語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
読書
大岡昇平+社会問題・社会保障

【佐藤優】書誌

2016年12月10日 | ●佐藤優
 ※2016年12月10日現在。なお、「●」は所持するもの。

 《追加分》
●『性と国家』(河出新書、2016.11.26)/共著:北原みのり
●『世界観 』(小学館新書、2016.12.1)
●『大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす 』(NHK出版、2016.11.10)
●『秩序なき時代の知性』(ポプラ新書、2016.12.8)
●『知の操縦法』(平凡社、2016.11.28)
『悪いヤツほど愛される 』(講談社+α新書、2017)
『ゼロからわかるキリスト教』(新潮社、2016.10.31)
『トランプは世界をどう変えるか?』(朝日新書、2016.12.26)/共著:エマニュエル・トッド
『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016.12.16)/共著:池上 彰


(1)著書
●『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社、2005 →増補版:新潮文庫、2007《解説:川上弘美》)
  ※第59回毎日出版文化賞特別賞
●『自壊する帝国』(新潮社、2006 →新潮文庫、2008《解説:恩田陸》)
  ※第5回新潮ドキュメント賞および第38回大宅壮一ノンフィクション賞
●『日米開戦の真実 大川周明著「米英東亜侵略史」を読み解く』(小学館、2006 →小学館文庫、2011)
●『獄中記』(岩波書店、2006年 →改訂版:岩波現代文庫、2009)
●『国家と神とマルクス 「自由主義的保守主義者」かく語りき』(太陽企画出版、2007 →角川文庫 2008)
●『地球を斬る』(角川学芸出版、2007 →角川文庫 2009)
●『国家の謀略』(小学館、2007)
●『野蛮人のテーブルマナー ビジネスを勝ち抜く情報戦術』(講談社、2007 →講談社+α文庫、2009)
●『野蛮人のテーブルマナー 「諜報的生活」の技術』(講談社、2009)
●『私のマルクス』(文藝春秋、2007 →文春文庫 2010)
●『インテリジェンス人間論』(新潮社、2007 →新潮文庫 2010)
●『国家論 日本社会をどう強化するか』(NHKブックス、2007)
●『世界認識のための情報術』(週刊金曜日、2008)
●『交渉術』(文藝春秋、2009 →文春文庫、2011)
●『テロリズムの罠 右巻 忍び寄るファシズムの魅力』(角川ワンテーマ21、2009)
●『テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方』(角川ワンテーマ21、2009)
●『外務省ハレンチ物語』(徳間書店、2009 →徳間文庫、2011)
●『神学部とは何か 非キリスト教徒にとっての神学入門』(新教出版社、2009)
●『「諜報的(インテリジェンス)生活」の技術 野蛮人のテーブルマナー』(講談社、2009)
●『甦る怪物 私のマルクス ロシア篇』(文藝春秋、2009)
●『功利主義者の読書術』(新潮社、2009 →新潮文庫、2012)
●『沖縄・久米島から日本国家を読み解く』(小学館、2009)
●『はじめての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲』(NHK出版新書、2009)
●『はじめての宗教論 左巻 ナショナリズムと神学』(NHK出版新書、2011)
●『日本国家の神髄 禁書「国体の本義」を読み解く』(扶桑社、2009)
●『この国を動かす者へ』(徳間書店、2010)
『3・11クライシス!』(マガジンハウス、2011)
『予兆とインテリジェンス』(産経新聞出版、2011)
●『人たらしの流儀』(PHP研究所、2011)
●『佐藤優のウチナー評論』(琉球新報社、2011)
●『この国を壊す者へ』(徳間書店、2011)
『世界インテリジェンス事件史 祖国日本よ、新・帝国主義時代を生き残れ!』(双葉社、2011)
●『インテリジェンス人生相談 復興編』(扶桑社、2011)
『共産主義を読みとく いまこそ廣松渉を読み直す『エンゲルス論』ノート 廣松渉エンゲルス論との対座』(世界書院 2011)
●『外務省に告ぐ』(新潮社 2011 →新潮文庫、2014)
●『野蛮人の図書室』(講談社、2011)
●『国家の「罪と罰」』(小学館 2011)
●『新・帝国主義の時代 左巻 情勢分析論篇』(中央公論者、2013)
●『新・帝国主義の時代 右巻 日本の進路篇』(中央公論者、2013)
●『神学の履歴書 ~初学者のための神学書ガイド~』(新教出版社、2014)
●『紳士協定 私のイギリス物語』(新潮社、2012/新潮文庫、2014)
●『帝国の時代をどう生きるか 知識を教養へ、教養を叡智へ』(角川oneテーマ21、2012)
●『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』(東洋経済新報社、2012)
●『人間の叡智』(文春新書、2012)
●『同志社大学神学部』(光文社、2012)
●『人に強くなる極意』(青春新書インテリジェンス、2013)
●『知の武装: 救国のインテリジェンス』(新潮新書、2013)
●『国境のインテリジェンス』(徳間書店、2013 →徳間文庫、2015)
●『地球時代の哲学 池田・トインビー対談を読み解く』(潮出版社、2014)
●『元外務省主任分析官・佐田勇の告白: 小説・北方領土交渉』(徳間書店、2014)
●『先生と私』(幻冬舎、2014/後に幻冬舎文庫、2016)
●『佐藤優の沖縄評論』(光文社知恵の森文庫、2014)
●『「知的野蛮人」になるための本棚 (PHP文庫、2014)
『野蛮人のテーブルマナー 完全版』(講談社、2014)
●『宗教改革の物語 近代、民族、国家の起源』(KADOKAWA、2014)
●『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014)
●『修羅場の極意』(中公新書ラクレ、2014)
●『逆境を乗り越える技術』(ワニブックス、2014)
●『「知」の読書術 』(集英社(知のトレッキング叢書)、2014)
●『私の「情報分析術」超入門 仕事に効く世界の捉え方』(徳間書店、2014)
●『創価学会と平和主義』(朝日新書、2014)
●『私が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六』(講談社、2014)
●『佐藤優の10分で読む未来 キーワードで即理解 新帝国主義編』(講談社、2014)
●『日本国家の神髄 ~禁書『国体の本義』を読み解く~』 (扶桑社新書、2014)
●『「ズルさ」のすすめ』(青春新書インテリジェンス、2014)
●『佐藤優の実践ゼミ 「地アタマ」を鍛える!』(「文藝春秋」2015年2月臨時増刊号)
●『世界史の極意』(NHK出版新書、2015)
●『神学の思考 キリスト教とは何か』(平凡社、2015)
●『危機を克服する教養』(角川書店、2015)
●『人生の極意』(扶桑社新書、2015)
●『プラハの憂鬱』(新潮社、2015)
●『国家の攻防/興亡』(角川新書、2015)
●『希望の資本論』(朝日新聞出版、2015)/共著:池上彰
●『危機を克服する教養 ~知の実践講義「歴史とは何か」~』(KADOKAWA、2015)
●『超したたか勉強術』(朝日新書、2015)
●『知性とは何か』(祥伝社新書、2015)
『国境のインテリジェンス』(徳間文庫カレッジ、2015)
●『ケンカの流儀 -修羅場の達人に学べ』(中公新書ラクレ、2015)
●『いま生きる階級論』(新潮社、2015)
●『イスラエルとユダヤ人に関するノート』(ミルトス、2015)
●『知の教室 ~教養は最強の武器である~』(文春文庫、2015)・・・・『佐藤優の実践ゼミ 「地アタマ」を鍛える!』再構成したもの。
●『お金に強くなる生き方』(青春新書インテリジェンス、201)
●『同志社大学神学部 私はいかに学び、考え、議論したか』(光文社新書、2015)
●『官僚階級論 ~霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか』(モナド新書、2015)
●『この国が戦争に導かれる時 超訳:小説・日米戦争』(徳間文庫、2015) 
『「池田大作 大学講演」を読み解く 世界宗教の条件』(潮出版社、2015)
●『佐藤優の「地政学リスク講座2016」 日本でテロが起きる日』(時事通信出版局、2015)
●『外務省犯罪黒書』(講談社エディトリアル、2015)
●『資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ』(NHK出版新書、2016)
●『危機を覆す情報分析 ~知の実戦講義「インテリジェンスとは何か」~』(KADOKAWA、2016)
●『組織の掟』(新潮新書、2016)
●『動因を探せ 中東発世界危機と日本の分断』(徳間書店、2016)
●『自分を動かす名言』(青春出版社、2016)
●『使える地政学 日本の大問題を読み解く』(朝日新聞出版、2016)
●『貧乏物語 現代語訳』(講談社現代新書、2016)
●『世界インテリジェンス事件史』(光文社文庫、2016)
●『現代の地政学』(晶文社、2016)
●『資本論の核心 純粋な資本主義を考える』(角川新書、2016)
●『現代に生きる信仰告白 改革派教会の伝統と神学』(キリスト新聞社、2016)
●『君たちが知っておくべきこと 未来のエリートとの対話』(新潮社、2016)
●『性と国家』(河出新書、2016.11.26)/共著:北原みのり
●『世界観 』(小学館新書、2016.12.1)
●『大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす 』(NHK出版、2016.11.10)
●『秩序なき時代の知性』(ポプラ新書、2016.12.8)
●『知の操縦法』(平凡社、2016.11.28)
『悪いヤツほど愛される 』(講談社+α新書、2017)
『ゼロからわかるキリスト教』(新潮社、2016.10.31)

