suwa Nagano Japan」と刻む離れ業に、現地のエンジニアらの人だかりができた。

高島産業の遠藤は「IoTはソフト面ばかり注目されがちだが、現状では生産設備のハード面でまったく追いついてない」と商機を見いだす。DIY(日曜大工)の延長のようなスケールのラインだが、産業構造を様変わりさせる可能性を持つ。
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このDTFが開発されているエリアもやはり、かつて“東洋のスイス”などと言われた精密工業の集積地です。
そんな土壌で生き抜いてきた企業群が共同でDTFを開発し、机の上に乗るくらい小さな機械や工場で
1.小さなものを、小さな機械や工場で合理的に生産する。
2.短い納期と低コストですばやく形にする。
3.大量生産ではなく多品種変量の生産を行う
4.小さな工場や機械を実現し、最適な場所で生産することで、ユーザーとの連携を高め豊かで創造的な価値を生み出す。
ことによって、日本の「新しいものづくりのやり方」を拓いていこうとしていることに大きなヒントを感じずにはいられません。


ものづくりに関するこれら3つの先行事例から様々なサジェスチョンが得られ、同時に雑多なアイデアがモヤモヤと生まれてきました。

そこでモヤモヤの簡単なまとめ。
・今後の成長分野と製造業との親和性及び伸びしろを探る必要性がある。
・ニーズやシーズを探ることが重要。つまり企画開発の分野。
・その際、個社では対応不可能な場合「ゲートウェイ」的な共通の入口=商社機能が有効か。
・一方、製造業の集積地では、ものづくり分野における起業者の確保も重要。(後継者、優秀な人材確保、多様性etc)
・そのための側面支援にもやはり上記のゲートウェイ的機能を持つ受け皿が欲しいところ。
・日本のこれからのものづくりのカギを「マスカスタマイゼーション(個別型大量生産)」に求めるとすると、そのためのハードウェアの整備が必要。
・逆に言えば、DTF的な技術であれば、創業時のハードルはぐんと下げられる。
⇒マスカスタマイゼーション×起業者の誘致×商社機能(情報収集や企画開発)

意味不明ですが、とりあえずモヤモヤのまましばらく寝かせておくことにしたいと思います。

それにしてもこれらの事例を実際に見てみたいものです。

気になるものづくり事例3選 その1

2015年11月23日 | 社会・経済
こんにちは、室長です。

最近の産業振興を取り巻く状況に違和感を感じたので、その備忘録。

地方創生という言葉が賑々しく飛び交う昨今、旗振り役となっている「まち・ひと・しごと」の目標設定がちょっと気になったので調べてみたところ、こんな内容でした。出典は内閣官房の平成27年1月9日付の資料『地方創生の推進』(注:PDF)より。

国の長期ビジョンと総合戦略に資する形で地方の人口ビジョンと地方版総合戦略を定めたもので、地方公共団体の戦略策定と国の支援を記しています。

そこでは、主な重要業績評価指標(KPI)として以下が挙げられています。

○農林水産業の成長産業化
 (6次産業市場10兆円:就業者数5万人創出)
○訪日外国人旅行消費額3兆円へ(2013年1.4兆円)
 (雇用者数8万人創出)
○地域の中核企業、中核企業候補1,000社
 (雇用者数8万人創出)
○地方移住の推進
 (年間移住あっせん件数11,000件)
○企業の地方拠点強化
 (拠点強化数7,500件、雇用者数4万人増)
○地方大学等活性化
 (自県大学進学者割合平均36%:2013年度32.9%)
○若い世代の経済的安定
 (若者就業率78%:2013年75.4%)
○妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援
 (支援ニーズの高い妊産婦への支援実績100%)
○ワークライフバランス実現
 (男性の育児休業取得率13%:2013年2.03%)
○「小さな拠点」の形成
 (形成数*不明記)
○定住自立圏の形成促進
 (協定締結等圏域数140)
○既存ストックのマネジメント強化
 (中古・リフォーム市場規模20兆円:2010年10兆円)

