漢方ブログランキングに参加しています。
↑ 1日1クリックをお願いします
先月のある日いらした60代男性の患者さんの症例です。
「外反母趾の治療を希望」ということで来院されました。
以前から軽い痛みがあり、痛み止めを飲むと1日で治っていたけれど、今回はズキズキしてなかなか治らないとのこと。
足を見せていただくと、確かに外反母趾ではありますが、そこまで痛いかな?という感じでしたので
「もしかしたら痛風かもしれないので、一度病院で診ていただいたらいかがですか?」
と伝えたところ、ややムッとした表情で
「◯◯病院の整形外科の教授にも痛風ではないと言われたし、有名な整骨院の先生にも痛風の心配はないと言われた。だからとにかく外反母趾の治療をして欲しい」
と仰ったので、治療をしテーピングをしたら痛みは治まってしまいました。
ところが翌朝、よりひどい痛みが襲い、三日後にまた来院されました。
そして再び同じように治療したらまた痛みは治まったのですが、翌朝は高熱とともに歩けないほどの痛みが出、ついに病院へ行き診察を受けられたところ、病名はやはり「痛風」でした。
とても健康に自信がお有りだったようで、自分はそんな病気になるはずがないと思っていたようです。
痛風と外反母趾の鑑別は
①痛風は男性に多い
②外反母趾にはない腫脹や激しい疼痛
などとありますが、①に関しては女性は絶対ならないというわけではないし、②も外反母趾でも足がつけないほどの痛みを訴える方もいらっしゃるのでかなりまぎらわしいです。
そしてどちらにも共通するのは、治療をすると急場の痛みは治まることが多いということです。
しかし、痛風の発作時の激痛は鍼灸だけでは難しいようです。診断がなされる前に、痛風の可能性を考えて出しておいた越婢加朮湯合三黄瀉心湯を服用していただきましたが,あまり効果はなかったようです。量が足りなかったのかもしれません。
痛風の漢方治療は緩解期を長くするのが目的であって、大発作に対応するのは難しいようです。