北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都発幕間旅情】700系新幹線活躍続く山陽新幹線と大阪駅は東西結ぶ東海道九州新幹線行き交う朝の活況

2022-10-23 18:11:58 | コラム
■ひかりレールスター
 新幹線を見ると旅情を掻き立てるといいますか嗚呼遠くに行くのだという機運が広がる。

 新大阪駅は、活気に満ちています。いや、実はもう少し頑張って大阪駅の方に新幹線を誘導してくれた方が、という若干大阪駅と新大阪駅の距離を不便にも思うのですが、考えれば近鉄難波に淀屋橋に阪急梅田と南海なんば駅などなど、大阪は駅が分散し、個性が豊か。

 700系新幹線は、2020年に東海道新幹線から退役しました。この700系新幹線は現在の新幹線のぞみ号の原型となった画期的な新幹線でしたが、16両編成の東海道新幹線の運用が、そのラストランがCOVID-19新型コロナウィルス感染症により運行できなくなった。

 山陽新幹線では、ひかりレールスターとして導入された短縮編成が新幹線こだま号として運行されています。何度乗っても、京都駅からですと、みどりの窓口は目的地が博多や広島の場合は、JR東海のぞみ号に乗せようとしてくれますが、座席はJR西日本の方が良い。

 ひかりレールスター、結局はこの表記のまま各駅停車超特急こと、こだま号運行に従事しているのはちょっと残念なのですが、今は使えないものの個室といいますかセミコンパートメントを有しているこの車輛、指定席は二列二列の広々としたシート配置なのです。

 九州新幹線も指定席とグリーン車は二列二列の広々としたシート配置でして、新幹線車両は在来線車輛よりも車内が広い為にこのシート配置も充分というもの、リクライニングを深々と、もっと乗っていても疲れない、という列車旅行の醍醐味を感じる電車なのです。

 N700系新幹線、九州新幹線の車両は短縮編成ですが形式はN700系新幹線です。京都駅から東京駅まで新幹線のぞみ号で移動しますと、妙に明るいブルーの座席は清潔ですが、もう少し車内設備に小技が欲しいものだよねえ、と思いつつ、山陽新幹線を思い出すのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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自衛隊AH-64Dアパッチヘリコプターに空中給油受油装置が必要だ!長大な日本列島を防衛する航続距離とは

2022-10-23 07:01:41 | 防衛・安全保障
■ヘリコプターの能力
 戦車は300両と特科火砲は300門という防衛力整備の筋が明示されている最中で削減が進んでいますが、機数整備の目安が無いヘリコプターの削減概況は現在非常に厳しい。

 アパッチヘリコプターに空中給油受油装置が必要なのではないか。日本の防衛を考える場合、特に今後の戦闘ヘリコプター削減を前に部隊数も削減される一方、ロシア軍ウクライナ侵攻という現実を前に、北海道の防衛というものを今一度考える必要が出てきていますが、九州から北海道、アパッチを緊急展開させるにはさすがに航続距離が不足となります。

 AH-64D戦闘ヘリコプターは現在わずか12機、そして96機あったAH-1S対戦車ヘリコプターは耐用年数限界によりどんどん削減され、先日の中部方面隊記念行事では飛来したAH-1Sは僅か1機、北大路期間創設当時は6機編隊でしたので、削減の限度を超えて厳しい現実があります、すると有事の際には相当、方面隊を越えての機動運用が必要となる。

 KC-46A空中給油輸送機、戦闘ヘリコプターに空中給油という概念は理解されにくいかもしれませんが、航空自衛隊に配備が開始された新型空中給油機がヘリコプターへの給油能力を有している、という点を踏まえると運用の幅を広める好機に見えます、これはUH-60J救難ヘリコプターを支援するために既存輸送機へ空中給油能力が付与されたかたちです。

 KC-130空中給油輸送機、航空自衛隊はC-130H輸送機の一部を給油機に転用していますし、数としては一定程度の水準にあります。もちろんAH-64Dに空中給油受油機能をつけることに問題はあります、それは戦闘ヘリコプターは匍匐飛行というごく超低空を飛行しますので、長い空中給油受油装置を装着すると、全長が伸び樹木接触のリスクは高まります。

 ただ、日本列島は長大であり道北の稚内を欧州地図にスライドさせると北欧のコペンハーゲンに重なりますが、その地図で沖縄の波照間島をみますとアフリカのアルジェに重なるのですね、AH-64Dの航続距離は長大ですが、それでも流石に北欧から欧州と地中海を越えてアフリカまでという距離を想定した設計ではありません、すると航続距離が足りない。

 12機のAH-64Dでは不足することは確かですし、なによりAH-64Dは2005年に、つまりWeblog北大路機関が運営開始の年に、配備開始となったものですので、相応に老朽化もすすみ、増強とともに後継機の選定が必要となるでしょう、再度AH-1Sのように96機を導入し全国に配備しないのであれば、空中給油による航続距離遠伸は、必要だと考えます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【7D特報】エアフェスタ浜松-浜松基地航空祭2018の思い出話,富士山望む青空の一大航空祭(2018-11-25)

