難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の聞こえない社会の音(海外編)「ネーチャー・コール」

2008年07月19日 09時49分16秒 | 生活
バンクーバーアイス050706-152429.jpg難聴女性のネーチャーコール問題を五輪からエコに結びつけるのは流石。


ラビット 記
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公衆トイレでさらに思い出したのが中国。

もう20年も前の話で今では事情も違うだろうが、当時、トイレの各ブースには戸がなく、次の人は、しゃがんで「している」人の真ん前で順番を待つ。音も匂いもなんのその。新聞を広げて何気なく待っていたりする。
最初はさすがに緊張と羞恥心で「出るものも出ず」に困ったが、一週間もすると慣れて周りの中国人と同じように「できる」ようになった。まあ、ぱっと見には同じアジア人だから尻をもろ出しにしても目立たなかったというのも幸いしたのだろうが、人間というのはサバイバルのためなら、極端に異なる文化にも意外に適応できるのだと思う。

難聴女性にとってありがたいトイレ環境は、アメリカや中国(今は北京五輪に向けたマナー向上教育で「音姫」や「二度流し」が奨励されているかもしれぬが)のように、「ネーチャー・コール」(自然の呼び声―つまり排泄の欲求)には堂々と自然に振舞える文化圏ではないか。

聞こえないことで、己の知らぬ間に他人に迷惑をかけるのは恥ずべきだが、人間なら誰でも自然に発する音まで恥じなければならない文化は、一般的に気苦労が多くないか。

でも日本のトイレのよいところは、大・小の2種類の水洗レバーがあること。アメリカ人はもっと大小対応トイレを買って節水の感覚を育てるべきである。






難聴者の聞こえない社会の音(海外編)「音姫」

2008年07月19日 09時34分38秒 | 生活
バンクーバーの薔薇で080714-084039.jpgバンクーバーで再会したハワイの風さんから、比較文化論?が届いた。
タイトルをどうするか思案の上、上記にした。


ラビット 記
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女性トイレ比較文化考 ハワイの風

バンクーバーの国際難聴者会議では、久しぶりに日本の難聴友人と再会した。

ある晩、ホテルの部屋で私を含めた難聴女性4人が集まった。いろいろ話題が出る中、最も盛り上がったのが女性公衆トイレ。
一番若い大学生のKさんは、なぜ"音姫#ボタンがあるのかしばらくわからなかったという。一同思い当たることしきり。
難聴者の多くは自分の「している」音が聞こえない。私は普段騒々しいところでは補聴器がたまらなくうるさく感じるので、オフにすることが多い。水洗トイ レの音やハンドドライヤーの音がたまらないので、公衆トイレではほとんど聾者になる。が、ある日、たまたま補聴器をオンにしたままトイレで「して」みたとき、自分のその音のすごさに驚いた。そうか、こんなすごい音だから、健聴者は聞かれるのが恥ずかしいのか。
"音姫#が出現する前は、若い女性の多くが"二度流し#をしていた。一回目は消音のため、二回目が本当の水洗。"音姫#は節水しながら「して」いる音を かき消す有能な解決策だと感心。

以来、日本では「音姫」愛用の私だ。が、知らない人ばかりの公衆トイレでは実はどうでもいいと思うこともある。「音姫」も使わなければ、電気代も節約で きるのに。。。(まあ、本当はそこまでエコにこだわっているわけじゃないが)。
たぶん普段はアメリカに住んでいるからかも知れない。10年以上いろいろな場所に住んだが、アメリカでは「音姫」も見なければ"二度流し#の音も聞かなかった。ためしに補聴器をつけて何度か公衆トイレに入ってみたが、やはり誰も"している#音など気にしていない様子。堂々と「して」いる。ううむ。ところ変わればトイレ作法変わる、なのだ。
(続く)





国際難聴者会議で日本の難聴者の就労問題を発表

2008年07月18日 14時06分35秒 | 就労
080702-185558.jpg7月3日、第8回国際難聴者会議の最初のワークショップ(分科会)で、全難聴は「日本の難聴者、中途失聴者の就労問題」2付いて、司会を新谷国際部長がつjとめ、就労問題の全体を高岡理事長、青年部の取り組みを佐々木部員、企業における問題を大庭純子さんが報告した。

報告の内容は、ハワイ在住の草地美穂子さんの協力を得て、協議し、特に欧米の報告のスタイルに合わせて、問題提起と結論のまとめ方からパワーポイントの表現にも気を使った。

