こんにちは、室長です。
各地で話題になっている英国のEU離脱問題ですが、スクラップ市況にも多少の動揺を与えています。今後の推移を注意深く見守っていきたいと思います。
そんなEU離脱問題が生じてしまった後ではすっかり色褪せてしまうとは思いつつも、離脱問題が起きる直前に執筆した市況分析があるので参考までにご紹介します。
*青:鉄スクラップ価格、赤:LEM銅価格(セツルメント)、緑:日経平均株価
黄:鉄鉱石先物価格(大連、元建て)
(いずれも指数)
3月から5月にかけてみるみる値を戻した鉄スクラップですが、5月中旬を過ぎると僅か一週間のうちに急転直下の続落に見舞われ、またも低迷を余儀なくされています。
下落要因は、中国による鉄鋼製品の過剰生産が主とされますが、一説には鉄鉱石価格の暴落があるとの声も聞かれます。タイミング良く売り抜けた読者諸賢におかれては、まことに羨ましい限りです…。
一方の非鉄相場も低位での膠着状態が続いています。英国のEU離脱問題と日本の円高基調、原油価格が安値で推移する見込みであること等を勘案すれば、世界経済の影響を受ける非鉄市況は総じて弱含みでの推移が予想されるでしょう。
前段で鉄鉱石価格に触れましたが、現在、世界の鉄鉱石取引において、中国の「大連商品取引所」が大きな存在感を持ちはじめていることをご存じでしょうか。
同取引所は2013年に開始したばかりにもかかわらず、中国ならではの規制のゆるさが好評を得て(?)、投機的な取引が活発になされているようです。中でも「鉄鉱石先物」の取引高の増加が著しく、昨対比400%と急増してバブルの様相を呈しています。
それは鉄鉱石価格の上昇からも見て取れます。2016年に鉄鉱石が供給過剰になるとの見通しがあるにもかかわらず、先物相場では年初より150%以上も上昇しているから驚きです。しかも、4月末に当局が規制強化に乗り出すと一転して値幅制限いっぱいまで下落するなど、荒い動きをしています。
影響は中国国内にとどまらず、海外の鉄鉱石相場や鉄鋼関連商品市況(鉄スクラップ価格など)を乱高下させるほど。伊勢志摩サミットでは、中国鉄鋼製品のダンピングがヤリ玉にあがりましたが、当局が真摯に対応するかは疑問(というか民間の製鉄業者が闇で作ってしまうのを止められない)。
中国の経済指標の悪化に加えて、鉄鉱石相場の乱高下が制御不能であることを鑑みるに、鉄スクラップ市況が良くなるとはとても言えないでしょう。
各地で話題になっている英国のEU離脱問題ですが、スクラップ市況にも多少の動揺を与えています。今後の推移を注意深く見守っていきたいと思います。
そんなEU離脱問題が生じてしまった後ではすっかり色褪せてしまうとは思いつつも、離脱問題が起きる直前に執筆した市況分析があるので参考までにご紹介します。
*青:鉄スクラップ価格、赤:LEM銅価格(セツルメント)、緑:日経平均株価
黄:鉄鉱石先物価格(大連、元建て)
(いずれも指数)
3月から5月にかけてみるみる値を戻した鉄スクラップですが、5月中旬を過ぎると僅か一週間のうちに急転直下の続落に見舞われ、またも低迷を余儀なくされています。
下落要因は、中国による鉄鋼製品の過剰生産が主とされますが、一説には鉄鉱石価格の暴落があるとの声も聞かれます。タイミング良く売り抜けた読者諸賢におかれては、まことに羨ましい限りです…。
一方の非鉄相場も低位での膠着状態が続いています。英国のEU離脱問題と日本の円高基調、原油価格が安値で推移する見込みであること等を勘案すれば、世界経済の影響を受ける非鉄市況は総じて弱含みでの推移が予想されるでしょう。
前段で鉄鉱石価格に触れましたが、現在、世界の鉄鉱石取引において、中国の「大連商品取引所」が大きな存在感を持ちはじめていることをご存じでしょうか。
同取引所は2013年に開始したばかりにもかかわらず、中国ならではの規制のゆるさが好評を得て(?)、投機的な取引が活発になされているようです。中でも「鉄鉱石先物」の取引高の増加が著しく、昨対比400%と急増してバブルの様相を呈しています。
それは鉄鉱石価格の上昇からも見て取れます。2016年に鉄鉱石が供給過剰になるとの見通しがあるにもかかわらず、先物相場では年初より150%以上も上昇しているから驚きです。しかも、4月末に当局が規制強化に乗り出すと一転して値幅制限いっぱいまで下落するなど、荒い動きをしています。
影響は中国国内にとどまらず、海外の鉄鉱石相場や鉄鋼関連商品市況(鉄スクラップ価格など)を乱高下させるほど。伊勢志摩サミットでは、中国鉄鋼製品のダンピングがヤリ玉にあがりましたが、当局が真摯に対応するかは疑問(というか民間の製鉄業者が闇で作ってしまうのを止められない)。
中国の経済指標の悪化に加えて、鉄鉱石相場の乱高下が制御不能であることを鑑みるに、鉄スクラップ市況が良くなるとはとても言えないでしょう。