Ca me plait beaucoup

1歳の娘との生活と日々の出来事、想う事、旅行の事などなどなど

クリクリのいた夏

2007-03-10 02:46:29 | テレビ&映画
 TSUTAYAで今回借りたのは「クリクリのいた夏(Les Enfants du Marais)」。フランス語学校でポスターを見て以来、見たいなぁと思っていた作品です。

 お話は1930年代のフランスの田舎。戦争から帰ってきたガリスと仕事仲間のリトンを中心に、沼地に住む人たちの貧しくとも心が豊かな生活を描いています。クリクリはリトンの小さな娘。数十年後に彼女が昔を回想しながら当時の事を語るという設定になっています。
  
 私はまずこの映画の雰囲気に惹き込まれました。キラキラ輝く木々や沼、そこに住むちょっと変わってて、でも優しい人たちがたまらなく魅力的です
 5月になればスズランを売り、雨が降った次の日は山にエスカルゴを取りに行き。その日暮らしの生活をする彼らは、とても貧乏。でも、その生活は温かく、とても豊か。そしてその生活に誇りを持っています。質素なテーブルに、パンとワイン、釣った魚、そして大好きな仲間。それだけで充分。本来人間はそういうもんだよねと、しみじみ感じさせられました。
  
 彼らと沼地を慕って仲良くなる街の人たちとの交流も見所です。ガリス達の友人の独身貴族アメデ、昔沼地に住んでいた金持ちぺぺ。出てくるのはおじさんばっかりなのに(笑)、微笑ましく、人間臭い彼らをいとおしく感じました。(初対面の人ともすぐに仲良くなっちゃえる所なんか、内気な私から見たら羨ましい限り。日本人ではこうはいかないと思う)

 そしてラスト。全然そんなつもりではなかったのに、少し泣いてしまいました。そんな幸せな生活を見られなくなるのが残念だったのと、別れと、ノスタルジック感に駆られたからだと思います。
 この映画、また見たいですねぇ。ボクサーが何かやってしまうのではと終始ハラハラしていたので、次回は落ち着いて温かい雰囲気を楽しみたいなぁと思います。

 「自由とは、何をし何をしないか、自分で選び決めることである」(作品より)

 派手な展開も無く、ただ淡々と彼らの日常がつづられた良作。またお気に入りが1つ増えました