報告の前夜、日本から到着したばかりで16時間の時差の睡魔と戦いながら、最後の最後まで、報告内容を点検する。

分科会の中でドイツともう一カ国の取り組みや問題提起の意見が表明され、報告が終わった後各国の参加者からとても良かった、私たちの国と全く同じ状況だと声をかけられた。
青年部がまとめた、「中途失聴・難聴者就労マニュアル」は注目を浴び、何にもの方から入手したいと求められた。

厚生労働省の障害者就労問題を障害者権利条約の合理的配慮に関して検討している研究会には、全難聴も全日本ろうあ連盟も委員に入っていないことから、委員に加えるよう要請していた。
出国直前、両団体で担当課に交渉した際、国際難聴者会議で、日本の難聴者の就労問題を報告するが、厚生労働省が聴覚障害者を排除して検討を進めていることも報告すると説明しておいた。                          
帰国後、研究会の中でヒアリングを行いたいという連絡があった。


ラビット 記
写真は、深夜打ち合わせする報告者たち



国際難聴者会議 簡易ホワイトボード

2008年07月17日 21時10分58秒 | PHSから
080702-170901.jpgナリタ080702-170851.jpg成田空港の待合室に移動して、出国のとカナダの説明を行う。
要約筆記用のスクリーンもないので、パネルに水性マーカーで書けるシートを貼って行った。書き終わると消してまた書くのだ。

今回の国際会議の目的は三つある。
一つは、世界の難聴者との交流、二つ目は日本の難聴者と難聴運動を紹介すること、三つ目は会議の内容を日本の関係者に知らせること。

後、皆が無事に帰国することを自分の役割とした。
無事に帰れたのは何よりだった。


ラビット 記




聞こえない社会の音 難聴者の買い物の場合

2008年07月17日 21時09分03秒 | PHSから
080621-いちご大福2.jpg080621-いちご大福.jpg家のアイロンが付かないと義母がいう。
ドライバーで底部をあけて見たが何もない。元に戻したらプレートが熱くなる。おっ、直った。しかし、またつかない。

家族が大型家電店に買いに行き、どれが良いか聞いたら説明がチンプンカンプンで分からなかったのでいったん断り、店内の各社のパンフレットを熟読し、機能や特徴など頭に入れてから、再度店員に「どれが一番簡単で安くて良いか」と単刀直入に聞いたそうだ。

事前に言葉を知らないと難聴者は聞こえたオンが何かわからないのだ。買い物一つでも苦労する。


ラビット 記




M市の要約筆記者研修講演会と社会福祉の学習

2008年07月17日 15時41分26秒 | 要約筆記事業

080717-085006.jpg昨日、社会福祉概論の2回目のレポートが返ってきたが「A」だった。バンクーバーに行く前日の朝に書き上げたものだ。荷造りもできず難儀した。
採点の内容を見ると、記述式のところはマルは付いているものの、テキストを良く読むように書いてありる。
他の科目では「自分の言葉で書きなさい」とあったりするので、テキストを読み下して、少し書き換えて書いたのがいけなかったのかハナマルではなかった。
どっちにも対応できるようにテキストは良く読んでおこう。


これまで、都道府県レベルの要約筆記者、指導者にお話しさせて頂く機会が多かったが、地域レベルの要約筆記者の方々にお話しさせて頂く場合、地域の難聴者のニーズに答えるために何が必要かということを以下のように話ししたいと考えた。

「地域の要約筆記者に求めること」
(仮題)

1.難聴者が要約筆記を使う意味。
2.難聴者が要約筆記に求めること。
3.難聴者が要約筆記者に求めること。
4.要約筆記事業が社会福祉サービスである理由。
5.要約筆記事業が障害者自立支援法地域生活支援事業で
  実施されている意味。
6.支援法で、要約筆記「者」派遣事業としていること。
7.職場での要約筆記の実践的活用。
8.これからの難聴者支援のあり方。


ラビット 記




ワンセグ放送- IP放送で実施する衝撃!