2022-10-22 20:18:50 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■浜松航空祭は富士と青空と
 明日は浜松航空祭ということで思い出話的に思いついたことをつらつらと記してゆきましょう、よかったらお付き合いいただければ幸い。

 第1航空団のT-4練習機大編隊が名物と云う浜松基地航空祭、見上げる大編隊は広報館の広場から撮影したところで、ここは滑走路の向こうに富士山が見えるという。この写真は2018年11月25日の浜松基地エアフェスタ浜松の情景です、明日は三年ぶりの航空祭だ。

 VADS高射機関砲もF-4ファントムもこの三年間で廃止されてしまいました、航空機はE-2Dが増えてMU-680という新顔も増えています、三年間と云うのはそんなに変わってしまうもの、防衛力も強化されているといえるのですが、T-4練習機後継機はどうなるのか。

 浜松基地航空祭、E-767早期警戒管制機の機動飛行はここ浜松でなければみられないものでして、自衛隊が装備するもっとも高価な航空機として1995年から導入が開始された虎の子の航空機、虎の子なのですがかなりの機動飛行、見上げつつなにか冷や冷やしますね。

 航空祭を撮影するのに、どこから撮影するかというのは毎年毎回に迷ったものでした、基地は逆光なのです、けれども航空自衛隊広報館からですと、滑走路の航空祭会場から反対にあるのですが、ほぼほぼ順光の青空を背景に撮影することができるという良い場所です。

 しかし、航空機を撮影するのか航空祭を撮影するのか、という。航空機だけならばどうとでもなるのですが航空祭という行事を撮影するとなりますと、美しい飛行展示の順光写真だけではなく会場の活況を概況記録しなければなりません、地上展示も撮影したいもの。

 航空祭プログラムと移動時間を考えまして、撮影を順光の環境にて写真に記録したい飛行展示と、会場から撮影する際の飛行展示とを考えまして、なにしろ移動時間がそれなりに長時間を要しますので慎重にみてゆく。これも航空祭の楽しみといえば楽しみなのですが。

 浜松基地航空祭、日曜日に三年ぶりの実施となります。当初は事前応募制となっていましたが、基地HPによれば事前応募とスマートフォンで認証方式を想定したものの、スマートフォンを持たない入場者に対応することが難しいとして当日登録制を併用するとのこと。

 COVID-19新型コロナウィルス感染症、まだまだ影響を残しているもので航空祭の再開の一方、これは別の行事を実施した司令部広報の方の話、結局行事を再開して感染が拡大してしまうとメディアに叩かれるのは自衛隊、こういう現実があるそうで浜松も例外でない。

 エアフェスタでの当日登録は手荷物検査にて書類に書き込むという、なにか舞鶴基地の岸壁一般公開の際に行う手続きのようなものなのですが、どのていど行列に時間がかかるのかは不明だ。基地HPを確認していただくとわかるのですが、交通手段で入場口もちがう。

 浜松駅、基本的に基地へむかう交通手段はこの東海道本線と東海道新幹線の拠点駅である浜松駅から向かうのですが、シャトルバスを利用するのも確実なのですが、遠鉄線で曳馬駅まで前進し基地へ向かうという選択肢がありますし、路線バスという選択肢もあります。

 シャトルバスの行列がすごいことになりますから、浜松駅までロードレーサーを持ち込んで駅で組み立て颯爽と自転車移動したこともありました。意外と快適だったのですが、もう一つ、浜松駅からタクシーという選択肢もあるという、これ早い時間帯ならば最速やも。

 航空祭へタクシーで、浜松基地の航空祭会場は逆光です。そこで広報館という滑走路の向こうが和平どうするのですが、移動手段がタクシーか徒歩とシャトルバスの併用となる、そこで困るのは渋滞なのですよね。基地周辺道路は渋滞、するとタクシーは不確定要素が。

 基地から広報館まで3000円以上かかったこともありまして、実際の距離をみますとそんなに高いのか、とおおわれるかもしれませんが、渋滞にはまるとまったく前進できず、メーターだけがどんどんとお値段が鰻のぼりとなってゆく、浜松だけに鰻のぼり、という。

 渋滞するくらいならば徒歩で、広報館から浜松基地司令部のある旧南基地へ歩いたのですが、これはこれで時間がかかりました。タクシーは航空祭会場から北側を時計回りに道路があるのですけれど、徒歩は南側を時計回りに向かう、が、キャベツ畑がひろがるばかり。

 時間がかかりましたが、仕方ないとおもいつつ、それにしても遠いものでした。撮影機材が重かったならば難しいかもしれませんが、この撮影はまさにその移動を経て撮影しましたので、苦労に見合った仕上がりにはなる。さて今年行かれる皆様は、どうしますか、ね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-舞鶴,海軍グルメ原点のビーフシチューとドライカレーを巡る

2022-10-22 14:44:41 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 総監部の街舞鶴は西舞鶴駅と東舞鶴駅の駅前と風情が城下町と軍港都市でまったく個性を別々としているのが面白い。