(2)共著(対談)
●『国家の自縛』(産経新聞出版、2005 →扶桑社文庫、2010)/聞き手:斎藤勉(産経新聞元モスクワ支局長)
●『国家の崩壊』(にんげん出版、2006)/聞き手:宮崎学
●『北方領土「特命交渉」』(講談社、2006 →講談社+α文庫、2007)/共著:鈴木宗男
●『インテリジェンス―武器なき戦争』(幻冬舎新書、2006)/共著:手嶋龍一
●『ナショナリズムという迷宮 -ラスプーチンかく語りき』(朝日新聞社、2006 →朝日文庫、2010)/対談:魚住昭
『アメリカの日本改造計画』(イースト・プレス、2006)/共著:関岡英之・小林よしのり・西部邁ら
『反省 私たちはなぜ失敗したのか?』(アスコム、2007)/共著:鈴木宗男
『国家情報戦略』(講談社、2007)/共著:高永哲
『中国の黒いワナ』(宝島社、2007)/共著:青木直人・西尾幹二
『佐藤優 国家を斬る』(同時代社、2007)/コーディネーター:宮崎学、連帯運動・編
●『国家と人生 寛容と多元主義が世界を変える』(太陽企画出版、2007 →角川文庫、2008)/対談:竹村健一
●『正義の正体』(集英社インターナショナル、2008)/共著:田中森一
●『大和ごころ入門』(扶桑社、2008)/共著:村上正邦
●『ロシア闇と魂の国家』( 文春新書、2008)/対談:亀山郁夫
『情報力―情報戦を勝ち抜く“知の技法”』(イースト・プレス、2008)/共著:鈴木琢磨
『政治を語る言葉』(七つ森書館、2008)/山口二郎・編
●『暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠』(日本文芸社、2008)/共著:副島隆彦、
『第三次世界大戦 左巻 新・帝国主義でこうなる!』(アスコム、2008)/共著:田原総一朗
『第三次世界大戦 右巻 新・世界恐慌でこうなる!』(アスコム、2008)/共著:田原総一朗
●『テロルとクーデターの予感-ラスプーチンかく語りき2』(朝日新聞出版、2009)/対談:魚住昭
●『インテリジェンス人生相談 社会編』、『同 個人編』(扶桑社、2009)
●『知の超人対談 岡本行夫・佐藤優の「世界を斬る」』(産経新聞出版、2009)/ 共著:岡本行夫
●『ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊』(文春新書、2009)/共著:立花隆
『徹底討論沖縄の未来』(芙蓉書房出版、2010)/共著:大田昌秀、沖縄大学地域研究所・編
●『猛毒国家に囲まれた日本 ロシア・中国・北朝鮮』(海竜社、2010)/共著:宮崎正弘
『小沢革命政権で日本を救え 国家の主人は官僚ではない』(日本文芸社、2010)/共著:副島隆彦
『週刊とりあたまニュース 最強コンビ結成!編』(新潮社、2011)/共著:西原理恵子
『国家の危機』(KKベストセラーズ、2011)/共著:的場昭弘
●『聖書を語る 宗教は震災後の日本を救えるか』(文藝春秋、2011 →文春文庫、2013)/共著:中村うさぎ
『沈黙より軽い言葉を発するなかれ』(創出版、2012)/対談:柳美里
●『はじめてのマルクス』(週刊金曜日、2013)/共著:鎌倉孝夫
●『世界と闘う「読書術」 思想を鍛える1000冊』 (集英社新書、2013)/共著:佐高信
●『知の武装 救国のインテリジェンス』(新潮新書、2013)/共著:手嶋龍一
『新・帝国主義時代を生き抜くインテリジェンス勉強法』(講談社、2014)/共著:荒井和夫
●『聖書を読む』(文藝春秋、2013)/共著:中村うさぎ
●『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』(文春新書、2014)/共著:池上彰
●『喧嘩の勝ち方 喧嘩に負けないための5つのルール 』(光文社、2014)/共著:佐高信
●『賢者の戦略』(新潮新書、2014)/共著:手嶋龍一
●『死を笑う うさぎとまさると生と死と』(毎日新聞社、2015)/共著:中村うさぎ
●『希望の資本論』(朝日新聞出版、2015)/共著:池上彰
●『反知性主義とファシズム』(金曜日、2015)/共著:斎藤環
●『崩れゆく世界 生き延びる知恵』(キャップス、2015)/共著:副島隆彦
●『「殺しあう」世界の読み方 (田原総一朗責任編集 オフレコ!BOOKS)』(アスコム、2015)/共著:田原総一朗・宮崎学
●『とりあたま大学: 世界一ブラックな授業!編』(新潮社、2015)/共著:西原理恵子
●『イスラエルとユダヤ人に関するノート』(ミルトス、2015)
●『国家のエゴ』(朝日新書、2015)/共著:姜尚中
●『異端の人間学』(幻冬舎新書、2015)/共著:五木寛之
●『インテリジェンスの最強テキスト』(東京堂出版、2015)/共著:手嶋龍一
●ニッポン放送「高嶋ひでたけのあさラジ!」編『90分でわかる日本の危機』(扶桑社新書、2015)
●『政治って何だ!? - いまこそ、マックス・ウェーバー『職業としての政治』に学ぶ-』(ワニブックスPLUS新書、2015)/共著:石川知裕
●『大世界史 現代を生きぬく最強の教科書』(文春新書、2015)/共著:池上彰
●『あぶない一神教』(小学館新書、2015)/共著:橋爪大三郎
●『インテリジェンスの最強テキスト』(東京堂出版、2015)/共著:手嶋龍一
●『第3次世界大戦の罠 -新たな国際秩序と地政学を読み解く』(徳間書店、2015)/共著:山内昌之
●『平和なき時代の世界地図 戦争と革命と暴力 単行本』(祥伝社、2015)/共著:宮崎学
●田原総一朗・責任編集『「殺し合う」世界の読み方』(文化放送、2015)/共著:宮崎学
●『マルクスと日本人 社会運動からみた戦後日本論』(明石書店、2015)/共著:山崎耕一郎
●『創価学会を語る』(第三文明社、2015)/共著:松岡幹夫
●『小学校社会科の教科書で、政治の知識をいっきに身につける』(東洋経済新報、2015)/共著:井戸まさえ
●『新・地政学 ~「第三次世界大戦」を読み解く』(中公新書ラクレ、2016)/共著:山内昌之
●『佐藤優さん、神は本当に存在するのですか?』(文藝春秋、2016)/共著:竹内久美子
●『復権するマルクス 戦争と恐慌の時代に』(角川新書、2016)/共著:的場昭弘
『竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか』(ワニブックス、2016)/共著:竹中平蔵
『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』(東洋経済新報社、2016)/共著:山岸良二
『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編』(東洋経済新報社、2016)/共著:山岸良二
『いま、公明党が考えていること』(潮新書、2016)/共著:山口那津男
●『21世紀の戦争論 昭和史から考える』(文春新書、2016)/共著:半藤一利
●『世界史の大転換 常識が通じない時代の読み方』(PHP新書、2016)/共著:宮家邦彦
●『右肩下がりの君たちへ』(ぴあ、2016)/共著:津田大介、ほか
『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』(東洋経済新報社、2016)/共著:山岸良二
『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編』(東洋経済新報社、2016)/共著:山岸良二
『いま、公明党が考えていること』(潮新書、2016)/共著:山口那津男
●『21世紀の戦争論 昭和史から考える』(文春新書、2016)/共著:半藤一利
●『世界史の大転換 常識が通じない時代の読み方』(PHP新書、2016)/共著:宮家邦彦
●『右肩下がりの君たちへ』(ぴあ、2016)/共著:津田大介、ほか
●『新・リーダー論 ~大格差時代のインテリジェンス~』(文春新書、2016)/共著:池上彰
●『性と国家』(河出新書、2016.11.26)/共著:北原みのり
『トランプは世界をどう変えるか?』(朝日新書、2016.12.26)/共著:エマニュエル・トッド
『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016.12.16)/共著:池上 彰