こうしてみると、今各地で盛んに進められている様々な取り組みがこのレールに乗って進められている、ということがよく分かることと思います。

しかし、ここで漏れてしまっていると思われる事項が多々あると思います。その最たる例が製造業(ないしは製造業的な発想、または基礎研究)の振興について。地域の中核企業うんぬんというところがそれに該当するのか不明ですが、明確に製造業という単語を使ってはいないようです。

これまでわが国の産業を牽引してきたと言われている製造業。そして衰退しているとも言われる製造業。そのあたりの真相は定かではありませんが、製造業はその国の国力の水準を決める大きな要素として変わらず残っていくのではないかというのが、個人的な見解です。

自動車やデジタル家電といった基本的な製造技術はもとより、それらの製造に欠かせない素材開発やロボット生産の技術は重要です。また航空宇宙は将来的な宇宙開発時に必要な基礎技術でもあり、そもまま軍事力の担保にもなります。医学・医薬の開発力は自国の福祉問題の解決に加えて、世界的に稼ぐ力を持っていますし、食糧生産を取り巻く農業や環境技術も人口問題を解く重要なカギとなるでしょう。果てはアップルに代表される革新的な技術思想は、世の中に感動をもたらしてくれます。

思い付くままに挙げてみましたが、わが国が生き残っていく上で重要な役割を担っていることが分かると思います。まあ、国が生き残っても脆弱な地方が乱立していてはあまり意味はないのですが、その逆(国が滅んで強い地方が生き残る)はあり得ないことを考えると、何に優先的に重みづけをするかは自ずと決まってくる気がします。。

今回取り上げた地方創生の資料は、主眼があくまで「地方」なので、「国全体」の目標設定は他の省庁ないしは部局が用意しているのでしょう、たぶん(笑)

そんな訳で、日本の製造業の将来的な展開に少々興味が湧いてきた次第です。

続きは次エントリーにて!

不平等に関する寸感

2015年07月08日 | 社会・経済
室長です。

トマ・ピケティが著した『21世紀の資本論』がブームになったことは記憶に新しいと思いますが、その中心テーマは不平等に関するものでした。

同書では、過去数十年にわたるデータを分析し、基本的に資本(不動産や金融資産など)による利益率が経済成長率を上回る(資本利益率r>経済成長率g)ことを明らかにしています。資本を持っている富裕層は資本を投資に回すことで資本による利益率rを得、一方で賃金所得中心の一般人の所得は経済成長率と同じ率のgを得ます。資本利益率r>経済成長率(=所得上昇率)gであるとするならば、数十年経った場合の両者の格差は確かにかなり開くことになるでしょう。

自身で同書を読んだ訳ではなく、誰かが解説するのをネットやテレビで目にしただけの理解なので曲解があるでしょうが、富める者はますます富むという世の中の原理のようなものを改めてつきつけられた思いがします。

それとは観点がやや異なりますが、身近でも不平等に関して思い当たることが先日ありました。

地元のプレミアム商品券発行に際して、今回はプレミアム率が20%(1万円分の商品券を買うと2千円のプレミアム=おまけ商品券がつく)という大盤振る舞いだったこともあり、発売日には約3時間待ちの長蛇(龍門の滝に住んでいるとされる大蛇並みの(笑))の列ができたのだとか。。商品券発行事業は商工会が毎年実施している施策でして、プレミアム率が今年より低い(それでもプレミアム率は10%なので、冷静に考えるとそれでもわざわざ買う価値はあるでしょう)せいか、昨年までは30分も並ばずに買えたというのとは対照的な状況でした。

そんな狂乱状態の初日でしたが、翌日になるとピークでも1時間待ちで済むほどの落ち着きぶりを見せ、果ては正午頃にはぱたりと行列が途切れる有様でした。

そうした事象を見せつけられると、ピケティの論文ではないですが、富める者というか余裕がある者(並ぶのはイヤだから余ってたら買おうかなぁ、というスタンス)とそうでない者(並んででも買わなくては!、というスタンス)との間に存在する不平等を否が応でも意識させられてしまいます。*もちろん、ある思考や行動をする者が富める者かどうかと一律に認識しているわけではありませんし、今回はその正否は議論の対象にしていません。あくまで同じ成果を得るにあたり存在する、不平等と思われる事実の原因にスポットを当てたいだけです。