 友人が舞鶴に旅行へ行くと聞きまして、舞鶴というならば外せないだろう、というお店を紹介しました。ここは良い、西舞鶴に一泊する際にはよく通ったものですが昨年探訪の際にはご主人が調子が良くないとかでご子息が頑張っている、臨時休業の看板の前で聞く。

 西舞鶴駅前、基地のある東舞鶴よりも観光地、海の方へ歩み進めますと直ぐのところに、これぞ駅前繁華街、というようなお店が並ぶところがりまして、ビールか寿司かそれとも海軍グルメか、焼肉も旨いが中華も舞鶴駅前は光ってるんだ、と迷宮が広がるものでした。

 榛名さんの総監部グルメ日誌、お気づきかと思いますが“赤城さんの鎮守府食べある紀行”という有名な同人誌シリーズがありまして、いや一部基地周辺のご飯なら任せろ、と北大路機関も始めたのですが、誌上でここフォレストが紹介、一時期行列が出来ていました。

 赤城さんの鎮守府食べある紀行影響力って凄いなあ、はるなさんを20世紀から名乗っている当方としても頑張りたいところですが、先ず宵の口の空腹にはビールという、逆効果だろうと思われるかもしれませんが食事の注文と共に先ず最初には麦酒で口を湿らせます。

 ビールとともに。さて冒頭に記したとおりなのですが、友人に、フォレストはいいぞ、こう紹介したのですが、どうもフードトラックの方に切り替わったみたいよ、との情報、つまりこのお店がもう、という衝撃の話題を振られたのですね。最近は東舞鶴泊まりが多い。

 ピスタチオがタパスのようについてきましたがお楽しみの料理を待つ。殻つきのピスタチオは、風味も歯応えもさることながらなめらかな殻の曲線の指さわりを片手に文庫本の小説の展開を巡り、そして一時はグラスを口に運ぶ、この水まわしで待つ時間さえ、愉しむ。

 シーザーサラダは、お酒を呑む際に自分は体に良い事をしているのだとビタミン信仰の一つといえる定番の肴です、野菜の歯応えと甘さに苦味に香りと複雑なもののなかにひとかけのベーコンがしょっぱい酸っぱい濃厚なドレッシングとともに踊っている、そして待つ。

 フォレストはフードトラックに切替えているらしいね、この衝撃の話題ですが、ああ思えば赤レンガパークでフードトラックを視ていたなあという素朴な記憶をも出だしつつ。ううむ、もっと西舞鶴に泊まっていたらなあ、定宿一つがアパホテルに代えられていました。

 ビーフシチュー、ここの名物はこのシチューだった、必ず注文していました、お酒と凄く合うのですよ、これぞ海軍グルメ、そう肉じゃがの原点です。かの東郷平八郎大将が舞鶴鎮守府長官時代、イギリス留学時を懐かしんで所望したものを、頑張ったのが肉じゃがだ。

 肉じゃがは、なにしろ赤ワインも簡単に入手できない日本海沿いの舞鶴、デミグラスソースを一から創る時間も惜しいので醤油とみりんと牛肉におじゃがで完成させたのが肉じゃが、しかし東郷平八郎提督が本当に食べたかったのは、こちらだ。コクも旨みも絶品です。

 ワイルドターキー、バーボンではイギリスの雰囲気が出せないものですからスコッチにするべきかともちょっとだけ自分のセンスの低さを反省したのですが、バーボンとテネシーウィスキーで米英連合にて晩酌を進める、そしてジャックダニエルを懲りもせずに、呑む。

 〆は和風に納豆ごはんですか、と云った友人は先日大事な時にカメラが故障したという。ドライカレー、元々イギリスのパブで食されていたものが始りといいまして、海軍カレーとは若干方向性が違うのですが、要するにフォレストは海軍グルメの原型と出会えるのだ。

 ドライカレーで〆るとともに、今思い返すのは現在店舗営業からフードトラックのキッチンカー方式に切り替わって赤レンガパークにて営業しているということ。平日の営業とも土曜日日曜日は別のところで営業しているとも、ちょっと出会いが難しくはなっているか。

 赤レンガパークへのフードトラック営業、考え方を変えてみましょう、美味しいビーフシチューやドライカレーと云う海軍グルメの原点を、護衛艦の見える場所で食べたいものだと西舞鶴駅前で溜息つかれていた方の理想の環境で頂けるように、なったのかもしれない。

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ロシア軍はウクライナ占領地に大規模な陣地構築-現代のジークフリートライン,ドラゴンの歯にダマスカスの胸壁

2022-10-22 07:00:24 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 現在のウクライナ情勢の推移をみますと一旦ロシアが戦端を開けば合理性抜きに長期化する、ロシアに隣接する北海道の防衛を考えなければならない。

 ドラゴンの歯にダマスカスの胸壁、ロシア軍はウクライナにおいて陣地構築を大規模に進めています、これは冬季を越えて長期的な戦闘を考慮しているのかもしれません。先日からNHK報道などでも映像がでているものですのでご覧の方も多いと思いますが、ロシア軍はウクライナ占領地に長大な塹壕を掘り、そして対戦車障害物や防護施設など構築中です。