(3)訳書
 ゲンナジー・ジュガーノフ(佐藤優/黒岩幸子・共訳)『ロシアと現代世界 汎ユーラシア主義の戦略』(自由国民社、1996)
●J.L.フロマートカ(Josef Lukl Hromadka、日本ではロマドカの名称でも知られる)『なぜ私は生きているか J.L.フロマートカ自伝』(新教出版社、1997)
 アレクサンドル・レベジ(工藤精一郎/工藤正広/黒岩幸子・共訳)『憂国』(徳間書店、1997)
●ヨゼフ・ルクル・フロマートカ (平野 清美・訳/佐藤優・監訳・解説)『神学入門 ~プロテスタント神学の転換点』(新教出版社、2012)
 ヨゼフ・ルクル・フロマートカ (平野 清美・訳/佐藤優・監訳)『人間への途上にある福音 キリスト教信仰論』(新教出版社、2014)
●アモス・ギルボア/エフライム・ラピッド・編(佐藤優・監訳/河合洋一郎・訳)『イスラエル情報戦史』(並木書房、2015)
●『この国が戦争に導かれる時 超訳:小説・日米戦争』(徳間文庫、2015) 
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 【参考】
【佐藤優】の仕事早わかり ~略歴と書誌~
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【ミステリーの雑学】フランスの原発 ~テロのターゲット~

2016年12月10日 | ミステリー・SF
 <「確かにフランスはドイツとイギリスの間にある国で、しかも農業国という点でアフリカのイスラム原理主義者の間ではターゲットになっているのだろう」
「食物を輸出できる国はヨーロッパではフランスだけだ」
「フランスのどこをターゲットにすると思う?」
「ターゲットとしては原発かフランス空軍か」
「ISILに最も多く参加している国がチェニジアと伝えられている。そしてフランスからの電力輸入なくしてドイツの工業は成り立たないんだ。ジュンはフランスという国をどう思っている?」
 クロアッハの質問に黒田が大きく溜息をつく。
「フランス革命によって自由を手に入れた国ではあるが、それ以前の王制当時の遺産で生きている国という感じかな」
 黒田の目にはフランスは大きな魅力のある国とは映っていなかった。
「なかなか鋭い見方だな。観光立国を謳っておいて未だ人種差別も根深い」
(中略)
「西側諸国が最も気を付けなければならないのは、ISILにフランスの原発をターゲットにさせないことだ。彼らは必ずそこを狙ってくる。それもドイツに一番近い原発を」
 悪夢のような話である。クロアッハは続けて言った。
「一番危ないのはカットノン原子力発電所。フランス第一の規模であるグラヴリーヌ原子力発電所に続く、フランス第二の原子力発電所だ」
「それがドイツ国境近くにあるのか」
「フランス北東部のモゼル県にある。施設はモゼル川の西あり、ドイツのペルルからわずか10キロの位置だ」
(中略)
「フランスは世界一原子力発電の割合が高い国で、全発電量の77パーセントを原発に頼っている」
「ウランスはウランの供給源を政情の安定したカナダやオーストラリアに頼っている。ウランは一度輸入すれば数年間使うことができるからな。原子力を準国産エネルギーと位置づけている」
「もともとフランスは優秀な核科学者を多数輩出していたな」
「そうだね。19世紀に初めて放射線を発見したアンリ・ベクレルをはじめ、放射性元素や放射線の研究で知られるキューリー夫妻などだ。戦前からフランスの原子力研究は、原子炉設計のみならず、半導体製造や医療応用など基礎研究から応用研究まで早い時期から原子力エネルギーの運用に貢献していたんだ」
「だから誰も文句を言えない。悪魔のエネルギーでありながら永遠のエネルギーでもあるからな」
「もし、カットノン原子力発電所か、フェッセンアイム原子力発電所で事故やテロが発生すれば、世界の経済は根底から揺らぐことになる」
 これはヨーロッパだけの危機ではなく、まさに世界経済に大打撃を与える悪夢なのだろう。黒田は思わず眉をひそめて聞いた。
「フェッセンアイム原子力発電所というのは」
「フランスのオー=ラン県フェッセンアイムにある原子力発電所だ。施設はアルザス大運河の西岸にあり、南へ40キロ行けばスイスのバーゼルがある」
「バーゼルはスイス唯一の“貿易港”だな」
「そう、バーゼルはスイス第三の都市で、ドイツとフランスとスイスの三国の国境が接する地点だ。大型船舶が通航できるライン川最上流の港を持つ最終遡行地であることまではあまり知られていないがね」
 クロアッハが笑いながら答えた。
「そのバーゼルまで影響を及ぼすとなると確かにヨーロッパ経済を揺るがすことになるな。ISILだけでなく、イスラム原理主義の狂気がそこまで進まないことを願うだけだよ」
「『狂気は個人にあっては希有なことである。しかし、集団・党派・民族・時代にあっては通例である』だな」
「ほう、ニーチェか」
「イスラムの下層市民が爆発するのを事前に阻止することが先進国の使命になってくるな」>

□濱嘉之『ゴーストマネー』(講談社文庫、2016)
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 【参考】
【ミステリーの雑学】紙幣が流通する期間は何年間か?
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【ミステリーの雑学】紙幣が流通する期間は何年間か?

2016年12月10日 | ミステリー・SF
 <銀行をはじめとする各金融機関は、利用者から預かった紙幣のうち当面使用しないものを、日々日本銀行本支店に持ち込んでいる。日本銀行当座預金に預け入れるためだ。こうして銀行券が日銀に戻ってくることを、環収という。>

 <1万円札の寿命は、およそ4年から5年程度だという。銀行券が再流通に耐えられるか否かの判断は自動鑑査機が行う。廃棄となる銀行券は、自動鑑査機に組み込まれたシュレッダーにかけられ、1.5ミリ×11ミリの大きさにまで細かくされ、処分されるという。>

 <「そうだ、普段は100枚単位で裁断されるらしいが、(後略)」>

 <かつては回収した紙幣を溶解設備で溶かし、段ボールやティッシュペーパーの材料の一部などに再利用していた。古びた紙幣の最終処理はすべて本店で行っていたらしい」>

 <いや、現在では7割程度、住宅用の建材や固形燃料などにリサイクルされているんだよ。それ以外の裁断屑は、一般廃棄物として各地方自治体の焼却施設において焼却処分されている」>

 <「1万円紙幣1枚は約1グラムとして、(1,500億円の重量は)15トンだな。(後略)」>

 <「日本の紙幣には靱皮(じんぴ)繊維のミツマタや、天然繊維の中で最も強く弾力のあるマニラ麻の葉脈繊維など、特殊な原料が使われている。そのため特に普通紙にリサイクルするのは、なかなか難しいと聞いたことがあります。また、紙幣の塊を焼却するのは意外と大変だそうです。普通紙より紙幣は水分量が多いからと言われています」>

 <「(前略)世界の紙幣の中で物理的に最も強度があるのはアメリカドル紙幣。次が日本紙幣だということです」>

 <「シークレットサービスですが、設立時の本来の任務は、偽造通貨の取締り、様々な不正経理犯罪、個人情報窃盗の捜査、地域犯罪における科学捜査情報の提供だったのです。(後略)」>

 <寿命が過ぎたお札は、年間およそ3,000トンあると言われていますから、数にして30億枚が廃棄されていることになります。これがすべて1万円札とすれば、1年で30兆円相当の紙幣が棄てられているのですか・・・・」>

□濱嘉之『ゴーストマネー』(講談社文庫、2016)
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【保健】身近な食品で今日から健康に(2) ~落花生~

