ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『マジンガーZ 対 暗黒大将軍』―1

2018-09-28 06:40:41 | アニメーション









 
私が少年時代に最も愛したヒーローは『マジンガーZ』です。今でも愛してます。『太陽にほえろ!』もそうだけど、あの時代のテレビ番組は我々視聴者の心に、深く深く溶け込んでました。

『マジンガー』シリーズの物語は、実は現在まで途切れること無く続いてます。原作者=永井 豪さん自らによるリメイク漫画『マジンサーガ』や『Zマジンガー』をはじめ、アニメ『マジンカイザー』『真マジンガー/衝撃!Z編』など枚挙に暇なく、2018年には旧TVシリーズの続編となる『劇場版マジンガーZ/INFINITY』も公開され、予想以上のヒットを記録しました。

永井さんが『マジンガーZ』執筆当時の舞台裏を描いた漫画『激マン!マジンガーZ編』の中でリメイク的な描写もされてるし、シリーズ第3弾『UFOロボ・グレンダイザー』をリメイクした『グレンダイザー・ギガ』等もあったりします。

他にも、シリーズ第2弾『グレートマジンガー』最終回のその後を描いた『デビルマン 対 闇の帝王』や、シリーズのヒロイン達がレディーロボで活躍する『マジンガーエンジェル』や『マジンガー乙女』等、『マジンガー』シリーズを観て育った世代による作品が続々と生まれてます。

中でも生粋のマジンガーファンが注目したのは、何と言っても『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』じゃないでしょうか?(脚本=田畑由秋、作画=余湖裕輝、月刊チャンピオンREDにて連載)

テレビの『真マジンガー/衝撃!Z編』(これは失敗作でした)スタートに合わせて連載された前作『真マジンガーZERO』も面白かったけど、今回は何と言っても映画『マジンガーZ 対 暗黒大将軍』がベースになっている!

この漫画が素晴らしいのは、少年時代にマジンガーシリーズを観て熱狂したファンの気持ちを的確に理解し、当時感じてた疑問や欲求不満を解消させる事に全力が尽くされてること。間違いなく作者自身がマジンガーフリークなんですよね。

漫画の内容に関しては、またいずれ書かせて頂くとして、今回はその元ネタ、マジンガーシリーズの頂点にしてロボットアニメ映画の金字塔『マジンガーZ 対 暗黒大将軍』です。

1974年の『東映まんがまつり』の目玉として公開された劇場用オリジナル作品で、TVシリーズ『マジンガーZ』の最終回に先駆け、次なるヒーロー『グレートマジンガー』との交代劇が描かれてます。(脚本=高久 進/演出=西沢信孝/作画=角田紘一)

「チキショー、暑いったらヤケに暑いぜもう~」

最初に登場するのは三枚目キャラにして三枚目ロボ「ボスボロット」の三枚目パイロット=ボス(声=大竹 宏)。ボロットの収納庫である海辺の工場跡地で、子分のヌケ(富田耕生)&ムチャ(田の中勇)が海水浴してるのを眺めてます。

「ボス、一緒に泳ごうよ! 気持ちいいぜ~」

「今日はコンデーションが悪くて泳ぐ気分になれねーんだコノヤロー!」

「ボス~、水怖がってちゃ泳ぎは上手くなんねーぞ?」

「怖かねえよ、コンデーションが悪いんだコンデーションが!」

「ボス」と呼ばれながら、微塵もリスペクトされてない感じがラブリーですw

「くそぉ、バカにしやがって。ザーッとひと雨こねえもんかな?」

なんて言ってたら本当に雨、それも嵐並みの雷雨がやって来て、ボスは布団の中に潜り込みます。

「ボス、待望の雨じゃないですか」

「雨はいいんだが雷がダメなんだよ!」

「雷にヘソ取られないよう、しっかり押さえてろよ、ボス」

「ボスのヘソ、特にデカいからな」

ほんと言いたい放題言われてますw

と、間近に雷が落ちて辺りが停電したかと思ったら、断崖の上に謎の巨大ロボットのシルエットが浮かび上がります。

「あっ、機械獣だ!」

再び稲妻が光り、その眩しさと衝撃により、3人は気を失っちゃいます。

ロボットの正体はラストで明かされますが、グレートマジンガーです。自らの放電により雷を起こし、そのエネルギーをビームに変換する必殺技「サンダーブレーク」の訓練でもしてたのでしょう。

