ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「刷り込まれた性の価値観。」

2024-05-26 17:57:25 | 日記

最近、NHKさんが特に力を入れておられるように感じるのが、性の問題。

ジェンダーについての知識が世間にある程度浸透したところで、今度は「童貞と処女は恥ずかしいのか?」っていうテーマをかなり深く掘り下げた番組を2つ、それぞれ総合テレビとEテレで放映してました。(私がたまたま観たのが2つで、他でもやってるかも知れません)

それによると、性体験が無いことに対して強いコンプレックスを抱いてる人が、特に現在の30代から50代前半、つまり’80年代後半から’90年代に青春期を過ごした世代にとても多いんだそうです。

世の中がバブリーだったあの頃、セックスは「して当たり前」で「しないのは恥」だとやたらメディアが刷り込んできた。言われてみれば確かに、女性向けの雑誌でも『セックスで綺麗になる』なんて見出しがよく表紙に踊ってました。

その裏には、例えば「クリスマスデート」で贅沢ディナーやプレゼント→高級ホテルでセックスっていうパターンを定着させて金儲けを狙う、各スポンサーの(あるいは国の?)圧力とメディアの忖度があり、流されやすい日本人はまんまと乗せられた。



で、乗りたくても乗れなかった人たちは「普通じゃない」みたいなレッテルを貼られ、いまだにそのトラウマを引きずってる。

私は現在58歳で、ギリギリその世代から外れてるお陰か「なにがクリスマスデートじゃ、浮かれてろ」って鼻で笑えた(強がりじゃなくてホントに”踊らされたアホども“と冷めた眼で見てた)けど、それでも30歳目前まで恋人ができなかった事実はやっぱり相当なコンプレックスで、自殺を考える要因の1つにはなってました。

実際、それで死んじゃった人や犯罪に走ったヤツは相当な数いるんじゃないですか? さんざん恋愛至上主義とセックスライフを煽ってきたメディアには、かなり重い責任があると思う。



メディアがそれを反省してるようには到底見えないけど、少なくとも教育の現場では今「セックスはするもしないも自由」っていう指針に大きく舵を切ってるそうです。つまり、しないまま一生を終えても何ら問題無しと。

考えてみれば……いや、考えるまでもなく当たり前のことなのに、それを当たり前と思わないよう徹底的に洗脳されて来た。特に私よりちょっと下の世代たちが。

ところがネットの普及で統制が効かなくなり、嘘がぜんぶバレて、多様化を認めざるを得なくなった。

1980年あたりを境に、世間の価値観がガラリと変わったときの衝撃を私は今も鮮明に憶えてますから、童貞や処女を恥じずに済む時代がやって来ても、別に驚きはしません。ただ、今更かいっ!?とは思うけど。

“オタク”に比べて性のマイノリティーが市民権を得るのに随分と年数がかかったのは、やっぱりメディアのバックに“少子化”を恐れる国がついてるから?

例えそうでなくとも、性体験の有無にこれほど異常にこだわる日本人の姿は、諸外国人の眼にはかなり奇異に映るそうで、さすがは“同調圧力の国”ニッポンの面目躍如です。



奇しくも現在放映中の朝ドラ『虎に翼』で、戦前の時代を生きるヒロインは“社会的信用を得るため”に言わば偽装結婚し、同じNHKで“代理出産”をテーマにしたドラマ10『燕は戻ってこない』のヒロインは、独身を貫いてる叔母から「女が自由を得る方法はただ1つ、結婚することよ」と言われてました。(そうしないとずっと噂の的にされるから)

一瞬、国営放送だけに政府の少子化対策をサポートしてるのかと思ったけど、むしろ逆ですよね。日本特有の“同調圧力”を最大の敵として描いてる。特に後者はホラータッチだから本当に怖くなる。

『燕は戻ってこない』はまだ最初の2話しか観てないから結末は読めないけど、たぶん最終的には代理出産も1つのチョイスで「そういう幸せの形もあるんだ」っていうエンディングが待ってると信じたい。でないとヒロインが悲惨すぎる!

つまりNHKさんは、今や化石となった古い価値観とは違ったアプローチで少子化対策を提案してる。(のかな?って思います)



一方、政府はと言えば何年か前に「恋愛塾開設」みたいなことを大真面目にやって国民の失笑を買ってましたよね?

NHKさんは国営放送であればこそ、こんなトンチンカンな政府に国を任せてたら本当にヤバい!っていう危機感と使命感に駆られて、上記みたいな番組を次々と打ち出してるのかも知れません。

振り返れば、何年も前に「アセクシュアル」を主人公にしたドラマを初めて世に出し、セックスも結婚もしない男女の幸せを描いたのもNHKさんでした。

一方で民放局は昨年、なにを思ったのか『男女7人夏物語』みたいなバブル期の恋愛至上主義ドラマを復活させて、これまた視聴者の失笑を買ってました。もちろん大失敗に終わり、ヒロインを演じた森七菜さんのお姿をテレビで見かけなくなっちゃった。好きだったのに!

民放の番組を操るのはスポンサー企業の偉いさん=いまだ化石みたいな価値観に囚われた老人たちだからどうしょうもない。



そんな調子で本当に世の中は変わっていくのか?って思うけど、そう言えば前シーズンの民放ドラマ『いちばん好きな花』『セクシー田中さん』は、少なくとも主役の男女はくっつかないで終わったし、さすがに兆しぐらいは見えて来た?

そもそも、今の若い人らはテレビをほとんど観ないから関係ないのかも知れない。けど、私自身はいつも書くように「生粋のテレビっ子」ですから、化石と言われようが今後も見守り続ける所存であります。

ただし、その裏に「洗脳の罠」が潜んでる可能性だけは忘れずにいなきゃいけません。


コメント (4)
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