室長の部屋

那須烏山市のスクラップ回収業(有)ひらつね 経営企画室ブログ

プラ新法とは

2022年03月31日 | スクラップ情報
室長です。

早いもので、気付けば明日から4月。様々な物事が新しくスタートするタイミングですが、廃棄物業界に関連するところでは4月1日から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラ新法)が施行されます。

※詳しくは環境省のサイトを参照。

このプラ新法、昨今の社会の脱プラやサーキュラー・エコノミーを進めるための法律で、今後のプラ資源の扱いがどうなっていくのかを示す法律です。とは言っても、未だにピンとこない方(私も含め)が多いかもしれません。そこで、私なりに思い切って要約してみることにしました!


(0)新法制定のねらい
2050年にカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量を全体としてゼロにする)を実現するという政府の壮大な方針の下、プラスチックを使用した製品の設計・製造から廃棄物の処理までのライフサイクル全体で資源循環を促すために新法を制定しました。
法律では、主にプラ製品の
①設計・製造
②提供・販売
③排出・回収・リサイクル
の3つのフェーズに分けて、守るべき指針や基準を示していますが、ここでは「消費者」、「市民」および「排出事業者」の切り口から、法律施行による具体的な影響を見ていきたいと思います。

(1)消費者への影響
◎ワンウェイ(使い捨て)のプラスチック製品の使用規制が強化
──これまで消費者に無償で提供されていた以下の12品目のプラ製品について、「特定プラスチック使用製品」に指定して、削減に向けた取組み(≒実質的には有償化)が求められるようになります。
・フォーク
・スプーン
・ナイフ
・マドラー
・ストロー
・ヘアブラシ
・くし
・かみそり
・シャワーキャップ
・歯ブラシ
・ハンガー
・衣料用カバー

(2)市民(日常生活)への影響
◎新しい分別ルールが導入(されるかも)
──これまで燃えるごみ等として回収された再資源化可能なプラ製品について「プラスチック製品」として新たな品目が設けられ、分別回収されるようになります。ただし、自治体によって対応はマチマチのようで、私の住む那須烏山市では未実施の予定のようです。

(施行前):燃えるごみ(生ごみもプラ製品ごみも一緒)
(施行後):燃えるごみ(生ごみ)+プラスチック製品
※リチウムイオンバッテリーを使った機器は、破砕時の爆発のリスクが高いため、混入にはナーバスなのでご注意を!

(3)事業者(排出者)への影響
◎「排出事業者が取組むべき排出の抑制・再資源化等」の明確化
──事業活動に伴って排出されたプラスチック使用製品廃棄物を「プラスチック使用製品産業廃棄物」と規定し、排出者は以下の優先順位に従って排出抑制や再資源化を進めるよう求められます。
①排出の抑制…そもそものプラスチックの使用量を減らす
 ↓
②適切な分別…再利用できるものとそうでないものを厳格に分別
 ↓
③再資源化の実施…「マテリアルリサイクル」がメイン
 ↓
④再資源化できないものは可能な限り熱回収
 ↓
⑤どうしても再利用できないものだけ焼却処分へ

※小規模企業等(商業・サービス業:従業員数5人以下、上記以外の業種:20人以下)はこれらの指針から除外。
※代表的な廃プラである緩衝材などもプラスチック使用製品産業廃棄物として明確に規定されている

◎排出の抑制及び再資源化等の実施状況の把握、管理体制の整備
──「その記録を行うものとする」、「事業場ごとの責任者の選任」といった表現で明文化されており、それに伴って今後、何かしらのチェックがされるようになるかもしれません。この点については不明瞭な部分が多いため、適宜フォローしていきたいと思います。


以上をまとめると、熱回収をしない単純な焼却処理のハードルが非常に高くなる(単純焼却するには、相応の理由づけが必要になる)と換言できそうです。努力義務に近い指針ですが、国が今後目指す方向性を如実に示すものとして無下にはできませんね。

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