難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の聞こえない社会の音(6) 語尾のニュアンス

2006年07月14日 18時27分46秒 | 生活
060706_1014~001.jpg会社の女性が誰かと電話しているのを聞いていると、「よろしくお願いします」と言っている。
よく聞くと、語尾が「す。」ではなく、「すぅ~。」と語尾が延びていて、しかも上がっている。この人だけの口調かと思っていると、他の人も同じように言っている。
仕事で話すには、あまりきちんとした感じがしないが、その語尾に「頼まれたことはいろいろこちらも手間がかかったけれど、いいよいいよ。了解したから今後はよろしく頼むよ、本当に」という気持ちが込められているらしい。Aタイプ。
逆にこちらがミスをしてお願いするときは語尾は延ばさない。「す。」だ。丁寧さをあらわすため、やや力が込められている。Bタイプ。
「よろしく、お願いしまス。」というのもある。語尾がない、力も入っていない「ス。」は、「とにかく、話を終わらせなくちゃ、とりあえず、言っておこう」という意味か。Cタイプ。

これは、文字だけでは聴覚障害者にはなかなか伝わらない。
手話だったら、Aタイプは、「かまわない」+「よろしく」だろう。Bタイプは、「すみません」+「よろしく」に頭も深く下げるだろう。Cタイプは「よろしく」に軽く頭を下げるくらいだ。

難聴者は、言葉のニュアンスまではとらえにくいので、対人関係が難しい。

ラビット 記