2016年12月10日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)2013年1月、スペインの王立研究所が、約3,500人を対象に実施した追跡研究の結果を発表した。

 (2)この研究では、まず①エクストラバージンオリーブオイルを多く含んだ食事を摂ったグループの糖尿病発症リスクが抑制されたことに注目が集まった。さらに②約30グラムのナッツを加えた地中海食のグループも糖尿病発症リスクが約18%低下した。
 研究の発端は、長寿で知られるクレタ島だ。クレタ島民の心疾患リスクが極めて低いことに注目が集まり、研究が開始された。当初の研究では、オリーブオイルなどを多く含む地中海食は心血管系疾病リスクを約30%低下させることが報告された。それを受けて糖尿病に関してもサブ解析を行った結果、糖尿病にも効果があることがわかった。

 (3)「実践法」・・・・ナッツならどの種類でも構わないとされるので、落花生などが手軽。1日の消費量は実験結果と同じく30グラム程度が目安となる。
 落花生は1粒およそ1グラム。1日30粒ほど食べれば糖尿病の予防に繋がるわけだ。
 落花生は、予防だけでなく、すでに治療現場でも活用されている。糖尿病治療のため糖質制限食を実践している患者に落花生をおやつ代わりに食べることをすすめてている。腹持ちがよい上に糖質が少ないから、血糖値の上昇を最小限に抑えられる。

 (4)落花生は糖尿病の合併症予防にも効果があるという。
 落花生はオレイン酸という良質な脂肪を多く含んでいる。糖尿病の三大合併症とされるのは、腎障害、網膜症、神経障害だ。これらは血糖値を抑えればコントロールできる。問題はこれ以外の動脈硬化に由来する大血管合併症だ。これは血糖値を抑えるだけでは防げないが、オレイン酸は動脈硬化予防に効果的だ。

 (5)血糖値を低下させるインスリン合成に重要な役割を持つのが亜鉛だ。
 亜鉛はインスリン合成に不可欠だ。ところが糖尿病患者は、尿酸中の亜鉛の排泄量が増加するため、亜鉛が欠乏する傾向にある。そのため亜鉛を補給することが必要になる。牡蠣に多く含まれるほか、イカやカニなどの魚介類、牛肉などにも多く含まれている。

 (6)合成されたインスリンを正常に働かせるためにミカンが重要だという研究結果もある。三ヶ日ミカンの産地として知られる浜松市の三ヶ日町を舞台に研究を行っているのが、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門だ。
 2003年から三ヶ日町で約千人の住民を対象にした疫学調査を行っている。2006年には、温州ミカンをだいたい1日3、4個食べている人は1日1個以下の人に比べて、インスリン抵抗性リスクが半分程度という論文を発表した。現在、さらなる追跡調査で検証している。
 インスリン抵抗性とは、インスリンの効きが悪くなっている状態を指す。抵抗性が高くなれば、血糖値が下がりにくくなる。
 温州ミカンに特徴的に含まれるβ-クリプトキサンチンがポイントだ。ミカンをたくさん食べると肌を黄色くさえる物質で、インスリン抵抗性リスクを下げる効果を持つことが動物実験からもわかっている。
 三ヶ日町を含む浜松市は、健康寿命が全国で1位となったことでも知られる。

 (7)ただ、ミカンには注意すべき点もあるという。
 ミカンは予防効果があるかもしれないが、糖質が多く含まれているため要注意だ。既に糖尿病の人や予備軍は控えたほうがよいかもしれない。

□守屋浩司・編『人生を変える! 食の新常識/カラダにいい食事 決定版』(文春ムック、2016)の「身近な食品で今日から健康に!」(初出「週刊文春」2015年5月28日号)
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 【参考】
【保健】身近な食品で今日から健康に(1) ~チョコレート~
【保健】意外や意外、卵で糖尿病は予防できる
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【保健】身近な食品で今日から健康に(1) ~チョコレート~

2016年12月09日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)愛知学院大学、愛知県蒲郡市、お菓子メーカー明治の共同研究。

 (2)2014年6月から7月にかけて、45歳から69歳までの347人の男女を対象とし、カカオポリフェノールを多く含むカカオ分72%のチョコレートを1日25グラム、4週間食べ続けてもらい、摂取前後の身体の変化を調べた。
  (a)顕著な結果が見られたのは血圧。被験者平均の血圧で、上(収縮期血圧)が2.6、下(拡張期血圧)が1.9下がった。注目すべきは血圧が高めな人ほど低下量が大きかったこと。正常血圧の人は1.6ほどの低下だったが、140以上の高血圧群では6程度の血圧低下が確認された。
  (b)認知機能に係る数値も改善された。脳由来神経栄養因子(BDNF)の値が増加した。これは近年の認知症研究で注目されている記憶力を向上させるタンパク質で、認知症や鬱病に罹ると減少する。チョコの摂取前は男女平均で6.07だったが、摂取後は7.39に改善した。男女別にみると、わずかだが女性の方が増加量が多かった。BDNFは、これまでも運動により増加することが知られていたが、チョコを食べるだけで増加したのは画期的なことだという。
 チョコを食べるだけで、なぜこうした効果が起きるのか。
 (a)については、チョコに含まれるカカオポリフェノールの抗炎症作用が、血流を妨げている血管内の炎症に対して働きかけたことが要因と考えられている。炎症を軽減し、血管を広げて血流を改善したことにより、結果として血圧を低下させた。余談ながら、肌のしわは炎症反応により発生する。カカオポリフェノールの抗炎症作用で、しわ予防も期待できる。
 (b)については、カカオポリフェノールの抗酸化作用により、BDNFが増加したものと見られる。体や脳の酸化を防ぐ作用で、アンチエイジングにも効果がある。

 (3)チョコは高カロリーだが、肥満リスクについては、1日25グラムはチョコ5粒で、150キロカロリー程度でしかないから、被験者の体重やBMIには変化が見られなかった。メタボリックシンドロームの心配はない。
 なお、食べるのはカカオ分を多く含むチョコがよい。目安は7割以上。それ以下だとたくさん食べる必要があるので、カロリー過多になる可能性がある。

□守屋浩司・編『人生を変える! 食の新常識/カラダにいい食事 決定版』(文春ムック、2016)の「身近な食品で今日から健康に!」(初出「週刊文春」2015年5月28日号)
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 【参考】
【保健】意外や意外、卵で糖尿病は予防できる
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【社会哲学】言語社会学の諸問題--ひとつの集約的報告 ~ベンヤミン~

2016年12月09日 | 批評・思想
 
 ベンヤミンが「社会研究誌」に発表した論文は5編だ(10編に及ぶ書評を除く)。
 そのうち「言語社会学の諸問題--ひとつの集約的報告」(1935年)は、ヘルダーの言語理論からはじまって、ゴルトシュタイン(神経生理学者・精神医学者)の最新の研究までを見渡したものだ。ジャン・ピアジェの発達心理学、さらには、間接的とはいえ、ソシュールの言語論にも触れられていて、ベンヤミンの特異な言語論の背景を考える上でも貴重な論考だ。そもそも、言語学と社会学の接点に焦点を置いた、言語社会学という発想自体が当時としては斬新だ。

□細見和之『フランクフルト学派 ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』(中公新書、2014)の「第3章 亡命のなかで紡がれた思想--ベンヤミン」 
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 【参考】
【社会】格差社会における「承認の欠如」 ~第三世代のフランクフルト学派~
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【佐藤優】トルキスタンの分割、変容する民族意識、ユーラシア主義の地政学

