ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『宮内 淳 in 太陽にほえろ!'79』―2

2020-07-13 00:00:17 | 刑事ドラマ'70年代









 
7月13日はマカロニ(萩原健一)とボン(宮内 淳) の命日です。本放映から40年以上も経ってるというのに、毎年7月13日が来ると(あるいは13日の金曜日が来るたびに)ああ、今日はマカロニとボンが死んだ日だなって、いちいち思い出してしまう人が、実はこの国にはけっこうな数おられます。

いくら『半沢直樹』が視聴率40%を記録しようが、毎年『ドクターX』が人気投票1位に選ばれようが、もし最終回で主人公が死んだとして、その放映日をずっと忘れないファンが果たして存在するでしょうか?

昭和の頃はテレビが娯楽の王様であり、観る姿勢が根本的に違ってたこと。そしてボンの場合は4年もの間、我々はずっと毎週その活躍を見守り続けましたから、半沢直樹や大門未知子なんかとは思い入れの度合いが全然違う、比べものにならないワケです。

まあ、ボンが活躍した4年間は、私が10歳から14歳という最も多感な時期だったせいもあるだろうとは思います。放映日が13日の金曜日だったことも憶え易い理由に挙げられるでしょう。(他の刑事たちの命日まではさすがに憶えてません)

予告編を観たあたりからいよいよソワソワし、その日が近づくにつれ緊張し、当日は誰とも口を聞かないくらいストイックになって、それこそテレビの前に正座して号泣しなから観た第363話『13日金曜日 ボン最期の日』。そりゃ忘れたくても忘れられません。

良い作品でした。『太陽にほえろ!』全ての殉職エピソードの中でも1、2を争う出来だったと私は思ってます。

ボンが致命傷を負ってから息絶えるまでが長過ぎる!って文句言う人がホント多いんだけど、私は全然そうは思いません。むしろ、撃たれて倒れた瞬間に息絶えちゃう方が不自然じゃない?って思う。鉛の毒が回るにしろ出血が限界に達するにしろ、そこそこの時間はかかるでしょう。

そしてボンは、先に撃たれちゃった女性(根岸季衣)を助ける為に、遠く離れた電話ボックスまで辿り着かなきゃならない使命を負ってる。そんな気力が奇跡を起こすことは現実にもあり得るでしょう。

そうやって死ぬまでの時間を引き延ばして、我々ファンの涙を搾り取ろうとする演出がずるい!あざとい!って言うなら、まあ解らなくもないけど、現実に撃たれた人が死んでいく様を見たこともないクセに、なんで「あり得ない」などと断言出来るのか、私は不思議で仕方ありません。それこそテレビの観すぎ(撃たれた瞬間に死んじゃう演出を信じすぎ)じゃないの?って思う。

まぁそんなワケで、ついにボンが殉職し、宮内淳さんが番組から去ってしまわれました。顔を毛むくじゃらにしてそのポジションを受け継ぐロッキー(木之元 亮)の人気が爆発する兆しは微塵もありません。非常に心細いです。

結果論を言っても仕方ないんだけど、かえすがえすもボン&ロッキー体制2年間は長すぎた。こんなにボンが好きだった私でさえ、そして今はレビューの為に飛ばし飛ばし観てるにも関わらず、このコンビには飽きを感じてしまったし、以前にも書いた通り宮内さんの輝きが最後の1年間で衰えてるのを実感しちゃいましたから。

それ以前に番組自体がマンネリなのに2年間もメンバーを替えなかった保守の姿勢が、いよいよこれから存続の危機を招いていくワケです。

たぶん後任のスニーカー(山下真司)には何の罪も無いし、裏番組『3年B組金八先生』の出現がそれほど大きく影響したワケでもない。それ以前に条件は揃ってたことが、こうして順を追って振り返るとホントによく分かります。

逆に言えば、よくぞこの絶体絶命の危機を乗り越え、15年近くも続いてくれました。それこそが奇跡であり、やっぱり凄い番組だったとつくづく思います。
 


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3 コメント

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Unknown (ひろちゃん)
2020-09-06 13:16:24
ボンこと宮内淳さんが永眠してしまいました....
早すぎます‼️
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Unknown (あや)
2021-02-10 17:15:22
感じ方は人それぞれだしいろんな感想があっていいと思います。
ボンの最期の日はあまり真剣に見ませんでした。自分は小学生の時に大病して長期入院を余儀なくされ、痛い思いを我慢させられたので、ボンが気の毒に思えたからです(想定済み)
今はいい痛み止めもあるし医療の進歩は有難い。

それにこの日を境に宮内さんに会えなくなるのが寂しいから、あまり真剣に見なかった記憶があります。早く楽にしてあげたらと思う自分が居ました。

自分が通ってた高校のクラスは実業家の女子クラスで気の強い女子が多かったので、あえて自己主張せずに翌日のみんなの感想を聞いてうなづいてましたw
家族で見て泣いたとか、一人で涙したとか、それぞれいろんな感想がありみんなで共有してたのが懐かしい。

自分の実家はTBS系列の局がなかったので裏番組は知りませんでしたが、今でも「太陽にほえろ!」は印象に残るドラマの一つです。
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Unknown (harrison2018)
2021-02-11 00:54:41
けっこう冷静に観られてたんですね。高校生ともなると考え方も大人に近いのかも知れないけど、おっしゃる通り観方も感じ方も十人十色って事なんでしょう。

あの頃はテレビ番組の感想でクラスが1つになれましたよね。ほんと懐かしいです。
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