室長の部屋

那須烏山市のスクラップ回収業(有)ひらつね 経営企画室ブログ

市況の先行きは弱含み

2016年06月29日 | スクラップ情報
こんにちは、室長です。

各地で話題になっている英国のEU離脱問題ですが、スクラップ市況にも多少の動揺を与えています。今後の推移を注意深く見守っていきたいと思います。

そんなEU離脱問題が生じてしまった後ではすっかり色褪せてしまうとは思いつつも、離脱問題が起きる直前に執筆した市況分析があるので参考までにご紹介します。


*青:鉄スクラップ価格、赤:LEM銅価格(セツルメント)、緑:日経平均株価
 黄:鉄鉱石先物価格(大連、元建て)
(いずれも指数)

3月から5月にかけてみるみる値を戻した鉄スクラップですが、5月中旬を過ぎると僅か一週間のうちに急転直下の続落に見舞われ、またも低迷を余儀なくされています。

下落要因は、中国による鉄鋼製品の過剰生産が主とされますが、一説には鉄鉱石価格の暴落があるとの声も聞かれます。タイミング良く売り抜けた読者諸賢におかれては、まことに羨ましい限りです…。

一方の非鉄相場も低位での膠着状態が続いています。英国のEU離脱問題と日本の円高基調、原油価格が安値で推移する見込みであること等を勘案すれば、世界経済の影響を受ける非鉄市況は総じて弱含みでの推移が予想されるでしょう。

前段で鉄鉱石価格に触れましたが、現在、世界の鉄鉱石取引において、中国の「大連商品取引所」が大きな存在感を持ちはじめていることをご存じでしょうか。

同取引所は2013年に開始したばかりにもかかわらず、中国ならではの規制のゆるさが好評を得て(?)、投機的な取引が活発になされているようです。中でも「鉄鉱石先物」の取引高の増加が著しく、昨対比400%と急増してバブルの様相を呈しています。

それは鉄鉱石価格の上昇からも見て取れます。2016年に鉄鉱石が供給過剰になるとの見通しがあるにもかかわらず、先物相場では年初より150%以上も上昇しているから驚きです。しかも、4月末に当局が規制強化に乗り出すと一転して値幅制限いっぱいまで下落するなど、荒い動きをしています。

影響は中国国内にとどまらず、海外の鉄鉱石相場や鉄鋼関連商品市況(鉄スクラップ価格など)を乱高下させるほど。伊勢志摩サミットでは、中国鉄鋼製品のダンピングがヤリ玉にあがりましたが、当局が真摯に対応するかは疑問(というか民間の製鉄業者が闇で作ってしまうのを止められない)。

中国の経済指標の悪化に加えて、鉄鉱石相場の乱高下が制御不能であることを鑑みるに、鉄スクラップ市況が良くなるとはとても言えないでしょう。

烏山のカラスの由来を学ぶ

2016年06月23日 | 商工会・法人会
こんばんは、室長です。

今日は、室長も所属する地元の若手経営者の組織である那須烏山商工会青年部にて、「烏と烏山の関係性について」というテーマで勉強会を実施しました♪



講師に中村彰太郎氏(那須烏山商工会前会長・(株)中村製作所 代表取締役)をお招きして、30分程のダイジェスト版のレクチャーをいただいたのちに、質疑応答しつつ歓談するという、青年部ではなかなか斬新かつ文化的な企画ですw

旧烏山町の時代に青年部が中心となって行なった、地域のCI(コーポレート・アイデンティティ)を見つめる活動に始まり、那珂川フェスティバルイン烏山(平成元年~10年間)の運営、そして日本カラスフォーラムイン烏山(平成3年)の開催のあらましを紹介され、まずはかつての青年部のパワフルさに圧倒されてしまいました。。

地域のアイデンティティを見つめる過程で、烏(カラス)という、一般的には不吉とされる名称を町名に使うようになったいきさつを調べていく中で、烏をとりまく歴史的・文化的な広がり/深みを発見し、調べていくうちにすっかりその虜になってしまったそうです。

その結果、こんなものまで作ってしまったというから驚きというか、感服してしまいます。



我々が住む「烏山」の地名の発祥には諸説あり、
①民話
②烏主山(カラスが主人の山)
③空州(からす)
④宮原の八幡神社
といった説があるそうです。

これという決定打はないものの、「民話というのは根拠や理由があって作られたもの」という性格が強いため、民話の中で言及される「稲積城から城を移築する際に、烏がくわえた幣束を落とした場所に新たな城(烏山城)を築いた」という一説が示すような由来が多分に有力なのではないか、というのがその場での見解でした。*参考:地名の由来