2016年12月08日 | ●佐藤優
 (1)収容所群島をつくったことによって政治的に断罪されたスターリンは、ジョージア(グルジア)人だ。
 グルジア人は不思議な言語をしゃべる。世界の言語はだいたい主格と対格がある。アラビア語も日本語も朝鮮語も中国語も全部一緒だ。ところが、ごく一部にだけ、主格・対格構造をとらない特殊な言語がある。能格・絶対格構造をとっている言語が世界のごく一部にあって、それがバスク語、グルジア語、チェチェン語、アディゲイ語などだ。これらの言語は動詞の変化表をつくるのがすごく難しい。グルジア語は一つの動詞が15,000ぐらい変化する。アディゲイ語になると12億らしい。
 言語の違いは思想の違いだから、珍しい言語をしゃべるスターリンはユニークな発想ができる人だ。しかも、スターリンはグルジアのゴリの町の出身で、このゴリの町にはグルジア人は少なかった。アルメニア人とユダヤ人の多い町で、オセチア人も多い。オセチア人は自称アラン人ということからもわかるように、アラン(=イラン)はすなわちイラン(ペルシア)系だ。自分たちは古代スキタイ民族の末裔だと信じている。
 スターリンの姓はジュガシビリというだが、この名前は生粋のグルジア人ではない。また、スターリンの父親は靴屋だった。コーカサス地域において靴屋はオセチア人のやる仕事だ。だから、名前と父親の職業から察するに、スターリンはおそらくジュガーエフという名前で、グルジアに帰化したオセチア人だ。
 スターリンは神学の基礎教育を受けている。彼は小さいとき天然痘に罹っている。母親が、この子がもし生き残れるなら神様に捧げます、と願をかけて、神学校へ入れた。しかし、高校生のとき飛び出してしまい、マルクス主義運動を始めた。
 スターリンは、ものすごく頭のいい男で、哲学者でもあり、経済学者でもあり、言語学者でもある。「ソ同盟における言語学上の諸問題」なぞすごくいい論文で、ソシュールを粗野にした感じだ。

 (2)スターリン全集には、あちこちに「回教徒共産主義者(ムスリム・コムニスト)という言葉が出てくる。
 ロシア革命は、マルクス主義によって行われたという建前になっている。しかし、マルクス主義の理論からすると、高度に資本主義が発達したところでしか革命が起きないはずだ。ロシアは遅れていた。だから、スターリンも、レーニンも、トロッキーも、ブハーリンも、みなドイツで革命が起きて、成功して、ドイツとロシアが連携して世界革命が始まると思ったわけだ。
 しかし、ドイツ革命がすぐにずっこけてしまう。次にハンガリーで革命が起きたが、これも頓挫してしまう。ロシアは遅れた社会のまま死んでしまうのか。これは早産だから死ぬしかないと考えたのがドイツ社会民主党の、第二インターナショナルの指導者だったカウッキーだ。ロシアにマルクス主義を導入したプレハーノフも、革命ロシアは生き残らないと考えていた。
 しかし、レーニンやスターリンにしれみれば、早産だから死ぬしかないというわけにはいかない。そこでジノヴィエフ、さらにスターリンが新しい仲間を見つけてきた。それがスルタンガリエフという人だ。スルタンガリエフはタタールスタンの共産主義者。共産主義者だが、イスラム教徒でもある人だ。彼は中央アジア・コーカサスに行ってこう言う。
 「われわれがやろうとしている階級闘争というのは、西方の異教徒に対する聖戦だ」
 で、赤旗と緑の旗を一緒に立てながら、革命を中央アジアでやる、だから回教徒共産主義という同盟軍がいるんだ、という理論を打ち立てていった。スターリンはそのうちの一人だ。

 (3)もともとコーカサス、中央アジアはトルキスタン(トルコ系の人たちが住んでいる土地)ということで一つのまとまりを持っていた。
 ところが共産主義よりイスラム革命のほうが強くなりすぎて、危なくなってきた。そこでスターリンは1920年代から30年代にかけて、そこに境界線を引き始めた。
 〈例〉今のカザフ人は当時キルギス人と言っていた。現在のキルギス人は当時カラキルギス人(黒いキルギス人)と言っていた。キルギス人とカラキルギス人だから親戚みたいなものだ。それにキルギス語とカザフ語は、Sの発音がちょっと違うぐらいのものだった。それなのに、「おまえらSの発音が違うから別民族だ」といって、そこに五つの新しい境界線を引いた。タジキスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、カザフスタン、トルクメニスタンだ。これが民族境界線画定だ。
 もともと似たような人たちだったのに、上から民族というものをつくって、互いにいがみ合うようにした。その負の遺産が今でも残っている。サマルカンドはもともとタジク人の町で、みなペルシャ語をしゃべっていた。1910年代の終わりぐらいの統計では、8割がタジク人。しかし、30年代になると、8割がウズベク人になってしまった。
 ちなみに、今のウズベキスタン大統領のイスラム・カリモフはタジク系だ。大統領になったときはウズベク語をしゃべれなかったから、家庭教師についてウズベク語を勉強した。タジク語はペルシャ語に近いが、ウズベク語はトルコ語に近いから。そいういうふうに民族意識が変容していくわけだ。

 (4)スターリンは、マルクス主義から新しく創造的に発展したのがマルクス・レーニン主義だと言いながら、実際は別の思想を取り入れた。それがユーラシア主義という地政学思想だ。
 ユーラシア主義の原型は、どういうものか。
 1910年代の終わりから20年代にかけて、ロシア革命を嫌ってチェコ、ブルガリア、米国などに逃げていったユーラシア主義者がいる。このユーラシア主義者たちは、アジアとヨーロッパの双方にまたがるロシアには独特の法則があると信じている。しかし、このユーラシア空間のロシアというのは、ロシア正教の国ではない。ロシア正教徒もいるが、スラブ人、チュルク系、トルコ系、ペルシャ系のイスラム教徒もいるし、モンゴル系の仏教ともいる。日本の神道に近いようなシャーマニズムを信じているアルタイ人もいる。他にもアニミズムを信じているような人たちもいて、多種多様な人たちがモザイク状に入り混じって住んでいる場所だった。だから、そこには民族とか宗教などでは分けられない独自のタペストリー(織物)のようになっている、という考え方だ。
 ユーラシア主義者はマルクス主義は嫌いで、反共主義なのだが、ソビエトは支持する。ソビエトはユーラシア空間の中に事実として存在し、イスラム教徒を取り入れていた。それは宗教を分節化の基準としない、地政学の原理でできているからだ。だから、亡命者のほとんどがソ連に反対しているにもかかわらず、ユーラシア主義者はソ連を断固支持した。一部のユーラシア主義者は、1930年代にソ連に帰国し、だいたい銃殺されてしまった。

 (5)スターリンは、このユーラシア主義のドクトリン(教義)を密輸入して、それにマルクス・レーニン主義という衣をかぶせた形で、一種の「ソ連大国主義」をつくっていくが、それはロシア・ナショナリズムではない。
 なぜなら、スターリン自身がグルジア系で、ロシア人の血はたぶん殆ど入っていないからだ。オセチア系のグルジア人で、ロシア語もたどたどしい。スターリンのロシア語の文章はすごく読みやすい。なぜなら外国人が書いた文章だから。もしロシア・ナショナリズムがソ連の国家原理だったら、スターリンのような人がソ連の指導者となって、ロシア人を含む多くの人々に大弾圧を加えることはできなかった。だから、ソ連がナショナリズムだというのは間違った考えだ。ソ連はスターリニズムだ。しかし、このスターリニズムは普通の帝国主義とも違う。地政学に基づく帝国主義の特徴はここにある。
 帝国主義というのは、通常、宗主国と植民地から成る。中央アジア、コーカサスは決して普通の意味の植民地ではない。そこから登用されて、権力の中枢に行く人はたくさんいるわけだから。
 ということは植民地なき宗主国だ。あるいは、宗主国なき帝国、植民地なき帝国だ。
 しかし、中心はある。それはマルクス・レーニン主義(科学的共産主義)というイデオロギーによって結びついたとされるソ連共産党中央委員会だ。その中央委員会、イデオロギーに権力の中心があった。

□佐藤優「第一講 地政学とは何か」(『現代の地政学』、晶文社、2016)pp.65-70
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【参考】
【佐藤優】トルキスタンの分割、変容する民族意識、ユーラシア主義の地政学
【佐藤優】地政学から見る第二次世界大戦前夜
【佐藤優】地政学とファシズムと難民
【佐藤優】最悪情勢分析 ~NPT体制の崩壊~
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【佐藤優】地政学から見る第二次世界大戦前夜

2016年12月08日 | ●佐藤優
 (1)日本は軍縮会議(ワシントン平和会議)で米国に騙された。米国が、日英同盟を発展的に解消して地域の集団的安全保障をやろうと言って、それで全然関係のないフランスを形だけ持ってきて、4ヵ国で条約をつくるろうと持ちかけた。フランスは太平洋での海洋権益はないのに。この4ヵ国で互いに安全保障をすれば大丈夫だといって日英同盟を解消させた。それで米英が接近していった。となると日本は海洋国家であるにもかかわらず、同じ海洋国家である米国とイギリスの両方を敵に回すという選択を採った。それによって、あの無謀な戦争に飛び込んでいったわけだ。

