勤務先の机上にNHKが紅白歌合戦に字幕放送を実施すると報じた新聞記事の切り抜きを入れてある。
2001年のことだからもう10年になる。
21世紀最初の紅白歌合戦にリアルタイムの字幕放送にチャレンジしたのは当時の海老沢会長の決断だった。
もちろん、NHKの技術陣は音声認識の技術の向上に余念がなかった。
後で音声認識の認識率が90数%くらいまで向上していたが最後の数%をどうやって高めるかに腐心していたと聞いた。
海老沢会長の背中を押したのは、コロムビアトップ氏等の国会での質問と40万筆に及ぶ字幕放送拡充の署名だった。
1991年から毎年字幕放送シンポジウムを開催し、文字放送会社との連携を強め、スポンサーの業界団体にも協力を取り付けて、本体の放送局や郵政省に働きかけた。
最初のシンポジウムから10年、継続的な活動が実を結んだ。
ラビット 記
以後のシンポジウムの全貌は、ついに集約されないまま。
卓抜なテレビ論『お前はただの現在にすぎない -テレビになにが可能か-』が朝日文庫で復刊されましたが、字幕もまた「現在」がすべて、というところでしょうか。
最初は、
「1990年~ 聴覚障害者の文字情報-字幕放送シンポジウム」、これは東京の聴覚障害者の範囲で開催。
全国的には、1991年が最初、翌年2回目。
第3回が1993年。