最大2万円のプレミアム分をどう手に入れるかという際、コストの視点から眺めてみますと、前者は待ち時間0分で苦もなく手に入れ、後者は所要時間3時間+ストレス(ex.待たされるイライラ)という犠牲を払って手に入れる訳なのです。余裕があるかないかという現在の不平等が、その次の(将来の)結果にこれまた不平等さをもたらしてしまうのではないかと思わされます。

一事が万事、という訳ではないでしょうが、そこには経済的な成否を分ける何かがあることを示唆しているのではなかろうかと考えると、肝がヒンヤリとしてきます。。

目下、上海株の暴落により株価は軒並み下落基調にあります。ここは少々「余裕を持ったふり」をして相場を眺めて落ち着いた手を打てば、室長も「富める者」になれるでしょうかね~(苦笑)

ミステリーサークル

2015年06月22日 | 社会・経済
室長です。

先日、仕事で茨城県の古河市に行くことがあり、初めての場所だったので地図やインターネットで事前にルートを調べていた時のこと。目的地の近くにある「配電盤団地」なる字面に目が釘付けになりました。住宅都市整理公団に見られるような団地マニアではないのですが(もちろん、住宅団地を眺めるのは好きです。写真だけですがコルビュジェのユニテ・ダビタシオンはいいですね~♪)、やはり一風変わった工業団地には敏感に反応してしまうもので(笑)

配電盤団地は正式には配電盤茨城団地と言うそうで、同協同組合の理事長曰く「東京オリンピックを間近に控えた昭和37年、配電盤製造にかかわる同業者を中心に、手狭となった都心から、新たな工場用地を茨城県総和の地に求めて工場団地を建設」したことが始まりだそうです。現在は50年以上の歴史を持ち、テクノパーク古河という愛称で呼ばれているようです。

そんなものを地図上で見つけて喜んでいたのもつかの間、配電盤団地の南側に更に興味深いものを発見しました!それがこの地図です。



まるでミステリーサークルのような不思議な円状の道路。これはまさか…と思っていたら、やはり環状交差点(ラウンドアバウト)ではないですか!ラウンドアバウトとは、本来信号機付きの十字路(交差点)を円形に変えることによって、信号機を不要にしつつ(無駄な信号待ちがなくなる)車の流れを良くするというメリットが期待されています。初めて経験した場合、どうやって通過するか混乱しますのでかえって渋滞の原因になりそうな気もしますが(苦笑)

経営企画室のゼミ長は、折につけヨーロッパで体験したラウンドアバウトの快適さに感心しているのですが、どうやら日本での導入事例は非常に稀のようなのです。それが目的地の比較的近くに存在するなんて、行かなきゃもったいないでしょう。という訳で実際に行ってみました~

まずはアプローチ。こんな標識見たことありません。


交差点侵入時には一時停止します。右側から来る車輛に気を付けつつ進入。


左回りで進み、出たい方向の手前で左ウィンカーを出して退出します。


室長は助手席で撮影係をやっていたので見ていただけですが、運転手はちょっと興奮気味だったのではないでしょうか(笑)

室長的には実は、円形の交差点の中央部のオープンスペースの使われ方がかなり気になっていました。案の定と言うかポケットパーク的な使われ方をしていましたが、管理の行き届いた芝生が目に気持ちの良いシンボリックな空間になっていたのは驚きでした。もう少し粗放的な扱いを受けているものとばかり想像していたもので。ただ、歩行者に優しくないこの郵便ポストの位置には失笑を禁じえませんでしたが。。

仕事の途中とは言え、見知らぬ土地を旅するというのはとても楽しいものです。もちろん、仕事はキッチリやってきましたので誤解のないよう。

隠れた優良サンダル

2015年06月21日 | 社会・経済
こんばんは、室長です。

今朝の下野新聞朝刊を読んでいたところ、「77%「地域格差拡大」」という記事が目に入りました。

下野新聞が加盟している日本世論調査会が実施した全国面接世論調査から分かったことで、「大都市と地方の経済格差が拡大していると答えた人が全体の77%に上り、景気回復の実感が日本全体に広がっていない現状を映し出した。」とのこと。