2008年07月15日 13時31分42秒 | 放送・通信
このニュースは画期的なものだ。
何が画期的か。放送と通信の形を変えてしまうからだ。放送というと、広域にわたって、不特定の受信者に電波を通じてコンテンツを配信する。通信は、送る側から見れば特定の相手に対してコンテンツを配信する。受け取る側は情報のあるサーバーにアクセスする。
しかし、これは情報コンテンツをもっているものが特定のエリアに情報を「放送」するものだ。

ワンセグ放送の出力を調整すると免許がいらない。
六本木のAビルの地下2階のフロアーと新宿のホテルの地上25階のバーラウンジだけ「放送」するようなことが出来る。
ヤフー野球場にいる観客だけに「放送」することも出来る。1塁側と3塁側に違う番組を放送することも出来る。
災害の起きた時は、避難所で携帯ワンセグ受信機を持っている人に「放送」することも出来る。

待てよ、IPネットワークで送出するコンテンツに字幕がないとワンセグの方にも字幕がないということになる。IP放送にも字幕が「義務」付けられているのは「放送」と同時に送出されるIP放送だけだ。
急いで、問題を指摘しなければならない。
障害者側もアクセシビリティの確保に敏感になっていないといけない。


ラビット 記
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IP放送に関するニュース
ワンセグエリア放送をネット経由で任意の場所に KDDI研、ワンセグIP/RF変換技術
ITmedia
特定地域に限って配信する「ワンセグエリア放送」を、IPネットワークを経由して任意の場所で展開できるようにする送信システムをKDDI研究所が開発した。KDDI研究所は7月14日、特定地域に限って配信する「ワンセグエリア放送」を、IPネットワークを経由して任意の場所で ...
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/15/news016.html

KDDI研究所は14日、IPネットワークを利用してワンセグエリア放送の提供を可能とするシステム「ワンセグエリア放送送信システム」を開発したと発表した。
BroadBand Watch
今回開発したワンセグエリア放送送信システムは、特定エリアでのみ視聴できるワンセグコンテンツを配信できるワンセグエリア放送を、IPネットワークを利用して任意の場所で展開できるシステム。同システムによってワンセグコンテンツはIPネットワーク経由で配信され、 ...
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/22473.html

KDDI、特定のエリアだけ視聴できる「ワンセグエリア放送システム」開発
MarkeZine
「ワンセグエリア放送」は、特定のエリアのみで視聴できる独自のワンセグコンテンツを配信するもの。これによって駅や空港構内での観光案内、美術館や博物館での展示品紹介、店舗でのクーポン提供などが可能になる。KDDI研究所は、ワンセグコンテンツをIPネットワーク ...
http://markezine.jp/article/detail/4536

KDDI研、IP網利用のエリア限定ワンセグコンテンツ配信技術
ケータイ Watch
KDDI研究所は、IPネットワーク経由でワンセグ用コンテンツを送信できる技術を開発した。同社では、受信エリアを限定するワンセグ放送などに利用できるとしている。今回開発された技術は「ワンセグIP/RF変換技術」と呼ばれるもの。ワンセグ用に制作された番組をIP...
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/40868.html



鉄腕DASH村に字幕放送が!

2008年07月14日 08時53分47秒 | PHSから
080713-192950.jpg日曜夜の日本テレビの「鉄腕DASH村」に字幕放送が行われていた。

家族が新聞のテレビ欄を見て「あっ、鉄腕DASHに字幕が付いている」と声をあげて 、チャンネルを変えた。

字幕は引用符のある字幕とそうでないのがある。
多分引用符のある字幕は放送時に付けたリアルタイム字幕放送で、引用符のないのは事前制作の字幕放送だろう。

事前制作の字幕とリアルタイムの字幕放送を併用するのに技術的工夫があったのだろう。
関係者に感謝したい。


ラビット 記




K大学で難聴者の就労問題について、講義。

2008年07月13日 17時06分17秒 | PHSから
080712-160826.jpg080712-K大学154705.jpg土曜日の夕方から、K大学の難聴者の就労問題に付いて講義をした。
都心の大学にしては緑の残っているキャンパスに新しいビルが道路を挟んで建っていた。

難聴のサラリーマンが職場でどのようにノートテイクを使っているかを話すと思いこんでいたが、難聴者の就労問題も、施策の課題についても説明して欲しいとメールがあり、急きょ講義内容を組み直した。
バンクーバーの国際難聴者会議で、日本の難聴者の就労問題を報告したばかりだったので、これに少し数字を加えて、レジメを作成した。

学生に話をしたのは言語聴覚士や手話通訳士を目指す学生に講義したことがあるが、一般の学生は初めてだ。
40人ほどの学生は、前の方の数人はこちらの方を向いているが、後の学生は聞いているのか、いないのか表情からは読みとれない。
今までは、要約筆記者だったり、難聴者だったり、話をすればとにかくも反応があった。