 ダマスカスの胸壁というのは競合地域、つまり敵の最前線と防衛施設の中間地域に土塁のような高さ2m前後の短い堤防を複数構築、これは2011年からのシリア内戦において戦車の防護施設として活用された方式です、敵が攻勢にでた際に戦車部隊を展開させ、こちらがわの防護壁として用いる、戦車は胸壁を盾に動きながら射撃、防戦するというものだ。

 掩砲所のような戦車の車体を埋めて砲塔の一部だけ曝し射撃する方式は、対戦車ミサイルや命中精度の高い第三世代戦車の火器管制装置により簡単に無力化される事は30年以上前の湾岸戦争で証明されています、故に胸壁を築いて、これを盾に動き回りながら射撃するという方式、シリア内戦戦訓では一定程度対戦車ミサイルの攻撃を防ぐ効果があった、と。

 ドラゴンの歯というのは、要するにテトラポットのようなコンクリート製障害物です、一定以上の大きさならば戦車を防げるとされる、ただ工兵に簡単に破壊されるので戦車を足止めする効果しかないものですが、時間を稼ぐことが目的です、これを一列に並べるとドラゴンの歯が並んでいるように見えるのでこう名付けられました。古典的なものではある。

 ジークフリートラインという第二次世界大戦中のドイツの防衛線に構築されたのを、当時の連合軍の兵士たちがドラゴンの歯、と名付けたものです。ロシア軍が公開した映像では、一本の線のように延々とドラゴンの歯、その真後ろに塹壕が並んでいて徹底抗戦のかまえというようにみえます。これはロシア軍の決意の現れといえる。もっとも決意だけとも。

 単線防御、一つだけ気になったのは塹壕線は一本の線のように延々と延びていましたが、一本だけでした、これを単線防御といいまして、要するに一本ですと突破された際に総崩れとなるために、戦術上の禁忌とされているのですが、なにか意図があるのか、指揮官の計画が稚拙なのか、これから造るのか、工兵が既に足りていないのか。色々考えられるが。

 バーレブラインという1960年代後半から1973年にかけてイスラエル軍が1967年の第三次中東戦争にて併合したシナイ半島に同様の要塞線のようなものを構築しました、もっとも、イスラエルは人口が少なく、その長い防衛戦に充分な兵力を張り付けることができず、1973年にエジプト軍が侵攻を開始しますと呆気なく総崩れとなりました厳しい戦訓はある。

 ロシア軍、動員により予備役兵の数も一応揃い、これだけの陣地を構築しているという事は長期戦を覚悟しているのでしょう、まもなく冬が訪れますが、相当の戦車を破壊されたために再度雪原を利用して戦車部隊による大規模侵攻を行うには時間がかかります、すると越冬し、一年二年と年単位でのウクライナとの戦闘を想定しているのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和四年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.10.22-2022.10.23)

2022-10-21 20:01:10 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 イギリスではトラス首相が短期間で辞意を表明し混乱が見込まれる状況ですが皆様いかがお過ごしでしょうか、今週末の行事紹介です。

 浜松基地航空祭エアフェスタはままつ2022、23日日曜日に行われます。事前登録が必要ですが入門に際しての手続きにより当日手続きでも入場できるとのこと。航空教育集団司令部、第1航空団と警戒航空団などが展開している基地で、T-4練習機と美保から移動したT-400練習機、そして航空自衛隊の虎の子であるE-767早期警戒管制機が配備されている。

 エアフェスタはままつ、飛行展示の予定は航空祭の開門は0900時からなのですが最初の飛行展示が1230時からと、のんびりとした展示となっていまして、そしてE-767の地上展示と飛行展示は今回行われないという不思議な内容です、他方で1445時からブルーインパルスによる飛行展示は予定されていまして、久々の航空祭は抑えた規模という印象ですね。

 弘前駐屯地自衛隊記念日行事市中パレード、23日日曜日に行われます。青森県弘前市、第9師団隷下の第39普通科連隊が駐屯しています、2008年の改編までは高機動車さえ無かったことで知られる連隊ですが、軽装甲機動車等で近代化されている。このほか第9偵察隊も駐屯しています、弘前の城下町にあって市街パレードを長らく実施している部隊の一つ。

 大和駐屯地創設66周年記念行事、23日日曜日に行われます。たいわちゅうとんち、と読みますのでやまとちゅうとんち、ではない。宮城県黒川郡大和町に所在している駐屯地で2019年までは第6戦車大隊が駐屯していましたが廃止され、現在は第6偵察隊と第22即応機動連隊隷下の機動戦闘車隊が戦車大隊の後身で16式機動戦闘車2個中隊を駐屯させています。

 松山駐屯地創設67周年記念行事、23日日曜日に予定されている。第14特科隊が駐屯している駐屯地でしたが旅団改編により中部方面隊隷下となり中部方面特科隊がFH-70榴弾砲を配備しています。今後中部方面隊の第3特科隊や第10特科連隊と第13特科隊は順次中部方面特科隊に統合予定、ここ松山に方面特科隊本部が置かれるのは長くはありません。

