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北大路機関

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【京都発幕間旅情】信濃!原子力空母信濃南シナ海海戦を手に信濃路は蕎麦街道を散策する

2019-05-22 20:16:31 | グルメ
■飛躍!しなの号に乗って!
 特急の車窓は読書の歩調を早めてくれるものでして、個人的に旅路は山積した文庫本を旅の友とし次の本へ向かう機会です。

 原子力空母信濃シリーズ、今週末に空母いぶき映画公開に併せ今種の映画特集にて一読をお勧めしたシミュレーションノベルです。小説ならではの緻密な世界観が難しい課題を個々に解説していまして、空母いぶき消化不良、という方には最適な作品だと思います。

 原子力空母信濃、南シナ海海戦、激突-ファントム飛行隊、中米侵攻作戦、最後の出撃、1990年代の日本シミュレーション小説の中に在って高評価が相応しい作品群です。そして、信濃と云えば信州、信州と云えば蕎麦、話題の飛躍強すぎますが、本日はグルメ特集としましょう。

 OH-6D観測ヘリコプター、操縦士と機長以外が搭乗出来ながら自衛隊で数少ない体験飛行に縁のない機体です。相馬原駐屯地の情景です、実は群馬県、東京まで東海道新幹線で、北陸新幹線に乗り換えるよりも、中央本線で行った方が近かったのですね。長野経由で。

 原子力空母信濃に乗りたい、と小説を読了されたらば思われるかもしれません。ただ、海上自衛隊の人員数では乗員5000名を要するニミッツ級空母を導入する事は荷が重そうです。しかし、特急しなの号ならば、名古屋駅から乗る事ができる。前は京都まで来ていたが。

 信州松本城、美しい天守閣だ。長野県は多くの歴史を今に伝えると共に第二次世界大戦中は最後の拠点として期待された日本の奥座敷です。城郭あり寺院あり神社に古都あり、しかし高層ビル無し、でもより高い日本アルプスと自衛隊駐屯地はあり、ただ海だけは無し。

 信州上田、上田城。二度にわたる上田合戦において真田氏が徳川の猛攻から守り切った城郭が元となっています。上田城は北陸新幹線上田駅を徒歩で少し要しますが、遺構は見事で散策と歴史探訪にはお勧めです。尤も帰路は別として往路は道分らずタクシーでした。

 龍澤、宇宙法と欧州国際機構論の我が国権威の先生とは多分関係ありません。上田城散策から上田駅に戻り、一つ小腹がすいた事に気付きまして、思えば朝から何も食していない事を思い出す。其処で信州、時計は既に午後の傾き故に蕎麦を手繰る事としましたもので。

 信州と云えば蕎麦なのですが、蕎麦屋呑みが許される時間帯です。ここは上田駅前地下街、駅前ビルの地下に広がる独特の雰囲気に呑まれる前に呑もう、と板わさと共に地酒を嗜み、蕎麦を待つ。板わさの山葵漬にそういえば山葵は駿府門外不出名産だった事を思い出す。

 女将さんは流石と云いますが、冷酒を煽る頃合いをよく読まれ、一合徳利あと三分二分という時機に笊一枚の御蕎麦を並べてくれました。昼酒は若干気が咎めますが、地下街ですと外は暗いし一杯だけならば、と杯を傾けるのに加勢してくれるようで、そこに蕎麦を。

 龍澤一献、終えた頃には其処に盛り。もりそばとざるそばの違いは、海苔が塗してあるかそうでないか、とは浅学な当方がついここ数年で知ったのですが、もりが店の風情と合っていますね。この時間帯故に店内は静寂でしたが、正午ごろはやはり活況なのでしょうか。

 蕎麦の香りが、と格好つけた言い回しはさて置き、しかし、比べた上なのですけれども、京都や湖北の田舎蕎麦とは繋ぎか煉りか、兎に角風味とのど越しというものは、成程個性があるのですね、咬んだ感じが違う、語彙力の限界が滲み出ますが、兎に角とおいしい。

 新幹線の時間もありますので頂く事としました。出汁の風味が京都の甘辛い醤油味よりも澄んだといいますか、鰹出汁が利いてさっぱりしていました、信州は濃口の思い込みがありましたが、百聞は一口に、というものですね。もう一枚行きたいかな、と野暮な想いも。

 東都庵、上田城散策の帰路に、上田にも蕎麦の名店は数多くあれど新幹線が、という最中にほんとうにふと立ち寄ったのですが、地下の独特の雰囲気に蕎麦、上田駅前ビル地下街にはこんな世界が広がっています。北陸新幹線の少ない本数故に出会ったお店、でしたね。

 しなの号、名古屋と長野を結ぶ中央本線特急です。しなの号は、つい数年前までは大阪から名古屋経由で一往復だけ長野駅まで運行されていました。その頃に利用していましたらば、長野までの道程は、もう少し乗換を省いて一本でいく事が出来たのかもしれません。

 善光寺、長野市を探訪したならば散策したい寺社仏閣です。そしてこの善光寺の長野市は中央本線特急しなの号と北陸新幹線あさま号の乗換駅であり、特急券の乗換、長野駅は在来線から新幹線の乗換までの時間に少し途中下車という形で散策できる街並みなのですね。

 門前そば名乗る店は数多あれど、ここ善光寺については門前そばものとせ一軒がその頂に在るのではないかと思う、こういうのも、ももとせ、文字通りここから先は善光寺そのものなのです。ここでざるそば一枚、空腹では伽藍も見上げられぬと手繰る事にしました。

 ざる一枚、拝観前ですので酒は嗜みません。蕎麦一本でやっている、故にここもなかなかのものでした。店内は時間が時間ゆえそれ程混雑はしてません、だから寄ったのですけれど。機能的というか現代的というか平成的と云いますか、真新しい店内に一人蕎麦を頂く。

