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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『名作ドラマ大事典!/今夜限りの同窓会SP』2011.9.21

2019-06-22 00:00:13 | エンタメ全般







 
こちらは2011年に放映されたTBS系列のバラエティー番組。もう8年も前になっちゃうんですね。

不定期に放映されてた『名作ドラマ大事典!』の中でも、取り上げたドラマの主要キャストたちを再結集させるスペシャル企画「今夜限りの同窓会SP」の第2弾で『太陽にほえろ!』が登場しました。

1本のドラマだけを特集する番組じゃないので、前半はコメンテーター(?)の石田純一さんが出てたトレンディードラマ等を紹介、そして後半になってようやくメインゲスト登場!という流れでした。

そう、このメインゲストが今回の超目玉となるショーケン=萩原健一さんで、バラエティー番組に全く出演されなかったワケじゃないにしても、こんな過去の作品を懐かしむような企画にショーケンさんが参加されるなんて、全く予想外で本当に驚きました。

それは恐らく、コメンテーターの一員としてショーケンさんの盟友=市川森一さんがレギュラー出演されてたから。『太陽にほえろ!』『傷だらけの天使』『ウルトラセブン』等で数多くの名作を書かれたレジェンド脚本家です。(この番組が放映されてから間もなく他界されました。合掌)

恐らく『太陽~』の同窓会がまず最初に企画され、スタッフがダメ元で市川さんにショーケンさんへの打診を依頼したか、あるいは市川さんから提案されたのか、いずれにせよ市川さんの仲介が無ければこの奇跡は起こらなかった事でしょう。

で、まずはショーケンさんが登場されて『傷だらけの天使』のエピソードを語られた後、いよいよ竜雷太さん、小野寺昭さん、勝野洋さん、木之元亮さん、そして神田正輝さんが登場! マカロニ、ゴリさん、殿下、テキサス、ロッキー、ドックという奇跡の6ショットが実現したワケです。

「太陽にほえろかウルトラ兄弟か!」

↑ っていう名言を発したのは司会の今田耕司さんで、さすがは『太陽~』世代ど真ん中、本気で興奮されてるのが画面から伝わって来て私も嬉しくなりました。

今田さんはジーパン(松田優作)の殉職シーンを観て「会田(犯人)、今見ても腹立ちますわ!」とか、沖雅也さんがチラッと映っただけで「あっ、スコッチや!」とか、本当にリアルタイムで『太陽~』を夢中になって観た人じゃないと出てこないコメントを連発。もはや他人とは思えませんw

しかし同窓会の内容自体は案の定、歴代殉職シーンを流して各キャストがその裏話を語るという、ディープなファンからすれば「その話はもうええねん!」って言いたくなるお決まりコースで、ここに書き残したいエピソードは特にありません。

が、もはや話の内容なんかどーでもよくて、とにかく歴代キャストが6人も一堂に介した、しかもその中にショーケンさんが含まれてる!という、まさにウルトラ兄弟と同じで、その光景が観られただけでもう充分。ショーケンさんまで逝ってしまわれた今となっては尚更です。

年老いたマカロニ、ゴリさん、殿下の38年ぶりという再会には胸を熱くさせるものがあり、ニックネームの由来を尋ねられたショーケンさんが「それはパスタとかマカロニとか……」って真顔で言い始めた瞬間に竜さんが「いやマカロニウェスタン!」ってw、あうんの呼吸で被せられたのには笑いつつも感動しました。何の打ち合わせもなく、かつてのマカロニとゴリさんが自然に甦った瞬間ですよね。

なんでこれを、日テレがやらないの?っていう疑問がやはり残りますが、まぁ色んなタイミングがうまく重なればこその奇跡ですから、とにかく『太陽~』ファンの恵まれた境遇に感謝するしかありません。
 
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『アナザーストーリーズ/運命の分岐点』2019.6.18

2019-06-21 00:00:12 | エンタメ全般









 
NHK BSプレミアムにて毎週火曜夜9時に放映されてる1時間枠のドキュメンタリー番組で、こんな特集が組まれました。

『太陽にほえろ!誕生 ~熱きドラマ、若者たちは走った~』

このサブタイトルと事前の告知情報と、あと萩原健一さんが亡くなられたばかりというタイミングから、番組スタート時の舞台裏のみに焦点を絞った内容かと思いきや、15年近く放映が続いた中で起こった化学反応や、その影響下で生まれた後世の刑事ドラマにまでスポットが当てられたことに驚きました。

