2010年の冬シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜8時「木曜ミステリー」枠で全8話が放映された刑事ドラマ。
『刑事貴族』シリーズと『相棒』で水谷 豊さんのサポートを長年務められた寺脇康文さんの、初となる連ドラ単独主演作って事で、並々ならぬ気迫が伝わって来ます。
犯人を射殺したことで所轄署へ左遷されてた昭和気質の熱血刑事・加茂伸之介が、10年振りに853(京都府警本部を指す隠語)の捜査一課にめでたく帰還するも、徹底した合理主義のエリート係長・武藤(田辺誠一)と全くソリが合わず、ことごとく対立し、孤立しちゃう。
そんな二人がぶつかり合いながら、互いを理解していく人間ドラマを軸にしつつ、型破りな加茂刑事の昭和テイスト溢れる熱血捜査が描かれていきます。
創り手が目指すものはズバリ、『太陽にほえろ!』オマージュかと思われます。寺脇さんの要望だったんでしょうか?
まずテーマ曲が「太陽にほえろ!メインテーマ」のイントロにそっくりだし、主人公が留置場から初出勤するシチュエーションも明らかにジーパン刑事(松田優作)へのオマージュ。ジーパンは無銭飲食でしたが、加茂刑事の場合は買春容疑w(そういう店とは知らずに飲んでてガサ入れを食らっちゃった)
加えて、係長すなわちボスのデスクを刑事たちが囲む捜査会議の構図(画像3枚目)が『太陽~』のそれ(通称Aポジ)とよく似てます。他の刑事ドラマがずっと避けて来た「太陽にほえろ!と似たようなこと」を今あえてやる理由って、オマージュ以外には考えられません。
そのせいか、ロケ場所も都会的スポットばかりで、わざわざ京都を舞台にした意味が解りませんw 登場人物たちも全員、標準語で喋ってるしw
こうして京都を舞台にしたドラマが定期的に創られるのは、背景が東京ばかりじゃ画的にマンネリなのと、京都の撮影所も(時代劇が激減した分、他のジャンルで)使ってあげないと経営が成り立たないとか、色んな理由があるんだろうと思います。
それはともかく、最近はあまり見かけなくなった熱血型のハミダシ刑事は、私にとって心地好いキャラクター。だけどやっぱり時代にそぐわなかったのか、残念なからシリーズ化には至りませんでした。
捜査一課の同僚刑事に富田靖子、菅原大吉、戸次重幸、林 剛史、新谷真弓、課長に金田明夫、といったレギュラーキャスト陣。セクシーショットは総務課婦警役の小川奈那さんです。
ボケがだだスベリなのはなかなか良いものです。銃撃戦やチェイスはないですが格闘シーンは見応えあります。良ければ是非とも観てはどうでしょうか。