 (2)改めて戦争の整理をすると、日本の陸軍は地政学をちゃんと勉強していたから米国と戦を構える気はなかった。それに日本の陸軍の中で強いのは、常に英米可分論。ちなみに真珠湾奇襲よりも、イギリス領マーレ半島上陸のほうが数時間早かった。真珠湾の6時間ぐらい前にマレー半島に上陸している。つまりあの戦争は本質においてはイギリスとの戦争だ。それはイギリスが海洋覇権ではなくて、東南アジアの資源を握っていて、そこに日本は関心があったのだ。
 だから、裏返すと、イギリスがアジアから手を引いて、それで折り合いがつくならあの戦争は避けることができた。だから基本的にはあの戦争を日本のほうから見ると、日英戦争だ。陸軍のほうは日英戦争ですあら二次的に考えていたぐらいで、日米戦争なんて全然考えていなかった。陸軍が第一義的に考えていたのは日ソ戦だ。日本が大陸国家として進出すべきと考えていたから。

 (3)しかし、陸軍はある時期から極めて慎重になった。張鼓峰事件(1938年)と翌年のノモンハン事件(1939年)からだ。ちなみに、日本では「事件」という扱いだが、今、国際的にはノモンハン(ハルヒンゴル)事件の研究が進んでいて、ノモンハン「戦争」という言い方のほうが主流になっている。
 第二次世界大戦でドイツ軍を破ったときのソ連の軍事最高司令官はゲオルギー・ジューコフだが、ジューコフはノモンハン事件のときのソ連軍の司令官でもあった。彼は回想録の中で、これまで最も苦しい戦いはどこだったかというと、ハルヒンゴル事件だったと言っている。「ハルヒンゴルでの日本との戦いは、今までの戦いの中では最も苦しかった」と。
 それは日本にとっても同じだ。日本が地政学的に海洋国家の方針を採って大陸に出ていかなければ満州国なんかつくらなかったし、朝鮮半島も植民地支配しなかった。朝鮮半島は支配ではなく保護国みたいな形で、少なくとも神社参拝を強要して、そこでアトム的な価値観を押しつけるようなことはしなかったはずだ。

 (4)朝鮮半島はもともと檀君信仰がある。今、北朝鮮は檀君信仰をそのまま金日成神話に転換している。ピョンヤンの郊外に、檀君の夫妻の骨が見つかったといって、それを祀ってあるピラミッドがある。もし日本がアマテラスではなく、檀君を祖神とする形での宗教をつくらせていたら、朝鮮半島に土着化できた可能性はある。しかし大東亜共栄圏の内部というのはモナドロジー的な発想を持たない、すごくアトム的で均質な、ベタな発想だったわけだ。それでものすごい軋轢が出てきてしまった

 (5)軍事的に見れば、日本で近代戦をやったのは1905年の日露戦争が最後だ。ちなみに、日露戦争では、大量のコンクリートを使って、トーチカ(要塞)をつくって、そこに機関銃を据えて戦った。トーチカとはロシア語で「点」という意味だ。
 機関銃から派生してできた、われわれが日常的に使っている文房具がある。ヒントはマックス。マックスは機関銃メーカーの名前だ。答えはホチキス。ホチキスのあの玉送りは、機関銃の弾送りの仕組みを使っている。弾をそのままホチキスの針に代えただけ。あの順番で弾を送っていくという技術を民間に転用するとホチキスになる。
 そういうわけで日露戦争は大量の機関銃を使って物量戦をやったという、第一次世界大戦の先駆けとしての意味がある。でもその後の第一次世界大戦は、日本にとっては日英同盟を口実に、後から入ってきたという話だ。

□佐藤優「第一講 地政学とは何か」(『現代の地政学』、晶文社、2016)pp.59-61
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【参考】
【佐藤優】トルキスタンの分割、変容する民族意識、ユーラシア主義の地政学
【佐藤優】地政学から見る第二次世界大戦前夜
【佐藤優】地政学とファシズムと難民
【佐藤優】最悪情勢分析 ~NPT体制の崩壊~
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【佐藤優】地政学とファシズムと難民

2016年12月08日 | ●佐藤優
 (1)地政学との関係において、すごく重要なのがファシズムだ。地政学とファシズムは重なる部分もあれば、重ならない部分もある。
 ファシズムは、「ナチズムの仲間」くらいで片付けられるものではない。ナチズムは確かに広義のファシズムの一部ではあるが、あの「血と土地の神話」のようなものを信じて、そこからユダヤ人絶滅政策が出てきて、それで全世界を敵に回して戦うなどという異常な思想が出てくるのは、これはドイツの極めて特殊な事情に基づく。ナチズムに普遍性はない。ドイツの病理現象にすぎない。
 ちなみに、今ネオナチが活発に活動している。ドイツでネオナチに関する報道は多い。外国人排斥に関する報道も多い。その二つに関する報道は、ドイツがシリア難民受け入れを決めてから増えている印象がある。

 (2)今、ヨーロッパは競争している。うちの国は怖いんだぞ、居心地が悪いぞ、来ないほうがいいよ、とアピールする競争。今、世界中で難民の問題を心配しなくていい国はどこか。
 日本は、すぐ難民が来る可能性がある。難民の問題も地政学と関係してくるから、地政学的なことを無視した外交政策のツケが来たということなのだが。
 安倍首相が2015年1月17日にエジプトで表明した中東に対する支援金25億ドルは、何のためのお金か。人道難民支援だろう。難民はなぜ発生するのか。米国が「イスラム国」を空爆し、空爆されて殺されてはかなわないし、「イスラム国」の圧政やアサド政権の支配下にいたくないから国を出る。その出てきた人の難民キャンプをつくって、そこに住まわせる。それで「イスラム国」の仲をガタガタにしていくというのが西側の戦略だった。日本はその意味において、難民部門を担当すると表明していたわけだ。ところが、彼らはその枠を超えてヨーロッパに出てきてしまった。ヨーロッパはもう難民を受け入れたくないのだ。
 ヨーロッパの中でもアルバニアなどは地理的にシリアから近い。イスラム教徒も多い。だが、難民はそこへ行かない。国家が破綻していて危険だからだ。だからアルバニアは難民が来るのを心配しなくていい。
 ほかにも難民が来るのを心配しなくていい国がある。アジアでは北朝鮮だ。北朝鮮は人権関係の国際条約に署名して、批准している。憲法で難民を受け入れる権利をちゃんと保証しているし、迫害されている人は受け入れなければいけないという規定もある。その意味では人権優等国だ。ただ、彼らは国際法と国内法はまったく別ものという二元主義に立っているから、国際法で何を約束しても実際は無関係なのだ。

 (3)では、日本はどうか。日本は970億円出した。それは難民支援でヨーロッパへいく。すると、ヨーロッパの情報機関はきっと、NPOの連中をそそのかして、LCCチケットを難民に渡す。成田経由で中南米のどこかに行くチケットを。最終目的地がよその国の航空券を持っていれば、乗り継ぎの空港に降りるのに査証も何もいらない。それでチケットを難民に渡して、因果を含めるのだ。「成田空港の国際線エリアに滞留しろ」と。あそこは飛行機の乗り継ぎの関係で2,000人ぐらいなら受け入れられるようになっている。シャワーもあるし、食事もある。だからトム・ハンクス主演の映画「ターミナル」みたいに、何ヶ月もその中で暮らせる。映画ではトム・ハンクス一人が空港で生活するわけだが、そういう人が300人から500人ぐらいたとして、CNNとBBCで毎日それを映し出す。
 「現在、成田空港の国際線ロビーにシリア難民が300人いて、日本への入国を求めています。ちなみに日本は国際社会の中で難民に対する協力を表明しています。日本は数千人の割り当てがあるにもかかわらず、それを受け入れていません」
 こんな報道をされたら、日本政府はこういう国際圧力に耐えられない。それで結局難民は入ってくることになる。こういう感じだ。
 だから難民法を整えて、何が難民か、難民じゃないかということをきちんと仕分けしないといけないのだが、この政府はそういったことには全然対応していない。
 それから難民の中には一定数のテロリストも紛れ込んで入ってくる。そういうリスクもある。こういうことも地政学のことがわかっていないと、ピンとこない。