教室に時計がないので、前の二人の学生にそれぞれ残り30分と45分前になったら合図してくれるように頼んで、自分が補聴器と人工内耳をしていることから説明を始めた。
人工内耳はもちろん、補聴器も見たことがない学生ばかりだ。聞こえないということが会社の中でどう影響ががあるのかを説明した。

講義後質問の時間をとったが、誰も手を挙げない。講義後集めた感想文を見ると問題の理解がまだ浅いのはやむを得ないとしても話は聞いているようだ。手が上がらないのはなぜだろう。

講義後校舎を出るときに、学生たちがが手製の紙のプラカードを持って集会をしていた。大学の自治を守れとか、会館を守れとか書いてあった。
学生が自分たちと大学、学問について考え、こうした形で意思表示や行動を行うのは良いことだ。
講師に聞くと、今の学生は誰かと意見交換したり、表明することが不得手だとか。メール世代だからか。
自分も学生に帰ったような時間だった。


ラビット 記





東京都の姿勢と難聴者の要望

2008年07月13日 16時50分21秒 | PHSから
080710-都交渉ノート190215.jpg080710-都交渉市橋194917.jpg東京都中途失聴・難聴者協会の保健福祉局への予算要求に対する東京都の姿勢は理不尽極まりない。

要望した内容に付いての説明が理由を伴っていないからだ。

グループ派遣問題。
東京都は社会参加促進事業として要約筆記者(奉仕員事業)の派遣事業をこれまで25年間続けてきた。
派遣対象は団体にも個人にも派遣されてきた。
が、障害者自立支援法により要約筆記者派遣事業は区市の必須事業となった。聴覚障害者個人が要約筆記の派遣を依頼することになる。
しかし、難聴者協会の理事会や例会等は複数の区市から難聴者が参加するので、個人派遣の難聴者に対し、倍数の要約筆記者が派遣されることになってしまう。

東京都は参加した難聴者数に応じて集団投影の派遣費用を按分する方式を検討したが、区市に提案するに至らず、団体の会議などを対象とする派遣事業は暫定的にグループ派遣として、都の事業として、実施していた。

東京都は平成21年度からグループ派遣を廃止すると言うが、その理由は要約筆記者は検事業は区市の事業だからというだけだ。
障害者自立支援法以前は、東京都は都内全域に対して、団体でも個人でも要約筆記者を派遣してきた。制度が変わって、区市が対応できないならば、サービスの低下にならないようにするのが東京都の役割だ。障害者自立支援法でも都道府県と市町村は連携して障害者の支援にあたらなければならないとある。

よしんば、グループ派遣を廃止するにしても、それに変わる方策が実施されて、影響が警備だというのなら分かる。しかし、東京都の言う按分方式は東京都は区市行政に口を出せないので提示すらしないという。また区市がこれに乗るかどうかも分からないという代物だ。
これは、普通はサービスの切り捨てという。

なぜ、東京都はグループ派遣の廃止にこだわるのか。
東京都は、自らが作らせた銀行が経営危機に陥ると無駄な400億円も追加投資したのに、たった400万円、1万分の1のお金がないとは思えない。東京オリンピックの招致にも莫大な予算を確保して、そのあおりで、医療、福祉、教育の予算が削られていることが最大の理由だ。
多分、グループ派遣を始めた際に、保健福祉局は財務当局に2年間限りとか約束をさせられたに違いない。

これを打開するには、国の方から地域生活支援事業は地域の実態に合わせて、柔軟に実施することが示されているが、さらにコミュニケーション支援事業は障害者当事者の活動を保障するものとして、新たな位置づけを与えるべきではないか。
東京都は、団体対象の派遣を特定の団体に供与というような狭い見方ではなく、いまは福祉は自助、共助、公助出行われることになっているので、特に特定非営利活動法人である難聴者協会などは都雅でいない中途失聴・難聴者へのエンパワメント、難聴問題の社会啓発、相談支援など幅広い活動をしていることを積極的に評価した対応をすべきではないか。


ラビット 記




聴覚障害者運転免許制度説明会

2008年07月13日 16時11分57秒 | PHSから
080713-聴覚障害者運転105747.jpg080713-聴覚障害者運転103929.jpg警視庁のご協力で、道路交通法の改正点、聴覚障害者運転免許制度に付いての説明会があった。

聴覚障害者の運転免許制度や交通安全については中途失聴・難聴者も関心が深い。
いくつか理解が深まったが、婦警さんとしてが「なヤカンタイ」という何のことかと思ったら「夜間帯」だった。これは「夜」と言って欲しいとお願いした。