いや、その前にまず、この番組を観ること自体が初めてで、ナビゲーターが松嶋菜々子さん、ナレーターが濱田岳くんであることを知らなかった私としては、このお二人が『太陽にほえろ!』について語っておられる違和感がめちゃくちゃ新鮮でしたw

松嶋さんはかろうじて『太陽~』世代に入るのかも知れないけど、濱田くんはまだ産まれてもいなかったのでは? でもそれが悪いと言うんじゃなくて、逆に嬉しいというか面白かったですw お二人とも当時活躍されてたら『太陽~』にレギュラーかセミレギュラーで出そうな役者さんだし。

それはともかく番組は3部構成になっており、それぞれ違った視点から『太陽~』の制作現場を振り返り、刑事ドラマのジャンルだけでなくTVドラマ全体に多大な影響を与えたエポック作の誕生=分岐点を検証するといった趣。単なる懐古番組とは違います。

☆視点1/衝突がドラマにもたらした革命。

まず登場されたのは勿論、生みの親である日本テレビの元プロデューサー=岡田晋吉さん。各メディアでさんざん『太陽~』を語られ、もう語り尽くしておられますから我々ディープなファンは既に耳タコなんだけどw、DVDの映像特典などと違って今回は『太陽~』のことを全く知らない視聴者も対象になりますから、基礎中の基礎知識として岡田さんのお話は欠かせません。とにかくお元気そうで何よりです。

しかしさすがはNHK、それだけじゃ終わりませんでした。顔出しのインタビューには過去ほとんど出られなかった東宝側のプロデューサー=梅浦洋一さんがご登場!というサプライズも用意されてました。

その梅浦さんの証言により、新米刑事役は当初ジュリーこと沢田研二さんが想定されてたことが判明。所属事務所の渡辺プロに打診したもののジュリーは忙し過ぎて主役は無理ってことで、当時ヒマしてたショーケンさんを推されたんだとか。岡田&梅浦 両プロデューサーが映画『約束』を観てショーケンさんの演技に衝撃を受けたのは、その後のことだったみたいです。

かくして「何をしでかすか分からない、劇薬のような男」がキャスティングされ、彼の提言(ていうかワガママw)の数々により『太陽にほえろ!』が画期的に新しい刑事ドラマとなり、一大センセーションを巻き起こす事になったいきさつは、このブログでも繰り返し書いてきた通り。

ただ、我々マニアにとっては耳タコの話でも、それ以外の視聴者にはサプライズの連続でめちゃくちゃ面白かった事と思います。誰よりNHKのスタッフさん達が一番楽しまれたのでは?w 現在のテレビ業界じゃまずあり得ないエピソードばかりでしょうから。

とにかく、ショーケンさんの存在はあまりに大きかった。ゴリさん=竜雷太さんが試写室でマカロニ殉職編を鑑賞しながら「もういねえんだもんな、ショーケンもな……」と呟き、涙を流される場面にはグッと来ました。

「あれ、普通の人がやったら芝居でやりますよ。あれ芝居じゃないんだ、モノホンなんだから」

そう、そこが凡百の俳優たちとショーケンさんとの決定的な違い。演技力という物差しでは計れない何かがある。

仮に沢田研二さんが新米刑事を演じても面白くはなっただろうし、たぶん視聴率はもっと稼げたと思うけど、終了から30年以上も経つのにこうしてNHKで特集されるようなレジェンド番組にはならなかったような気がします。

そして、ショーケンさんのワガママがもたらした数々の革命の中でも特筆すべきが、大野克夫さん=ロックバンドの起用。

ここで日テレの音楽プロデューサーだった飯田則子さんがご登場、それが当時いかに斬新だったかを語って下さいました。

それまでの常識だったスタジオミュージシャンたちの演奏によるBGMと、ロックバンドの演奏によるBGMとは感覚的なものがまるで違う。

「バンドの音のほうが、上手じゃなくても何かがある」

それは私みたいな素人でもよく解ります。当時『太陽にほえろ!』のサントラ盤はポリドール社と東宝レコード社が競作してて、東宝バージョンは(版権の問題で)スタジオミュージシャンたちによるカヴァー曲が中心なんだけど、なんか軽いというか平坦というか、井上堯之バンドによるオリジナル(ポリドール版)とは明らかに迫ってくるものが違ってました。バンド演奏ならではのライブ感、荒削りゆえの迫力がまた画期的だったワケです。