 松山駐屯地にはこのほか、第14旅団隷下の第14高射特科隊、そして中部方面混成団隷下の第110教育大隊が駐屯しています。なかでも第14高射特科隊は中部方面隊の高射特科部隊に先駆けて最新型の11式短距離地対空誘導弾システムを導入、性能は向上しており81式短距離地対空誘導弾から一新された形状などをみることができる、重要な機会といえる。

 久留米駐屯地創設70周年記念行事、23日日曜日に行われます。西部方面混成団本部が置かれる駐屯地で、また西部方面隊隷下の西部方面特科連隊第4大隊のFH-70榴弾砲部隊は駐屯している、この大隊は有事の際には第4師団へ配属される大隊ですが、元々第4特科連隊として当地にありました。3個特科中隊と本部管理中隊という大きな編成となっている。

 西部方面混成団は団本部と第118教育大隊および第5陸曹教育隊が駐屯、このほか、第4師団隷下部隊としては第4高射特科大隊が駐屯しています、第4師団は現在地域配備師団へ改編されており、戦車大隊は廃止で配備されていた10式戦車は西部方面戦車隊へ、一時配備のAAV-7水陸両用車は水陸機動団へ移管、そうした部隊改編の現状がみえるでしょう。

 大村自衛隊四部隊合同行事、22日土曜日に行われます。大村市はいくつもの自衛隊部隊が駐屯していまして、市街パレードを行うといい、予定では大村福祉センターからバスターミナル前まで、1500時から1540時に実施するとのこと。西九州新幹線ににぎわう大村ですが、バスターミナルは大村駅前、偵察戦闘大隊の16式機動戦闘車なども参加します。

 四部隊というのは、大村駐屯地と竹松駐屯地、海上自衛隊大村航空基地の第22航空群と航空自衛隊第15警戒隊が参加します。大村駐屯地は長崎空港近く、第16普通科連隊と第4施設大隊などが駐屯している。竹松駐屯地は大村線沿線にある駐屯地で第102高射特科隊と第7高射特科群が駐屯、ミサイルの種類により地域防空と機動運用部隊を分けている。

 江田島基地オータムフェスタ2022、22日土曜日に行われます。時間は1100時からですので朝一番で並ぶとすごいことになるのかもしれません、式典と共に1440時から自衛隊観閲式が予定されていて、1745時からは花火大会も行われるとのこと、これは海上花火大会で、このほか基地と同じ名前を冠した新鋭の掃海艦えたじま一般公開も行われるとのこと。

 呉基地自衛隊観艦式フリートウィーク、22日土曜日と23日日曜日に予定されています。土曜日には練習艦しまかぜ、輸送艦くにさき、補給艦とわだ一般公開が予定、23日には護衛艦さざなみ、午後から追加で掃海母艦ぶんご一般公開が予定されているとのこと。自衛隊観艦式フリートウィークは横須賀よりもひとあし先にこの呉基地から開始されるのです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・10月23日:弘前駐屯地自衛隊記念日行事市中パレード
・10月23日:大和駐屯地創設66周年記念行事
・10月23日:浜松基地航空祭エアフェスタはままつ2022
・10月22日:江田島基地オータムフェスタ2022
・10月22日23日:呉基地自衛隊観艦式フリートウィーク
・10月23日:松山駐屯地創設67周年記念行事
・10月23日:久留米駐屯地創設70周年記念行事
・10月22日:大村自衛隊四部隊合同行事

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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台湾防衛産業強化へアメリカ支援-USTBCアメリカ台湾商務評議会代表が調整,アメリカ製装備ライセンス生産

2022-10-21 07:01:11 | 国際・政治
■臨時情報-台湾海峡情勢
 ウクライナへアメリカが装備を大量供与した事で各種ミサイルなど余剰装備備蓄に陰りが見え、台湾海峡有事の際にはどうなるかという懸念の先にアメリカが動きました。

 USTBCアメリカ台湾商務評議会のルパートチェンバース会長は19日、アメリカ政府がアメリカ製兵器の台湾での現地生産について検討していると発表しました、これは具体的な日程の発表ではなく検討の初期段階だとしています。台湾海峡の緊張が高まる中で、台湾での防衛装備品ライセンス生産は台湾域内での有事の際の戦略備蓄強化を意味します。

 台湾はTSMCを筆頭に半導体の国際供給を担う世界のサプライチェーンにあって独自の地位を占めています、この台湾が仮に現在危惧されているような中国による武力統一が行われた場合、世界の先端産業は基幹部分である半導体供給に危機的な状況となり、TSMCなどは毎日のように世界各国からのBCP事業継続計画に関する問い合わせが続くという。

 半導体は、しかし同時に先端防衛装備品の製造にも不可欠な要素であり、これはロシアが半導体をウクライナ侵攻に伴う経済制裁により遮断された現状で精密誘導兵器はもちろん戦車さえも生産ができなくなり、2022年は開戦以後手持ちの半導体だけで生産できた戦車が僅か30両程度、ウクライナでの損失をまったく補填できていない状況があるほどです。

