ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『スクールガール・コンプレックス/放送部篇』

2021-03-28 21:40:24 | 日本映画










 
可愛くて演技力のある若手女優を10人挙げるとしたら、森川葵さんと門脇麦さんの名前は確実に入って来るんじゃないでしょうか?

そのお2人が女子高を舞台に「百合」を演じる映画と聞けば、そりゃ観ないワケにはいきません! 百合っていうのはつまり、女性どうしの恋愛を意味し、キスしたり、運が良ければチョメチョメしたりするかも知れないんだから!

森川さんも門脇さんもすっかり売れっ子でキャリアを積んでおられますから、もはや若手とは言えないんじゃないの?って声も聞こえそうだけど、この映画は2013年に公開されてますから、当時は紛れもなく若手。そんなお2人がもしかしたらキスしたり、運が良けりゃチョメチョメですよ!? チョメチョメ! チョメチョメ! チョメチョメ!

しかし、先に結果を言えば、残念ながらチョメチョメはおろか、キスもちゃんと見せてくれない(したのかしてないのか、あえて想像に委ねるような)淡白演出でした。

まぁチョメチョメはともかくとして、私は百合映画を観るとき、主役の2人が初めてキスする瞬間を何より楽しみにしてるもんだから、それを見せてくれないのは非常に残念です。

レズビアン映画の金字塔『アデル、ブルーは熱い色』や、ドラマ『Lの世界』なんかはキスシーンだけでもドキドキさせてくれたもんです。これが男女の恋愛なら「ええからはよ脱げ!」って思うだけなのに、女どうしだとキスだけで私は興奮できます。(男どうしに関してはノーコメント)

今回の映画は写真家・青山裕企さんのベストセラー写真集『スクールガール・コンプレックス』が原案ってことで、監督の小沼雄一さんはその「見えそうで見えない」世界観を尊重されたんでしょう。だから仕方ないとは思うけど、キスぐらいええじゃないスかねえ?w ムツゴロウさんなんかゴールデンタイムのテレビで動物とディープキスしてましたよ?

ただ、そこはすこぶる残念でも、作品そのものを否定するつもりは毛頭ありません。たとえ行為は描かれなくとも、百合の世界には、特に思春期の女の子どうしの恋には、我々オジサンをキュンとさせる何かがあるんですよね。

10年以上前、私は百合の要素を絡めたアクション映画の製作に携わり、その参考にと監督さんから薦められたアニメ『マリア様がみてる』を観て、百合世界の虜になっちゃいました。(2010年にブレイク前の波瑠さん&未来穂香さん主演で実写映画化もされてます)

今野緒雪さんの人気ライトノベルを原作としたそのアニメは、厳格なカトリック系の女子高を舞台にした青春ドラマで、女の子どうしの恋愛を絡めながらも、それはあくまで純愛。キスシーンは無いしチョメチョメなどもってのほかでしたw

なのに、この私が、そんな目的でしか作品を観ない私が強烈にハマったんだから、百合モノには他のジャンルに無い大きな魅力があるワケです。

その魅力の正体はいったい何なのか、考えに考えて出した私の結論は、思春期の百合はおおよそ実らぬ「儚い恋」だから、というもの。

それは男女でも同じかも知れないけど、同性どうしとなると周囲の偏見もあるし、結婚にはまず結びつかないし、学校を卒業すれば自然消滅しちゃうイメージがあるから、熱くなればなるほど儚くて、切ない……と私は思うワケです。

今回の映画『スクールガール・コンプレックス』でも、描かれた恋はことごとく成就せずに終わってます。だから美しいんですよね。女子高の放送部が舞台ってことで、演劇部が舞台の『マリア様がみてる』と雰囲気もよく似てます。

ただし! 『マリア様~』では決してあり得ないであろう、男の介入によって関係が崩れちゃうというバッドエンドは、とても後味悪かったです。百合の世界に男が立ち入るのはマジ最悪!(友情より男を選んだ彼女の人生も、先行きは暗いことでしょう)

現実世界じゃよくある事だろうけど、百合映画にそんなリアリティーは要りません! 『マリア様~』みたくファンタジーに徹して欲しかったです。『放送部篇』だけで終わっちゃったのは、そこに原因があるのかも?

けど、百合じゃなく青春映画として考えると、そういう醜い現実も描かなきゃいけない。それは解るんだけど、結局どっちつかずだったのがイマイチな印象を与えた気がします。

とは言っても、やっぱり森川葵&門脇麦の百合ですから、それだけで見応えは充分。つくづく、このお2人はホントに上手い!

加えて、近藤真彩、吉倉あおい、今野鮎莉、高井つき奈、そしてまだ無名だった新木優子、といった若手キャスト陣の瑞々しさ! もうそれだけで心が洗われ、萌えますw

特に、森川さんに片想いする近藤真彩さんが凄くイイ! 言っちゃ悪いけど主役の2人ほど美少女じゃないところに切なさがあり、私は彼女に泣かされちゃいました。もちろん演技も素晴らしくて、彼女の存在が無ければ作品の評価はもっと低かったと思います。

あと、これは明らかに原案の写真集に添った演出だけど、足フェチにはたまらん映像が満載です。冒頭、いきなり門脇さんのナマ足(足の裏もバッチリですよ、ムーミンさん!w)を舐めるように見つめる森川さん、という場面から始まりますから、エッチな展開も期待させてホント罪な映画ですw

そんなウワベだけのフェチじゃなく、もうちょいエロの領域に踏み込んでくれてたら、私は手放しで絶賛したと思います。チョメチョメが無くてもエロは描ける!

やっぱりねぇ、カッコつけちゃダメですよ。男目線で百合の世界を描くなら、そこは正直にいくべきでした。実に惜しい! けど、とにかくキャスティングが素晴らしいですから、一見の価値は十二分にアリです。


 

コメント (4)
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