○補聴器が運転免許条件の人は、新しい聴覚障害者運転免許制度のマークは不要。

○補聴器が運転免許条件の人は聴覚障害者運転免許制度の免許に変更すると、普通自動車しか乗れなくなる

○新しい聴覚障害者運転免許マークは車両の前後に貼付することになる。

○聴覚障害者は自転車通行化可能標識のない歩道でも自転車走行が可能。

説明会では、自動車免許試験場の対応についても要望が続出した。
●免許更新時の講習に要約筆記や手話通訳を試験場側で付けて欲しい→「障害者自立支援法の枠内でお願いしている。」
→免許更新は交通行政ではないか。障害者福祉のサービスとは違う。試験場で用意すべきだ。
→「そういう意見があることは受け止めておきます。」

●更新時のビデオ上映について、字幕や手話をいれるべきだ。
→「予算がついたものから、字幕を入れることにしている。」
→手話は付かないのか。ワイプ方式の手話通訳は小さくて見えない。
→(回答不明)

●聴覚障害者が警察や試験場に問い合わせるファックス番号を公開、掲示すべきだ。
→「そのようにしてある。」

●試験場の受付や免許更新時の視力検査などは、筆談や文字の掲示で対応できるようにして欲しい。
→「試験場の担当に伝えておきます。」


ラビット 記




難聴者のコミュニケーション力の獲得

2008年07月13日 02時57分21秒 | エンパワメント
080705-160529.jpg人工内耳の相談を受けていた会員の難聴者と、あるパーティーで会った。
彼と手話混じりで話すと、要領を得ない顔をするので、いつも筆談する事になる。
ちょっときつい言い方かも知れないが、私の手話が伝わったかどうか確認したいので私が示した手話表現をみて、声を出して言って下さいと筆談ボードに書いて見てもらった。

「補聴器と人工内耳は聞く仕組みが違う」と手話で表現するが、曲げた人差し指を耳の後ろにあて「補聴器」というが、これが補聴器を表しているということが分からないようだ。指文字は覚えているので、「ホ」「チ」「ョ」「ウ」「キ」と表して声を出してもらう。何度か繰り返して、人差し指を曲げて耳の後ろにあてるのが補聴器の表現と理解してもらった。
Vサインの指を同じように耳の後ろにあてて、「人工内耳」と言う。「ジ」「ン」「コ」「ウ」「ナ」「イ」「ジ」と指文字で表し、Vサインを耳の後ろにあてる。何度か繰り返して、人工内耳の表現だと言うことを理解してもらう。

いつも同伴されている夫人がいらっしゃるので、私の手話表現が分からないと夫人の方に視線を泳がせるが、私は彼の目から視線をそらさない。夫人も私が何をしようとしているか理解され、何もしない。こうなると、コミュニケーションの格闘だ。途中で止めるわけにはいかない。


彼は今まで通っていた病院と医師に義理立てして、その医師の勧める人工内耳の病院を考えているようだった。 
私は、カナダに行って考えたり、自分の体験から、人工内耳は手術する医者よりは良いST言語聴覚士に出会うことが鍵だと思ったので、「補聴器と人工内耳の病院は別でもかまわない」ということを、筆談の紙には「病院に義理立てするのではなく」と書いたが、彼は何度のその部分を指さして首を傾げている。この意味が分からないようだった。

「補聴器と人工内耳の病院は別、別でかまわない」と何度も手話と指文字で表し、彼に声を出してもらった。
とうとう、彼は「補聴器と人工内耳は別!」と大きな声で言う。何度も繰り返して言う。「補聴器」と「人工内耳」は「別」と手話を付けている。やっと得心がいった表情をしている。

補聴器の病院に行かなくてはいけないと思いこんでいたようだ。

彼と話している時に、途中で筆談に変えたら、こうまで理解してくれただろうか。彼が分からなくても笑わず、良い人工内耳ライフを送って欲しいとの一心で伝えた。伝えきった。彼も一所懸命に手話と指文字を食い入るように見てくれた。
パーティを終えた一般の人たちが私たち二人が汗を流して、「ホチョウキ」、「ジンコウナイジ」とやっているのを見て奇異に思っただろう。
彼は手話講習会にも通っているが、指と手の動きが単語を表していることに本当には理解できていなかったのかも知れない、ただ手と指がひらひら動いているだけだっただろうのか。


難聴者の手話の学習は、手話の単語や表現を覚えるだけではなく、この学習を通じて自立した難聴者に成長することを導くという目標を達成するために、様々な福祉支援技術を持った指導者が必要と思ったことだ。
これをもっと整理すれば、難聴者の自立生活訓練事業に位置づけることが出来るだろう。


