話題の「バベル」が封切られた。
ブラッド・ピットや役所広司などが主演だが、あまり好きではない。
菊地凛子のチエコは見ごたえがあった。アカデミー賞助演女優ぬノミネートされるレベルかどうかはわからないが役に「なりきっていた」。
もう一つの感想は、ろうのチエコとミツなどの手話のセリフと同時に日本語の音声の部分も字幕で出ていた。まったく違和感はなかった。
これでいいのだ。普通に見られたということが断然いい。
今朝の朝日新聞「もっと知りたい!」にバベルに字幕が付いた経緯が紹介されている。多くの人が実名で記事に登場しているが、記者がていねいに取材されているのだろう。
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200704280240.html
http://kiirogumi.net/babel/pc.html
映画の字幕や音声解説が「ニュース」にならないように、制度を考える必要がある。
放送には、放送法第3条4項があり、義務的条項ではなく、努力義務条項だが、字幕放送、解説放送について、出来るだけ実施しなくてはならないという規定がある。
しかし、映画やDVDなどのパッケージ系は字幕を付加しなければならないという規定はない。
国際権利条約では、第9条の情報アクセスで、すべてのメディアにアクセスに適切な措置をとることを求めている。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/5348747.html
http://www.normanet.ne.jp/~jdf/shiryo/convention/29March2007CRPDtranslation.html
現在、内閣府で権利条約の各条項が国内法のどこに関わるか検討が進んでいる。
著作権法第37条2項では、指定された事業者はインターネットで字幕配信が著作権者の許諾無しで実施できるようになっている。
また、インターネットのストリーミング動画配信に字幕を付加させる技術もある。
http://library.tuins.ac.jp/kiyou/2006chiiki-PDF/takao.pdf
運動としては、幅広い団体や個人がフォーラムなどを結成して、映画制作会社や俳優団体、文化庁、などに働きかけることが必要だろう。
また、法制化を考える際に、義務化は権利条約があるとはいえ、その前の段階として、字幕制作助成金の制度化を図ったり、努力義務化を求めることも必要かもしれない。
内閣府には、JDFなどと一緒に要望が必要だ。
ミツを演じたのは誰だろう。会ってみたい。
ラビット 記
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