ちなみに、烏は神の仕えとして崇められており、また陰陽で言えば陽(太陽)を示す存在なのだとか。とりわけ熊野神社との関わりが深いようです。

話は地名の由来にとどまらず、八咫烏(やたがらす)と烏山の関連についても広がっていきます。八咫烏とは、「日本神話において、神武天皇を大和の橿原まで案内したとされており、導きの神として信仰されている」存在で、サッカー日本代表のシンボルマークにもなっています。

八咫烏の烏山との関係性はもとより、国内(熊野三山、出羽三山、厳島神社)や国外(中国、韓国)との関係性にまで及び、なかなか消化しきれず…。神話や神社仏閣の話になると、歴史に関する知識の浅い人間には到底理解が難しいもので。。勉強の必要性を感じた次第です。

なにぶん若輩者なので理解の深浅はさて置くことにしまして、烏山の地名の由来が諸説あり、今でこそ人気のない烏も神聖なものの象徴だったことなどを知り、もう少し若い時分に知っておけば良かったと悔やむメンバーもいたりして、なかなか刺激的な機会だったのではないかと思います♪

「幼少の頃に学習しておけば、故郷への愛着も少し違ったものになったのでは」と惜しむメンバーもいましたが、ひょっとすると、それはこのレクチャーを聞いた我々が次の世代に向けて課せられた仕事なのではないかと責任感を意識した瞬間でもあったと思います。

いずれにせよ、講師の中村氏は、烏の研究をライフワークの一つとして向き合っておられることから分かるように、烏の歴史は非常に奥の深い分野です。微力ながら我々がそのお役に立てる…とは毫も思っていませんが、その広大無辺に広がる世界の入り口にとりあえずは立つことができたというのは、非常に意義深いことなのではないかと思った次第です。

また一つ、青年部に課せられたテーマが増えましたが、じっくりと向き合っていきたいと思います!

IoT≠「モノのインターネット」

2016年06月21日 | 仕事と経営
こんにちは、室長です。

先日、日刊工業新聞主催の「スマートコミュニティ JAPAN 2016」なるエキスポを見学してきました♪

水素社会やバイオマス等の環境ビジネスに関する展示が主でしたが、個人的にはIoT系のネタ探しを主眼に据えた見学でした。

最終日の最後のコマにIoT系の講演がありまして、それが基本的な理解を深めてくれたので備忘録的に以下に記します。

「IoTを自社ビジネスでどのように活用するか ~十字フレームワークで理解するIoT事例 SAPジャパン 村田聡一郎」

①「IoT=Internet of Things」は、〝モノのインターネット”と訳されることが多いが、大きな誤り。
 〝モノ・コトの相互接続”が正しい理解である。
 今後、日本がIoTを使いこなせず他国の後塵を拝することになった場合(というかそうなりつつある)、この語訳が戦犯になるだろう。

②日本のIoTはせいぜい〝見える化”どまりになっているが、本来の目的は「IoP=Internet of Processes」である。
 すなわち、業務プロセス(バリューチェーン)を対象に、業務の中身を組み合わせて水平連携し、カネを生む仕組みを構築するのが真の狙いである。

③Industry4.0(第4次産業革命)は全産業に影響を及ぼす。
 これは製造業と非製造業の垣根がなくなるという意味でインパクト大。

④十字フレームの活用



 (1)のマーケットにおいて
 (2)で戦っていたが
 (3)のIoT、IoPを使って
 (4)顧客の真の欲求を満たす

 例)ハグレイトナー
  (1)トイレのサニタリー用品
  (2)ペーパータオルの販売
  (3)〝トイレ・ビッグ・データ”の活用
  (4)トイレ管理の一括請負
   →使っていない時間帯のトイレ稼働を下げてコスト削減を提案

⑤3.0軸と4.0軸は全く違う
 ・従来の競争軸=(Industry)3.0軸をタテ軸
 ・新たな競争軸=(Industry)4.0軸をヨコ軸
 とした場合、海外勢は3.0軸だけ(=製品・サービスの品質といった既存の競争)では日本に勝てないので、4.0軸との「あわせ技」で勝とうとしている。

