難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

中途失聴・難聴者の「集い」の情報保障

2008年01月26日 23時38分47秒 | 生活
080112_1503~001.jpg080112_1535~001.jpg1月12日の「東京都中途失聴・難聴者の集い」の情報保障は様々な方法が場面に応じて用意された。

全体会場は要約筆記、パソコン字幕、パワーポイントによる文字情報の投影、手話通訳、磁気ループ、それに出演者自身の手話だ。

その場で話される挨拶や司会の言葉は要約筆記だ。
実行委員長の挨拶は演壇に歩いて行く際にも話す内容が固まっていなかったというので当然原稿はない。司会はシナリオが用意されていたが、開演直前まで手が入れられていた上、手話を使いながら話すので生きた言葉になる。
要約筆記は公費派遣ではなく、登録要約筆記者の会のボランティアだ。ボランティアだが全員登録された要約筆記者なのは通訳として責任をもつからだ。

アトラクションの応援団の説明や歌詞、「押忍」のかけ声は事前に提供されたので、パソコンのプロジェクターから映し出した。
操作は聞こえる会員のボランティアだ。

記念講演の講師は手話を使いながら、文字や写真を多く盛り込んだスライドを投影した。
スライドを読みながら話すと話し方が平板になりやすく、時間もかかってしまう。
これは、スライドにはいろいろな工夫があって楽しめただけに残念だった。

しっかりした要約筆記のついた講演の経験が少ないか、要約筆記者の書く内容が不十分と考えている人は文字を多用するようだ。パワーポイント全面に発言原稿を表示した人もいる。

文字が多いと読むのに時間がかかるので、要約筆記を意識した話し方や視覚的な提示など、要約筆記者と連携を取る必要があるので、最近は聴覚障害者対象にはパワーポイントを使った講演をしていない。

磁気ループはステージの上も舞台袖の部分まで張ってあり、中途失聴・難聴者の実行委員や担当に効果があった。
実際に袖にいたが人工内耳と補聴器の両方をTモードで20代の頃のように良く聞こえた。

手話の堪能ではない総務担当の実行委員はいろいろな人が来るが要約筆記者が専属でノートテイクして、ちゃんと仕事していた。
しかし要約筆記者が書いて、本人が読んでいるのに、脇で手話通訳が手を動かしていたのは通訳としては介入しすぎだった。

機器展には出展者自身が筆談ボードや手話で説明した他、手話通訳、要約筆記者がついた。


「集い」は様々な情報保障をそれぞれの考え方、方法に基づいて実施されて、成功した。


ラビット 記



「CM字幕に関する提言」 松森果林氏の取り組み

2008年01月26日 09時43分48秒 | バリアフリー
071225_1808~001.jpg松森果林氏から、テレビのCMの字幕について、調査した報告会があるという案内をもらった。
CMの音声は同時に流されている音楽等に消されたり、話している声も早口だったり、よく分からない。

テレビCMの字幕は、広告提供者、広告主の理解がなければ難しいが、CMだけではなく、番組本体にも字幕が必要なことにも理解して欲しいものだ。


ラビット 記
Begin forwarded message:

講演会等でお世話になりました。松森果林と申します。

イベントのご案内をさせていただきたく、メールいたしました。


私が活動している国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)の「余暇のUDプロジェクト」では、今年度のテーマとして「CMに字幕を」と定め、活動してきました。
このテーマは、10年来私が持ち続けてきた野望です!

この一年近く、月刊ニューメディアという雑誌との共同調査で、IAUDの会員企業(48社)を対象に、「CMの字幕」についてアンケート調査。同時に、生活者(聴覚障害者104名、健常者170名)にも調査をしました。
その結果、聴覚障害者では4人に3人が、健聴者でも半数がCMに字幕がほしいという回答になりました。

この調査結果を踏まえ、「CM字幕」の課題や海外事例を徹底的に調査しIAUD参画企業の協力で、字幕をつけたCMのテストデモを行います。実際に テレビCMで使っている素材をもとに制作したものです。

字幕が「画面を汚す」というある種の神話?がある中、それが本当なのかどうかを実際に見る絶好のチャンスであり、CMに字幕をつけることで、聞こえない人にも最低限同じ情報を提供できるだけでなく広告効果の可能性を探ることができると思います。

テレビの字幕に関しての問題も、まだまだ多い中あえて、CMへの字幕を提言したのは、このIAUDには、日本を代表する優良企業が多く集まっているからです。そうしたメーカーから働きかけていってほしいと思っています。

今後、CM字幕への提言などを幅広く行っていく予定でおりますが、これまでの活動報告が2月8日に行われます。
お台場のトヨタショールームで、一般公開は午後からです。よろしかったら、いらしてください。
私も説明員として会場におります。興味のある時間帯のみいらしていただいても結構です。
以下の報告会の詳細です。


◆ 「2007年度国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)活動報告会」のご案内
2月8日金曜日に「2007年度IAUD活動報告会」が、東京・青海のトヨタユニバーサルデザインショウケースにて開催されます。

◆参加おすすめ時間帯
〔午後の部・一般公開〕
* 13時30分 「IAUDの果たすべき役割」(吉浜理事長)
* 13時50分 基調講演「CSRにおけるUD」(社団法人日本フィランソロピー協会理事長高橋 陽子氏)
* ≪休憩≫
* 15時00分 「シームレスな移動空間の研究」(移動空間PJ・近藤主査・佐藤恵吉・岸八潮)
* 15時40分 「CM字幕に関する提言」(余暇のUDPJ・飯泉主査)
* 16時10分 「ワークショップ活動報告」(ワークショップWG・秋谷主査)
* 16時40分 閉会挨拶・総括(岡本議長)
* 17時00分から18時30分 交流会(事前登録が必要です)

◆参加連絡
公式サイトにて参加申込みを受け付け中。
http://www.iaud.net/event/archives/0712/19-000000.php

興味のありそうな方や、他の団体にもご紹介いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

松森果林
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字幕のない日本映画 

2008年01月26日 08時41分05秒 | バリアフリー
071121_0051~001.jpg映画「バベル」に字幕を付ける運動をした人たちの紹介。

NONFIX
http://wwwz.fujitv.co.jp/nonfix/index.html
日本映画が見たい… ~忘れられた「聞こえない人達」の存在~

2008年1月31日(木) 02:38~03:38 放送(2008年1月30日(水)26:38~27:38 放送)

「日本人なのに日本映画を見ることができない 」

日本映画が盛んに評価され始めている昨今。洋画は楽しめるけれど「邦画を楽しむことが出来ない」という日本人がいるということをどれだけの人が知っているだろうか。


ラビット 記