 ATACMS陸軍戦術ロケットとTOW対戦車ミサイルやNASAMS地対空ミサイルにスティンガー携帯地対空ミサイルなど、台湾有事の際に大量に必要となる装備は結果的に半導体を大量に消費するものですが、アメリカは幾つかの意図を考えているのでしょう、先ず半導体の生産拠点において精密誘導兵器を製造する上で地産地消が、台湾での製造の強み。

 戦略備蓄という側面、今回アメリカは台湾へ生産移転するのではなくアメリカで生産しているもののライセンス生産を認める構図です。ウクライナ戦争を通じて、アメリカには大量の同盟国友好国に供与する備蓄がありましたが、ウクライナでの消費もまた膨大であり備蓄に危機的な状況が危惧されています、台湾が生産することは備蓄につながるでしょう。

 アメリカにも利点がある、それは現在、アメリカがウクライナへ大量の弾薬を供給しており、既にミサイル等は連邦軍の戦時備蓄以外の余剰にかなり限界が来ている、そしてスティンガー携帯地対空ミサイルなど製造終了した装備等は補填目処が立たない為にいま再生産の準備を進めているという状況、アメリカ一国だけでの生産には限界があるのですね。

 備蓄は限度がありますが、弾薬庫の容量に関係なく輸出が可能であれば一定数は出荷待ちが手元に残ることとなります、輸出しないので本当の最低限しかないのが日本、輸出するので常に大量の在庫が有事に備えているのがイスラエル、こう比較するとわかりやすいでしょうか。イスラエル方式を台湾にも当てはめようとした、こう理解できるかもしれない。

 日本を比較対象に出した構図ですが、自衛隊の年間消費弾薬は演習場の制約があります、しかしウクライナ戦争を見ますと自衛隊の年間弾薬消費量は数時間で払底する程の状況、250門程の155mm砲へ155mm砲弾80万発、ジャベリン対戦車ミサイルだけで8500発消費した、これを日本に当てはめると自衛隊は輸出しない限り、専守防衛も出来ないのだ。

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US-2を増強せよ!【2】アメリカ軍のMC-130輸送機水上機改造計画とUS-2飛行艇による無人艦艇支援提案

2022-10-20 20:00:04 | 先端軍事テクノロジー
■US-2とC-130飛行艇案
 飛行艇は消えゆく存在なのかと問われますと世界には枯れたと思われた技術が逆に再評価される事もあるという一点を思い返すべきなのかもしれない。

 対潜飛行艇から救難飛行艇に新しい運用領域を獲得し、これまでのヘリコプターかヘリコプターの航続圏外である場合には沿岸の基地から高速船を救難に走らせるという方式から、飛行艇の救難用への転用は、救助に要する時間を数十時間から数時間まで短縮し、北太平洋など海水温の低い海域での救難能力を飛躍的に向上、救命率も高くなりました。ただし。

 救難飛行艇はそれ程数が必要ではない、という問題が生じます。予備機が随伴する、それでも対潜飛行艇の様に何カ所も同時に着水することは、そんなに同時に航空機が毎日と遭難していては困りますし、なかなかあり得ません、故に必要な機体は稼働数機で対応できてしまう、だからこそいまの、製造ラインを維持できない、こうした問題が生じるのです。

 V-22輸送機など、仮にUS-2飛行艇が製造不能となってもアメリカから購入するなどして、ほかの航空機で対応することはできないのか、若干こうした考えが生まれてくることは否定できません、特に救難航空部隊にKC-130空中給油機を配備しV-22を救難航空機として採用するならば航続距離はかなり延伸できます。しかし、そう使い勝手は良くないようで。

 V-22を開発した当のアメリカ自身が、変な航空機の開発を進めています、それはMC-130輸送機を飛行艇に改造するというもの。一応2022年内に完成させるという方針ではあるのですが、完成予想図を見ますと少々厳しいといいますか無理矢理の印象が拭えない、いやアメリカは時折JATO補助推進装置でC-130を数直離着陸させようとする等無理をするが。

 C-130輸送機は汎用性に優れた航空機でAC-130は対地攻撃機に改造されましたし、最近の施策を見ますとハーヴェストホーク計画として洋上哨戒機に改造する案が実験成功、ラピッドドラゴン計画としてミサイル爆撃機に改造する計画もあれば無人機母機として改造されたものもあります、が、飛行艇に改造するというのはかなり無理があるようにも思える。

 こうした策を強行、いや構想するに至ったのは近年の太平洋地域における中国の海洋進出を受けての輸送能力強化です。救難用ではないのですが、要するに空港のない離島に飛行艇と行いますか、水上発着可能な輸送機で輸送しようというもの。これは言い換えれば、V-22に空中給油を繰り返して輸送するという方式の限界、アメリカ軍自身の認識でしょう。

 ただ、C-130飛行艇案には無理がある。C-130輸送機に、C-21輸送機の胴体ほどもあるような大きさのフロートを二つ装着し、支柱で支えて、輸送機を海におろすというもの。見た目は単純ですし模型飛行機ならば直ぐにでもできそうですが、着水の衝撃で支柱がおれてしまわないかという難点があります、そして輸送能力ですが、フロートの位置が厳しい。