何をもって経済格差としているのかが不明なので、詳細を知ろうと思って日本世論調査会について調べたのですが、団体のホームページ等がないので具体的な情報は把握できませんでした…こうした一方向のスタンスですと、マスコミの論調に都合の良い情報のみ使われてしまうのではないかと、情報ソースとしての信頼性に欠ける気がしてしまいます。なお、同会についてはこちらが詳しそうなので、気になる方はどうぞ。

上記の記事に戻りますが、確かになんとなく都市部の方が大きな企業が集積していて働き口も多く、人口密度も高いので多様なサービスを享受できるという意味で経済的な差がありそうな気がします。ネット通販が便利になっているとは言え、消費生活を送る上でも都市部の方が快適でしょう。

しかし、例えば家計調査で「可処分所得」(所得の総額から直接税や社会保険料などを差し引いた残りの部分で、個人が自由に処分できる所得。)を調べて都市階級別に比較してみますと、
大都市     :373,238円
中都市     :398,857円
小都市A    :374,740円
小都市B・町村:376,379円
(平成26年度家計調査、勤労者世帯、月額)
というように、必ずしも大都市が個人の経済面で圧倒的に優位に立っている訳ではなさそうな数字も出てきます。

また、地方ならではの住環境の良さなど、“経済格差”とはまた違ったモノサシもあるので、上記の記事は大都市と地方の比較の一面を切り取っただけに過ぎないと言えそうです。

住環境の良さと言えば、オシャレにある程度無頓着でも気兼ねなく過ごせる地方のユルさも捉え方によってはポジティブなものになります。室長もオヤジ臭いサンダルをつっかけてその辺を散歩するというストレスフリーなライフスタイルにどっぷりと浸っています(笑)まぁ、緊張感がない人間は大抵堕落するもので、室長もその例に漏れませんが…

雨が降ったり蒸し暑くなってくるこの季節、朝夕のプライベートな時間の履物に何を選ぶかは悩みの種。足が蒸れるのが嫌なのでスニーカーや革靴などはあまり履きたくないもの。さりとて革製のオシャレ重視のサンダルだと足に負担がかかるので、こちらもやはり敬遠してしまいます。そんな時に重宝するのがオジサンっぽいサンダルなのです!

デザインはさておき、多少乱暴に使っても気になりませんし、地元のスーパーや靴屋で手軽にかつ安価に購入できるのが良いところです。地元の靴屋でバーゲンしていたので、ついつい購入してしまいました(笑)



マルタイというブランド名のこのサンダル。なんとメイドインジャパンの優良サンダルです♪この履き心地がまたいいこと!ただし、表側の「LIFE」という金文字だけは余計なのですが…直訳すると「生活」や「人生」という生活臭漂う意味ですので(苦笑)

このマルタイを作っているのはどんな企業なのか調べてみたところ、なんとオフィシャルなサイトが見つかりません!関西丸泰ゴム工業所(大阪市生野区)という企業名までは特定できるものの、企業の概要すらつかめないのです。。かろうじて日本製サンダルについて言及しているブログがあるくらいで、実態はよくつかめませんでした。

ところで、読んだことはありませんが、『大都市産地の地域優位性』(ナカニシヤ出版)という書物によれば、浅草と長田(神戸)は東西大都市地域に位置する二大履物産地として有名なのだそうです。同書では神戸ケミカルシューズ(ゴムの他、化学繊維を用いた履物)とエスニシティの関連について章を割いて分析しているようで、履物と一口に言ってもなかなか奥行きの深い分野のようです。浅草や長田という地域特性や履物の素材である皮革という組み合せは、確かに社会学的な興味がひかれる分野なのかもしれません。上記のマルタイの企業概要がオープンになっていない(BtoCの会社にしては本当に珍しいと思います)のも、なにかしら背景があるのでしょうか。。

話が多方面に拡散しましたが、詰まるところ室長が買ったマルタイのサンダルを自慢したかっただけです(笑)

