精神機能と能力開発:心理学―教育学―社会学

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苦手だった人が教える・苦手な人に教える ~教え方が鍛えられるとは?~

2015年04月14日 | 教授法・ティーチングスキル




『苦手だった人が教える・苦手な人に教える ~教え方が鍛えられるとは?~』

0-1)得意な人・苦手な人・苦手だった人(得意になった人)
0-2)理解の段差(ステップか、バリアか?)
0-3)ユニバーサルデザイン・スモールステップ

1)得意な人は、理解の段差を意識しない。この段差は、次に進むためのステップ。
  段差のことは無意識で、次に進む内容のことを考えている。
2)苦手な人は、この段差がステップではなく、バリアになる。
  苦手な人が理解するためには、自分自身で試行錯誤して、この段差に多様なステップを自作しなければならない。
3)苦手だった人(得意になった人)は、通常ならば説明が省略される理解の段差を、多様なステップで説明することができるので、分かりやすい説明になる。
4)苦手な人に教えるときは、このステップの説明を1つでも省略すると、その人の理解はその先に進めなくなる。
  教える人には分かり切ったことでも、改めて見つめ直し、前提の1つ1つを省略しない説明を考える必要がある。
5)苦手だった人が教える・苦手な人を教えることは、教え方が鍛えられる。


<関連記事>
理解の段差とスモールステップ ~分かりやすい説明とは?~ >>このブログ内のリンク先

日常の無意識とユニバーサルデザイン ~適応的無意識と健常者の盲点~

2015年04月13日 | ユニバーサルデザイン


『日常の無意識とユニバーサルデザイン ~適応的無意識と健常者の盲点~』

(1)臨床の無意識
 1)精神分析:抑圧されたコンプレックス。治療の対象。
 2)認知行動療法:自動思考(否定的な思考習慣)
 3)芸術:無意識は創造の源泉。創造の病。

(2)日常の無意識 ~適応的無意識~
 1)習慣になっていること。
 2)直感的判断、常識。
 3)当たり前のことで、改めて自覚することが少ない。

(3)適応的無意識と健常者の盲点
 1)日常の当たり前のこと=健常者の無意識(適応的無意識)
 2)ステップの段差を意識するのは、ステップの段差を越えられないとき。ステップがバリアになるとき。
 3)障害=健常者の無意識・健常者の盲点

(4)健常者の盲点とユニバーサルデザイン
 1)ユニバーサルデザインとは、健常者の盲点(適応的無意識)を改めて意識すること。
 2)健常者の盲点(適応的無意志)には、健常者も障害者も、多様なニーズが潜在している。
 3)この多様なニーズに応えることが、ユニバーサルデザイン。

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心身障害科学とユニバーサルデザイン ~多様なニーズに応える~ >>このブログ内のリンク先
無意識の働き ~適応・不適応・創造・暗黙~ >>このブログ内のリンク先

ADHDと定型発達のモチベーション ~内発と自律の違い~

2015年04月12日 | 動機づけ・モチベーション・習慣


『ADHDと定型発達のモチベーション ~内発と自律の違い~』

(1)3つのモチベーション
1)内発 Intrinsic
 a)そのもの・没頭
 b)活動そのものに動機づけられている状態。
 c)活動それ自体から動機づけを得ている。
 d)活動に没頭している状態。フロー体験・ゾーン。
 e)スポーツや芸術など。
2)自律 Effortful
 a)意志・自制
 b)自分の意志で、コントロールしている状態。
 c)自分の志や目標に向かって努力(継続した取り組み)をしている。
 d)目先の誘惑に負けずに、自制している。
3)向社会 Prosocial
 a)人のため・人と一緒に
 b)自分のニーズのためではなく、人のために、社会のために取り組む。
 c)人の喜びが、自分の喜び。
 d)人との関わりが楽しい。人に動機づけられている。
 e)仕事・ボランティアなど。

(2)ADHD 注意欠如・多動性障害
1)内発 ◎
 a)自分の好きなこと、面白そうなことには没頭して、高い集中力を示す。
 b)ADHDとは、集中できないのではなく、集中力を自分でコントロールすることの困難。
2)自律 △
 a)自分の興味のないことには、全く取り組まない。
 b)たとえ興味がなくても、今するべきことに、自分を向かわせることの困難。
 c)目先の誘惑に負けてしまう。
3)向社会 ◎
 a)人懐っこい。知らない人にも物怖じしない。
 b)人に注目されたり、人に構って欲しい気持ちが強い。
 c)人と一緒に、大勢で取り組むことが楽しい。


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発達障害の天才 ~ADHDとアスペルガー症候群の違い~ >>このブログ内のリンク先

パソコンのOS(基本ソフト)と人間の精神機能 ~基礎学力と汎用的スキル~

2015年04月11日 | 学力・リテラシー・コンピテンシー




『パソコンのOS(基本ソフト)と人間の精神機能 ~基礎学力と汎用的スキル~』

1)CPU(中央演算処理装置) … 大脳(神経生理・認知)
2)OS(基本ソフト) … 基礎学力・汎用的スキル
3)アプリケーション … 専門的知識・スキル

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人間の精神機能 ~コンピュータの比喩~ >>このブログ内のリンク先