ラビット 記
写真は、国際難聴者会議でカナダのろう者とコミュニケーションする日本からの参加者
どちらも全く聞こえない、筆談もままならないがしばらくすると通じたようで笑顔がはじけた。



国際難聴者会議、障害者権利条約

2008年07月12日 14時57分49秒 | 権利
080705-161717.jpg今回の国際難聴者会議で、障害者権利条約について、国際難聴者連盟IFHOHの取り組みについて、ジャンピーターストローメン理事長、デューガン前理事長、ロッタ議員から報告があった。

この国際難聴者会議で障害者権利条約に付いて報告されたのは初めてだ。IFHOHが世界障害同盟IDAに加入したのは205年からなので前のヘルシンキ会議の時は報告も何もなかった。

全難聴もIFHOHがIDAに加盟したことで、JDF日本障害フォーラムの正会員として加わることが出来るようになった。
国際的にも国内でも障害者の権利条約に関わることが全難聴のそれまで漠然とした関心が具体的なものになった。

全難聴は、IFHOHに対して、聴覚障害者はろう者だけではないことをIDAに宣言するよう提案したいと考えている。精神障害者が権利条約の定義や内容が不十分だとして、IDAに宣言書を出させたように(文書のUrlは後日補足する)。

権利条約やIT、世界共通の就労問題などまさに「グローバル・コミュニティ オブ コミュニケーション」(今回の会議のテーマ)の問題だ。全難聴の国際活動は、これからと考えている。


ラビット 記




2008年第8回国際難聴者会議(バンクーバー)の様子

2008年07月12日 14時57分46秒 | 生活
080703-065518.jpg第8開国際難聴者会議は、カナダ西部のバンクーバーで7月2日から6日の土曜日まで開催され、27カ国520人の参加があった。日本代表団は、言語通訳、パソコン要約筆記者を入れて、現地合流者も含めて約40名の参加となり、地元カナダをのぞき、最大の参加者数となった。

今回の会議は、すべて英語で行われ、ヨーロッパで開催されたように各国語に通訳されなかった。4年前のヘルシンキ(フィンランド)の時は英語、フィンランド語、ドイツ語くらいはあったと思う。それに、日本語が加わった。

各国の報告者は、オーオロジストだったり、大学の研究者だったり、難聴者当事者、企業の関係者など多岐にまたがっていた。

人工内耳にしても、ハイブリッド人工内耳やバーチャル人工内耳のようなトピックスも学会のような論文の報告はないが、成人、子どもの人工内耳を装用する場合の問題などが報告されている。私たち難聴者側からの関心の一端が分かって興味深い。


ラビット 記




中途失聴・難聴者協会の予算要望(3) 手話講習会の役割

2008年07月11日 14時56分14秒 | 生活
中途失聴・難聴者向けの手話講習会は、通訳養成の手話講習会ともちろん異なる。
難聴者の自立支援のエンパワメント事業になる。どういう性格の事業のものか考えたい。
つまり、社会参加促進事業なのか、個別給付の生活訓練事業なのかということだ。


ラビット 記
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※ 東京都が、指導者養成コースに
東京都中途失聴・難聴者対象手話講習会は、目的が手話の獲得だけではないこと。
2005年7月に中途失聴・難聴者手話講習会の受講生89名のアンケートの結果は、
1.中途失聴・難聴者が学べるように配慮されている 84.3%
2.同じ障害を持っている人と学べること 89.9%
3.講師や助手に、中途失聴・難聴者がいること 77.5%
4.自分の知らなかった情報が学べること 77.5%
5.福祉や社会について学べること 57.3%

何が得られたかについては、
1.同じ障害を持っている仲間と出会えたこと 88.8%
2.手話を学んで世界が広がったこと 80.9%
3.福祉制度のことが分かった 47.2%
4.いろいろな歩調システムがあることを知った 50.6%
5.社会で生きる力が得られた 51.7%

となっており、手話の学習を通じて、中途失聴・難聴者としての主体性、自立意識が芽生え、社会資源の利用を通じて自立支援の意欲を持ったことが分かります。

私たちが要望しているのは、中途失聴・難聴者対象の手話講習会の講師の養成ですが、東京都手話講習会指導者養成講座の目的と明らかに違います。指導者コースは通訳養成のためですが、難聴者自身のエンパワメントのためです。
一緒に養成は出来ない、当然予算は別枠で確保して欲しい。