精神機能と能力開発:心理学―教育学―社会学

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短期記憶(丸暗記)とワーキングメモリ(作動記憶)の違い ~記憶した情報の操作と思考について~

2015年05月28日 | 教授法・ティーチングスキル



『短期記憶(丸暗記)とワーキングメモリ(作動記憶)の違い ~記憶した情報の操作と思考について~』

車のナンバー「品川 500 あ 12-34」
ナンバープレートの4個の数字「1・2・3・4」
覚える(記憶して、それを保持する)

(1)短期記憶
 1)操作なし(丸暗記)
 2)覚えたとおりに再生する
 3)1・2・3・4

(2)ワーキングメモリ(作動記憶)
 1)四則演算で10にする(記憶した情報を操作する)
 2)答えを出す(問題解決する)
 3)1+2+3+4=10、(3-1)+2×4=10


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頭の中もアクティブに作動する ~アクティブラーニングの思考力とワーキングメモリ(作動記憶)~

2015年05月27日 | 教授法・ティーチングスキル



『頭の中もアクティブに作動する~アクティブラーニングの思考力とワーキングメモリ(作動記憶)~』

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知識の倉庫から外に出す ~アクティブラーニングのファーストステップ(1)~

2015年05月26日 | 教授法・ティーチングスキル



『知識の倉庫から外に出す ~アクティブラーニングのファーストステップ(1)~』

1)アクティブであるとは、何らかのアウトプットが行われていること。
2)整った答案を書けない、あるいは正解の自信がないと、解答欄を空欄のままにする学生が多い。
3)答案の不完全さを認識できているとはいえ、そこで思考を放棄していることがある。
4)問いに関連する知識を、まず知識の倉庫(ストック)から外に出すことが、アクティブラーニングの第一歩。
5)これは、最初から完全な答案や正解を求めないこと。答えを作り上げるプロセスが、アクティブラーニング。

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苦手だった人が教える・苦手な人に教える ~教え方が鍛えられるとは?~

2015年04月14日 | 教授法・ティーチングスキル




『苦手だった人が教える・苦手な人に教える ~教え方が鍛えられるとは?~』

0-1)得意な人・苦手な人・苦手だった人(得意になった人)
0-2)理解の段差(ステップか、バリアか?)
0-3)ユニバーサルデザイン・スモールステップ

1)得意な人は、理解の段差を意識しない。この段差は、次に進むためのステップ。
  段差のことは無意識で、次に進む内容のことを考えている。
2)苦手な人は、この段差がステップではなく、バリアになる。
  苦手な人が理解するためには、自分自身で試行錯誤して、この段差に多様なステップを自作しなければならない。
3)苦手だった人(得意になった人)は、通常ならば説明が省略される理解の段差を、多様なステップで説明することができるので、分かりやすい説明になる。
4)苦手な人に教えるときは、このステップの説明を1つでも省略すると、その人の理解はその先に進めなくなる。
  教える人には分かり切ったことでも、改めて見つめ直し、前提の1つ1つを省略しない説明を考える必要がある。
5)苦手だった人が教える・苦手な人を教えることは、教え方が鍛えられる。


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学習とコミュニケーション ~対面指導における非言語コミュニケーションの役割~

2015年03月27日 | 教授法・ティーチングスキル




『学習とコミュニケーション ~対面指導における非言語コミュニケーションの役割~』

(1)身体知・暗黙知
 1)人間のコミュニケーションは、すべてが言語ではなく、非言語も存在する。非言語には、真意が含まれている。
 2)学習においても同様に、非言語コミュニケーションが果たしている役割がある。
 3)知識の生成する道筋:経験・感性→ 知覚・主観→ 客観的知識(科学)
 4)非言語的な身体知や暗黙知は、新たな知識を生み出すための母体。言語化されないが、最も重要なプロセス。

(2)感性・フェルトセンスと批判的態度
 1)知識を生み出す母体は、論理ではなく感性。漠然とした名状しがたい状態(フェルトセンス felt sense)。
 2)この状態では、批判的態度は破壊的。アイデアの芽生えや可能性が潰れる。
 3)アイデアのNG:結論や実用を急ぐ・欠点に注目する

(3)ヒドゥンカリキュラム・ピグマリオン効果
 1)教員と学生の非言語コミュニケーションの例。
 2)ヒドゥンカリキュラム:教員が意図せず(非言語的に)学生に伝えていること。
 3)ピグマリオン効果:教員の期待が学生を伸ばすこと。

(4)薫陶・陶冶 ~人格的な影響~
 1)人格的な成長も、学校教育の主要な目標の1つ。
 2)人格的な薫陶や陶冶も、非言語コミュニケーションの成果。
 3)尊敬や信頼、模倣や同一化(自分も同じようになりたいと思うこと)。

