平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

ミリからの贈り物(2005年6月号)

2005年07月06日 | バックナンバー
 『ミリからの贈り物』(中央文化出版)という絵本は、文章は「みどりかわみり」さん、絵は「みどりかわきよみ」さん。ミリさんもキヨミさんもペンネームで、ミリさんはキヨミさんのお子さんである。ミリさんの言葉にお母さんがとてもすてきな絵を添えている。

 お母さんの前書きから――

 「現在小学四年生の娘が、五才位の時でした。
 悩んじゃいけないよ。
 苦しい時は、どうすればいいか考えればいいんだよ。
 悩んじゃうと、あー、もうだめだとか、がっくりきちゃうよ。
 だから、悩んじゃいけないよ。
 考えるようにすれば、自分の心が必ず助けてくれるよ。
 自分を信じる事が大事だよ。
 こんな言葉を、当時仕事で悩んでいた私に語りかけました。
 この本の言葉は、その後、現在まで娘が語った言葉の数々です。
 最初はどうして五才の娘が、このような言葉を知っているのか、とても不思議でした。
 しかし、日々、娘やまわりの子供達をみていると、もしかしたら、子供達は皆、こうい う言葉を知っているのではないかなっと思うようになりました。
 子供達の声に、ひとつひとつ耳をかたむけたら、私達を癒やしてくれる色々なメッセージが語られているような気がします。」

 お母さんがおっしゃるように、とても五才のお子さんの発言とは思えないような、素晴らしい言葉の数々である。いくつかを紹介してみよう。

 「嬉しい事もいっぱい、悲しい事もいっぱい、いろいろ経験出来たら、それは、とても良い人生なんだよ。両方から、いろいろな事を学べるから。」
 「本当の自分自身を思い出したらいいよ。そうすることで、自分の心が助かるよ。」
 「何のために、人間は生まれてきたの? それはね、自然を学ぶ事と、心の奥深くをよみがえらせるためだよ。ただ、それだけの事だよ。」

 今の世界には、深い愛、知恵、直観をもった子供たちが誕生しつつあると言われている。そういう子供たちは、インディゴ・チルドレンとか、クリスタル・チルドレンと呼ばれるが、ミリさんもその一人なのだろう。

 大人たちは過去の体験、知識、固定観念に縛られて、なかなか現状を変えることができない。戦争、テロ、環境破壊、核兵器などはみな、これまで大人たちが作りだしてきた問題である。私たちは今、子供たちの叡智に素直に耳を傾ける時ではないだろうか。