難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

耳の日と障害者権利条約 

2008年03月03日 13時30分09秒 | 権利

ィの日20080302.jpgィの日200803022.jpg3月2日、耳の日記念文化祭が東京聴覚障害者連盟の主催で開かれた。
例年は土曜、日曜の二日間の開催だが今年は規模を縮小して、日曜をメインにしたということだ。

朝、開館と同時に「障害者権利条約とろう者」、「障害者自立支援法の取り組み」のミニ講座の会場の席が見る見るうちに埋まる。およそ運動としては「固い、重い」課題だが一般の聴覚障害者にこんなにも大きな関心があるとは思わなかった。

「障害者権利条約とろう者」の説明では、権利条約のどこがろう者に関わっているかを最初に説明した。
1.手話の言語の認知 音声言語と同列に認められたこと。
2.手話でコミュニケーションする権利が認められたこと。
3.手話の習得、ろう文化のアイデンティティの保障
4.手話で教育を受ける権利が認められたこと
国は手話で教えられる教員の養成が義務つけられたこと。
5.ろう学校の継続が担保されたこと。

説明と同時に、驚きの表情が広がる。連盟の役員クラスでも手話が言語として認められたというくらいの認識だったようだ。

障害者の権利条約は、これまでの各種の人権条約、権利を補強する人権の条約であることを強調した。
はじめに、なぜ自分で手話を使わないか、手話通訳に頼んだか説明した。法律の条文のような言葉が出てくるが、これは漢字、熟語を単純に表現しただけでは理解できない、もっと深い理解が出来るような手話表現が必要だからだ。
きちんと理解できるということが条約の意味であること、権利だということを分かってもらう必要があるからだ。

権利条約は、聴覚障害という言葉がない。障害の種類を規定せず、障害の程度も示していないのはなぜか。
第一条に「障害のあるすべての人のすべての人権及び基本的自由を完全かつ平等に享有することを促進し」目的(第1条)とあることを紹介した。
すべての人のすべての人権及び基本的自由、つまり種類や程度を問うことなく
、保障しようとしていることだ。
また、機能障害を持つ人が社会の理解と環境のバリアーによって起こるのが障害としていること。つまり、障害者が機能障害を持っていることが「障害」ではないこと。

コミュニケーション方法は聴覚障害者だけではなく、すべての障害者に関わる問題として受け止めていること、あらゆる方法、手段が網羅されていることも説明した。

条約と憲法、国内法との関係も説明する。署名と批准とはどういうことか。条約の発効には20カ国の批准が必要だが、まだ16カ国であること、日本政府は署名したが、批准のための国内法の整備を検討していること。政府は法律改正の幅を最小限度にしたいこと、障害者側は大幅に変更して欲しいことと要求している。


国連で世界ろう連盟と国際難聴者連盟が一緒に取り組み、日本は政府と障害者団体が一緒に代表団を構成して条約の成立に積極的に関わったこと。
全難聴が国連で精力的にマッケイ議長や各国政府に働きかけ、日本代表団とともに活動したこと世界ろう連盟などの団体との交流も写真で紹介した。


ラビット 記


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