白髪を染めない勇気

白髪染めをするようになって１０年がすぎた・・


お水という職業柄　

老い　を極力隠すのが礼儀だと思っていた



ちょっとした白髪をお客さんに指摘されて以来

かなり　真剣に染めている　



ワタクシと同世代でも白髪染めに縁のない人もいれば

２０代でも白髪に悩んでいる人もいる


亡母は　己の美しさに絶対な自信を持っている人だった


もちろん　周りの評価もそうだった



母は　性格が悪いわけではないし　

けっこうおとなしいほうだったが

あまり物事を考えないで　はっきり言う人だった

　（今で言う　ＫＹな人なのかな？）




母の友人たちも母を「美しい人」と５０過ぎても崇めていた


　（ワタクシは　美しい母が産んだ　不細工な子供として育った）


そんな母が　末期の癌に倒れたのは　５３歳の頃、

病院では白髪が見えないようナイトキャップのような物を被っていた



末期で手の施しようもない状態なので

すぐ退院させられる



病院から帰ると真っ先に　白髪を染めていた・・


そこまでして「老い」を認めたくないのだろうか・・


３０を少し過ぎたワタクシは不思議な気持ちで見ていた


そんな母もとうとう歩けなくなった


白髪染が出来なくなった時　母は自分の人生を諦めたのだろう


顔を拭いてあげて　鏡を差し出すといらないと首を振った


そして　意識がなくなり　数日後逝った




１０代の頃カリスマ的存在だった落合けいこ（字がわかりません）サンが

白髪を染めていない姿で　ＴＶにでてきた時は驚いた　

　（誰かわからなかった）

美容家の　ナントカしずこサンも　きれいな白髪だ


でも　あの方たちには　確立された絶体的なものがある


ワタクシ等とは違うのだ


でも　ワタクシにも　白髪で堂々と人前に出る日が来るのだろうか・・


いや　ワタクシにはそんな勇気や自信はない


きっと　母のように　老いたくなくて　死ぬまであがくんだろうな・・






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