「TVドラマで聴いたことのない音が出てきた。これが一番じゃないですか?」

若者たちの音楽嗜好に初めてドンピシャにハマった、当時最もポップなTVドラマが『太陽にほえろ!』だったワケです。

☆視点2/脇役から主役になった若手俳優。

第2の視点は、意外にも殿下=小野寺昭さんでした。プロレス番組の打ち切りにより急きょ企画された『太陽にほえろ!』のキャスティングは、主役のショーケンさんとボス=石原裕次郎さん以外は急ごしらえの言わば寄せ集め。特に長さん=下川辰平さんと小野寺さんは当初、言っちゃ悪いけど人数合わせの脇役に過ぎなかった。

ところが番組が長期化するにつれ、レギュラーキャストが主役を交代で勤めないとスケジュールが回らなくなり、仕方なく殿下や長さんの主演エピソードも創られるようになり、気がつけば小野寺さんが女性人気を一手に担うほどのスターになっちゃったという顛末。殿下のブレイクがこんなネガティブな切り口で語られたのもまた新鮮で、だから小野寺さんなんだと納得しました。

そして『太陽~』がデビュー作だった当時の新人俳優を代表して登場されたのが、テキサス=勝野洋さん。まぁテキサス絡みのエピソードは聞き飽きたものばかりで、特に書くことはありませんw

☆視点3/憧れを超えようとした脚本家。

さて、一番驚いたのがこの人、君塚良一さんのご登場でした。

専門誌に掲載された『太陽~』のシナリオ募集を見て応募され、採用されて第423話『心優しき戦士たち』という形になったものの、チーフライター=小川英さんの直しによって君塚さんが書かれた台詞は一言一句残ってなかった、というほろ苦い脚本家デビュー時のエピソードや、代表作『踊る大捜査線』の脚本作りは『太陽~』が定着させた刑事物のパターンを全て禁じ手にすることから始まったこと、なのに数字を稼ぐために「殉職」というカードだけは使わざるを得なかったこと等、全部すでに知ってた話ではあるんだけど、こうしてご本人の口から語られるお姿を見るのは初めてで、ちょっと感動しました。

『踊る~』ほど強く『太陽~』を意識して創られた作品は他にないワケで、『太陽~』以降に生まれた全ての刑事ドラマがその影響下にあることを、より具体的に語ってもらうのに君塚さん以上の適任者はいなかった事でしょう。

で、締め括りはやはりボス=石原裕次郎さんの最終回における伝説のアドリブ演技と、その回を演出された鈴木一平監督のインタビュー、そして「さよならパーティー」に寄せられた裕次郎さんのボイスレターの全編公開。

タイトル通り番組スタート時のエピソードに比重が置かれてるので、番組終了時のエピソードは駆け足にならざるを得ないんだけど、押さえるべき所はしっかり押さえ、例えば歴代の殉職シーンをダラダラ見せるような無駄は一切省いた、実にパーフェクトなドキュメンタリーだったと私は思います。

ちょっとだけ重箱の隅をつつかせてもらうと、七曲署メンバーの紹介がちょうど10周年までで区切られてしまい、ボギー=世良公則さんがまったく登場しなかったのは残念でした。マイコン=石原良純さんですら集合写真には写ってたのに!w

それと『太陽~』BGMが数多く使われ、小野寺さん登場時には「殿下のテーマ」が流れるなどツボをしっかり押さえてくれてるにも関わらず、いや、だからこそ、あの名曲中の名曲「ジーパン刑事のテーマ(青春のテーマ)」が使われなかったのは残念、というか勿体ない気がしました。

まぁ、そんな些末なことを気にするのは私みたいなビョーキ人間だけで、番組のクオリティーには何ら差し支えありません。ただただ「素晴らしい!」の一言です。

NHKさんが、よくぞここまで…… 没後30周年で裕次郎さんを大々的に特集したのもNHKさん、そして何年か前に『太陽~』キャストの同窓会を放映し、ショーケンさんまで引っ張り出してくれたのはTBSさんでした。

一方『太陽~』の生みの親である筈の日本テレビは中途半端な出来のリメイク版を中途半端な評判で終わらせて以降、自局の至宝を一切無視。『太陽~』のみならず『傷だらけの天使』や『前略おふくろ様』でも大貢献したショーケンさんの追悼番組すら作ろうとしない。

バカなんじゃないの? 優作さん風に言えば、バカかお前は! 今さら『太陽~』なんか取り上げてもメリットが無い? だったらNHKさんにはどんなメリットがあったっちゅーんじゃバカヤロウこの野郎!(乳首)

