ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

日本脳炎ワクチン 接種継続へ(因果関係は認められない)

2012-12-17 11:54:00 | 新聞記事など
日本脳炎ワクチン 接種継続へ(因果関係は認められない)

 日本脳炎ワクチンに関して記事がありました。
「http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121213/t10014165541000.html
日本脳炎ワクチン 接種継続へ」12月13日

 記事によれば「日本脳炎の予防接種を受けた子ども2人がその後、死亡したことについて、厚生労働省の専門家会議は、いずれも明確な因果関係は認められないという見解をまとめ、今のワクチンを使った予防接種は継続されることになりました。」
亡くなられたのは残念ですが1人の方に関しては「厚生労働省の専門家会議が、検査データや血液などを詳しく調べたところ、急性脳症で死亡した子どもには、別の感染症の症状があり、接種の3日後に肺炎を起こしていたことが分かりました。専門家会議は、感染症が急性脳症を引き起こした可能性が高く、ワクチンの接種との明確な因果関係は認められないという見解をまとめました。」
2人目の方に関しては「持病の治療薬として一緒に飲むと死亡する危険性があるとされる薬が処方されていて、血液からも薬の成分が高い濃度で検出されたということです。専門家会議は、薬の副作用による突然死の可能性も考えられ、ワクチンとの直接的な因果関係は認められないという見解をまとめました。」

 この二人目の方に関しては当初は「事件 日本脳炎予防接種直後に小5男児死亡 妹には異常なし 岐阜 2012.10.18
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121018/dst12101811170010-n1.htm」というタイトルのもとに「岐阜県のこどもクリニックで17日夕、日本脳炎の予防接種を受けた小学5年の男児(10)が約5分後に意識不明、心肺停止状態となり、約2時間半後に死亡が確認された。岐阜県警関署が死因を調べている。ワクチンを接種した。直後に突然倒れ、これに気付いた看護師が119番した。一緒に接種をした小3の妹(9)に異常はないという。」という報道で、事件として取り扱われていました。これだけを読むと,恐ろしいことが起きているように感じます。事実としてワクチンにトラブルはつきもので、一定の確立で起きるため。今回も低い確率の中で起きてしまった事故だと思っていました。しかし、その約2週間後「死亡2例、因果関係認めず=日本脳炎予防接種―厚労省小委10月31日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121031-00000063-jij-soci」というタイトルで「日本脳炎の予防接種後、男児(10)が死亡した問題で、厚生労働省の小委員会は「接種行為が関係した可能性は不明だが、ワクチンとの関連は低い」と判断した。」理由は「専門家からは男児が発達障害で3種類の薬を服用し、うち2種類が併用を認められていなかったことや肝機能障害が見られたこと、注射自体が与えたショックの影響が否定できないとの意見が出された。」。そして最初の報道から約2か月経って今回の報道です。少々疑問も感じます。
 少なくとも現時点では日本脳炎は必要なワクチンです。今後も滞りなく接種を続けたいと思います。

ひきた小児科クリニックでは、三種混合ワクチン、四種混合ワクチン、BCGワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、肺炎球菌ワクチン(プレベナー)、子宮頚癌ワクチン(サーバリックス)、BCGワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘(水ぼうそう)ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、B型肝炎ワクチン、不活化ポリオワクチン、インフルエンザワクチン、ロタウイルスワクチン(ロタリックス・ロタテック)他などの予防接種を行っています。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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