室長の部屋

那須烏山市のスクラップ回収業(有)ひらつね 経営企画室ブログ

ワークショップの効能と副作用

2015年03月25日 | 地域計画
室長です。

本日、なすからミーティング・カフェという集まりがあり、先ほどまでそこに参加してきました。

那須烏山市主催のイベントで、「これからのまちづくりについて市民・企業・市民活動団体・職員等が共に考え、新たなアイディアを創出し実践する場」という題目のもと、ワールド・カフェという手法を用いてワークショップを実施するものです。

①那須烏山市は、どのような「まち」だと思うか
②那須烏山市に住み続けるために、「あったらいいなと思うこと」、「自分ならこうする」といった「思い」や「考え」
③自分が「市長」だったら、どのような「まちづくり」を行なうか
といった議題に即して、30名程の参加者がグループに分かれて雑談形式で意見を出し合うという内容でした。



普段顔を合わせることがない方々とも意見交換できる貴重な場ではあるのですが、まとめられた成果物の発表を聞いていますと(というか、その場を離れて覚めた頭で振り返ってみると)、ややもすると危ういなァと思わされる点があることにいくつか気付かされました。

それは、(一見すると)「魅力的な/耳触りの良い/短期的に効果が出そうな」アイディアに全体の意見がリードされていってしまうという危惧。言い換えますと、分かり易い内容に収斂されていくとでも言うか、平坦にならされていってしまうという怖さです。なんとなく世論の生成過程を見ているかのごとき様相です。それをもとに政策が展開されていってしまったらと少々戸惑うのは私だけでしょうか。。

しかも、今回はどのような募り方をしたのか分かりませんが、集まった参加者の顔ぶれを見たところ、市民=若者、企業=一次産業、三次産業というように少々偏りがあったことは否めません。①那須烏山市の特徴を考える際に、「自然」や「農業」といったキーワードは多く出るものの、「金属加工を主とする製造業が集積している」という意見を出したのは室長だけだったのではないかという気がしてなりません。那須烏山市がこれまで製造業を中心に産業集積が進んできたという経緯を過大評価しているのかもしれませんが、製造業のような分野こそ強烈な個性の臭いに満ちており、そうした分野のキーパーソンの意見も俎上にあげて議論をした方が今後のためには良いのではないかと思った次第です。

一方で、個人的にはちょっとばかり収穫もありました。

それは、ある参加者の「これからは行政任せにしない」という類の発言の中にありました。方々からいろんな政策提言がなされる中で、本当に創意のある個性的なアイディア(これが真に求められているものでしょう)は、強烈なアクの強さを放つ個人ないしは集団からしか生まれないのではなかろうかということに思い当たりました。とりわけビジネス的な発想に立つ個人や集団であれば、物事をよりシビアに捉え、ハードルがあったならそれをクリアするための知恵も絞るので、より洗練されたアイディアが生まれるのではないかと。

地域の活性化を考える際に行政はあくまで、行政が目指すまちづくりの範疇に入っている限り、そうした挑戦する個人や集団にスポットライトを当てて成功体験を積ませるといったアシスト役に徹するべきかもしれません。手っ取り早いのは、知恵を絞った個人や民間企業、団体がビジネスのような永続性のある形で事業に着手してしまうということです。行政は彼らが活躍しやすいように、情報・人脈・資金(補助金)のコーディネートをしてあげればよいでしょう。

ワークショップがまちづくりを進める際の有用なツールのように感じられる向きもありますが、ややもすると万人ウケする「民意」になってしまいます。それでは世の中を半歩リードするのことすら覚束ないでしょう。それよりも、知恵を絞り出した者が示す三歩も五歩も進んだ創意(もちろんロジックは必須)に価値を見出したいものです。エリート主義の誹りは免れないでしょうが、混迷を極める時代にはそうした選択肢も持っておかないといけないのではないでしょうか。

泣きっ面に蜂

2015年03月20日 | 仕事と経営
室長です。

先日はトラッククレーンのアタッチメントが壊れたと思ったら、今度は別のトラックのリアタイヤにこんなものが突き刺さっていました!



引取りの現場で拾ってしまったのでしょうか、10cm程の鉄筋の棒が変な角度でタイヤに刺さり、しばらく走ったせいかかなり削れてしまっています…

このところ暖かい日が続いていまして、屋外での作業後は汗が出てくるので窓を開けてトラックを走らせるのですが、どうりで窓の外からヒタヒタと変な音が聞こえてくると思いました(苦笑)パンクには至りませんでしたが、あわや大惨事につながるところでした。

クレーンの先端ばかり気にしているだけではなく、足元も注意しないといけませんね。。

勤続(金属)疲労

2015年03月18日 | 仕事と経営
こんにちは、室長です。

弊社のトラッククレーンに装着しているアタッチメントが突然ポキリ!!

