キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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銭ゲバの演出家 大谷太郎氏

2009年03月07日 | ドラマ
漫画「銭ゲバ」の主人公、蒲郡風太郎は、不思議な風貌をしている。
その顔の右半面は、牙を剥いた野獣のように猛々しく、生まれつき障害のある左目(ドラマでは後天的な怪我による傷)のある左半面は、今にも泣きそうに困窮した顔だ。
風太郎の二面性、その貪欲な野心と、子供の頃に負った心の傷とを外面的にも表した、作者ジョージ秋山氏の企みだと思う。
上記を踏まえた上でのこの一文。

銭ゲバ スタッフブログより。

題:目

風太郎の「左目」と「右目」。
自分の中で絵を撮る時に決めているルールがあります。
傷のある「左目」は風太郎の押し潰された良心を表現するときに撮る。
傷のない「右目」は風太郎の野心を表現するときに撮る。

母親のことを思い出すときには「左目」のアップ。
何かを企む時には「右目」のアップ。
撲殺してしまったお兄ちゃんのことを思い出すときの風太郎は「左目」中心で。
三國家の人たちを見るときの風太郎は「右目」中心で。

実はそんなルールを決めて撮影しています。


    演出:大谷太郎


2009年01月29日 (木)


これを読んで、さすがプロの演出家は心得てるなぁといたく感心させられた。
なんでもこの大谷氏は、香取真悟主演の「蘇る金狼」の演出も手掛けているのだとか。
「蘇る金狼」はやはり松田優作のもの、という思い込みがあったから未見だが、大谷氏の演出したものなら是非いつか観てみたい。
俄然、興味が湧いてきた。

余談だが、「銭ゲバ」のプロデューサー・河野氏は、「すいか」のプロデューサーだ。
道理でこのドラマ、面白いはずである。