キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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明るい方へ エスティル・アルベルティニ

2008年11月18日 | アート
アウトサイダー・アート、またの名をアール・ブリュット・・・障害を持った作家の作品にとても心惹かれる。

そこには健常者の作家がものを創るときの功利心―手柄が欲しいという邪念―が一切感じ取れず、ただただ自分が表現したいものに対して愚直なまでに忠実だから。
その作品は恐ろしくもあり、興味深くもあって惹き込まれずにはいられない。

日曜日に世田谷美術館で鑑賞した、「大地の歌を描く人々~ベルギー・クレアムの画家たち」のなかで、とりわけ気に入ったのは、エスティル・アルベルティニの作品。

とにかく、スコーンと突き抜けて明るい。
全然「病」を感じさせない。
そこには軽さと明るさだけがある。
アウトサイダー・アートの作家にはびっしり、ぎっしりと息苦しくなるほど細密に描き込む人も多いのに、なぜかこの作家の絵にはスカスカで真っ白な空間が広がっている。
そこに色鮮やかなマーカーで描かれた箱や靴や鞄、香水瓶にドライヤーは、なんだかハッピーになる明るさ、楽しさ。
彼女の絵の前に立ったとき、金子みすずの「あかるいほうへ あかるいほうへ」という詩の一節が浮かんだ。

複製画があれば、家に飾りたいくらい好きだ。

山口薫 「おぼろ月に輪舞する子供たち」

2008年11月18日 | アート
画家山口薫がその生涯で最後に描いた絵「おぼろ月に輪舞する子供たち」の前に立った時は、背筋がゾッとした。
まるで子供の描いた絵のように素朴で、色調だって明るく清澄なのに。

立花隆の本で死の淵から蘇り、その臨死体験を語った方々の描いた絵を思い出したからだ。
それはもうはや、一切の雑念や妄念が取り払われ、身体だけは「こちら側」にありながら、此岸と彼岸の境を流れる川を越えている人の絵であった。

過去は「支払済みの経費」である。

2008年11月18日 | 
過去は「支払済みの経費」である。
<中略>過去のマイナスの数字は損失として扱い、未来に集中すべきである。



                  「頭がいい人、悪い人の仕事術」 ブライアン・トレイシー アスコム刊より



過去は「支払済みの経費」・・・自己啓発本の中の一節だが、まるで詩のようだ(笑)。