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学習もコミュニケーションの1つ ~対話と知の生成~

2015年03月26日 | 教授法・ティーチングスキル





『学習もコミュニケーションの1つ ~対話と知の生成~』

(1)一斉授業での授業参加
 1)発問・指名:指名した学生と、更に議論を進める。
 2)クリッカー:全学生が手元のボタンで発問の答を選択。全学生の理解度を、その場で確認できる。
 3)ミニッツペーパー:授業内容の要約と感想
 4)Input→Output

(2)協同学習・互恵的学習
 1)話し合い:ある学生のアウトプットが、次に別の学生のインプットになる。このことが循環し、議論が創発される。
 2)議論に当事者として関与したり、第三者的に客観的に関与するなど、様々な立場を経験し、意見を相対化できる。
 3)Input→Output→Input→Output
 4)当事者→第三者(客観・相対化)→当事者→第三者(客観・相対化)

(3)ゼミ・チュートリアル・コーチング
 1)教員と学生のディスカッション(個人指導)。
 2)論文指導は、この方法でしか行うことはできない。
 3)答を引き出す、パフォーマンスとモチベーションを高める。

(4)読書・自問自答
 1)読書は能動的。文字を目で追う、文字を音韻に変換する。読書は、受動的には行いえない。
 2)著者の話を聞く。著者の主張の根拠と妥当性について、自問自答する(建設的な批判的思考)。新しいアイデアのヒントを得る。(発見的思考)


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互いの長所で短所を補う ~音声・文字・図解・イラスト~

2015年03月25日 | 教授法・ティーチングスキル





『互いの長所で短所を補う ~音声・文字・図解・イラスト~』

(1)音声
1、2)聴覚・形がない・すぐ消える
3、4)記号(音響信号)、抽象・概念を表すことができる
5)思考(言葉を使って考える)
6)高速・低負荷(話し続けても疲れない・聞くことは受動的でも可能)
7)リアルタイム・即興性(その場で変更できる)双方向性・議論の創発
8)道具が不要
9)線状性・継次性(1つ1つ順を追って説明・一度に全てを伝えられない)
10)アイデアの創発、且つ言語による思考・論証(論理的)
11)非言語情報を含む(意図や真意が伝わる

(2)文字
1、2)視覚・形がある・形が残る
3、4)記号(図形)、抽象・概念を表すことができる
5)思考(言葉を使って考える)
6)低速・高負荷(書くのは遅いし疲れる)(読むことは能動的)
7)タイムラグが生じる(板書・印刷物)一方向的になりやすい
8)筆記用具・紙・ホワイトボード
9)線状性・継次性(1つ1つ順を追って説明・一度に全てを伝えられない)
10)言語による思考・論証(論理的)
11)非言語情報を含まない(電子メール)

(3)図解
1、2)視覚・形がある・形が残る
3、4)抽象・概念や思考プロセスを可視化(具体化)
5)思考(言葉を使って考える)であり、且つ感覚・知覚
6、7)議論で補助的に利用可能
8)筆記用具・紙・ホワイトボード
9)一覧性・同時性(全体像を示す・情報の構造や相互関係を示す)
10)新しいアイデアの生成(直感的)
11)非言語情報を含めることも可能

(4)イラスト
1、2)視覚・形がある・形が残る
3、4)具体物は、抽象・概念を表すことができない、具体物を例示する
5)感覚・知覚
6、7、8)具体物を用意する
9)抽象・概念を表すことができない
10)実験・体験


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鉛筆と方眼ノート ~アイデアのための道具~ >>このブログ内のリンク先
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アクティブラーニングとマネジメントにおけるコーチング ~知識基盤社会の指導法~

2015年03月08日 | 教授法・ティーチングスキル








『アクティブラーニングとマネジメントにおけるコーチング ~知識基盤社会の指導法~』

(1)ティーチング(教える・習得する)
1)学校教育(教員と児童・生徒・学生)
2)知識の注入と受容
3)知識の記憶と再現
4)工業化社会の生産ラインに譬えられた
(2)コーチング(引き出す・伸ばす)
1)スポーツ(コーチと選手)
2)パフォーマンスを高める・動機づける
3)結果のフィードバックやアドバイス
4)練習・トレーニングのメニュー
(3)学校教育や産業社会におけるコーチング(個人指導
1)アクティブラーニング:学校教育(教員と児童・生徒・学生)
2)マネジメント:産業社会(上司と部下)
(4)アクティブラーニングやマネジメントにおけるコーチング ~アウトプットを引き出す・高める~
(5)コーチングと「意」の側面
1)自己意識・自己決定(意思決定
2)意志・意欲(志・モチベーション
3)得意(特技・得意分野・スペシャリスト
4)意味(入れ物の中身・コンテンツ・コンセプト)・意義(新しい価値・付加価値・重要性