ローテーターの回転部の太い軸があろうことか折れてしまいました。



十数年使ってきたものでしょうが、その間には荒っぽい作業を何度も繰り返してきたことでしょう。直径50mmは超えるであろう軸が折れるなんて想像もつきませんでした。長年の勤続疲労の結果と言えそうです。

こんなに太い鉄の塊でも折れる時は折れるものなのですね…。

シーンによっては近くで作業している人の安全にも関わってくる出来事ですので、設備のメンテナンスの重要性に改めて気付かされました。

真岡の経営者と話す

2015年03月08日 | 仕事と経営
室長です。

先日、真岡青年会議所主催の経営セミナーに参加してきました。

室長は青年会議所のメンバーではないのですが、那須烏山商工会青年部のメンバーの一人が真岡青年会議所にも所属しており、その方の紹介で参加してみた次第です。

超ISO企業研究会というコンサル組織がコーディネーター役を務め、個人作業やグループ内でのディスカッションを通じたワークショップ形式のセミナーでした。

顧客が“その製品”を選択する要因=価値を「顧客価値」と捉え、それをいかに創造し、提供し続けていけるかというのが今回のテーマでした。

ワークシートに記述する形式でセミナーは進行し、「自社固有の特徴」、「その特徴を生かした能力」、「自社の製品・サービス」、「ビジネスパートナー」を特定した後、「顧客の購買決定要因の描写」をしつつ最終的に自社の顧客価値をあぶりだしていくという流れでした。

残念ながら、自信を持って「自社の顧客価値はこれだ」と言えるものが特定できませんでした…(苦笑)もう少し顧客目線で自社の事業のことを見つめる必要性を痛感しました。

それにもまして今回興味深かったのが、会員企業の社長さん達とのディスカッションでした。青年会議所という組織の特徴でもあるのでしょうか、成長志向(会社も自身も)の強い方が多い印象でした。加えて真岡エリアは県内でも工業が盛んな地域で、そこに立地する企業もなんだか勢いがある気がしました。

目の前に座った社長さんは若いながらも十数年連続で増収を続けており、当初2億円程度の売り上げだったところが今では数十億円規模にまで成長させた実績があり、色々と示唆に富むお話をしていただきました。とりわけ、目標設定を具体化・明確化する必要があると諭されました。「○○な企業にする」といった理想的/抽象的な目標ではなく、「売上高を2倍にする」や「自分の収入を1,000万円にする」といった具体的な目標を設定すべきということです。

確かに、「なんのために売上高を2倍にするのか」、「なんのために自分の収入を増やしたいのか」といった根源的なことばかり考えていても、具体的な行動に移すためのとっかかりが見つかる訳でもありません。数字を目標に設定すれば、それをクリアできたか否かという判断基準が生まれることになり、経営を考える土台が自ずとできあがり、会社の中の目標の共有化がより容易に行なえる気がします。

なんせ経営は行動に移してなんぼのものです(←といろんな方から叱咤されます)。頭の中で堂々巡りをしている現状を抜け出すために、もう少し目線を現実に向けて具体的な数値目標に落とし込む時期にきているのかもしれません。

5時間の長丁場のセミナーで疲れましたが、実りあるセミナーでした♪

ウエスのいろは

2015年03月06日 | 資源プロジェクト
こんにちは、室長です。

過日、弊社が取り扱う商品としてウエスを紹介いたしました。ついでと言ってはなんですが、我々があまり知らないウエス事情についても少々調べてみたところ、面白い情報が見つかりましたので披露したいと思います。

【ウエスの語源】
ウエスの語源とは一説によると、waste(ウェイスト:浪費、くず)が訛ったものなのだとか。その語源が示す通り、ウエスは古着や古布などのいわゆる“ぼろ”を再利用したもので、色・形・材質ともに多種多様です。

【廃棄物からウエスができるまで】
このウエスというもの、製造業や塗装業の皆さんにとっては馴染み深い代物ですが、どのようにウエスが出来上がるのか、ご存知でしょうか?

①まず、一般家庭や事業所(主にリネンサプライ業)から廃棄された古着・古布が原料として回収されます。②専門業者の手作業による裁断や選別を経て、③集荷された原料のうち約3割がウエスに生まれ変わります(平成18年の実績は約67,000トン)。残りは中古衣料として輸出される他、反毛材(フェルト等)としても再利用されています。(下図参照)



そう、廃品を再利用するという観点から、ウエスはリサイクルの模範生なのです!