ただ、これにフィットする服装選びが難しいのが玉にキズ。ユニクロやしまむら的な、かなりラフな格好しか似合わないのです。ですので、このマルタイのサンダルを履いてちょっぴり貧相な格好でトボトボ歩いている室長を見た時には、とりあえずファッションを気にしていない訳ではないということだけ思い出してくださいネ。

補助金の審査採択結果から分かること

2015年05月04日 | 社会・経済
室長です。

小規模企業振興基本法制定に関連した目玉政策の一つに、中小企業庁の「小規模事業者持続化補助金」というものがあります。

小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって、販路開拓に取り組む費用(チラシ作成費用や商談会参加のための運賃など)を支援するもので、50万円を上限に補助対象経費の3分の2以内を補助するという事業です。

弊社でも対象になりそうなプロジェクトがあったので申し込んだところ、審査の結果、先月末に採択の運びとなりました♪

商工会を窓口とする東日本ブロックの件数だけでも2,500件(うち栃木県は110件)ありますので、全国ではかなりの件数になります。

そうしたデータの塊(いわゆるビッグデータに比べれば大した数字ではないですが)から何か分かることがあるのではと思い、学生時代の分析スキルを流用して分析を試みてみました(笑)

用いたのは「テキストマイニング」という分析手法で、テキストデータを量的に分析することで有益な知見を導き出そうとするものです。

色々と手順があるのですが、今回は採択事業の内容(文章)を「茶筌」(ChaSen)という形態素解析ツールで単語に分解し、その出現頻度が高いものの順に並べ替えてみました。「出現頻度の高さ」という切り口から、そこに何かしらの傾向が見いだせるのではという仮説です。

その結果が以下です。2,518の文章に対して解析を試みたところ、有益そうな単語が19,677個得られました。なお、ここに掲載したのは出現頻度が20以上のものです。

―――――――――――――――
事業   924
顧客   518
販路   473
開拓   471
する   447
新規     440
販売   306
拡大   302
獲得   282
開発   271
ため   249
向上   246
化   229
店舗   214
商品   210
導入   189
設置   171
客   164
者   163
作成   156
強化   155
サービス   150
看板   147
改装   136
促進   127
店   123
ホームページ 122
高齢   119
集客   115
PR   109
度   108
整備   105
広告   99
提供   95
等   92
力   92
為   86
宣伝   83
売上   83
活用   81
自社   77
工事   75
改修   74
層   74
アップ   73
満足   73
チラシ   72
新た   71
設備   70
地域   70
用   70
向け   69
増加   68
向ける   67
づくり   65
ブランド   64
メニュー   63
活動   63
認知   62
伴う   61
女性   60
販促   60
お客様   59
場   59
トイレ   57
対応   56
リニューアル 55
性   55
システム   54
構築   54
オリジナル  51
開設   51
発信   50
情報   49
提案   49
展開   49
営業   48
型   48
品   47
利用   47
環境   46
展示   46
観光   45
機   45
店内   45
スペース   44
快適   44
パッケージ  42
パンフレット 42
製造   42
製品   42
リフォーム  41
技術   41
空間   41
住宅   41
効率   40
広報   40
来店   40
受注   39
図る   39
加工   36
改善   36
対策   36
目指す   36
配布   35
周知   34
人   34
安心   33
会   33
作業   33
制作   33
HP   32
サイト   32
ネット   32
充実   32
計画   31
使う   31
デザイン   30
使用   30
照明   30
生産   30
製作   30
地元   30
安全   29
業務   29
新設   29
バリアフリー 28
教室   28
健康   28
率   28
リ   27
作り   27
弱者   27
的   27
ある   26
ターゲット  26
外国   26
確立   26
施設   26
駐車   26
イメージ   25
できる   25
開始   25
管理   25
効果   25
産   25
需要   25
商談   25
体制   25
品質   25
料理   25
ツール   24
改良   24
確保   24
購入   24
機器   23
ニーズ   22
屋   22
拡充   22
活かす   22
出展   22
知名度   22
イベント   21
せる   21
テーブル   21
価値   21
海外   21
市場   21
若年   21
代   21
やすい    20
宴会   20
機械   20
食品   20
創出   20
買い物   20
付加   20
優しい   20
―――――――――――――――

それらをグラフにしたものが以下です。*「事業」などの分析の参考にならない単語は除外。また、一部重複する内容は合算した。










うーん、何か見出せるような見い出せないような(苦笑)

「新規」「顧客」への「販路」「開拓」/「販売」「拡大」のための「商品」「開発」や(〇〇の)「導入」、「設置」という内容であることが読み取れます。
→そういう趣旨の補助対象なので当然ですが!