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1)アクティブラーニング
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2)アウトプットとワーキングメモリ
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3)知・情・意の「意」の側面
21世紀の知識基盤社会と「意」の時代 ~知・情・意の「意」とは何か?~ >>このブログ内のリンク先
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アクティブラーニング ~情報のアウトプットとワーキングメモリ~

2015年02月22日 | 教授法・ティーチングスキル


『アクティブラーニング ~情報のアウトプットとワーキングメモリ~』

(1) 情報のインプットよりも、アウトプットの方が優位であると、よりアクティブ。
(2) 情報の貯蔵と再現よりも、思考や活用(問題解決)を行う方が、よりアクティブ。アクティブラーニングでは、アウトプットが、即、次のインプットになる。

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1)記憶システム
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2)協同学習
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アクティブ・ラーニングのねらいと成否の鍵 ~学習活動への参加と動機づけ~

2015年02月07日 | 教授法・ティーチングスキル


(0) アクティブ・ラーニングのねらい
1) 学習活動への参加
2) 学習への動機づけ
3) 学習活動への参加 +学習への動機づけ = 学習への主体的・能動的な取り組み

(1) 他律から自律への移行
1) 他律と自律の間には、ギャップ(隔たり)がある。
2) 単に他律を減らせば自律が増える訳ではない。
3) 自律を促す働きかけ(他律)が、継続的に必要。
4) 他律から自律への移行は、時間のかかるプロセス。
5) 人を動機づけるのは (教材や教授方法というよりも)

(2) 「教える・考える・探究する」のバランス
1) 一方的に教えていたことへの反省が、アクティブラーニング。
2) しかし、何も教わらず、すべてを考え、探究する訳ではない。

(3) 正解・不正解の評価 (不正解であることへの不安・自由に意見を言えない)
    互恵的でない・競争的 (お互いに与えあい、学び合うことが出来なくなる)

(4) 同調圧・反対意見を言いずらい (反対意見が相手を否定しているように受け取られる)

(5) 避けられるべき結果
1) させられたアクティブラーニング(受け身
2) 無軌道な・目的のない雑談や活動
3) 困惑(何をしたらよいのか分からない?)

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理解の段差とスモールステップ ~分かりやすい説明とは?~

2015年02月06日 | 教授法・ティーチングスキル


(1) 理解の段差(ステップ)
1) 学習内容には、ステップがある。
2) 多くの人にとって、当然のこと・暗黙の前提・説明不要の内容(ステップ)に基づいて、教授学習が進められる。
3) Q「どうしてこれが分からないのか?

(2) 理解のスモール・ステップ
1) 理解の段差を超えることが出来ない場合、段差の細分化や解消(勾配を緩やかに)が必要。
2) 当然のこと・暗黙の前提を、改めて説明する
3) これは、教える人の教え方が鍛えられ分かりやすい説明となる。

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教授-学習パラダイムの新旧 ~情報化されないもの・最も大切なもの~

2015年01月30日 | 教授法・ティーチングスキル


(1)協同学習(学び合い)のねらい
1) 学習活動への参加を促す。
2) 知識の生成を体験する。(主観→ 対話→ 客観

(2)形式知と暗黙知
1) 形式知(言語化された情報)
2) 身体知・暗黙知(言語化・情報化されないもの)
※ 人間の活動は言語がすべてではない

(3)「言葉は濾し水」
それ自体としては、言葉は思惟よりも乏しく、思惟は経験よりも乏しい。
言葉は濾し水であり、そこには最良のものが失われている。
(オイゲン・ヘリゲル(榎木真吉・訳)『禅の道』講談社学術文庫)

(4)教授ー学習パラダイムの新旧 ~情報化されないもの・最も大切なもの~
1) 知識が生まれるのは、経験→ 思惟→ 言語のプロセス。
2) 言語化された形式知を生み出すのは、身体知・暗黙知。
3) これは模倣=真似によって学ぶしかない。模倣=真似(まね)まねぶ→まなぶ(学ぶ)。憧れや尊敬に基づき、先達に学ぶ。

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協同学習における、対話と知識の生成 ~主観から客観へ~

2015年01月19日 | 教授法・ティーチングスキル


(1)従来型の講義形式
1)客観的な知識を、教員から学生へ、1方向的に教える。
2)系統的な知識体系を、効率よく伝達できる。
3)大講義室で、多数の受講学生に向けて実施できる。

(2)協同学習
1)協同学習には、知識を生み出すプロセスが、含まれている。
2)主観的な意見(1人称)が、対話(2人称)を通じて、客観的知識(3人称)に至るプロセス。
3)議論することによって、学生がお互いに、1人称から3人称まで、すべての立場を入れ替えて経験できる。

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