 門前町故に素早く卓上に蕎麦が並んだことには、風情を感じます、門前町の主役は蕎麦ではなく山門より歩みを進めた先のお寺、善光寺です。ただ、少々真新しい店内と共に思い出しましたのは名物に何とやら、という話は聞くのですが、ここの御蕎麦は本物でしたね。

 ものとせ、お隣が善光寺です。季節限定の岩魚蕎麦にも心揺れたのですが、お隣善光寺では肉食妻帯を絶って修行に挑む同胞が僧侶として頑張っているのですから、此処は敢えて。お酒もあるようですが、拝観前に酒気を帯びて、というのも、弁えました。後で、という。

 善光寺は信州に名高い伽藍を山々と共に崇敬と親交の寄る辺としています。しかし、善光寺拝観は併せて長野と云う街の成り立ちと歴史に触れあう、そんな旅となるのかもしれませんね。門前町の賑わいは、長野の歴史と善光寺の繋がりが顕在しているように、思える。

 拝観も終えましたし、と注ぐのは大信州。此処は善光寺門前町、善光寺に驚かされたのはお寺は東本願寺や西本願寺と同じくらいの大きさなのですが、門前町の規模は遥かに大きい。山門を潜れば信仰の地、と思えばその向こうにも広がる門前町のそれは凄い賑わい。

 善光寺、丸崎。丸崎というのはこのお店の名前なのですが、トンカツと手打ち蕎麦という、トンカツセット的な響きが目に留まりました。定食屋の定番とはいえ、まさか善光寺の門前町で出会うとは。清酒と肴を注文しますと、清酒のおまけと共に卓上は一気に賑やかに。

 茸なめこ大根漬を肴に冷で大信州を頂きます。善光寺門前町はなにか京都の嵐山を思い浮かべる観光地、かと思えば西本願寺前の仏具店街に移り変わる、面白い風情でして、そうした中に数多鰻の寝床のような、つまり京町屋的か、正体はそう蕎麦屋、という街の造り。

 山葵、ここはもりそばは山葵が練りワサビですが、ざるそばというと一本山葵が付くといわれ、良く分からないが注文しますと本当に一本ついてきた。砂糖が敢えて辛味を引き立てるとついていまして、ごりごりと磨りつつ蕎麦を嗜む事に。もしかして、あれできるか。

 大信州山葵、富士学校の人が美味いと薦められたのが根山葵肴、新鮮でないと硬くて食べられないそうですが、丸齧り。かりりと歯応えが音に現れると共に成程、山葵の刺激よりも香と仄かな甘味が最初に来まして、刺激前に慌てて含んだ日本酒に、これはよく合う。

 蕎麦を頂きつつ、山葵の丸齧りの美味さの衝撃と共に面白い手繰りとなりました。しかし、山葵は新鮮でなければ丸齧りは難しいという、単純に刺激が強く硬いだけ、とか。ううむ、京都も鞍馬界隈ならばありそうだが、いっそ比叡の門前に山葵を探そうか、拝観と共に。

 海津城、武田信玄が上杉謙信との川中島会戦に際し、兵力策源地として造営した城郭です。長野駅から路線バスが、かつては長野電鉄が結んでいましたが現在は廃線、城郭探訪を果たしたのちには既に長野駅到着の時点で、夜となっていました。さて、どう楽しむか、だ。

 油や。ドンキかよ、と思われるかもしれませんが、長野駅前のドンキは第3師団千僧駐屯地前のドンキと違い、蕎麦が頂けます、地酒もね。そして長野駅前へ赴けば気づくのですが、ここ、善光寺門前町と駅前繁華街が重なるところなのです。美味しくと嗜めました。

 長野駅前、結局は一杯やるのですね。長野と云えば善光寺、といいますか善光寺の前の斜面の門前町を長野と云ったようですので、お寺が長野なのか。そして川中島戦跡等も散策しました後に、一献傾ける事としました。肴は野沢菜、長野らしい晩酌となっています。

 御園竹、という佐久市の地酒ということ。地酒と云いますと昨今、情報化時代と云いますか通販時代といいますか、不可思議な付加価値と共に何を幾らで呑まされるか分ったものじゃない時代の中に、こうした地の物を地元の風情で嗜む機会を大事にしたい、とおもう。

 蕎麦が。実はこのお店は長野駅前、駅ビルではと風情を大事にしたものの中々に混雑、そうですよね、東京へも京都へも終電前の頃合い、時間が掛かりそうで掛からないのかは一見さん故に判断付かね、御園竹を傾けつつ思ったよりも手早く机上へご登場相成り、堪能しました。

 あさま号、しなの号、昔のように急行ちくま号が夜行で結んでくれていましたらばもう少しゆっくり出来たのでしょうけれども、急ぎの時間帯でもある。しかし、手繰るとなれば蕎麦は早い、駅前故の最後まで愉しむ信濃の風味、熱くないので素早くと蕎麦一枚を頂く。

 北陸新幹線、遠くない将来には敦賀まで延伸し、続いて大阪京都へと進んでゆきます。おそらく中央新幹線、つまりリニア新幹線の名古屋開業よりは早く大阪まで到達するのかもしれません。すると、長野は通過駅の一つになってしまうのでしょうか、それは惜しい。

 空母いぶき映画化の話題から原子力空母信濃シリーズの話題に飛んで、其処から遥か先の信濃路は信州そば特集へ、話題の飛躍は北大路機関の定番という印象でしたが、お勧めの文庫本を手に車窓を一つ信州へ歩みを進めてみては、どうでしょうか。素晴らしい旅が味わえますことでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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コメント (2)
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