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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

陸上防衛作戦部隊論(第五四回):航空機動旅団、機動力富む防衛力期す編成と装備の概要

2016-06-29 22:44:56 | 防衛・安全保障
■航空機動旅団の概要
 今回から航空機動旅団について、その試案の概要を提示してゆく事としましょう。限られた戦車と機動運用部隊、防衛計画の大綱の枠内で陸上防衛において外敵の圧力を確実に跳ね返す抑止力の在り方として構想したものです。

 陸上自衛隊は装甲車こそ先進国中普及度合いは最小限ですが、ヘリコプターの空輸能力と航空打撃力に関しては、アメリカに続く世界有数の規模を有しており、この能力を最大限に活かすほかない。航空機動旅団は普通科連隊とヘリコプター隊を基幹とする旅団編制であり、基本戦術単位は普通科連隊戦闘団を編成し一戦区での防衛任務を達成するところにあります。その上で編成案としては、広域師団を編成する装甲機動旅団と航空機動旅団にあって、連隊戦闘団を独立し編成する能力を維持しつつ、ヘリコプター隊による空輸支援を受けることで迅速な作戦展開、戦略展開機能を発揮させることにあります。

 日本本土防衛を具現化する必勝の部隊編制、陸上自衛隊の半分の旅団をこの航空機動旅団とし、残る旅団を装甲旅団とする、空と陸の連携、と。具体的には装甲機動旅団と航空機動旅団が統一した共同行動をとる為、広域師団の作戦範囲、少なくとも防衛正面の400kmから500kmの距離を迅速に機動する能力が求められ、この目的を達成するための軽量装備と航空機動記事を集約する事となる。その上で、編成概略は、3個普通科連隊、機動砲大隊、対舟艇対戦車中隊、偵察隊、特科隊、高射特科大隊、2個ヘリコプター隊、1個施設隊、1個通信電子戦隊、特殊武器防護隊、後方支援隊、以上を基幹部隊とします。

 105mm砲を装備する機動戦闘車の開発により、軽快な機動力を有する部隊へ直接火力支援の目途が立ちました。機動砲大隊は縮小編制で小回りを重視、特科隊は特科中隊を基幹とする編成、ヘリコプター隊は、多用途ヘリコプター中心のヘリコプター隊と、輸送ヘリコプター及び対戦車/戦闘ヘリコプター等全般支援任務に当たるヘリコプターを主体とするヘリコプター隊とした別編成のヘリコプター隊を隷下に置く構想です。その上で、普通科連隊は航空機動という編成は採るものの可能な限りにおいて機械化し装甲車両を配備する、更に普通科連隊は最大限分散し運用できる体制を基本とする。

 航空機動旅団、ですが、ヘリコプターだけですべての部隊が機動するわけではありません、世界には数多くの国が空中機動旅団を有していますが、ヘリコプターに依存した部隊は着陸後歩兵は徒歩歩兵でしかない実情を突き付けられます、故にヘリコプターが陸上部隊の火力と補給を適宜支援し、その分身軽に陸上部隊の速度を大きくする、という手法が成り立つわけです。分散した上で旅団策源地となる空中機動部隊基点から、連隊戦闘団の作戦基盤であり策源地である連隊段列地区を経由し第一線の普通科中隊までの戦闘支援を展開する構想で、言い換えれば段列地区からの空中機動部隊空輸能力の範囲内において第一線部隊を戦闘継続可能となる範囲内、陸路ではなく空路の連絡線での補給により攻撃衝力や防御戦闘能力を維持できる範囲内に抑えるべきです。

 ヘリコプターによる支援、これは単純に小規模な戦闘部隊という意味ではなく段列地区と第一線部隊の接近経路や後方連絡線に従来の陸上戦闘部隊ほど部隊行動の自由度を制限されないとの意味で重要であり、攻撃の機会や戦果拡張の時機と後方支援基盤の制限が重複した場合、これを超越し行動する能力の付与を意味します。勿論、航空機動旅団は既存編成の管理替え、具体的には現在の方面隊隷下に編成される方面航空隊が保有する方面ヘリコプター隊及び対戦車ヘリコプター隊のたようとヘリコプターや対戦車ヘリコプターを管理替えし取得するという前提です。

 こうした装備であるため、多用途ヘリコプターの空輸能力は必ずしも高くはありません、現在装備されている航空機は基本的にUH-1J多用途ヘリコプターであり、このUH-1は陸上自衛隊第一線部隊からは絶対に期待由来の呼称による墜落事故が起きていない航空機として全般の信頼を勝ち得た機体でして、素晴らしい航空機なのですが、富士重工が主体として開発を進めている将来ヘリコプターUH-XもUH-1系統の双発型であるベル412を原型とし防衛省仕様とする方針が明示されている為、その空輸能力は例えばフランス軍など欧州で広く仕様されるEC-225/AS-332系統とくらべ小規模となるでしょう。

 さらに新型のNH-90等の20名規模を空輸する多用途ヘリコプターや、米軍などが多数を運用するUH-60系統には遠く及びません、なによりも車両を搭載するにはオートバイの搭載が限度で、ジープ、つまり小型トラックの空輸もかなり真剣に討議されましたが吊り上げは兎も角その状態で長距離を飛行する事は不可能とされ、人員の強襲輸送の他は弾薬輸送や医薬品に重要器材等の輸送に限定されました。一方で方面航空隊は、定数割れ部隊も多いのですが少なくとも定数は20機、加えて師団飛行隊や旅団飛行隊として更に2~4機が装備されています、この空輸能力は全体として視た場合、必ずしも小さい訳ではありません、特に一機毎の輸送力ではなく、確実な稼働率見込みを考慮すれば、UH-1系統の能力は高いといえるでしょう。

北大路機関:はるな くらま
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2 コメント

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 (DDH)
2016-06-30 02:11:32
>軽量装備と航空機動記事を集約
 記事←基地でしょうか?

>期待由来の呼称
機体由来の故障

>たようとヘリコプターや対戦車ヘリコプター
 間違いでは無いですが漢字の
 「多用途ヘリコプターや対戦車ヘリコプター」が適切かと



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技術的な限界も背景に・・・ (はるな)
2016-07-04 00:27:51
DDH 様 こんばんは

ご指摘の通りです、この数週間、時間がない中で記事を作成しますと、どうしても小型端末POMERAにより移動中に記事を作成する機会が多く、キーボードも小型故、こうした事が多発しまして

その上で校閲する時間もなく、既報写真と混成で記事を作成せざるをえない、という状況があります・・・
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