精神機能と能力開発:心理学―教育学―社会学

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プロフィール分析とプロセス分析

2012年10月30日 | 検査課題

プロフィール分析とプロセス分析(WISC/WAIS

  • WISCやWAISなどの知能検査は複数の下位検査によって構成される
  • これらの検査は現実場面と実験室の中間的性質を有している
  • ある検査の遂行のためには、さらに複数の基下位因が寄与している
  • 因子分析にもとづく指標の算出(知覚統合、言語理解など
  • 分析表に基づくプロフィール分析では、ある下位検査に対してある下位要因が寄与している という仮説を立て、その仮説が別の下位検査でも支持されること(複数の根拠を有すること)に基づき、その仮説を採択する。
  • プロセス分析とは、下位検査に含まれる要因を統制する補助検査を用いる方法(すなわち、実験的方法)
  • 知能検査と実験室基礎研究を統合することが、より高精度の理解と支援に繋がる

Profile_analysis_2


比IQと偏差IQ

2012年10月29日 | 検査課題

比IQと偏差IQ

  • IQ=Intelligence Quotient  ※Quotient…商(割り算の答
  • IQの原義は、比IQ(=精神年齢÷生活年齢)…ビネー・テスト
  • 精神年齢とは、年齢尺度により測定される
  • 年齢尺度とは、1)ある年齢より1歳下の児の集団正答率が0%であり(誰もできない)、2)その年齢の児の集団正答率が50%であり(半数の児が正答する)、3)その年齢より1歳上の児の集団正答率が100%(全員が正答する)であるような検査課題
  • 生活年齢に対する発達の相対的速度を測定しようとした
  • 年齢が高くなるにつれて、年齢尺度となる検査課題を見つけることが出来なくな

偏差IQ

  • 同じ年齢集団のなかでの相対的順位を算出する(偏差値
  • WISC/WAISをはじめとして、現在のIQとは偏差IQのことを指す

Mental_scale


持続的遂行テスト(CPT)

2012年09月12日 | 検査課題

<検査課題>
<発達障害(ADHD)>
持続的遂行テスト(CPT:Continuous Performance Test)

  • 長時間(10~15分)
  • 単調作業に従事
  • 標的は、特定刺激(アルファベットの「X」など)や、特定の刺激系列(「A」の次の「X」など)
  • 標的の出現に対して警戒する状態を、長時間持続させる
  • ストレスフルな検査

Cpt_2


フランカー課題(コンフリクト課題)

2012年08月12日 | 検査課題

<認知神経心理検査>Flanker Task(フランカー課題)


  • 元々は選択的注意の課題として開発された

  • この課題は、左右に競合する選択反応(コンフリクト・葛藤)を要求する

  • すべての試行において反応を行うため、反応活性が高くなる

  • 反応活性の高く、競合する選択反応を行うので、反応のエラーが生じやすい

  • この課題は、エラー・モニタリングの研究(脳機能画像)において多用される

  • ADHD研究においては、ADHDの反応決定と運動活性を知るうえで、決定的に重要な課題である


Flanker_task




N-back課題(ワーキングメモリ)

2012年08月12日 | 検査課題

<認知神経心理検査> N-back課題

  • ワーキングメモリ課題
  • 現在呈示されている刺激と、N個前の刺激の異同を判断する
  • 少なくともN個前までに呈示された刺激をすべて覚えている必要がある
  • 覚えいている刺激を次々と更新していく
  • 成人の場合、N=1の条件では、ワーキングメモリとしての負荷が生じない
  • 課題のルールが単純で、負荷を操作しやすいので、よく使用される課題の1つ

Nback_task