ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『クライムハンター/怒りの銃弾』

2019-02-11 00:01:00 | 日本映画









 
1989年にリリースされた、東映Vシネマの記念すべき第1弾作品です。

ガンマニアの方、あるいはガンアクション物がお好きな方なら、一度はご覧になった事があるんじゃないでしょうか? 私は何度くり返して観たか分かりません。

私の場合、主役が『太陽にほえろ!』のボギー刑事=世良公則&ブルース刑事=又野誠治である事と、監督&脚本が同じく『太陽にほえろ!』でデビューされた脚本家=大川俊道さんである事が何より大きかったです。

それは偶然の組み合わせじゃなくて、大川さんはブルース刑事の殉職を描かないまま『太陽~』が終了しちゃった事が心残りで、まずそれをやりたかったんだそうです。だから又野さんの役名が「ブルース澤村」なんですよねw(ブルース刑事の本名は澤村 誠)

勿論、それ以前から本格的なガンアクション映画を日本で実現したいっていう強い想いがあり、『太陽~』以降に大川さんが手掛けたTVドラマ『あぶない刑事』『ベイシティ刑事』等で銃器特殊効果を担当したBIG SHOTさんがその企画に乗り、更に世良さんが乗った事によって本格始動するに至ったワケです。

大川さんは自主映画を創った経験はあるものの商業作品の監督は初めてで、DVDのオーディオコメンタリーを聴くと撮影現場は混乱続きで大変だったみたいです。

それでも、同じ趣味と志を持ったスタッフ&キャストによる一体感で修羅場を乗り切り、その情熱が画面からダイレクトに伝わって来るアツい作品が完成した次第です。

いやホント、今あらためて観ても本当に熱いです。この作品が大ヒットした事により日本のガンアクション描写は画期的に成長するワケだけど、それでも全く色褪せない新鮮さが『クライムハンター』にはあります。

ストーリーはごくシンプル(尺は60分)。アメリカのLAにあるとされる架空の街「リトル・トーキョー」の刑事・ジョウ(世良公則)が相棒・アヒル(後にVシネマの帝王となる竹内 力!)と2人で指名手配犯・ブルース澤村(又野誠治)を逮捕するんだけど、護送中に武装集団の襲撃を受けてブルースが逃走、アヒルは殺されちゃう。

相棒の仇を討つべく、ジョウはまずブルースを追うんだけど、武装集団はブルースの仲間ではなく、彼が修道院から強奪した寄付金を狙う悪徳刑事達だった!

奪われた寄付金を取り戻すべくブルースを追うシスターに田中美奈子、ジョウをフォローする上司に原田芳雄、武装集団のリーダーに片桐竜次、悪徳刑事にハント・ケーシと、刑事ドラマでお馴染みのキャストが続々と登場し、とにかく銃を撃ちまくりますw

中でも最大の見所はやはり、日本で最も銃さばきがサマになる俳優=世良公則と、日本で最もマグナムが似合う俳優=又野誠治のガンアクション、そしてマニアックな銃器の数々&革命的な銃器特殊効果に尽きるでしょう。

世良さんがメインに使うのは、たぶん日本映画じゃ初登場だったベレッタM92F。同時期のTVドラマ『ゴリラ』で神田正輝さんが使ってたのは、似て非なるベレッタM92SB(スズキ製モデルガン)であり、世良さんのはそれと同じモデルを改造したオリジナル・プロップです。

『リーサル・ウェポン』や『ダイ・ハード』等のハリウッド映画で有名になったベレッタM92Fだけど、日本でモデルガン化され大ヒット商品となるキッカケを作ったのは、この『クライムハンター』だったんじゃないでしょうか?

又野さんがメインに使ったのは、更に有名な拳銃であるコルト・パイソン357マグナムの6インチ。TVドラマ『大追跡』で沖 雅也さん、『大捜査線』で杉良太郎さんが愛用した超いかついリボルバーです。

ほか、竹内 力さんが持ってるシルバーのリボルバーは、恐らく『ベイシティ刑事』で藤 竜也さんが愛用した「ジョン」ことS&W・M629(44マグナム)2.5インチカスタムと思われます。

長物はあまり興味が無いので割愛しますが、他の作品じゃ見られないカスタムメイドの銃器が続々と登場するマニアックさも大きな魅力でした。

ロスにある「リトル・トーキョー」って舞台設定は、日本人が銃撃戦する不自然さをカバーする苦肉の策で、いにしえの日活・無国籍アクションと言うより、自主製作映画のノリを彷彿させます。

『クライムハンター』がバカ売れした事によって東映Vシネマが続々とリリースされ、竹内力さんや哀川翔さん等の新たなスターを生んだ事は周知の通りですが、いつの間にやらヤクザ物ばっかりになっちゃったのは残念な事です。

私は『クライムハンター』シリーズ3作と、又野誠治 主演『凶悪の紋章』、神田正輝 主演『野獣駆けろ』、萩原健一 主演『裏切りの明日』等、Vシネマは『太陽にほえろ!』OB主演によるアクション物しか観てません。

もちろんケーブルTVでエッチなVシネマはよく観ますけどw、私にとっての東映Vシネマは、初期にリリースされた上記のアクション作だけですね。中でも、この『クライムハンター』第1弾は忘れがたい作品です。
 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ベイシティ刑事』#05―2 | トップ | 『女バトルコップ』 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (キアヌ)
2019-02-13 09:08:36
あの時代のVシネマは自主映画みたいなのがいっぱいありましたね!
テレビドラマでもない、映画でもない独特の雰囲気が好きでした!

この作品はおっしゃる通り、製作陣の情熱かえげつなかったてすね!
私はガンマニアでも世良さんのファンでもないですが、かなりの回数見ましたよ!

こういう熱の塊、また見てみたいです!
返信する
Unknown (harrison2018)
2019-02-13 12:25:55
一種独特な熱気がほとばしってましたよね。ストーリーはあって無いようなもんですからw、ガンマニアじゃない方でも楽しめたのは、創り手の熱意あればこそだったんだろうと思います。

たぶん、私が映画やドラマに一番求めてるのがそれで、だから計算だけで作ってるようなのが嫌いなんですよね。
返信する

コメントを投稿