ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

RSウイルスに関する先の記事の補足

2012-09-28 14:41:47 | 新聞記事など
RSウイルスに関する先の記事の補足

記事には「RSウイルスは、2歳までにほとんどの子供が感染するとされており、発症すると発熱や鼻水、せきなどの症状が出る。悪化すると肺炎や気管支炎を起こし、小さな子供ほど症状が重くなる。」とあります。RSウイルス感染と聞くと、なんとなく恐そうですが、裏を返せばほとんどの子供が感染して治る病気なので、一定の条件下でなければ感染自体は驚く必要はありません。今日も診療していると保育園の2歳や3歳のクラスでRSの友達がいると相談にこられた患者さんがいました。そもそも軽症例のRSを検査するのが間違いのような気がします。検査をして不安になっている方が多いことの方が困ったことです。RSウイルス感染は一部の患者さんで悪化して症状が重くなる場合が大変だと認識して頂けると良いと思います。
 最新感染症カイドによれば「もともと健康な乳児のRSV感染症は入院を必要としない。また入院した児の多くは対症療法で改善し5日以内に退院する。」とあります。一方で「免疫の低下している乳児や複雑な先天性心疾患では重篤、あるいは致死的になる」とのことです。ちなみに、「重篤、あるいは致死的になる」可能性のある児には予防法があるため予防のための注射をしています。裏を返せば予防の対象になっていない場合は大騒ぎをしなくて良いと思ってよと思った方が安心していられるかも知れません。もちろん、生後間もない赤ちゃんでゼコゼコしていればすぐに小児科を受診してください。まあ、そんなことを言っても例外はいますし、感染しないに越したことはないので手洗いはしっかりして感染予防をしましょう。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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