【世界経済の影響を受けるウエス】
ところで最近、ウエスの品薄状態が続いていることにお困りの方もおられると思います。

実はここ数年、本来ぼろとして処理されてきた国内の古着が、“腐っても鯛”よろしく、東南アジアを中心に海外で中古衣料として流通するようになり、結果、国内ではウエス向けの原料供給がタイトになっているためなのです。
アジア諸国の生活水準向上により、「古着を買えるようになった」人々が急増していることのしわ寄せと言えそうです。

実際、貿易統計で中古衣料の輸出量を見ると、直近(2014年)では約24万トンとここ数年で急増していることが見て取れます。石油製品や金属だけでなく、ウエスも世界経済の影響からは免れられない立派な「資源商品」なのです。


出典:財務省貿易統計

【安定確保のヒント】
ウエスの原料供給は確かに世界経済の影響を大きく受けていますが、実は国内の工夫次第で解決できるものなのではないかと個人的には思っています。

と言いますのも、一般家庭や事業所から廃棄される古着・古布の大半(なんと約9割!)がこうしたリサイクルのルートに乗らず、そのまま廃棄物として焼却処分されているからです。このスルーされてしまっている大量の古着・古布に目を向けることで、かなりのボリュームのウエス原料の確保が可能になることは想像に難くありません。

自治体によってはリサイクルに回しているところもあるそうですが、わが那須烏山市で回収される布類の廃棄物も単に廃棄される運命をたどっているのだとか……。古着・古布の廃棄量の約3/4が一般家庭に由来することを鑑みますと、行政等による回収ルールの見直しはもちろん、われわれ排出者の意識改革も必要になりそうです。


デジタルアーカイブ

2015年03月01日 | 社会・経済
室長です。

最近、「地域の文化をアーカイブする」という行為にとても関心があります。

日常生活の風景や文化、暗黙知、産業の様子(工場のレイアウトや職人の技など)etc、残そうという意識がないままでは失われてしまうであろう事柄を記録し、それをデジタル映像などで記録してデータとして残すのがデジタルアーカイブという手法です。

wikipediaの表現を借りれば、デジタルアーカイブの意義とは以下のようにまとめられるそうです。
・映像遺産の保全…過去の情景、風俗を記録した映像はその国や地域にとって貴重な文化遺産であるという発想から、それら映像遺産を散逸と消滅の危機から守り保存する。
・文化遺産の記録…劣化や損傷が進む歴史的文化財、また伝統芸能や伝統技術などの無形文化財をデジタル映像で記録し、後世に継承する。
・地域映像ライブラリー…地域の今日の姿を体系的に映像で記録し、郷土学習への活用と次世代への継承を図るための映像ライブラリーの構築を目指す。
・地域産業アーカイブ…地域の産業活動の情報化を図るため、地域の企業が共同利用できるよう商品やデザインなどのデジタル映像データベースを作る。

世界的にはこうした取り組みはかなり前から始まっており、最近ではウェブサイトも文化の一端ととらえて、日々更新されて消えていく過去のホームページをアーカイブするサイトもできています。

そのさきがけであるインターネット・アーカイブという非営利団体が運営する「ウェイバック・マシン」というサイトをのぞいてみました。なんと4,550億ものウェブページを保存しているのだとか。。驚くばかりです。

試みに「ひらつね」のホームページがどうなっているか見てみると(URLを入力する)、ちゃんと採取されていましてちょっと嬉しくなりました(笑)

また、著名なホームページの変遷などを見ることもできます。例えば、グーグルを見てみるとこんな感じです。

2001年4月20日から2015年2月27日までの間に17,781個の記録があることが分かります。



ここ数年でトップページの更新頻度が激増していることが分かりますね。

まず記録されている中で一番古い2001年4月20日のデータがこちら。今と比べると立体感のあるロゴデザインです。そう言えばそんなデザインだったっけかと気付かされます。



「iモードでGoogle!」とは、今となっては時代を感じさせますね(笑)

次いで2010年2月9日。



この頃は既にロゴを崩して多様に図案化した遊び心のあるデザインが取り入れられています。ちなみに2月9日は漱石の誕生日だそうです。

そして直近の2015年2月27日のデータがこちら。



至ってシンプルです。

このように、検索したいサイトが、日を追って検索できるというのがこのデジタルアーカイブの凄いところですね!

例えば、探しているサイトが「File not found」となっているけれど、どうしても見たいといった場合に使用すると良いかもしれません。逆に、サイトのURLが判らないと使用できないので注意が必要ですね。

また、上記のグーグルのトップページのような他愛のない情報であれば良いのですが、誤って流出した個人情報なども格納されてしまう危険性もあるので、そのあたりのバランスのとり方が少々難しそうですね。

いずれにせよ応用範囲が広いことが分かるデジタルアーカイブの世界。ちょっとばかり足を踏み入れてみたくなりました。