今回の番組が素晴らしかった分だけ、日テレの無頓着さにますます腹が立って来ちゃいました。民放は、もう駄目かも知んねえなぁ……

とはいえ、普通は30年以上も前に終わったテレビ番組を丸1時間かけて検証してくれるなんてあり得ないことで、『太陽にほえろ!』ファンは本当に恵まれてます。(『アナザーストーリーズ/運命の分岐点』放映リストをざっと見てみると、これまで日本のTVドラマで特集されたのは唯一『ウルトラセブン』だけみたいです)

ただただ、感謝あるのみです。
 
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『探偵!ナイトスクープWalker』

2018-12-27 00:00:06 | エンタメ全般
 
本屋さんでこんなムックを見つけて、即購入しました。『探偵!ナイトスクープ』から派生した本はいくつかあるけど、番組自体を1冊まるごと特集した本は意外にこれまで無かったと思います。

関西在住の方、あるいは住んだ事がある方で、この番組を全くご存知ないって方はおられないんじゃないでしょうか?

深夜番組では異例の高視聴率を稼ぎ、関西ローカル(ABCテレビ)から全国ネットに拡大されたものの、放映時刻があまりに遅かったりするもんで、関西人以外の方には馴染みが薄いかも知れません。観たことが無いと仰る方は、予約録画して是非とも一度、ご覧頂ければと思います。傑作選DVDもリリースされてます。

関西を中心に活躍する芸人さん達が探偵を務め、視聴者から寄せられる依頼に応えて、人探しや謎の解明を行うバラエティー番組で、司会(探偵局長)が上岡龍太郎さんから西田敏行さんに代わって、早いもので約17年が経ちました。

似たような番組はいくらでもあるかと思いますが、この『探偵!ナイトスクープ』は別格ですね。他の番組とは一線を画してます。

これ以外の民放バラエティーはほとんど観なくなっちゃったんで一概には言えないんだけど、少なくともゴールデンタイムの番組にナイトスクープの真似は、到底出来ないんじゃないかと私は思います。

なぜかと言うと、ナイトスクープって番組は、視聴者からの依頼内容を選ばないんですよね。いや、実際は無数に届く依頼の数々から厳選はするにせよ、そこに保険をかけるような選び方をしないと言いましょうか……

普通の番組なら、採用して面白くなる(笑えたり泣けたりする)見込みの無いネタは、まず排除しちゃうと思います。あるいは、面白くなるようスタッフ側でネタを膨らませたり、仕込み(ヤラセ)を入れたりなんかして、無理にでも面白くしようとする。

それがナイトスクープの場合、面白くなる見込みが無くても「とにかくやってみよう」っていう姿勢を、ずっと貫いてる。たぶんナイトスクープの採用基準は、依頼者がどれくらい本気で、心底からその依頼を求めてるか?って事だけじゃないかと思います。

だから、依頼者の本気さ、真剣さが伝わって来る依頼ならば、たとえ面白くなる見込みが無くても、どんなにバカバカしいネタでも、とにかくやってみる。

その結果、ホントにスカスカな結果に終わっちゃう事もあるんだけど、構わずそのまま放送しちゃう。毎週3つの依頼を引き受けるんだけど、3つともスカスカで「何だったんだ今週は!?」ってなっちゃう事も、決して珍しくないw

なのに、それで視聴者が離れていく事にはならないんです。なぜなら、100%予定調和を排した番組ゆえに、全く想定外の奇跡、思いもよらない感動が、不意打ちで起こったりする事もしょっちゅうあるから。それを目撃した時の快感がクセになっちゃうワケです。

何しろ不意を突かれますから、爆笑させられるし号泣させられるし、この番組でなければ味わえない感動があるんです。最初から着地点を想定してる番組だと、味わえる感動も想定内に収まっちゃう。

ナイトスクープって番組の凄さは、着地点が見えないまま離陸しちゃう無謀さ、懐の深さにあるんじゃないかと私は思います。これを真似出来る創り手はなかなかいないでしょう。

近年で特に印象に残った回を挙げれば、女性と交際した経験が全くない30代の男性Aさん(もちろん童貞)が、一生に一度でいいからデートがしたい!ってな依頼を寄せた回。

そこまでなら想定内だけど、話には続きがあるんです。ここからが凄い。とにかく女性に対して自信が持てないAさんは、デートしてもらえるなら相手が男性でも構わない!と仰るワケですw(ナイトスクープ探偵局には、男性の探偵しかいません)

私自身、女性と初めて交際したのは平均よりかなり遅かったですから、女性との縁を諦めてた時期もありました。だから、この依頼の途中までは大いに共感出来ます。

だけど、一生に一度のデートの相手が、男でも構わないって? そこから唐突に理解の範疇を超えちゃってます。Aさんは別に、ゲイってワケでもないんです。

これは一体、どういう事なのか? 女性との交際を諦めた男が男とデートする事に、果たして何の意味があるのか?