意思決定の主観性 ~コミットメントと限定合理性~

2015年04月10日 | 思考・意思決定


『意思決定の主観性 ~コミットメントと限定合理性~』

0-1)コミットメント(自分事・自我関与)
0-2)自分で自分を考える(再帰的・自己意識)

「意」の側面
1)自己意識・主観
2)直感・気分・感情
3)希望・意欲
4)期待・満足
5)理想・信念・志
6)過去の経験と記憶(成功体験・失敗体験)

「知」の側面
7)他人事・客観

(不確実性)
8)未来のことは誰にも分からない


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1)知と意の関係
人間の精神機能の分類・特徴・階層 ~知・情・意・信~ >>このブログ内のリンク先
人間の知・情・意と限定合理性 ~直感と感情の影響~ >>このブログ内のリンク先

2)主観と客観の関係
心理学の1人称、2人称、3人称 ~主観、共感、客観~ >>このブログ内のリンク先
協同学習における、対話と知識の生成 ~主観から客観へ~ >>このブログ内のリンク先
実践理論と科学理論 ~汎用的スキルと産学キャリア~ >>このブログ内のリンク先

思考力の職業的レリバンス ~論理的思考と批判的思考~

2015年04月09日 | 思考・意思決定






『思考力の職業的レリバンス ~論理的思考と批判的思考~』

(1)論理的思考(ロジカルシンキング・知識の活用)
 1)Issue・Goal:問題解決・実用化
 2)So:現状・状態・要因
 3)Why so?:なぜそうなるのか(原因・理由)、なぜそう言えるのか(根拠・論拠)
 4)So what?:それによって何が起きるのか(帰結・結末)、それにはどのような意味があるのか(意味・意義)

(2)批判的思考(クリティカルシンキング・知識の探究)
 5)常識的・日常的・直感的判断
 6)真偽の検証・真理の探究

<関連記事>
1)教育の職業的レリバンス
 学校と仕事はどのように繋がるのか? ~大学教育の職業的レリバンス~ >>このブログ内のリンク先
 理学と実学 ~大学教育と産学キャリアのレリバンス(適合性)~ >>このブログ内のリンク先

2)論理的思考と批判的思考
 ロジカルシンキングのピラミッド構造と2つのツール ~Why so? と So what?~ >>このブログ内のリンク先
 批判的思考と垂直思考 ~学術研究と経営ビジネス~ >>このブログ内のリンク先

心身障害科学とユニバーサルデザイン ~多様なニーズに応える~

2015年04月07日 | ユニバーサルデザイン


『心身障害科学とユニバーサルデザイン ~多様なニーズに応える~』

(1)ICF(国際生活機能分類)の考え方
(2)ステップか、バリアか
(3)ユニバーサルデザイン
(4)多様なニーズに応える

<関連記事>
1)多様なニーズとユニバーサルデザイン
ステップか、バリアか? ~ユニバーサルデザインの発想~ >>このブログ内のリンク先
教学(教授-学習)のユニバーサルデザイン  ~ユニバーサル段階の大学と多様性について~ >>このブログ内のリンク先
2)ICFの考え方
障害のとらえ方 ~ICFとICIDHの違い~ >>このブログ内のリンク先
国際生活機能分類(ICF)のシンプルな理解 ~身体・生活・環境~ >>このブログ内のリンク先

身体知・暗黙知と形式知 ~知識の言語と非言語、主観と客観~

2015年04月06日 | 学力・リテラシー・コンピテンシー


『身体知・暗黙知と形式知 ~知識の言語と非言語、主観と客観~』

「私たちは、言葉にできるより、多くのことを知ることができる」(マイケル・ポラニー「暗黙知の次元」)
「言葉は濾し水、そこには最良のものが失われている」(オイゲン・ヘリゲル「禅の道」)

(1)身体知・暗黙知(非言語)
 1)経験・直感:すべてはここから始まる
 2)熟達・熟練:機械の精度を上回る技能

(2)形式知(言語)
 3)経験知(主観的)
 4)科学(客観的)

<関連記事>
1)知識生成の源泉としての身体知・暗黙知(非言語)
学習とコミュニケーション ~対面指導における非言語コミュニケーションの役割~ >>このブログ内のリンク先
教授-学習パラダイムの新旧 ~情報化されないもの・最も大切なもの~ >>このブログ内のリンク先

2)身体知・暗黙知と無意識
アイデアは、どこからやって来るのか? ~「意識レベル」の潮の満ち引きの落差~ >>このブログ内のリンク先
無意識の働き ~適応・不適応・創造・暗黙~ >>このブログ内のリンク先
無意識有能と熟達 ~オイゲン・ヘリゲル「弓と禅」~ >>このブログ内のリンク先

