こんにちは、室長です。
那須烏山市では、数ヵ月前に消防署が市内の遠方に引っ越したことを機に、正午のサイレンが鳴らなくなりました。
野外で仕事をしている身からすると、やはり正午にはサイレンが鳴ってくれた方が色々と便利なことがあります。うっかりしていると、お昼を過ぎているのに気付かずに仕事を続けていた、なんてことも多々あるもので。。
先日、仕事で隣町まで引き取りに行った時のこと。お客さんのところを出たのが昼ぎりぎりになってしまい、急いで車を走らせていると、道路の脇から大音量の音楽が流れてきました。よく聞くと「ふるさと」の曲で、時間帯から推してみるにどうやら正午を知らせる音楽だったようです(笑)
防災無線を利用しているのか、町はずれの場所にもかかわらず耳に入りやすいものだったのでこれは悪くない施策なのではと妙に心に残りました。
隣町でもやっていることなので、「わが那須烏山でも!」と思い立って、さっそく市の「広聴箱」に投書してみました。
すると、一週間程してから回答が返ってきまして、議会でも同様の質問があったそうです。市民からは、サイレン吹鳴に対する賛否両論の意見(スピーカー付近の住民にはうるさいようです)が挙げられており、市役所周辺の住民にあまり迷惑のかからない、かつ、低廉で扱い易い手法を導入する方向で対応策を検討・模索しているところのようです。
個人的には、サイレンの代わりに那須烏山らしさを感じられる音楽やメロディーを流すのも一法かと思っているのですが、それについても市の方では何か考えがあるようです。。今後の対応に期待したいと思います。
それにしても、正午のサイレンと書くと、中原中也の「正午」(詩集『在りし日の歌』)という詩を思い出さずにはいられません。
「正午」
丸ビル風景
あゝ十二時のサイレンだ、サイレンだサイレンだ
ぞろぞろぞろぞろ出てくるわ、出てくるわ出てくるわ
月給取の午休み、ぷらりぷらりと手を振つて
あとからあとから出てくるわ、出てくるわ出てくるわ
大きなビルの真ッ黒い、小ッちやな小ッちやな出入口
空はひろびろ薄曇り、薄曇り、埃も少々立つてゐる
ひよんな眼付で見上げても、眼を落としても・・・・・・
なんのおのれが桜かな、桜かな桜かな
あゝ十二時のサイレンだ、サイレンだサイレンだ
ぞろぞろぞろぞろ出てくるわ、出てくるわ出てくるわ
大きなビルの真ッ黒い、小ッちやな小ッちやな出入口
空吹く風にサイレンは、響き響きて消えてゆくかな
この斜め上方のあたり(まるで雲の上=あの世)から世の中を眺めるかのごとき眼差しは、いかにも中原中也らしくていいですねぇ。