キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

キネオラマとはシネマのこと 映画・本・音楽・お笑いネタ コメント・TBは承認制 コメント入力時の数字は半角でプリーズ

廻る因果の糸車 「ハゲタカ」

2008年01月30日 | ドラマ
今頃、年末に観たドラマ「ハゲタカ」の話を。

以下ネタバレあり。ご注意ください。

実は連続放送に気付かず、第5話と最終話を観ただけなのですが、それでも非常に強い印象を受けました。
いつか機会があったら第1話からきちんと観てみたいです。

結局、芝野(柴田恭兵)も鷲津(大森南朋)も、誰かを傷つけたり苦しめたり、ましてや命を奪う心算(つもり)など毛頭なく、ただ自分のやらなければならない仕事を粛々と遂行した結果、西野(松田龍平)の父親の命を奪う結果となった。
それがものすごく哀しかったです。

ドラマの最後、自分の所為で死んだ西野の父(宇崎竜童)の遺影の前で静かに手を合わせる鷲津の姿に、自然と涙が零れました。
(2話しか観てないのに)

復讐心に燃える西野の気持ちは痛いほどよく解りました。
が、「誰かを憎んだり恨んだりする心は捨てろ。復讐心は復讐心を抱いた人自身をボロボロに傷付ける」と言った、中村天風師と雀鬼の言葉が胸に去来しました。


単純な善悪二元論では語れない企業や銀行や社会、そして何よりも人間の業の深さを感じさせる深みのある素晴らしいドラマでした。