数分後、雨が止んだ頃に目覚めた3人が再び断崖に目をやると、今度はマント姿の不気味な老人が立ってました。

「だっ、誰だ!?」

「間もなくこの世の終わりが来る」

「なっ、なんだと?」

「墓場から死者が蘇り、そして全世界に不幸を撒き散らすであろう」

「お前は誰だ!?」

「この世の終わりを告げる者」

当時『ノストラダムスの大予言』が大ブームだった為、予言とか終末論がやたらヒーロー番組にも登場してたような記憶があります。

「空と陸と海から暗黒大将軍が襲いかかる。そして全世界の都市を破壊するであろう。この世の終わりはすぐそこまで来ている」

つまり、破滅ですw

「暗黒大将軍に立ち向かえるのはただ1つ。鉄(くろがね)の城マジンガーZだ」

言うだけ言って予言者はフッと消えちゃいます。この予言者の正体もラストで明かされますが、フッと消えるマジックの種明かしはされませんw

「いてぇーっ!」

そのころ光子力研究所では、シャワールームで兜 甲児(声=石丸博也)が弓さやか(江川菜子)の強烈ビンタを浴びてました。

「私がシャワー浴びていたら、いきなり入って来るなんて失礼じゃない!」

すりガラス越しに素っ裸の男女が向かい合うという、素晴らしいシチュエーションw 光子力研究所って、ほんと色んな意味で我々テレビっ子の理想郷なんですよねw

「この胸くそ悪い暑さだぜ? 俺だってシャワーを浴びたいさ。別に好き好んで、さやかさんのヌードを見に来たんじゃないんだぜ?」

と、そこにボスが大慌てで駆け込んで来ます。

「たた、大変だぁーっ!」

「エッチ!!」

「さようならぁーっ!」

そして大慌てで去って行ったボスはw、また恐る恐る戻って来ます。

「お、おい兜、お前は何してるんだよ?」

研究所のテラスで予言者の話を聞いて、甲児とさやかは大笑いします。

「ボス、寝言言うのもいい加減にしてくれよ。空は青いし、小鳥は平和に唄ってるんだぜ?」

「ボス、夢でも見たんじゃないの?」

「この暑さだ、ボスが狂うのも無理ないよ」

本作では説明されてませんが、甲児たちは宿敵=ドクターヘルを倒したばかりで、平和を満喫してる真っ最中なのでした。(TVシリーズではまだ決着がついてないので、あえて触れなかったのでしょう)

しかし残念ながら、予言は当たってしまいます。空と陸と海から巨大ロボット軍団が出現し、ニューヨーク、パリ、ロンドン、モスクワ等の大都市が壊滅的な打撃を受けた、とのニュースがラジオから聞こえて来ます。

「兜! それ見ろ! 予言者の言ったことが現実に起こったじゃねえか!」

この次はきっと東京が狙われると踏んだ光子力研究所所長=弓教授(声=八奈見乗児)は、マジンガーZで都心部をパトロールするよう甲児に依頼します。

すぐパイロットスーツケースに着替え、出動しようとする甲児を弟のシロー(声=沢田和子)が呼び止めます。

「あっ、お兄ちゃん待って! プレゼント!」

この日は甲児の誕生日で、シローはプレゼントの買い出しから戻って来たばかりなのでした。

「シロー、急いでるんだ! そいつは後だ!」

「ええ? ……ちぇっ」

『Zのテーマ』に乗せて描かれる出動シーンはいつ観ても血湧き肉踊りますけど、劇場版は特に作画クォリティーが高いので何回観ても飽きません。

「行くぞ、ジェットパイルダー!」

一般的には初代「ホバーパイルダー」の方が人気が高いようですが、私はTVシリーズ後期から本格的にハマったせいか、新型「ジェットパイルダー」の方が好きです。

「マジーンゴー! パイルダーオーン! ジェットスクランダー! スクランダークロース!」

↑ 思えば面倒な毎回の出動プロセスだけどw、ロボットアニメには欠かせない見せ場です。実際、今観ても惚れ惚れするほど格好良い!

