■防衛情報-ウクライナ戦争
七月となりましたが昨年のようなウクライナ軍反転攻勢の目処は無くF-16戦闘機到着を前に幾つかの動き。その概況を見ていますと日本の全廃した203mmや廃棄が進むMLRSについてやはり考えてしまう。
ウクライナ最前線へアメリカ軍事支援再開の恩恵が届きつつあるもよう。6月24日付ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナの国防副大臣を務めるハブリリュク中将の発言として、アメリカ軍事支援が徐々に到着していることでロシア軍の砲兵優位は七分の一から五分の一程度までウクライナ軍状況が改善している、と。
今年三月の死活的な状況ではロシア軍砲兵火力はウクライナ軍の十倍となっていましたので、現在はウクライナの五倍程度までウクライナ軍砲兵が回復している事とはなりますが、依然として厳しい状況であることは変わりなく、ウクライナ軍事情報総局のブダノフ中将の発言として、前線の状況が好転するのは7月中旬から下旬と分析しているもよう。
ウクライナ軍はハリコフ北東のヴォフチャンスク周辺において反撃に成功、対してロシア軍はしヴェルスクやトレツク近郊で前進、まさに一進一退という。こうしたなか、ゼレンスキー大統領は統合軍司令官のソドル中将を退任させ、ヘルソン西岸攻勢で勲功を挙げたウクライナ南部軍副司令官のフナトフ准将を後任に任命しました。■
ロシア国防省はロシア全土の軍管区における統合軍司令部編成を廃止する検討をすすめています、これは6月24日付ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告に示されたもので、2006年以来の地域司令部再編となるものです。軍間戦略連合という、ロシア軍は各軍管区に空軍や海軍部隊を陸軍とともに統合運用を行う編成を採っています。
西部軍管区を解体しモスクワ軍管区とレニングラード軍管区に置き換える改編は既に進められていますが、例えばカスピ海小艦隊を軍管区司令部隷下からロシア海軍直轄の小艦隊に再編するなど、統合軍司令部の幕僚陣を解体し、また空軍部隊と防空軍部隊を済めて航空宇宙軍隷下に再編するなど、一見して保守的な回帰の様な再編となるもよう。
統合軍編成に進めるのではなく解く改編の意図は不明で、地域防空に空軍と軍管区司令部の調整が必要となります。ISWはここまで踏み込んではいませんが、可能性として統合軍司令部を解くことで、統合軍司令部の幕僚陣をウクライナは健軍の司令部機構に編入し、情報分析や作戦立案能力の強化を図るか、損害を補填する可能性があります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
七月となりましたが昨年のようなウクライナ軍反転攻勢の目処は無くF-16戦闘機到着を前に幾つかの動き。その概況を見ていますと日本の全廃した203mmや廃棄が進むMLRSについてやはり考えてしまう。
ウクライナ最前線へアメリカ軍事支援再開の恩恵が届きつつあるもよう。6月24日付ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナの国防副大臣を務めるハブリリュク中将の発言として、アメリカ軍事支援が徐々に到着していることでロシア軍の砲兵優位は七分の一から五分の一程度までウクライナ軍状況が改善している、と。
今年三月の死活的な状況ではロシア軍砲兵火力はウクライナ軍の十倍となっていましたので、現在はウクライナの五倍程度までウクライナ軍砲兵が回復している事とはなりますが、依然として厳しい状況であることは変わりなく、ウクライナ軍事情報総局のブダノフ中将の発言として、前線の状況が好転するのは7月中旬から下旬と分析しているもよう。
ウクライナ軍はハリコフ北東のヴォフチャンスク周辺において反撃に成功、対してロシア軍はしヴェルスクやトレツク近郊で前進、まさに一進一退という。こうしたなか、ゼレンスキー大統領は統合軍司令官のソドル中将を退任させ、ヘルソン西岸攻勢で勲功を挙げたウクライナ南部軍副司令官のフナトフ准将を後任に任命しました。■
ロシア国防省はロシア全土の軍管区における統合軍司令部編成を廃止する検討をすすめています、これは6月24日付ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告に示されたもので、2006年以来の地域司令部再編となるものです。軍間戦略連合という、ロシア軍は各軍管区に空軍や海軍部隊を陸軍とともに統合運用を行う編成を採っています。
西部軍管区を解体しモスクワ軍管区とレニングラード軍管区に置き換える改編は既に進められていますが、例えばカスピ海小艦隊を軍管区司令部隷下からロシア海軍直轄の小艦隊に再編するなど、統合軍司令部の幕僚陣を解体し、また空軍部隊と防空軍部隊を済めて航空宇宙軍隷下に再編するなど、一見して保守的な回帰の様な再編となるもよう。
統合軍編成に進めるのではなく解く改編の意図は不明で、地域防空に空軍と軍管区司令部の調整が必要となります。ISWはここまで踏み込んではいませんが、可能性として統合軍司令部を解くことで、統合軍司令部の幕僚陣をウクライナは健軍の司令部機構に編入し、情報分析や作戦立案能力の強化を図るか、損害を補填する可能性があります。
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