精神機能と能力開発:心理学―教育学―社会学

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内発的動機づけを妨げるもの ~引き換え・手段・比較・理解・させられ感~

2015年01月31日 | 動機づけ・モチベーション・習慣


(1)内発的動機づけとは
活動そのものが目的、活動そのものに動機づけられている。

(2)内発的動機づけを妨げるもの ~引き換え、手段、比較、理解、させられ感
1) 活動そのものに、自分のペースで、安心して取り組めない
2) させられ感(他律)、引き換え・手段(外発)
3) 分からない、できない(活動そのものが)
4) 他に、ラクな楽しみや娯楽がある、誘惑に負ける

(3)例
1) 評価・社会的比較・競争(名誉と恥)
2) 指示・させられ感(他律・反抗心)
3) ひきかえ(外発)
4) ラクして手に入る楽しみや娯楽がある、安逸に流れる(非自律・自制心)
5) 何の役に立つのか分からない → 理解できないことの裏返しである場合がある
6) 理解:ペースが速い、自分のペースでない、分からないまま、先に進んだ。
7) ごまかし勉強、要領よく点を取る方法(手段)

<関連記事>
自律-非自律、内発-外発、他律-向社会 ~モチベーションの3つのベクトル~ >>このブログ内のリンク先
新しいアイデアと本質的理解 ~内発的動機づけの役割~ >>このブログ内のリンク先

教授-学習パラダイムの新旧 ~情報化されないもの・最も大切なもの~

2015年01月30日 | 教授法・ティーチングスキル


(1)協同学習(学び合い)のねらい
1) 学習活動への参加を促す。
2) 知識の生成を体験する。(主観→ 対話→ 客観

(2)形式知と暗黙知
1) 形式知(言語化された情報)
2) 身体知・暗黙知(言語化・情報化されないもの)
※ 人間の活動は言語がすべてではない

(3)「言葉は濾し水」
それ自体としては、言葉は思惟よりも乏しく、思惟は経験よりも乏しい。
言葉は濾し水であり、そこには最良のものが失われている。
(オイゲン・ヘリゲル(榎木真吉・訳)『禅の道』講談社学術文庫)

(4)教授ー学習パラダイムの新旧 ~情報化されないもの・最も大切なもの~
1) 知識が生まれるのは、経験→ 思惟→ 言語のプロセス。
2) 言語化された形式知を生み出すのは、身体知・暗黙知。
3) これは模倣=真似によって学ぶしかない。模倣=真似(まね)まねぶ→まなぶ(学ぶ)。憧れや尊敬に基づき、先達に学ぶ。

<関連記事>
協同学習における、対話と知識の生成 ~主観から客観へ~ >>このブログ内のリンク先
アクティブ・ラーニング ~教授学習パラダイムの転換~ >>このブログ内のリンク先

新しい幸福論 ~ポジティブ心理学~

2015年01月30日 | ライフキャリア・QOL


(1)ポジティブ心理学
ポジティブ心理学とは、人間の最適機能に関する科学的研究。
Q:なぜ豊かさを感じられないのか?

(2)タル・ベン・シャハーの幸福論(ハーバード大学の人気講義)
現在の活動から得られるもの(喜び・苦しみ) → 将来の利益・不利益 

1) 快楽型: 現在の喜び、将来の不利益。目先の快楽に溺れ、誘惑に負ける。目標がない。
2) 出世競争型: 現在の苦しみと、将来の利益を引き換え。これが、際限なく繰り返される。
3) 至福型: 現在の喜びと、将来の利益を両立。内発的動機づけ、フロー体験、至高体験とパフォーマンス。

<関連記事>
努力とは、意志・志(自律)のある、持続した動機づけ(意欲) >>このブログ内のリンク先

背伸びゾーンとフロー体験 ~学習と成長~

2015年01月29日 | 学習


(1) タスクの難易度・失敗のリスク × 現在のスキル水準 = モチベーションの状態

(2) 難易度 × 現在のスキル → モチベーションの状態
1) 易しすぎる → 退屈
2) 現在のスキルをやや下回る → 快適 安全・安心(余裕で出来る)
3) 現在のスキルをやや上回る → 背伸び・フロー体験(挑戦的。失敗のリスクはあるが、成功する可能性も高い。学習と成長。)
4) 難しすぎる → パニック(失敗するリスクが高く、成功する可能性はない)

複雑さと単純さ ~安易な理解と本質的理解~

2015年01月29日 | 思考・意思決定


(1)複雑さと単純さ
1)現実の現象=複雑さ
2)複雑さの手前にある単純さ=安易・手軽
3)複雑さの向こうにある単純さ=本質・基本基礎

(2)単純さの2種類
1)同じ単純さであっても、複雑さの手前と向こうでは、性質が全く異なる。
2)基本基礎とは、易しい・レベルが低いではなく、本質的であり、特に大事という意味。
3)すべてを知り尽くして、何が大事か分かっていること。単純さは、究極の洗練。


仮説形成・仮説思考 ~問題解決と仮説の検証~

2015年01月27日 | 思考・意思決定


<仮説の役割>
学術研究でもビジネスでも、問題を解決するには、仮説(仮の結論)が必要。

問題解決によって、新しい知識が得られ(学術研究)、経験学習が生じる(ビジネス)。


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批判的思考と垂直思考 ~学術研究と経営ビジネス~ >>このブログ内のリンク先
学力における知識と思考 >>このブログ内のリンク先

