こんにちは、室長です。
このところ、鉄スクラップについて調べものをしていたところ、あることが気になりまして、ここ数日はそれにハマってしまいました。
どんなことかと言いますと、スクラップとして持ち込まれる鉄筋のメーカー調べです。
なんだそんなことかと舌打ちされそうですが、まあ聞いてください(笑)
工場や解体現場で発生する鉄スクラップは、弊社のような業者が集荷(または持ち込み)して一定の規格に加工され、電炉メーカーに納められてそこで溶かされて再度新しい鉄に生まれ変わります。
ちなみに、電炉とは電気を用いて鉄スクラップを溶かす装置のことで、電炉メーカーとは電炉を用いて鉄鋼製品を製造する鉄鋼業のことです。
電炉メーカーで作られる製品には棒鋼、形鋼、鋼板etc...様々ありますが、最もスタンダードなものは棒鋼(鉄筋)です。日本には40社近くの電炉メーカーがありますが、そのうち約30社で棒鋼を生産しています。
鉄筋にはそれぞれどの業者が製造したものであるか分かるように「ロールマーク」というロゴのようなものが刻印されています。それで冒頭の話に戻るのですが、弊社に持ち込まれる鉄スクラップにはもちろん鉄筋も含まれていますので、ちょっと興味がわいたのでヤードの鉄くずの山をかき分けてそのマークを調べてみた次第です。
その結果、以下のマークが付された鉄筋が“発掘”されました。
「UC」→北越メタル(株)(新潟・長岡)
「M」 →(株)向山工業(埼玉・久喜)
「ONI」→(株)伊東製鐵所(茨城・つくばor宮城・石巻)
「CK」→千代田鋼鉄工業(株)(東京・足立区)
「+」 →関東スチール(株)(茨城・土浦)
「JS」→(株)城南製鋼所(埼玉・川口)
「AC」→不明
「T」 →不明
これは弊社に持ち込まれた鉄筋のごく一部を探して得たものなのですが、それぞれの鉄筋がスクラップになる前に使われていた会社や場所によって、これだけのバリエーションがあるとはなんとも面白いものです。一目見ただけでは全く見分けがつかないのですが…
鉄筋にせよ形鋼にせよ建設現場で使われるものが大半です。建設需要は国内どの地域でも平均的に存在しますので、それにあわせて電炉メーカーの生産拠点も全国的な広がりを持っています。そういう意味で、鉄スクラップも「地産地消」の商品と表現されることがあります。現に、栃木県内にも3社の電炉メーカーがあるくらいですから。
ですので、たとえば弊社のヤードに転がっている「UC」という表示の鉄筋は、新潟近隣から集められた鉄スクラップが新潟・長岡市の信濃川のほとりにある北越メタルの工場で生産され、はるばる栃木県まで運ばれて何らかの形で消費されて弊社まで辿り着いたのかと思うと、ちょっとロマンが感じられないでしょうか?(笑)そんなことに思いを馳せていると、たかがメーカー別の鉄筋探しなのですが、昆虫採集のようにちょっとワクワクするものなのです♪
それにしても、不明の「AC」や「T」のロールマークはどこのものなのでしょうか…ネットで調べてもなかなかヒットしません。知っている人がいたら是非とも教えてもらいたいものです!