□佐藤優「第一講 地政学とは何か」(『現代の地政学』、晶文社、2016)pp.46-50
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【参考】
【佐藤優】トルキスタンの分割、変容する民族意識、ユーラシア主義の地政学
【佐藤優】地政学から見る第二次世界大戦前夜
【佐藤優】地政学とファシズムと難民
【佐藤優】最悪情勢分析 ~NPT体制の崩壊~
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【佐藤優】最悪情勢分析 ~NPT体制の崩壊~

2016年12月08日 | ●佐藤優
 

 (1)副島隆彦は米国のインテリジェンスに強いシンクタンクとすごくいい関係を持っている。シンクタンクでは、最悪情勢分析をやる。これはロシアでもイスラエルのインテリジェンス機関でもそうだ。荒唐無稽な話ではなく、現実的に、今、最悪の事態としてどういうことが想定し得るかを徹底的に予見する。
 〈例〉イランのロウハニ政権が国際原子力機関(IAEA)との合意を無視して、核開発に走るとする。米国はそれを阻止できないので、イランは10ヵ月後に広島型原爆を持ってしまい、その小型化作業に入るかもしれない。
 これはあり得るシナリオだ。

 (2)(1)-〈例〉の場合、その状況をサウジアラビアが見て、サウジアラビア=パキスタン秘密協定を発動させ、パキスタン領内にある核弾頭のいくつかをサウジアラビアの領内に移すとする。
 サウジアラビアの領域に核弾頭が移ったことによって、核不拡散(NPT)体制が崩壊する。
 その結果、アラブ首長国連邦、カタール、クウェート、オマーンが核兵器をパキスタンから購入する。エジプトは自力で核を開発する。ヨルダンも自力で核を開発するようになるかもしれない。
 核を購入する国と核を開発する国に分けたが、基礎的な学術水準の違いがあるので、核をつくれる国とつくれない国があるからだ。

 (3)そうやって、核拡散が起きる。そこでNPT体制が崩壊する。
 NPT体制が崩壊すると、ブラジルやアルゼンチンも核を持つようになる。
 その影響は極東に現れてきて、北朝鮮のみならず、韓国と台湾が核兵器を持つようになるかもしれない。

 (4)そうなったとき、どうなるか。それでも恐らく日本は核兵器を持てない。なぜなら米国の核の傘の下にあるから、その傘を外すことに対しては、米国も周辺国も反対するはずだからだ。
 何でそういうことになるかというと、日本は第二次世界大戦で全世界を敵に回して戦った実績があるからだ。そういう国は核を持てないのだ。だから日本とドイツは最後まで核を持てない。
 それで他の国が核を持つような時代になると、竹島問題にしても、慰安婦問題にしても、第二次世界大戦中の徴用工問題にしても、核を持った韓国と日本は外交で交渉していかないといけないなら、これは相当押し込まれるようになる。
 こういうのが最悪情勢分析だ。

□佐藤優「第一講 地政学とは何か」(『現代の地政学』、晶文社、2016)pp.28-29
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【佐藤優】地政学とは何か

2016年12月08日 | ●佐藤優
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【幕内秀夫】太りすぎた子どもたち ~「お菓子」が主食~

2016年12月08日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)保育園や幼稚園の子どもに、これまでとは違うタイプの肥満児がいる。
 子どもの体型にも生まれつき個性がある。これまでにもぽっちゃりしたお子さんはいたはずだ。しかし、これまでとは違う肥満の子どもが登場している。
 肥満大国、米国やメキシコ、オーストラリアの肥満児のような体型の子どもが登場してきたのだ。

 (2)原因は何か?
 真っ先に考えられるのは運動不足と甘いお菓子や清涼飲料水だ。
 それらの影響も無視できないが、しょせんは「間食」の問題だ。これまでも、「間食」に甘いお菓子やジュースを摂っていた子どもはたくさんいただろう。しかし、一目でわかるほどの肥満児は多くはなかった。
 これまでと明らかに違うのは、「主食」さえもお菓子になったことだ。具体的に言えば、パンを常食するようになったことにある。
 もともと、欧米人たちが食べてきたパンに「砂糖」は入っていなかった。原材料は「小麦(ライ麦)・食塩・イースト(酵母)」。せいぜいこんなものだ。
 30年以上前、中国の最奥地、新疆ウイグル自治区では、イーストも使わないパン無発酵のパン、ナンが食べられていた。もちろん、砂糖は使われていない。焼いてから数日経ったものはカチカチだ。そのままでは食べにくいので、スープなどに浸して食べた。
 今でも欧米にはそのようなパンを焼く小さな店が残っている地域もある。
 しかし、今や世界の多くの国では大規模工場で大量生産され、長距離輸送されたパンが主流だ。長期保存のための食品添加物、また、品質を低下させないためになくてはならないのが、「砂糖」だ。
 わかりやすい例は、しっとり感が命のカステラだ。食べるとジャリジャリと砂糖の粒をかんでいることがわかることさえある。

 (3)砂糖が入ってないパンは少し置くだけで硬くなり、包丁で切るとぼろぼろになり、さらには食味が落ちる。
 現在の日本ではよほどのこだわりの店に行かなければ、砂糖の入っていないパンは販売されていない。
 もはや「食パン」も菓子パンになった。しかも、柔らかさやしっとり感を売り物にする食パンが増えているので、含まれる砂糖の量はどんどん増えているのだ。

 (4)そのパンの生地から、菓子パン、ハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、ドーナツなど、無数の食品が製造されている。それらを常食するようになり、その間に、お菓子や清涼飲料を摂るようになった。
 朝から晩までお菓子を食事にする子どもが登場するようになったのだ。
 それらの影響がどれほど大きいかは、すでに欧米の肥満大国が教えてくれる。

□幕内秀夫(フーズ&ヘルス研究所代表/学校給食と子どもの健康を考える会代表)「 ~口は災いのもと 2」(「週刊金曜日」2016年10月14日号)
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 【参考】
【食】味噌汁をめぐる妻vs.夫 ~「塩味」が伝える大切なメッセージ~
【保健】世紀のデタラメ健康法 ~「糖質制限」ダイエット~


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【後藤謙次】政府与党内の二つの見方 ~北方領土交渉は頓挫?~

2016年12月07日 | 社会
 (1)「トランプをTPPに引き戻すとなると、相当の代償を求められるのは確実だ」(政府高官)
 日米同盟を基本に組み上げる日本外交の戦略見直しは必至。トランプという予期せぬ“触媒”による“化学変化”の兆しが他の外交でも見え始めた。わけても注目されるのは、オバマ米大統領との確執を続けたプーチン露大統領が北方領土交渉をめぐってどう出てくるのか、だ。
 政府与党内に二つの見方がある。
  (a)米露対立を背景に日露関係の前進に難色を示してきた米国の圧力がなくなり、交渉がやりやすい環境が生まれる。長く北方領土問題に関わってきた鈴木宗男・新党大地代表も、そう見る。「ヒラリー・クリントンが当選していたら相当圧力をかけてきたはず。その障害がなくなるので交渉は円滑に進む」
  (b)米露関係が厳しいからこそ日本が介在する余地があり、トランプとプーチンによる英露関係の改善が進めば日本の価値が低下する。

 (2)(1)の二つの見方が交錯する中で行われた安倍・プーチン会談、於ペルー・リマ。
 12月15日には山口県長門市(安倍の地元)で安倍・プーチン会談が予定されており、ここで大きく交渉を進展させるのが当面の日本外交の基本戦略だった。しかし、トランプの登場を契機に、ロシア側が次々と否定的なシグナルを送り始めた。
 世耕弘成・経済産業相がまとめつつある対露経済協力プランのロシア側カンターパートだったウリュカエフ・露経済発展担当相がリマ会談の直前に巨額賄賂容疑で刑事訴追された。ロシア国内の、領土交渉の進展に反対する勢力の存在をうかがわせる。
 こうした予兆が示したとおり、リマ会談ではこれまでの友好ムードから一転して、プーチンは日本側に厳しいボールを投げ込んできた。プーチンは、自らこの提案の中身を記者会見で明らかにした。リマ発の共同通信電はこう伝える。
 「北方四島での共同の経済、人道面の活動について協議した」
 「クリール諸島(北方領土を含む千島列島)は今、ロシアの主権がある領土だ。(北方四島)全てが交渉の対象だ」
 この意味するところは、北方四島では日露間の「共同経済活動」を行うが、それはロシアの法制度下で領土の帰属を決めるというものだ。
 この考えは、日本で共有されている領土交渉をめぐる最大公約数とは大きく懸け離れている。「2島プラスアルファ」が交渉の出発点という日本側の認識への“挑戦状”ともいえる。日本側が危惧する経済協力を“食い逃げ”される懸念が、早くも浮上した。