⑥「他社に落ちているカネ」をとりにいく、と考える
 拾いやすいのは「節電」と「事故防止」。製造業であれば(バリューチェーン上の)工場の「前」と「後」。従量課金という発想もアリ。

⑦デジタルのコスト構造とフィジカル(ハード)のコスト構造の違い
 ・無料、無制限、時差ゼロetc...
 ・ソフトウェアは自社開発しないで、誰かが作ったものを利用する
 ・「一人勝ち」になりやすい。できるだけオープン化して仲間を増やす
 ・IoTは自社だけではできない(できるのはGEだけ…)
  →ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークのプロと協働する

以上を総括したキーワードは以下の通り。
○IoTによるデータと業務プロセスの連携
○モノを介した価値の提供全般
○モノづくり力×サービス力

これだけだとぶつ切りで分かりにくいかもしれませんが、後で思い出せるだけのフレーズを書き出してみました。定期的に振り返って、経営に生かしていきたいと思います♪

看板採集 番外編2(新潟市西蒲区)

2016年06月20日 | 看板採集
室長です。

久しぶりの「看板採集」。



新潟市西蒲区(旧・巻町)で採集したのですが、栃木県から遠く離れた土地でも同じようなフォーマットで生息していることに何故か安堵してしまいます(笑)

基本的に身の回りの看板を採集するのがこのカテゴリの趣旨なのですが、たまにはご愛嬌ということで。

東日本の車窓から

2016年06月19日 | 趣味
室長です。

忙しさにかまけて、なかなか投稿できない今日この頃。

変わらず元気です。ブログ更新を後回しにしてでも、遊びにはそれなりに行ってますのでご安心ください(笑)

さて、今日は最近行った新潟旅行のスナップを紹介します。

JR東日本管轄の駅では様々な場所でそのポスターを目にする「現美新幹線」。その実物を長岡駅のプラットホームで見かけました♪

越後湯沢~新潟間を結ぶ1時間足らずの乗車時間で、料金は5,400円也!



内部を一目見てやろうと思ったのですが、さすがに入り口付近からは垣間見えることはできませんでしたw



子供も寝転んで遊べるようなフラットな車両もあり、金額さえ気にしなければ一度乗ってみたいものです。


新潟へは、先だってのゴールデンウィーク中も行きました。その際は車で旅行したのですが、心身ともにかなり疲弊したので、今回は新幹線を使ってのリッチな旅でした。

元来、新幹線に限らず車窓からの風景をぼんやり眺めるのがこの上ない悦びと感じているのですが、高架が続く新幹線(しかも2階建てMAXの左窓側ときたら!)からの眺めは至福の時です。



普通の人からしてみればごくありふれた都会の街並みですが、折に触れて雑多な考えが沸いては消えていきを繰り返し、自由詩的な気持ちになることができます。

更に、車両に身を委ねて少し高いところから風景を眺めていると、普段ピリピリ神経を使っている日常の些末が変に客観視できて案外面白いものです。例えば、乗用車を運転していて他の車にこすらないよう細心の注意を払っているシーンを思い出すと、目の前に見えている街全体で起こっていることの、ごくごく一部の出来事に過ぎないのだなぁ…等と変に達観の心持ちになります(笑)飛行機の車窓(機窓?)からはもっと相対化した見方ができるようになるのでしょうか。


最後は、宝積寺駅で見かけた貨物列車。



あまり見かけないタイプの貨物列車だったので思わず写真に収めました。

北九州市の黒崎駅に所属する車両のようで、どうやら日鉄住金で製造した鉄道用レールを運ぶ車両と思われます。

この殺風景な貨物車両は、誰もいないうら寂しいホームに、たまらない程マッチしますね~いやぁ、旅の最後に大好きな風景が見られて幸せでした(笑)


以上、とりとめのない車窓話でした。


おまけ1

大宮の書店をぶらついていたところ、鉄道貨物協会というところで『貨物時刻表』というものを作成しているのを知りました!袋とじになっているので残念ながら中身は見られませんでしたが…


おまけ2

上記のレール輸送専用の貨物列車ですが、なんと今年4月にデビューした編成だそうです。
中央部分のチキ5450の貨車が特徴的なこの編成。驚くべきことに、150m(今までは50mが主)もの長尺レールを一括輸送できるのだとか!カッコイイですね♪