具体的な取り組みは、例えば「ホームページ」であったり、「看板」であったり、「改装」(おそらく店舗の)であったり、「広告」であったりということなのでしょう。上位を見てもあまり面白くないかもしれませんね~他の大多数も実施しようとしているということであれば、新鮮味もないですし差別化にもなりませんからねぇ…。

逆にオンリーワン(出現度1回)の単語を拾ってみると、「Tシャツ」、「おろし金」、「からから」、「たきつける」、「デング熱」、「なめる」、「滑る」、「危機」、「撃滅」といった気になる文言が出てくるではありませんか(笑)どんな補助事業なのか気になるものですね。

それにしてもこの「ChaSen」という形態素解析ツールの便利さには使うたびに脱帽させられます。しかもこれがフリーソフトで配布されているというのがなんともスバラシイ!

このChaSenの後継に「MeCab」という形態素解析ツールがあるのですが、そのMeCabの開発者はGoogle日本語入力の開発にも関わっているそうです。今回用いた形態素解析の技術は、身近でお世話になっているIT技術にもしっかり応用されているのですね~

ちなみに弊社での補助事業内容は…このブログで紹介する日が来るかもしれませんので、お楽しみにしていてください♪

デジタルアーカイブ

2015年03月01日 | 社会・経済
室長です。

最近、「地域の文化をアーカイブする」という行為にとても関心があります。

日常生活の風景や文化、暗黙知、産業の様子(工場のレイアウトや職人の技など)etc、残そうという意識がないままでは失われてしまうであろう事柄を記録し、それをデジタル映像などで記録してデータとして残すのがデジタルアーカイブという手法です。

wikipediaの表現を借りれば、デジタルアーカイブの意義とは以下のようにまとめられるそうです。
・映像遺産の保全…過去の情景、風俗を記録した映像はその国や地域にとって貴重な文化遺産であるという発想から、それら映像遺産を散逸と消滅の危機から守り保存する。
・文化遺産の記録…劣化や損傷が進む歴史的文化財、また伝統芸能や伝統技術などの無形文化財をデジタル映像で記録し、後世に継承する。
・地域映像ライブラリー…地域の今日の姿を体系的に映像で記録し、郷土学習への活用と次世代への継承を図るための映像ライブラリーの構築を目指す。
・地域産業アーカイブ…地域の産業活動の情報化を図るため、地域の企業が共同利用できるよう商品やデザインなどのデジタル映像データベースを作る。

世界的にはこうした取り組みはかなり前から始まっており、最近ではウェブサイトも文化の一端ととらえて、日々更新されて消えていく過去のホームページをアーカイブするサイトもできています。

そのさきがけであるインターネット・アーカイブという非営利団体が運営する「ウェイバック・マシン」というサイトをのぞいてみました。なんと4,550億ものウェブページを保存しているのだとか。。驚くばかりです。

試みに「ひらつね」のホームページがどうなっているか見てみると(URLを入力する)、ちゃんと採取されていましてちょっと嬉しくなりました(笑)

また、著名なホームページの変遷などを見ることもできます。例えば、グーグルを見てみるとこんな感じです。

2001年4月20日から2015年2月27日までの間に17,781個の記録があることが分かります。



ここ数年でトップページの更新頻度が激増していることが分かりますね。

まず記録されている中で一番古い2001年4月20日のデータがこちら。今と比べると立体感のあるロゴデザインです。そう言えばそんなデザインだったっけかと気付かされます。



「iモードでGoogle!」とは、今となっては時代を感じさせますね(笑)

次いで2010年2月9日。



この頃は既にロゴを崩して多様に図案化した遊び心のあるデザインが取り入れられています。ちなみに2月9日は漱石の誕生日だそうです。

そして直近の2015年2月27日のデータがこちら。



至ってシンプルです。

このように、検索したいサイトが、日を追って検索できるというのがこのデジタルアーカイブの凄いところですね!

