精神機能と能力開発:心理学―教育学―社会学

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エゴグラム ~個人とチームの交流分析~

2015年03月21日 | チームワーク


『エゴグラム ~個人とチームの交流分析~』

(0)エゴグラムとは
 1)交流分析は精神分析の簡易版、交流分析で使われるのがエゴグラム。
 2)1人の中に、5つの自我状態(自我機能)を想定する。
 3)どの自我状態が望ましいということではなく、すべての自我状態に、プラスの面とマイナスの面が含まれている。
 4)5つの自我状態のバランスで、プラス面とマイナス面のどちらかが現れる。
 5)個人とチームのパフォーマンスの問題は、個人の自我状態のバランスの悪さと、チーム内での悪循環

(1)Critical Parent(CP)批判的な親
 1)プラス面:ルール・規律、責任感、要求水準・成果、真偽の検証
 2)マイナス面:糾弾・犯人探し、融通が利かない、否定的・ダメ出し、権力的・支配的

(2)Nurturing Parent(NP)養育的な親
 1)プラス面:受容・共感・温情、保護・養育、面倒見・気遣い、リレーション
 2)マイナス面:甘やかし・大目に見る、過保護、溺愛・盲目的、寂しがり

(3)Adult(A)合理的な大人
 1)プラス面:論理的・合理的、計画的、冷静・現実的、情に流されない
 2)マイナス面:損得勘定・計算高い、冷淡・情が薄い、形式的・事務的、割り切った

(4)Free Child(FC)自由な子ども
 1)プラス面:自由・囚われのない、アイデア・発想力、創造力・エネルギー、内発的・喜び
 2)マイナス面:奔放・わがまま、無責任・ルール無視、気まぐれ・根気がない、嫌いなことはしない

(5)Adapted Child(AC)順応した子ども
 1)プラス面:協調性、ルールの遵守・忠実、模範的・優等生、我慢・努力
 2)マイナス面:自分を抑圧する、言いなり・指示待ち、恨み・僻み、ストレスが溜まる

人間集団に働く2つの要因

2014年12月29日 | チームワーク


(1)つながりと成果
社会心理学のグループダイナミクス(集団力学)に関するPM理論では、集団にはP(Performance チームの成果)とM(Maintenance つながりの維持)がある。
PM理論は、三隅 二不二 教授(元九州大学教授、大阪大学名誉教授)による。

(2)厳しさと優しさ
厳しさ(ルール)と優しさ(リレーション)を兼ね備えている場合、学級経営が安定する(Q-U理論)。
Q-U理論は、早稲田大学の河村茂雄 教授による。

(3)競争と協同
個人主義的な競争が、学びを促進するという、一般通念があった。
しかし、学び方や働き方について、個人主義的な競争よりも、協力的な協同学習(互恵的な学び)の方が、有効であることが示された。

(4)平凡と非凡
日本民俗学の創始者である柳田國男は、村の伝統的な人間形成と、新たに登場した学校教育を比較した。
村の伝統的な人間形成は、平凡であることを尊重し、学校教育は非凡であることを称揚した。

<参考文献>
河村茂雄(2006)Q-Uによる特別支援教育を充実させる学級経営.図書文化社.
アルフィ・コーン(著) 山本 啓(訳)(1994)競争社会をこえて ノー・コンテストの時代.法政大学出版局.
広田照幸(1999)日本人のしつけは衰退したか 「教育する家族」のゆくえ.講談社.