 C-130とUS-2では胴体の大きさが違うとの指摘があるかもしれません、ただ、完成予想CGをみる限りではC-130は後部貨物扉が開閉できない大きさのフロートが装着されているのです。特殊部隊を輸送するのでしょう、なぜなら原型のMC-130は特殊作戦航空機であるためです、つまり用途はUS-2の重要性をちぐはぐながらアメリカが実証した構図だ。

 US-2には用途はある、なにしろUSのUは多用途をしめすものなのですから。真剣に考えなければならないのは、PS-1に実用性の難しさが指摘された時代と現代とでは軍事技術が前提として大きく変容しているのです。これは変な話なのですが、無人ヘリコプターDASHが護衛艦たかつき型などに将来性の高い装備として採用されたものの、厳しいものでした。

 海上自衛隊では事故による喪失は無かったようですが、アメリカ海軍では墜落事故が相次ぎ、結論が実用性なしとされ、早々にアメリカでの運用が終了、日本もこれに続きDASH発着装置の位置がアスロックランチャーなどに転用、今では呉の自衛隊てつのくじら館くらいでしか見ることができなくなったのです。一方、無人機そのものの認識は、今どうか。

 30年以上を経て無人ヘリコプターそのものはMQ-8として艦載運用の将来を左右する重要な航空機としてみられたように、です。MQ-8は海上自衛隊も導入を予定しているものですが、滞空時間が長く、SH-60一機分の区画に2機を留置できます、一旦用途無しと考えられた装備も、技術革新により、同型機種ではないにしても、装備体系は返り咲きうるのだ。

 飛行艇、救難飛行艇として運用している海上自衛隊ですが、対潜飛行艇としてソナーを積んで、とは考えないのですけれども、例えば水中センサーの母機や無人艦艇の支援用、船舶よりも遥かに高速で進出でき、行動半径が非常に広く、人員を太平洋の真ん中に急速に送り込む事が出来る能力というものは、あまり低く評価できないように、考えるのですね。

 US-2飛行艇は、例えば無人艦艇の支援に最適と考える、もちろん主翼に無人哨戒艇を搭載しろという訳ではありません、しかし、無人艦艇の脆弱性を飛行艇は補えるとは言える。ここで思い出すのは先日ペルシャ湾で発生した米軍の無人艦船がイラン海軍に拿捕されかけた事例でしょうか。無人艦艇は、訓練後のソノブイ等の様に敵対国に回収の懸念がある。

 無人艦艇は将来の広範囲における海洋哨戒を左右する装備と考えられていますが、拿捕されかけたさいに、もちろんRWS遠隔操作銃塔などを装備するならば撃退することも警告射撃を行うことも可能なのでしょうけれども、発砲しますと大事になります、発砲ではなく発泡でも行って妨害する選択肢はないにはないのですが、拿捕を避けることはできません。

 アメリカ海軍はイラン海軍に拿捕されかけた無人艦船を独力ではなく、サイクロン級哨戒艇を緊急展開させることで奪還しました、いや時間としては非常に難しい状況で、イラン海軍はアメリカの無人航空機に発見されたことで急ぎ船上に収容しているところを間一髪、という状況で回収したかたちです、哨戒艇は軍艦、国際法上拿捕することは許されません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ロシア経済制裁と欧州エネルギー危機,ウクライナ戦争を左右する冬季寒波予想をECMWF欧州中期気象予報センターが予報

2022-10-20 07:01:44 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 欧州エネルギー危機が欧州各国にとりリスクとなりつつありますが根本要因となるのは冬の気象です。

 戦争に気象というものは不可欠の要素です、いや戦争そのものがかつては食糧不足を原因として始まるものが多く、特に火山噴火などによる日照不足などが続く気象条件では食糧が不足しやすく、寒冷期となれば農業用水として必要な雪解けの遅れが食糧不足となり、戦争の遠因ところか要因となります、逆に温暖な気候には長期間に渡る冷戦が起きやすい。

 ウクライナ戦争、温暖化が続けばロシアは欧州に対して譲歩を強いられるでしょうし、フンガトンガフアパイ火山の噴火影響で今年冬に大寒波が欧州を襲うとしたならば、逆にロシアへ妥協せよとの世論が生まれてくるのかもしれません、その背景にはロシアの天然ガス、よりわかりやすい表現をしますと、ロシアが暖房の熱源を握っているという構図です。

 ECMWF欧州中期気象予報センターによれば、12月ごろに欧州へ寒波が訪れる可能性があるとのこと。天然ガスの需要は気象条件に大きく左右されるとのことで、9月に入り日本では6月の暑さが嘘のように、なにしろ7月と8月が一昔の暑さの相場だったのに、このところ残暑が10月まで続く年さえあったものの、今年9月はひんやりと気温が快適でした。

 欧州でも9月は冷涼であったようで、9月後半には一例としてドイツでは過去数年間の家庭天然ガス消費量が14.5%増大したとのこと。数日から十数日間の寒波ならば我慢できないか、こう思われるかもしれませんが、問題は先日相次ぎ発生しているバルト海でのノルドストリームガスパイプラインへの破壊工作です。修理には一定以上の時間を要するという。