 (3)プーチンとの会談後、安倍は表情を曇らせながら「(領土交渉は)そう簡単ではない」と述べた上で、「一歩一歩」を4回繰り返した。
 もはや「長門会談」で交渉が劇的に進展する可能性は消えたと見ていい。
 ただし、政府関係者は「プーチンが手ぶらで来ることは考えにくい。そんなことをすれば安倍総理との信頼関係が瓦解する」とも指摘する。
 順風満帆の航海を続けてきた安倍が得意とする外交で、大きな試練に直面した。トランプとプーチン、そして習近平・中国国家主席のそれぞれの立ち位置を見極めるまで、安倍は迂闊には動けない。

□後藤謙次「プーチンが突き付けた“挑戦状” 日本外交の戦略見直しは必至 ~永田町ライブ!No.317」(「週刊ダイヤモンド」2016年12月3日号)
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 【参考】
【後藤謙次】トランプの地滑り的勝利で始まった未知なる対米外交
【後藤謙次】築地市場の移転延期の決断が小池都知事の手足を縛るリスク
【後藤謙次】幹事長の入院が人事に波及、「ポスト安倍」めぐり早くも火花
【後藤謙次】参院選大勝も激戦12県で大敗 ~劣る「勝利の質」~
【後藤謙次】都知事選で与党分裂の理由 ~自民党内の反安倍勢力~
【後藤謙次】日本が直面する「ABCリスク」 ~英EU離脱で顕在化~
【後藤謙次】甘利大臣辞任をめぐる二つのなぜ ~後任人事と直後のマイナス金利~
【政治】不可解な時期に石破派が発足 ~その行方は内閣改造で~
【政治】震災後2度目の統一地方選 ~異例なほど注力する自民党本部~
【政治】安倍が描いた解散戦略の全内幕 ~周到な準備~
【政治】安部政権の危機管理能力の低さ ~土砂災害・火山噴火~
【政治】「地方創生」が実現する条件 ~石破-河村ラインの役割分担~
【政治】露骨な安倍政権へのすり寄り ~経団連が献金再開~
【政治】石原発言から透ける政権の慢心 ~制止役不在の危うさ~
【原発】政権の最優先課題 ~汚染水と廃炉作業~
【政治】「新党」結成目前の小沢一郎の前にたちはだかる難問
【政治】小沢一郎、妻からの「離縁状」の波紋 ~古い自民党の復活~
【政治】国会議員はヤジの質も落ちた

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【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨

2016年12月06日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)俗に、疾病の三大激痛の一つと言われる痛風発作。後の二つは、尿路結石だ、心筋梗塞だ、胆石だ、急性膵炎だ、との諸説があるが、痛風の地位は揺るがない。
 痛風は、血液中の尿酸が、長い間に結晶化して関節にたまる「尿酸塩沈着症」が本態だ。沈着した結晶を排除すべく免疫反応が起こり、炎症と発熱、腫れや痛みが生じる。
 初発作のほぼ7割は、足の親指の付け根で発生する。時には靴も履けず、真冬にサンダルで出勤する羽目になる。

 (2)日本の診療ガイドラインでは、血中尿酸値が7.0mg/dL超のケースを高尿酸血症と定義し、生活習慣の是正などで6.0mg/dL以下以下に管理するよう推奨している。
 一方、先に米国内科学会(ACP)から出された診療ガイドラインでは、血清尿酸値の治療目標そのものを撤廃。一律に境界線を引けるだけの根拠がないからだ。尿酸値のコントロールは大切だが、どこまで下げるかの目標値は、個々人で設定する必要がある。

 (3)痛風発作の治療には、日本でもおなじみの薬が推奨されている。すなわち、痛みの前兆~痛み始めにはコルヒチンを、激痛真っ只中ではノン・ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)か副腎皮質ホルモンだ。
 注意したいのは、コルヒチンの服薬量だ。ACPは、高用量と比較し「効果に差がない」ことを理由に、1日1.8mgまでの低用量処方を推奨。コルヒチンは過量投与で激烈な下痢症状など胃腸障害が強く出ることがあり、効果が同じであるならば低用量に越したことはない。

 (4)一方、日本の添付文書を見ると、1日3~4mgが標準用量だ。ただ、予防的には1日0.5~1.0mgとされているので、処方時に医師とよく相談するとよい。
 高尿酸血症発症リスクは、肥満、高血圧、暴飲暴食など。プリン体豊富な肉・魚もだが、実は果糖(フルクトース)が危ない。
 果糖は加工食品や清涼飲料の甘味料としてよく利用される。知らずに大量摂取しかねない。
 まず、日々のジュースや缶コーヒー、コーラの消費量を振り返ってみること。飲み会の「最初の一杯」を制限するのは、その後でいい。

□井出ゆきえ(医学ライター)「痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.328~」(「週刊ダイヤモンド」2016年12月10日号)
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 【参考】
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~
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【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州

2016年12月05日 | ●佐藤優
 ①手嶋龍一『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』(マガジンハウス 1,500円)
 ②『文藝春秋オピニオン2017年の論点100』(文藝春秋 1,450円)
 ③岡部伸『イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭/EU離脱の深層を読む』(PHP新書 780円)

 (1)①は、国際政治の舞台裏を解剖した傑作だ。「パナマ文書」が暴露され、プーチン・ロシア大統領の友人であるロルドゥギンがタックスヘイブンに多額の資産を持っていた事案について手塚氏はこう解析する。
 <なぜかアメリカ財務省はロルドゥギン個人を制裁の対象リストに加えていない。ロルドゥギンという「プーチンの財布」を封じてしまうことは見送っている。プーチン大統領に痛打を浴びせるのは当面差し控えたのだろう。
 ロルドゥギンというチェロ奏者こそ、16年の永きにわたるプーチン宮廷における廷臣のなかの廷臣なのである。プーチンはそうした旧友を、旧KGBの仲間たちとともに周辺に配し、封建諸侯のように遇して、堅牢な「フレンドクラシー」を敷いている。現代ロシアの新しい皇帝なのである>
 プーチン政権の本質が王朝で、制度化された枠組みの外側にいるロルドゥギンのような「友達」が国家意思形成にも関与していることがうかがわれる。外交とインテリジェンスに通暁した手嶋氏にしかできない分析だ。

 (2)②を読むと、各分野の第一人者による高度な分析に触れることができる。
 〈例〉バチカン(カトリック教会)の世界戦略について、松本佐保氏は次のように指摘する。
 <教皇フランシスコの決意は固い。米国がどう出ようとも、2017年に向けた彼の戦略はシリア内戦に確実な休戦合意をもたらすことである。それは武力以外の方法で最終的にISISを解体するという野心も含まれるであろう>
 近代的な国際政治のシステムが崩れつつある中、プレモダン(前近代)な世界観を持つバチカンの影響力が高まっている。バチカンの世界戦略について詳しい松本氏のような専門家がいることは、日本の誇りだ。

 (3)③は、ロシアとヨーロッパの双方に土地鑑と人脈を持つ人にしか書けない作品だ。
 <実際にロシアのプーチン政権は、英国のEU離脱決定後、離脱の混乱で欧州の結束が崩れると踏んで欧州に対して攻勢をかけてきた。EUは7月1日にウクライナ問題を巡る対露制裁を来年1月まで延長することを正式に決めたが、プーチン大統領は欧州各国と個別外交を展開、ウクライナへの軍事介入は継続しながら譲歩はせず、制裁包囲網切り崩しに躍起だ>
 との指摘は事柄の本質を突いている。
 19世紀にロシアと英国は、インド、イランでグレートゲームを展開した。現在、ウクライナで展開されている外交的、軍事的な駆け引きでもロシアと英国は、小さなゲームを展開している。

□佐藤優「プーチン政権の本質 ~知を磨く読書 第177回~」(「週刊ダイヤモンド」2016年12月10日号)
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 【参考】
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人
【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密
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【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
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【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
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【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
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【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
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【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~



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