3)主観と客観
実践理論と科学理論 ~汎用的スキルと産学キャリア~ >>このブログ内のリンク先

空気と文化 ~非言語コミュニケーションと強化随伴性~

2015年04月05日 | 社会性・コミュニケーション


『空気と文化 ~非言語コミュニケーションと強化随伴性~』

(1)空気
 1)空気とは、非言語コミュニケーション。言語以外の方法で伝えあうメッセージ
 2)例:表情(顔)、しぐさ(身体)、抑揚・沈黙(声)
 3)空気(非言語)は、根源的:本心・真意

(2)空気を読む
 1)空気(非言語)は、コミュニケーションを成立させる土台となる、最も重要なメッセージ
 2)空気(非言語)は考えるものではなく、感じ取るもの
 3)空気(非言語)を読む・変える・作る

(3)文化
 1)文化とは、集団内で共有されている望ましさの規範。家族・学校・地域・会社・コミュニティ・グループ
 2)例:考え方・行動・習慣・価値観
 3)郷に入りては郷に従え。

(4)強化の随伴性
 1)望ましい行動が増加し(強化)、望ましくない行動が減少する(消去)ような、反応を受ける(随伴性)。
 2)文化とは、望ましい行動の、集団内での強化随伴性。

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学習とコミュニケーション ~対面指導における非言語コミュニケーションの役割~ >>このブログ内のリンク先

協同学習とユニバーサルデザイン ~専門家の盲点と学生目線の学習~

2015年04月04日 | ユニバーサルデザイン








『協同学習とユニバーサルデザイン ~専門家の盲点と学生目線の学習~』

1)専門家の盲点:専門家にとって分かり切っていること、わざわざ説明するまでもないこと。
2)専門家の盲点が、(学生にとっての)理解のバリアになりうる。

3)ユニバーサルデザイン:理解のバリア(一様なステップ)を理解のステップ(多様なステップ)に。
  ※一様なステップ=説明を省略している知識・暗黙の前提
4)協同学習
 a)学生目線の学習
 b)互恵的(教え合い・学び合い)
 c)自分たちで自分たちに合わせた理解のステップを形成する
 d)自分たちに合わせた多様な理解のステップが、ユニバーサルデザイン

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ステップか、バリアか? ~ユニバーサルデザインの発想~ >>このブログ内のリンク先
教学(教授-学習)のユニバーサルデザイン  ~ユニバーサル段階の大学と多様性について~ >>このブログ内のリンク先
補習とユニバーサルデザインの違い ~学習内容のレベルか、理解のバリアか?~ >>このブログ内のリンク先

補習とユニバーサルデザインの違い ~学習内容のレベルか、理解のバリアか?~

2015年04月03日 | ユニバーサルデザイン






『補習とユニバーサルデザインの違い ~学習内容のレベルか、理解のバリアか?~』

(1)補習:学習内容のレベルを下げる(前学年の内容に戻る)

(2)ユニバーサルデザイン:
 1)学習内容のレベルを下げることなく
 2)理解のバリア(一様なステップ)を、理解のステップ(多様なステップ)に変える。
   すなわち、説明を省略している知識について、
   a)改めて説明する、b)多様なステップを用意する。
 3)多様なステップ(ユニバーサルデザイン)は
   a)自由に組み合わせることができる、b)すべての学生の学習理解を確かなものにする。
 
 ※補習でユニバーサルデザインを必要とすることもある。

<関連記事>
教学(教授-学習)のユニバーサルデザイン  ~ユニバーサル段階の大学と多様性について~ >>このブログ内のリンク先
ステップか、バリアか? ~ユニバーサルデザインの発想~ >>このブログ内のリンク先
リメディアル教育(Developmental Education)>>このブログ内のリンク先

教学(教授-学習)のユニバーサルデザイン  ~ユニバーサル段階の大学と多様性について~

2015年04月02日 | ユニバーサルデザイン




『教学(教授-学習)のユニバーサルデザイン ~ユニバーサル段階の大学と多様性について~』

1)理解のステップ:説明を省略している知識(暗黙の前提)
2)理解のステップのユニバーサルデザイン:説明を省略している知識について、
  a)改めて説明すること、b)多様なステップを用意すること。


<関連記事>
ステップか、バリアか? ~ユニバーサルデザインの発想~ >>このブログ内のリンク先

問題解決とは何か? ~創造と成長~

2015年04月01日 | 問題解決


『問題解決とは何か? ~創造と成長~』

(1)問題を解いて、学力が向上する
 1)答を丸暗記しても、学力は向上しない。
 2)自分で考えて、問題を解く(答を見つける)。
 3)丸暗記は短期記憶、自分で考えるのはワーキングメモリ。

(2)制約があるから、創造する
 1)何も制約(不自由)がなければ、新たに創造する必要も生じない。
 2)もしゲームにルールがなければ、ゲームは成り立たない。ルールのないゲームは、楽しくない。

(3)困難があるから、成長する
 1)困難を乗り越える必要がなければ、成長する必要もない。
 2)不自由と必要(ニーズ)があるから、成長する。
 3)成長とは、創造的な問題解決と創造的な変化。

(4)型があるから、個性が生まれる
 1)型(伝承された所作・標準的な技法)は、制約の1つ。
 2)型があるから(型に助けられて)、個性が生まれる。
 3)守・破・離