さて、やはり東京にロボット軍団が襲来します。悪霊型戦闘獣「ダンテ」、昆虫型戦闘獣「ライゴーン」、鳥型戦闘獣「バーディアン」、爬虫類型戦闘獣「ジャラガ」、猛獣型戦闘獣「マモスドン」、魚型戦闘獣「スラバ」と、いきなり6機もの敵をマジンガーZは相手にしなくちゃいけません。

「やいやい! 日本にはマジンガーZがいるんだぜ! 東京を貴様たちの勝手にさせるもんかい!」

「ふふふ、大口を叩きおって」

「機械獣が喋ったぞ!?」

かつてドクターヘルが送り出して来た「機械獣」は文字通り機械の猛獣だったワケですが、新たな敵=ミケーネ帝国の「戦闘獣」は、頭部以外の箇所(胸部が多い)に古代ミケーネ人の顔と頭脳が埋め込まれてるのでした。

ゆえに頭を使った連携プレーも可能となり、陽動作戦でマジンガーZを海中に引きずり込みます。

「チキショー、一杯食わせたな!」

「海の中ではこっちのもの。海底でくたばるがいい!」

水中における戦闘を目的に造られた魚型戦闘獣スラバは、思うように動けないマジンガーZを一方的に痛めつけます。

「これでもロボットとはね。まるで赤ん坊の手を捻るより簡単じゃない?」

しかし、兜甲児も今や百戦錬磨のマジンガーパイロットですから、やられっ放しじゃ終わりません。一瞬の隙を突いてロケットパンチをぶつけると、ドリルミサイルをスラバの人面部分に叩き込みます。

悲鳴を上げてのたうち回るスラバに光子力ビームでトドメを刺すと、マジンガーZは海中を脱出し、急いで都心部へと戻るのですが……

「ひでぇ……こいつはひでぇや」

僅かな間に都心部は火の海、ほぼ壊滅状態。間髪入れずに戦闘獣軍団がマジンガーZに襲い掛かります。

Zはジェットスクランダーでジャラガの首をチョンパするも、その体液により翼が溶け、空中における動きも封じられてしまいます。

一方、ダンテとマモスドンは光子力研究所を攻撃し、出撃したボスボロットを串刺しに、さやかの愛機=ダイアナンAも身体を真っ二つに切断しちゃいます。

バリアも軽々と破られ、研究所はもはや攻撃を防ぐ術なし。弓教授の指示によって全所員が地下シェルターへと避難しますが……

「いけね! お兄ちゃんのプレゼント忘れて来ちゃった」

「シロー君、危ない! 引き返すんだっ!」

弓教授の制止も虚しく、プレゼントを取りに戻ったシローは崩れ落ちた瓦礫の下敷きになってしまいます。

都心部ではマジンガーZが四方八方から攻撃を受け、反撃の糸口が掴めないまま、甲児は気を失おうとしてます。

「甲児くん! 甲児くん! シローちゃんが大変なのよ! 甲児くんっ!」

無線機から聞こえるさやかの声に、甲児はハッと我に返ります。

「シローが? シローがどうしたって!?」

動かなくなったマジンガーZを見て、戦闘獣たちはトドメの一撃を加えるべく近づいて来ます。

「くそぉ……死ぬんじゃないぞ、シロー!」

弟への愛が甲児を覚醒させ、敵の油断をも誘いました。アイアンカッターとサザンクロスナイフの同時発射で戦闘獣たちの人面部分を攻撃したZは、素早く光子力ビームとブレストファイヤーでトドメを刺します。海中での戦いで甲児は敵の弱点を見抜いてたのでした。

「シロー!!」

急いで光子力研究所へと向かうマジンガーZは、もう既に満身創痍。そして甲児も相当なダメージを受けてます。

だけどミケーネ帝国の攻撃は、まだまだ序の口。本当の死闘はこれからなのです。

(つづく)
 

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2 コメント

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Unknown (キアヌ)
2018-09-28 09:00:44
またまた見たくなりました!
>キアヌさん (ハリソン君)
2018-09-28 12:16:48
何度観ても飽きません。観ましょう!

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