全く着地点が不明な依頼で、とんでもなく寒いVTRに仕上がる危険性も孕んでおりw、普通の番組ならまず取り上げないでしょう。だけどナイトスクープはやっちゃうワケです。

派遣された探偵はカンニング竹山さん。まずAさんの気持ちが本物なのかどうか探り、具体的にどうしたいのかを尋ねていく。Aさんは、デート出来るなら相手が男でも構わない、むしろ男がいい!竹山さんがいい!ってw、熱く語っておられました。

頭髪が薄いだけでルックスは普通(むしろ整ってる位)なんだけど、その語り口調で女性が引いちゃうのは、まぁ何となく解りますw

なんで相手が男でもOKなのかは、いくら話を聞いてもやっぱ解んないけど、Aさんがウケ狙いとかじゃなく真剣である事だけは伝わって来ました。

竹山さんもそう感じたのでしょう、Aさんの望む通りにデートし、手を繋ぎたいと言われれば手を繋ぎ、芸人としてのウケ狙いは一切なしで彼と向き合ってました。

そしてクライマックス。Aさんはキスがしたいと言い出しました。竹山さんは意味が解りませんw 解らないんだけど、Aさんのあまりの真剣さにほだされ、酒の力を借りながらだけど、熱く長い接吻を交わすのでした。

こうして文字で説明しても、読んでる皆さんには全く伝わってないかと思いますがw、私は感動しました。西田局長もスタジオの観客も、みんな感動してました。さすがに泣きはしなかったけど、理屈を超えた感動が、そのVTRにはありました。

竹山さんとキスして、感激のあまり泣きじゃくるAさんもワケ分かんないしw、断る事だって出来たのに、Aさんの願いに泣く泣く応えてあげてる竹山さんも、実にワケ分かんない。

だけど、とにかく2人とも真剣である事だけは伝わって来る。笑わせようとも泣かせようとも一切してない。Aさんは本気でキスがしたいし、竹山さんは彼の切実な願いを叶えてあげたい。純粋に、その想いだけで動いてる。

着地点、なし!w オチなんか要らないんです。どんな内容であれ、人の「想い」がダイレクトに伝わって来ると感動しちゃう。例えそれが理解し難い想いであっても。

……伝わってないですよねw 文章じゃとても表現出来ませんm(_ _)m とにかく、人間という生きものの奥深さたるや! まぁ、Aさんは自覚してないだけで、実は単なるゲイなのかも知れないけどw

とにかく、予定調和なし! 着地点なし! 『探偵!ナイトスクープ』の魅力は幾多あれど、私がこの番組に惹かれる最大の理由はそこにあります。

それと、マイノリティな一般人を決してバカにせず、たとえ理解出来なくとも同じ目線で向き合い、その望みを叶えるために全力を尽くす姿勢。主役はあくまで依頼者なんだっていう徹底したポリシー。

その点は、私が最近新たにハマったバラエティー番組『激レアさんを連れてきた。』(同じテレビ朝日系列の月曜深夜枠で放映中)も同じです。

激レアな体験をした人、激レアな人生を送ってる人を徹底分析する番組で、主役はあくまで「激レアさん」つまりは一般人。ゲストの有名人は感想を述べるだけの脇役に徹し、主役に対して(ツッコミは入れても)上から目線で意見や指図をするようなことは絶対しない。そこが心地好いんですね。

そんな『激レアさん~』にも多大な影響を与えたであろう『ナイトスクープ』の魅力、その面白さは、こうして文字にしたところで到底伝わるもんじゃありません。

でも、この番組がなぜこんなに面白いのか、なぜ他の番組では味わえない感動を与えてくれるのか、そのヒントが『探偵!ナイトスクープWalker』というムックに記されてるのは確かです。ファンなら必須のアイテムかと思います。

☆追記(訂正)
この本を読むと「面白くなる見込みが無い依頼でも採用する」だとか「着地点が見えなくてもやってみる」なんてことは、テレビ番組として有り得ないみたいですねw

どうすれば面白くなるか徹底的にシミュレーションし、幾通りもの着地点を想定し、入念に準備する。行き当たりばったりでロケしてるように見えて、実は他の番組よりもずっと緻密な計算により成り立ってるのが『探偵!ナイトスクープ』という番組。

だからこそですよね。それでも想定通りにいかないから面白いし、感動が生まれるんだろうと思います。
 
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