 ノルドストリーム破壊工作、欧州がロシアに妥協の姿勢を示したとしても、即日天然ガスパイプライン再稼働で供給再開、こう甘くないのはガスパイプラインを再開するまでに修理が必要なのだから、修理期間を見越して早めに妥協を強いるという状況です。ただ、温暖化が問題視される現状、寒波については予報の限界がある事も確かではあるのだけれど。

 気象、ナポレオンが敗北したワーテルローの戦いではフランス軍が誇る砲兵隊がタンボラ火山噴火による欧州雨量増大により機動を制限され、騎兵隊も泥濘に機動を、と例を出すまでもなく、今回のロシア軍ウクライナ侵攻も緒戦で予想外に早い雪解けがロシア軍戦車の機動を制限し、ウクライナ軍首都キエフ防衛の成功を一助となったのは周知の通りです。

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【京都幕間旅情】常寂光寺,常寂光土の情感と今を包むこの静寂は現代と過去を結び音の京都の古都たるを伝える

2022-10-19 20:22:18 | 写真
■景観と情感と織る音の古都
 音響といいますか時雨亭で選歌された小倉百人一首は風情と共に和歌の音韻も評価の対象であり、こう音というものは現代単純化させ過ぎているようで更に感じ入る余地があると思う。

 常寂光寺の庫裏を見上げつつ。常寂光土のような情感から開基となられました日禎が山号を常寂光寺と定めたとも伝わりまして、寂の音韻はなにかこう静寂と繋がるような、読経も葉鳴りも含めて、音というものがこのコロナによる静寂が何か京都を取り戻したよう。

 庫裏とともに鐘楼が隣り合っていまして、時と共にごうんという鐘の音を伝えるのですが、聞けば京都の梵鐘は都市計画に基づきその寺院の位置により音階が定められているとのことでして、それは北山と東山と嵐山と地域ごとに三つの音域に分かれていたという話が。

 鐘楼は寛永18年こと西暦1642年に破損していたものを再建したといいますが、その梵鐘は惜しくも太平洋戦争中の金属供出により失われていました、しかし1973年、京都工芸繊維大学の音響設計により音階を再現し鋳造されたものという、良い音が良い訳ではない。

 音の京都、考えますと景観保護区として外見は一時代の制定により一種標本のように画定させている京都なのですけれども、音というと考えられていない様にも。ただ、常寂光寺の人のいない季節の静寂は、静寂という一点、その音の京都を湛えているようで落ち着く。

 落ち着きのできる寺院、それとも多くの拝観者でにぎわう活気を感じられる寺院、歴史と信仰というものを感じる寺院なのか歴史で振興を図るのかということを考える分水嶺は、落ち着いて休める椅子など座れる場所の多さで決まるのか、総数でなく拝観者一人当たり。

 椅子が多い寺院は、人を迎えてゆったり時間を過ごす暇というものを考えているように思う、するとここは、多宝塔のあたりは別としまして、一望できる立地や鐘楼のあたりに座れる場所が多く、ここは振興より信仰という寺院なのだろうなあ、と思い巡らせる余裕が。

 信仰か振興かという命題、しかしこれもとある観光寺院、自称はしていないが他称が多少されるところ、観光寺院と呼ばれるところで聞いてみますと、いや人多く集えば数百人の一人の仏教と信仰へ関心を寄せる方が必ず出会いの場となる、こう説明されたものでして。

 観光寺院ではありません、こう明示されています寺院も昨今みるようになり、なんでも事情を聞けば過去、クラシックでゴージャスなSNS向きの写真を撮るためだけに撮影機材満載とオシャレ集団に荒らされたという、ここではないけれども寺院の方の話を聞きました。

 難しいなあ、こう思う。熱心な信徒かと問われますと、信仰もさることながら信仰の変容と社会の関わりがこの日本社会を歴史としてどのように形成したのかを知るために自社仏閣の価値観と哲学に興味が云々、こう説明しますと困った顔で及第点を色々な方から頂く。

 拝観謝絶、京都の寺院にはこういう寺院が一部に、いや実のところ拝観できる寺院は寺院の総数のなかでは圧倒的に少数です、大伽藍を維持する寺院は檀家さんの寄進では維持できないという理由もあるのかもしれませんが、大きな寺院は迎え入れてくれるところ多い。

 節度、こういう説明もなされるところなのですが、難しいのですよね、信仰に関心があるならば、天台宗の寺院の次に日蓮宗の寺院を探訪、ということはできないはずなのです、それは宗派の違い以上に歴史的な関係がありますから、すると無節操といえる拝観とは。

 拝観、この際に先ず最初に探訪した寺院とともに関心を持ち、その上で尋ねる機会があれば素朴な疑問を持つ、これが節度の一つのあり方なのかもしれませんが、すっごーい、とネコ科動物の擬人化の子の様な一過性の拝観で終えない効率的な観光なのかもしれませんね。

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