直感が論理を上回るとき ~純粋な直感は、本質的~

2015年01月26日 | 思考・意思決定


(1)直感と論理
1)直感(感じる)
複数の情報が、同時並列で処理される。感じ取る。感性。

2)思考(考える)
限られた情報が、さらに分析される。掘り下げ。理由づけ。

(2)直感が論理を上回るとき
偏りのない純粋な直感は、本質的
環境内の無数の情報を、丸ごと受け取る。切り取られ、分析される前の、全体像。
このような直感は、論理による分析を上回る。

※ 偏りのある直感は、偏見や決めつけなど、論理を下回る。

努力とは、意志・志(自律)のある、持続した動機づけ(意欲)

2015年01月25日 | 動機づけ・モチベーション・習慣


(1)非自律・即時充足のモチベーション
1)強い力で動かされるが、続かない。
2)熱しやすく、冷めやすい。
3)困難を乗り越えることが出来ない。誘惑に負ける。

(2)苦行
1)努力は、苦行や難行と同義ではない。
2)念ずれば叶うものでもなく、すぐに報われるとは限らず、苦しみと引き換えに得られるものでもない。

(3)努力
1)努力とは、意志・志(自律)ある、持続した動機づけ(意欲)。
2)志があり、困難を乗り越える。
3)努力(継続)することによって、熟達する、才能が開花する。
4)幸運は偶然(ランダム)。幸運は努力に随伴するとは限らないが、努力(継続)することによって、出会う機会が多くなる。
5)人を動機づけるのは人。人を努力に導くのも人。

<関連記事>
努力によって開花する才能 >>このブログ内のリンク先
人を動機づけるのは人 ~人のためであり、自分のためでもある~ >>このブログ内のリンク先

自律-非自律、内発-外発、他律-向社会 ~モチベーションの3つのベクトル~

2015年01月24日 | 動機づけ・モチベーション・習慣


モチベーションの3つのベクトル
1) 意志について: 自律(自分の意志で動いている)― 非自律(動かされている・誘惑に負けている)
2) 目的について: 内発(そのものが目的)― 外発(引き換えにすることが目的)
3) 他者について: 他律(人に言われて)― 向社会(人のニーズのために)

※ 自律・内発向社会が、望ましいベクトル。


新しいアイデアと本質的理解 ~内発的動機づけの役割~

2015年01月23日 | 動機づけ・モチベーション・習慣


1)変化の大きく不確実性の高い時代においては、具体的・実用的なスキルよりも、新しいアイデアの発想力や本質的理解(直感・抽象)が、創造的な適応に最も役立つ。
2)それには、外発(引き換え)ではなく、内発(そのもの)の動機づけや取り組みが必要。

3)実用的・功利的な目的でさえ、内発動機づけの方が優れている。

水平思考 ~直感の働き~

2015年01月22日 | 思考・意思決定


(1)垂直思考(ロジカル・シンキング)
垂直思考は論理的に、狭く深く掘り下げる。
しかし、必ず問題を解決するとは限らない。
それには、発想や視点の転換が必要。

(2)水平思考(ラテラル・シンキング)
発想や視点の転換が、水平思考。
水平思考は、直感的で同時並列で進行する情報処理。

批判的思考と発見的思考 ~限定合理性について~

2015年01月21日 | 思考・意思決定


(1)批判的思考(クリティカル・シンキング Critical thinking)
仮説や主張を、客観的なデータによって検証することは、論理的な思考の働き。

(2)仮説形成・発見的思考(アブダクション Abduction)
理論とは、多数のデータの集積ではない。また、多数のデータから、論理的に導かれるものでもない。
仮説や理論を、創造的に発見する思考の働き。アブダクション。

(3)限定合理性
人間の思考が、完全に論理的・合理的でないことは、判断の誤謬を生む反面、人間の適応力を高めている。
本質的理解や、新たな事態への創造的適応。

批判的思考と垂直思考 ~学術研究と経営ビジネス~

2015年01月20日 | 思考・意思決定


(1)批判的思考(クリティカル・シンキング)
学術研究の科学的な検証   
学術的な真理を探究する。
※理論的・抽象的(本質的) ⇔ 具体的

1)主張の、根拠を考える
2)仮説を、データで検証する
---
3)データから、理論を構築する

(2)垂直思考(ロジカル・シンキング)
ビジネスの問題解決 
問題解決の提案を論理的に説得するための方法
※問題の分割 ⇔ 問題の解決

1)ロジック・ツリー(ピラミッド構造)
  問題を、より具体的に分割していく
2)漏れなく、ダブりなく(網羅的に収集する)
  (MECE:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)

協同学習における、対話と知識の生成 ~主観から客観へ~

2015年01月19日 | 教授法・ティーチングスキル


(1)従来型の講義形式
1)客観的な知識を、教員から学生へ、1方向的に教える。
2)系統的な知識体系を、効率よく伝達できる。
3)大講義室で、多数の受講学生に向けて実施できる。

(2)協同学習
1)協同学習には、知識を生み出すプロセスが、含まれている。
2)主観的な意見(1人称)が、対話(2人称)を通じて、客観的知識(3人称)に至るプロセス。
3)議論することによって、学生がお互いに、1人称から3人称まで、すべての立場を入れ替えて経験できる。

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