例えば、探しているサイトが「File not found」となっているけれど、どうしても見たいといった場合に使用すると良いかもしれません。逆に、サイトのURLが判らないと使用できないので注意が必要ですね。

また、上記のグーグルのトップページのような他愛のない情報であれば良いのですが、誤って流出した個人情報なども格納されてしまう危険性もあるので、そのあたりのバランスのとり方が少々難しそうですね。

いずれにせよ応用範囲が広いことが分かるデジタルアーカイブの世界。ちょっとばかり足を踏み入れてみたくなりました。

単純な話

2014年11月17日 | 社会・経済
こんばんは、室長です。

先週末、久々に遠出(といっても都心の郊外ですが)した時の帰りのこと。

JRが烏山線の数少ないダイヤ(しかも重宝する時間帯のダイヤ)を削ってくれたおかげで、比較的早い時間に都内を出たにもかかわらず、最終電車なだけでなく宇都宮駅での1時間待ちを余儀なくされました…日中からの疲れも溜まり、吹きすさぶ寒風の中ホームで1時間以上待つには耐えられない状況でした。。

そこで、少々お腹もすいてきたので、駅の改札を出て腹ごなし兼休憩をすることにしました。そして、最終電車が到着する少し前の22時半頃まで営業しているお店がないか探したところ、駅ビル付近に手頃な店を2つ見つけました。

みなさんご存知、マクドナルドとモスバーガーです。

なんとなく脂っこいものを少々とコーラが飲みたかった状況でしたので、マックでもモスでもどっちに入っても良いかな~と、2つの店舗の板挟みにあいしばらく逡巡していました(苦笑)

直近で食べた(といっても半年以上前の)モスに以前ほどの美味しさを感じなかったので、「モスはちょっと高級だし、たまにはマックポテトを食べるか」と決意を固めてマックの店舗の敷居をまたぎます。

店内のメニューを眺めていると、ただのハンバーガーセットとかではない限り、夜のセット価格は600~700円の価格帯で、モスとさほど変わらない総額になってしまいます。しかも致命的なことに、店内の蛍光灯が白色なために雰囲気が寒々としているというか居心地が悪そうな印象を抱かせます。もちろん、尖った印象のファーニチャ(家具)もその演出に一役買っています。

これがアフォーダンス理論を活用した、かの有名なマックの消費者管理の成果なのかと改めて思い知らされた訳でございます。客の回転率を高めることに執着して客の滞在時間を限りなく0に近づけた結果、そもそも客を入れさせないという大胆な結論に至ったとは、さすがに考えることがドラスチックですね(皮肉)

ということで、結局モスに落ち着いた次第です。こちらは赤色系の白熱球のような照明で、ゆったりと配置されたイスとテーブルが疲れた体を落ち着かせるにはぴったりでした。

大好きなオニポテセットを塩抜きで注文し、コーラを飲みつつしばし幸福を噛みしめます。

ちょっとしたことですが、こうした小道具も心憎い演出ですね~



そうなってくると、オニポテが揚げ過ぎて焦げていても、あばたもえくぼ、多少のことは気にならないから不思議なものです(笑)

最近、マクドナルドの不調とモスフードサービスの堅調が指摘されていますが、同じような時間帯に両店舗を見比べてみると、その理由が分かるのではないでしょうか。

後日、マックモスの各メニューの価格を比較しようとホームページを調べてみると、
・マックは小さい字で情報量が多いにも関わらず価格がまるで分からない
・モスは単純なデザインながらも、セット価格等の欲しい情報にすぐにアクセスできる
といった大きな違いがあることに気付きました。

居心地の悪さ、使い心地の悪さが業績低迷の主因なのではと思う瞬間でした。マーケティングとかの小難しい話をする以前の単純な話、なのではないでしょうかね。