世界のニュース トトメス5世
経済・マネー・外交・防衛ほか
2017年03月21日10:00
中国の成長率はドル建てで1% 構造的な経済失速
中国の成長率はゼロから1%?
2016年の中国経済は批判を受けながらも年間6.7%成長したが、中国政府が発表するGDPは信憑性が疑問視されています。
仮にこの6.7%成長が事実だったとしても、人民元で見る世界と、円やドルから見た世界はまったく違っています。
例えば2016年に外資企業による中国への直接投資額は人民元建てで約4%成長したが、ドル建てでは7%も減少していた。
為替レートが人民元安、ドル高に変化したため、大幅な差異が生じてしまっているが、同じ現象は日米間で良く起きていた。
2011年は東日本大震災などの影響で-0.45%成長だったが、平均ドル円レートは79.81円と円高だった。
前年の2010年の平均為替レートは87.78円だったので、ドル建て計算にすると8%くらいはプラス成長だった事になる。
2016年の中国経済成長率は6.7%だが、2016年に人民元はドルに対して6.6%下落しました。
6.7%経済成長して通貨が6.6%下落した国のドル建て成長率は、控えめに言ってゼロ%程度でしょう。
人民元の2015年の平均レートと2016年の平均レートの差は、もう少し穏やかな5.5%と言ったところで、ドル建てでは1%程度の成長率になる。
人民元は2013年末にドルに対してもっとも値上がりし、それ以前の中国は毎年10%以上成長しながら通貨も高くなっていた。
相乗効果によって年20%もドル建てで成長した事があり、「あと数年でアメリカのGDPを超える」と毎年言っていました。
2014年からは人民元が安くなるのと同時に成長率が下がっていて、しかも発表より成長率は低いと言われている。
人民元は上昇から下落に転じた
為替レートの変動を1年単位で計算するのは意味のある事ではなく、例えば日本は1ドル76円を付けたが2年後には100円を超えています。
長期的にドル円は確実に円高に変化していて、平均すると毎年数パーセントのペースで円高が進行しています。
人民元は過去30年くらい上昇していたが、成長率の鈍化によって長期的に下落に転じたと考えて良さそうです。
中国では資本流出が深刻な問題になっていて、人民元が下落する原因になっているとされている。
中国が進めた人民元の国際化によって世界のお金が中国に集まる筈だったのだが、現実には人民があらそって中国から出て行っている。
当局は金融移動の規制によって通貨安を防止しているが、これで自由な資本移動が阻まれて経済成長にはマイナスになっている。
人民元安を放置した場合は中国国内で資金の流動性が枯渇し、アメリカのリーマンショックのようになる可能性が生じる。
厳しく規制すると人民元は安定するが、金融政策は柔軟性を欠き、金融危機が発生しやすくなるかも知れません。
早い話、米ドルと人民元を固定レートにしていたら、どんな金融政策を取っても無意味になるでしょう。
人民元を下落させるか、経済のゼロ成長を容認するか、インフレやデフレを容認するかしなくてはならないが、中国は全てを達成しようとしている。
高い成長率を維持して人民元も固定レート維持、インフレもデフレも拒否して、貿易黒字を続け、外資が中国に巨額投資し続ける。
そういう時代をいつまでも続けようとしているが、続くはずがありません。
経済・マネー・外交・防衛ほか
2017年03月21日10:00
中国の成長率はドル建てで1% 構造的な経済失速
中国の成長率はゼロから1%?
2016年の中国経済は批判を受けながらも年間6.7%成長したが、中国政府が発表するGDPは信憑性が疑問視されています。
仮にこの6.7%成長が事実だったとしても、人民元で見る世界と、円やドルから見た世界はまったく違っています。
例えば2016年に外資企業による中国への直接投資額は人民元建てで約4%成長したが、ドル建てでは7%も減少していた。
為替レートが人民元安、ドル高に変化したため、大幅な差異が生じてしまっているが、同じ現象は日米間で良く起きていた。
2011年は東日本大震災などの影響で-0.45%成長だったが、平均ドル円レートは79.81円と円高だった。
前年の2010年の平均為替レートは87.78円だったので、ドル建て計算にすると8%くらいはプラス成長だった事になる。
2016年の中国経済成長率は6.7%だが、2016年に人民元はドルに対して6.6%下落しました。
6.7%経済成長して通貨が6.6%下落した国のドル建て成長率は、控えめに言ってゼロ%程度でしょう。
人民元の2015年の平均レートと2016年の平均レートの差は、もう少し穏やかな5.5%と言ったところで、ドル建てでは1%程度の成長率になる。
人民元は2013年末にドルに対してもっとも値上がりし、それ以前の中国は毎年10%以上成長しながら通貨も高くなっていた。
相乗効果によって年20%もドル建てで成長した事があり、「あと数年でアメリカのGDPを超える」と毎年言っていました。
2014年からは人民元が安くなるのと同時に成長率が下がっていて、しかも発表より成長率は低いと言われている。
人民元は上昇から下落に転じた
為替レートの変動を1年単位で計算するのは意味のある事ではなく、例えば日本は1ドル76円を付けたが2年後には100円を超えています。
長期的にドル円は確実に円高に変化していて、平均すると毎年数パーセントのペースで円高が進行しています。
人民元は過去30年くらい上昇していたが、成長率の鈍化によって長期的に下落に転じたと考えて良さそうです。
中国では資本流出が深刻な問題になっていて、人民元が下落する原因になっているとされている。
中国が進めた人民元の国際化によって世界のお金が中国に集まる筈だったのだが、現実には人民があらそって中国から出て行っている。
当局は金融移動の規制によって通貨安を防止しているが、これで自由な資本移動が阻まれて経済成長にはマイナスになっている。
人民元安を放置した場合は中国国内で資金の流動性が枯渇し、アメリカのリーマンショックのようになる可能性が生じる。
厳しく規制すると人民元は安定するが、金融政策は柔軟性を欠き、金融危機が発生しやすくなるかも知れません。
早い話、米ドルと人民元を固定レートにしていたら、どんな金融政策を取っても無意味になるでしょう。
人民元を下落させるか、経済のゼロ成長を容認するか、インフレやデフレを容認するかしなくてはならないが、中国は全てを達成しようとしている。
高い成長率を維持して人民元も固定レート維持、インフレもデフレも拒否して、貿易黒字を続け、外資が中国に巨額投資し続ける。
そういう時代をいつまでも続けようとしているが、続くはずがありません。