◆基幹連隊指揮統制・火力戦闘指揮統制システム
陸上自衛隊は本日9月4日から24日に掛け、北部方面隊第二師団を中心に北米ワシントン州ヤキマ演習場において平成24年度派米実動訓練を実施しています。
C4ISR,指揮・統制・通信・コンピュータ・情報・監視・偵察、これが主眼です。今回の派米実動演習は2000年代初頭から戦力化を進めてきた情報RMAに基づく共同交戦能力整備を通じた情報優位と戦域情報統制に依拠する火力投射の効率化を実現する一連の研究開発及び実部隊運用試験の集大成をアメリカの広大な演習場で検証します。
北部方面総監岩田清文陸将が指揮を執り、参加部隊は、旭川第2師団隷下の第3普通科連隊を基幹として、第2戦車連隊の90式戦車、第2特科連隊の99式自走榴弾砲、北部方面隊直轄の第1対戦車ヘリコプター隊のAH-1S対戦車ヘリコプター、UH-1J多用途ヘリコプターが派遣、隊員550名が実動訓練へ参加します。
陸上自衛隊の主力装備である戦車と火砲は年々防衛計画の大綱改訂に伴い、定数の下方修正へ向けてその数を削減していますが、数が減っていることは紛れもない事実ではあるのだけれども、これはコンパクト化であり縮小ではない、という言葉をもって、陸上自衛隊部内において説明されているようです。
基幹連隊指揮統制システム、所謂Recs。火力戦闘指揮統制システム所謂FCCS。そして近距離無人偵察機UAV。この三点が火力のコンパクト化を支える火力投射の効率化へと繋がるもので、北部方面隊第2師団と東北方面隊第6師団が実動部隊として蘊奥試験を続けてきました。
これはどういうものか。火力を最大限効率的に投射するには、私たちがコンピュータシュミュレーションゲームにおいて軍隊を動かすように、我が方の部隊と火力投射範囲と共に射程や弾薬と機動力をデータ化し、加えて敵の判明している脅威情報と位置と移動方向などをデータ化すれば、無暗な攪乱射撃や無駄な部隊展開を省くことが出来ます。
誤解を恐れずに記せば、情報を一手に俯瞰して必要な判断を瞬時に下して即時共有する、この実現への手段こそが情報優位であり、その達成手段として用いられるのが通信とデータリンクに用いる基幹連隊指揮統制システムと火力戦闘指揮統制システムとともに無人航空機だ、ということ。
データリンクは、遠距離目標に対する間接照準射撃を行う砲兵部隊においては比較的早い時期に行われていますし、脅威情報と各種装備の連携による対処という概念は対空戦闘において早い時期から普及しているものであり、C4ISRとは、これを陸上自衛隊、もう少し上の目標では全自衛隊で共有化してしまう、というもの。
派米訓練ということで、今回第3普通科連隊を中心とした部隊はワシントン州ルイスマッコード基地に駐屯する第38騎兵連隊第3大隊隷下の機械化部隊300名との共同訓練を実施、同部隊はストライカー装甲車を運用する部隊で、日米相互連携要領等の演練を期した共同演習をおこないます。
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やはり陸自は規模が大きいせいか、なんなのか?ですが、中々近代化が進まないですね。
無人偵察機にしてもほんの少しだけでしょ、小銃はようやく普通科から64式が無くなったようだけど・・・
旭川市民として、第2師団に大変感謝しているし、誇りに思います。
第2師団の記事(演習・改編内容等)を、今後も掲載してもらえると嬉しいです。
通信機材では一応予算は確保しているのですよね、実際のところ減らされた戦車や火砲の調達費は弾道ミサイル防衛予算にとられている部分もありますが、通信関係で確保している部分がある、というわけで、C4Iの強化についても6師と2師が充足している、という事は、全体で見れば二個師団というのは頑張っている方だろう、と。今後は毎年一個師団づつの師団改編で導入されてゆくとは思います。
実は当方、北海道は真駒内と東千歳、あとは美唄くらいしか自衛隊行事は行ったことが無く、来年こそは旭川駐屯地祭へ、と考えています・・・。
千歳から、特急か、高速バスか、いっそ安い航空券で旭川を確保できれば、とも。